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DNAミスマッチ修復機能欠損を有するIII期大腸がんの術後療法としてのテセントリク+化学療法、無病生存期間を有意に延長 ASCO 2025

[公開日] 2025.06.09[最終更新日] 2025.06.09

2025年5月30日-6月3日、米国シカゴで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO)にて、DNAミスマッチ修復機能欠損(dMMR)を有するIII期大腸がんの術後療法としての抗PD-L1抗体テセントリク(一般名:アテゾリズマブ)+標準化学療法mFOLFOX6(5-フルオロウラシル、ロイコボリン、オキサリプラチン)の有効性・安全性を検証した多施設共同ランダム化第3相ATOMIC試験(NCT02912559)の結果が発表された。

試験デザイン

対象

術後(R0切除後)のdMMRを有するIII期大腸がん

治療法(レジメン)

試験群:12サイクル(6カ月)のテセントリク+mFOLFOX6後の13サイクル(約6カ月)のテセントリク単剤(n=355) 対照群:12サイクル(6カ月)のmFOLFOX6(n=357)

評価項目

主要評価項目 無病生存期間(DFS) 副次評価項目 全生存期間(OS)、安全性など

結果

有効性

追跡期間中央値37.2ヶ月において、3年DFS率は試験群で86.4%(95%信頼区間:81.8-89.9)に対して対照群で76.6%(95%信頼区間:71.3-81.0)を示し、試験群で有意な改善が認められた(ハザード比:0.50、95%信頼区間:0.35-0.72、p<0.0001)。またこの改善効果は、年齢やリスクの程度によらずサブグループ間で一貫していた。 追跡期間中央値42.5ヶ月におけるOSは未成熟であった。

安全性

グレード3-4の治療関連有害事象(TRAE)が発現したのは、試験群が72.3%に対して対処群が59.2%であった。グレード5のTRAEの発生率は、試験群で0.6%に対して対照群で0.0%だった。

結論

術後療法としてのmFOLFOX6療法へのテセントリク上乗せは、DFSを有意に改善し、新たな標準療法となる可能性が示唆された。 なお同試験には日本は含まれていないが、類似試験として、化学療法の回避を検討した術前・術後の抗PD-1抗体ドスタルリマブ単剤療法の有効性・安全性を検討した第3相AZUR-2試験が進行中であり、こちらは日本も参加している試験である。 参照元: Randomized trial of standard chemotherapy alone or combined with atezolizumab as adjuvant therapy for patients with stage III deficient DNA mismatch repair (dMMR) colon cancer (Alliance A021502; ATOMIC).(ASCO 2025)
ニュース 大腸がん dMMRアテゾリズマブテセントリク

浅野理沙

東京大学薬学部→東京大学大学院薬学系研究科(修士)→京都大学大学院医学研究科(博士)→ポスドクを経て、製薬企業のメディカルに転職。2022年7月からオンコロに参加。医科学博士。オンコロジーをメインに、取材・コンテンツ作成を担当。

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