子宮頸がんの治療法の決定

子宮頸がんの治療法には、手術、放射線療法、薬物療法(化学療法)があり、それぞれ単独、あるいは組み合わせて行われます。治療法は、がんの進行期、年齢、全身状態、将来の妊娠希望の有無などを考慮して決められます。子宮頸がんは発がんの過程が明確で、がん検診によりがん化する前の異形成(前がん病変)の段階での発見が可能です。

10年の追跡調査によると異形成のがんへの進展リスクは軽度異形成で約3%、中等度異形成で約10%、高度異形成で約21%です。軽度、中等度異形成の場合は治療をせずに定期的に経過観察し、高度異形成では治療を始めるケースが多くなります。

初期なら手術のみで子宮温存も可能

子宮頸がんでは、がんが上皮細胞内にとどまっている上皮内がん(0期)、および子宮頸部にとどまっているもののミリ単位で間質へ浸潤している微小浸潤がん(ⅠA期)までが初期がんと呼ばれます。高度異形成を含め、ほとんどの上皮内がんは子宮を温存する子宮頸部円錐切除術により治癒します。がんが上皮細胞を越えて広がるⅠA期は原則として子宮摘出が必要です。

ⅠA1期では子宮だけを摘出する単純子宮全摘出術、ⅠA2期ではそれより少し広めに切除する準広汎子宮全摘出術+骨盤リンパ節郭清(切除)以上の手術が推奨されています。しかし、ⅠA期は妊娠希望が強い若年者の患者さんが多いため、ⅠA1期では子宮頸部円錐切除術が第1選択で、ⅠA2期では条件を満たす場合にこの手術が考慮されることがあります。

進行がんでは治療を組み合わせる

がんが子宮頸部の間質に浸潤しているⅠB期、子宮頸部を越えているが腟壁の下1/3、または骨盤壁に達していないⅡ期までは子宮とともに周囲の組織や卵巣、腟の一部、リンパ節などを摘出する広汎子宮全摘出術が推奨されます。術後の再発リスクが高い場合や手術を行わない場合は放射線療法や同時化学放射線療法が行われます。がんが腟壁の下1/3、または骨盤壁に達するⅢ期以上では一般に手術は行わず、同時化学放射線療法や放射線療法単独で治療します。遠隔転移のあるⅣB期は原則として、薬物療法を行います。

なお、腺がんは扁平上皮がんに比べてリンパ節転移が多く、放射線療法や薬物療法が効きにくい、卵巣転移などが高頻度で起こるという特徴があります。治療法は現時点では扁平上皮がんと同様ですが、ⅠA期までで子宮を残す治療を選択した場合は、がん残存の可能性があり、より厳密な管理が行われます。

本コンテンツは認定NPO法人キャンサーネットジャパンが出版する「もっと知ってほしい子宮頸がんのこと」より抜粋・転記しております。