III期大腸がん高齢者患者に対するオキサリプラチンベースの術後化学療法、有効性が示唆されるJournal of Clinical Oncologyより


  • [公開日]2024.04.22
  • [最終更新日]2024.04.16
この記事の3つのポイント
・III期大腸がん高齢者患者を対象としたプール解析
オキサリプラチンベースの術後化学療法有効性を検証
・全身状態良好な高齢患者に対する有効性を示す

2024年03月28日、医学誌『 Journal of Clinical Oncology』にて、III期大腸がん患者に対するオキサリプラチンベースの術後化学療法を3ヶ月投与、6ヶ月投与する投与期間の違いによる有効性、安全性を検証したACCENT試験、IDEA試験のプール解析の結果がParis-Cité UniversityのClaire Gallois氏らにより公表された。

ACCENTまたはIDEAのデータベースから抽出した試験の結果を使用し、オキサリプラチンベースの術後化学療法を3ヶ月または6ヶ月投与したIII期大腸がんを対象に、年齢の予後への影響、および年齢に応じた治療アドヒアランス/毒性パターンを解析。評価項目として再発までの期間(TTR)、無増悪生存期間DFS)、全生存期間OS)、再発後の生存期間(survival after recurrence: SAR)、癌特異的生存期間(cancer specific survival:CSS)等を検証した。本解析の対象症例数は17,909人であり、そのうち4,340人(24%)の患者が70歳以上である。

本解析の結果、TTRの中央値は70歳未満の患者、70歳以上の患者で統計学的有意な差は確認されなかった。一方、DFS、OS、SAR、CSSは、70歳未満の患者に比べて70歳以上の患者において統計学的有意に短期間であった。

一方安全性に関しては、グレード3以上の有害事象(AE)発症率は、下痢が70歳以上の患者群の14.2%に対して70歳未満の患者群で11.2%、好中球減少症が70歳以上の患者群の12.1%に対して70歳未満の患者群で9.6%、と両群間で差が確認された(P=0.04)。下痢、好中球減少症以外のグレード3以上のAE発症率は両群間で同等であった。

以上のプール解析の結果よりClaire Gallois氏らは「臨床試験に参加可能な全身状態の良いIII期大腸がんを有する70歳以上の患者では、オキサリプラチンベースの術後化学療法の忍容性が高く、70歳未満の患者と同等のTTRであったことから、同様の有効性が示唆されました。また評価項目はTTRがより適切である可能性があります」と結論を述べた。

参照元:
Oxaliplatin-Based Adjuvant Chemotherapy in Older Patients With Stage III Colon Cancer: An ACCENT/IDEA Pooled Analysis of 12 Trials(Journal of Clinical Oncology 2024. doi:10.1200/JCO.23.01326)

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