脳腫瘍とは

脳腫瘍とは「大脳」、「間脳」、「中脳」、「橋」、「延髄」、「小脳」に分けられた脳の領域にできる腫瘍の総称で、脳や周りの組織から腫瘍が発生する原発性脳腫瘍と、他の臓器から腫瘍細胞が転移して発生する転移性脳腫瘍があります。

脳腫瘍の詳細・症状について ▼

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脳腫瘍とは

脳は身体の約98%の神経組織からなり、思考、感情、感覚、運動機能、消化機能などあらゆる機能をつかさどっています。まず、脳の部位は大きく分けて大脳、間脳、中脳、橋、延髄、小脳の6つの領域があります。

腫瘍ができる場所によって、呼び方が異なりその種類はとても多いです。細かく分けると130種類以上の脳腫瘍があります。発生頻度が高いのは脳神経細胞に発生する神経膠腫、脳を保護する髄膜に発生する髄膜腫、下垂体に発生する下垂体線種、神経を覆うシュワン細胞から発生する神経鞘腫です。

脳腫瘍の原因

脳腫瘍は種類も多く、特定のひとつの原因があるわけではありませんが、遺伝子の変化や、時に生活習慣が脳腫瘍の発生・進行に関わっていると考えられています。

転移性脳腫瘍の場合は他臓器のがんが原因ですが、転移が多い順に肺がん、乳がん、胃がんとなっており、他にも大腸がんや子宮がんが原因となることがあります。転移性脳腫瘍は脳の様々な部位に発生し、多発性に脳腫瘍が発生することが多いのが特徴です。

脳腫瘍の症状

脳腫瘍は腫瘍ができる場所により症状の発現が異なりますが、腫瘍の成長によって腫瘍以外の脳の組織が圧迫されて起こる頭蓋内圧亢進が原因で症状が発生することが多いです。頭蓋内圧亢進症状では頭痛や吐き気・嘔吐、うっ血乳頭(視神経に浮腫ができて視力障害を引き起こす)があります。

その他には全身が硬直するひきつけ、相手の言葉が理解できなくなる、耳の聴こえが悪くなる、耳鳴りがする、手足が動かなくなったりしびれたりするといった症状があります。

脳腫瘍の疫学・統計・5年生存率

脳腫瘍は年間に約20,000人が発症し、人口1万人あたり1.5人が発症します。脳腫瘍の種類別発生頻度では髄膜腫27.1%、神経膠腫26.6%、下垂体線種18.2%、神経鞘腫10.5%、頭蓋咽頭腫や悪性リンパ腫などが12.6%となっています。

脳腫瘍には悪性腫瘍と良性腫瘍があります。良性腫瘍には髄膜腫、下垂体線種、神経鞘腫がありますが、手術をして腫瘍を摘出することで根治することが可能な場合が多いです。悪性腫瘍で代表的なのは神経膠腫です。

脳腫瘍は悪性度別に4つのグレードで分類されており、悪性度が低いものがグレードⅠ、悪性度が最も高いものがグレードⅣと決められており、神経膠腫のうち最も悪性度が高いものを膠芽腫と呼びます。

脳腫瘍の5年生存率は、良性腫瘍の場合は約98%です。悪性腫瘍の場合は、腫瘍の種類で異なります。グレードⅡの髄膜腫の5年生存率は約91%ですが、グレードⅢになると約87%に下がります。

神経膠腫に分類される星状細胞腫(グレードⅠ、Ⅱ)の5年生存率は75%~92%、乏突起膠腫(グレードⅡ、Ⅲ)は68%~90%となっています。悪性度が高いグレードⅢの神経膠腫では41%~68%、悪性度が最も高いグレードⅣの膠芽腫は約10%となっています。

参照元
国立研究開発法人国立がん研究センター 希少がんセンター
東京医科大学 脳神経外科 疾患解説 脳腫瘍総論

脳腫瘍の疾患情報

脳腫瘍の検査と診断と種類

脳腫瘍の検査はCTやMRIを使って主に行われます。また、PETを使って検査することもあります。脳腫瘍の診断はCTなどを用いた画像診断と実際の腫瘍組織を顕微鏡で確認する病理診断があります。画像診断で脳腫瘍の種類などを特定しますが、最終的には病理診断をしなければ脳腫瘍の分類を確定できないのです。そのため手術の時に組織を採取して手術中に病理診断が行われることもしばしばあります。

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脳腫瘍の再発・転移

脳腫瘍は手術で全ての腫瘍を摘出できなかった場合、再発する可能性があります。また良性腫瘍の場合でも再発した時に悪性になっていることもあります。脳の外側にできている腫瘍は全て摘出することが可能ですが、脳の中にできている悪性腫瘍は周囲の組織に広がってしまうため全て摘出することが難しいのです。

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神経膠腫(グリオーマ)とは

神経膠腫(グリオーマ)とは脳の細胞である神経膠細胞(グリア細胞)に似ている性質を持った腫瘍を総称していいます。神経膠細胞は神経細胞(ニューロン)とともに脳を構成している神経細胞ですが、約9割が神経膠細胞で構成されています。神経膠細胞はニューロンとニューロンの間を埋めて立体構造をつくる役割や栄養補給を行う役割があり、脳の情報伝達が滞りなくできるようにしています。神経膠細胞には3つの種類があります。

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神経膠腫(グリオーマ)の標準治療

神経膠腫の標準治療は手術療法、化学療法、放射線療法の3つを併用した、集学的治療が行われます。脳腫瘍で良性腫瘍の場合は腫瘍と正常な脳の組織との境目がわかるため腫瘍を完全に摘出することが可能です。しかし神経膠腫はその境目を見極めるのが困難なため、取り切れなかった腫瘍を小さくしたり、腫瘍の成長を遅くしたりするために化学療法や放射線療法を取り入れています。

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神経膠腫(グリオーマ)の化学療法と副作用

グレードⅢやⅣの神経膠腫に対して化学療法を行いますが、神経膠腫で選択されることが多い抗がん剤は「アルキル化薬」です。アルキル化薬の特徴は細胞のDNAと結び付くことです。DNAは4種類のアミノ酸が結合してつくられており、これを塩基といいます。DNAは2本の塩基が螺旋様に結びついています。人の細胞が細胞分裂をする時には、螺旋様に結びついたDNAがほどけるのです。

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神経膠腫(グリオーマ)の手術療法

神経膠腫は腫瘍をできる限り摘出することで予後が良くなるので、どのグレードであっても手術療法が選択されます。通常、開頭術が行われ、手術時間が5時間以上に及ぶ場合もあります。術後は合併症など問題がないと10日~2週間で退院が可能ですが、放射線療法や化学療法を併用する場合は治療が続きます。

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神経膠腫(グリオーマ)の放射線療法

神経膠腫の放射線療法は腫瘍のグレードに関わらず、初めて腫瘍ができた時に選択される治療方法です。神経膠腫の放射線療法は、治療の適応、腫瘍への放射線量や照射範囲が症例によらず、一定の基準で定めている医療施設が多くあります。それは神経膠腫への放射線の照射を行っても感度が低いためです。

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