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切除可能な胃/食道胃接合部がんに対する術前・術後イミフィンジ+FLOT、無イベント生存期間を有意に改善 ASCO 2025

[公開日] 2025.06.10[最終更新日] 2025.06.11

2025年5月30日-6月3日、米国シカゴで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO)にて、切除可能な早期胃/食道胃接合部がんに対する術前・術後の抗PD-L1抗体イミフィンジ(一般名:デュルバルマブ)+FLOT(5-FU、ロイコボリン、オキサリプラチン、ドセタキセル)の有効性・安全性を検証した多施設共同二重盲検ランダム化第3相MATTERHORN試験(NCT04592913)の結果が発表された。

試験デザイン

対象

切除可能な未治療の胃/食道胃接合部がん

治療法(レジメン)

試験群:術前にイミフィンジ(4週1サイクルで1回)+FLOT(2週1サイクルで2回)→術後にイミフィンジ(4週1サイクルで1回)+FLOT(2週1サイクルで2回)→イミフィンジ(4週1サイクルで10回)(n=474) 対照群:術前にプラセボ(4週1サイクルで1回)+FLOT(2週1サイクルで2回)→術後にプラセボ(4週1サイクルで1回)+FLOT(2週1サイクルで2回)→プラセボ(4週1サイクルで10回)(n=474)

評価項目

主要評価項目 無イベント生存期間(EFS) 副次評価項目 全生存期間(OS)、病理学的完全奏効(pCR)率など

結果

有効性

既に試験群において、pCR率を有意に改善することが示されており、今回はEFSの詳細が発表された。 追跡期間の全体の中央値31.5ヶ月におけるEFSの中央値は、試験群で未到達(95%信頼区間:40.7-NR)に対して対照群で32.8カ月(95%信頼区間:27.9-NR)で、試験群によるEFSの統計的有意な改善が認められた(ハザード比:0.71、95%信頼区間: 0.58-0.86、p<0.001)。また、18ヶ月時点でのEFS率はそれぞれ73%と64%、24ヶ月時点でのEFS率はそれぞれ67%と59%であった。 OSに関しては未成熟であったが、追跡期間の全体の中央値34.6ヶ月におけるOSの中央値は、試験群で未到達(95%信頼区間:NR-NR)、対照群で47.2ヶ月(95%信頼区間:45.1-NR)で、試験群で改善傾向が認められた(ハザード比:0.78、95%信頼区間:0.62-0.97、P=0.025)。OSは今後も継続して解析される予定だ。

安全性

安全性解析では、両群で新たな懸念は認められなかった。グレード3/4の有害事象(AE)は、試験群で72%に対して対照群で71%、重篤なAEはそれぞれ48%と44%、死亡に至ったAEはそれぞれ5%と4%に発生し、両群ともに同程度であった。

結論

切除可能な胃/食道胃接合部がんの術前・術後のFLOT療法に対するイミフィンジの追加は、EFSを有意に改善し、周術期における免疫チェックポイント阻害剤の可能性を示唆するものである。 なお同試験結果は、学会発表と同時に、海外雑誌「The New England Journal of Medicine」に掲載された。 参照元: Event-free survival (EFS) in MATTERHORN: A randomized, phase 3 study of durvalumab plus 5-fluorouracil, leucovorin, oxaliplatin and docetaxel chemotherapy (FLOT) in resectable gastric/gastroesophageal junction cancer (GC/GEJC).(ASCO 2025)
ニュース 胃がん イミフィンジデュルバルマブ食道胃接合部がん

浅野理沙

東京大学薬学部→東京大学大学院薬学系研究科(修士)→京都大学大学院医学研究科(博士)→ポスドクを経て、製薬企業のメディカルに転職。2022年7月からオンコロに参加。医科学博士。オンコロジーをメインに、取材・コンテンツ作成を担当。

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