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シスプラチン不適格の進行尿路上皮がんに対するオプジーボ+ヤーボイ、全生存期間の有意な延長を認めず ASCO 2025

[公開日] 2025.06.12[最終更新日] 2025.06.11

2025年5月30日-6月3日、米国シカゴで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO)にて、シスプラチン不適格の未治療の切除不能または転移性尿路上皮がんに対するオプジーボ(一般名:ニボルマブ)+ヤーボイ(一般名:イピリムマブ)の有効性・安全性を検証した第3相CheckMate-901試験(NCT03036098)の結果が発表された。

試験デザイン

対象

シスプラチン不適格の未治療の切除不能または転移性尿路上皮がん

治療法(レジメン)

試験群:3週間毎のオプジーボ1mg/kg+ヤーボイ3mg/kgを最大4サイクル→4週間毎のオプジーボ480mgを最大2年間(n=221) 対照群:3週間毎のゲムシタビン+カルボプラチンを最大6サイクル (n=224)

評価項目

主要評価項目 全生存期間(OS) 副次評価項目 (盲検下独立中央判定による)無増悪生存期間(PFS)など

結果

今回は、最低追跡期間58.3ヶ月における最終解析の結果が報告された。

有効性

主要評価項目であるOSの中央値は、試験群で19.1ヶ月に対して対照群で13.2ヶ月であり、統計的有意な差を示さなかった(ハザード比:0.79、95%信頼区間:0.61-1.01、p=0.0245)。またPFSの中央値は、試験群で5.3ヶ月に対して対照群で5.9ヶ月であり、有意差は認められなかった(ハザード比:0.90、95%信頼区間:0.72-1.12)。ただし、OSの曲線は12ヶ月以降で試験群優位に差が開く傾向が認められ、36ヶ月生存率は試験群で29.6%に対して対照群で19.3%を示した。 客観的奏効率(ORR)は、試験群で35.3%に対して対照群で38.8%であったが、完全奏効率は14.9%に対して8.9%、また奏効持続期間の中央値は、25.0ヶ月に対して7.4ヶ月を示した。特に試験群の一部の症例に関しては、治療中断後も奏効が長期間維持されていた。

安全性

全グレードの治療関連有害事象(TRAE)は、試験群で89.0%に対して対照群で92.9%に発生した。グレード3-4のTRAEは、47.2%に対して76.3%、またTRAEによる治療中止は、31.2%に対して14.2%に認められた。治療関連死は、試験群で7例に対して対照群で1例であった。

結論

今回の試験において、オプジーボ+ヤーボイ併用療法は、主要評価項目を達成しなかった一方で、一部の症例において長期効果の持続を認めることも明らかとなり、化学療法を必要としない治療法として期待される。 またシスプラチン不適格症例も含めて、パドセブ(一般名:エンホルツマブ ベドチン)+キイトルーダ併用療法が推奨されている実臨床において、オプジーボ+ヤーボイ併用療法を使うべき症例を正しく評価することが必要である。 参照元: Nivolumab plus ipilimumab (NIVO+IPI) vs gemcitabine-carboplatin (gem-carbo) chemotherapy for previously untreated unresectable or metastatic urothelial carcinoma (mUC): Final results for cisplatin-ineligible patients from the CheckMate 901 trial.(ASCO 2025)
ニュース イピリムマブオプジーボニボルマブヤーボイ尿路上皮がん

浅野理沙

東京大学薬学部→東京大学大学院薬学系研究科(修士)→京都大学大学院医学研究科(博士)→ポスドクを経て、製薬企業のメディカルに転職。2022年7月からオンコロに参加。医科学博士。オンコロジーをメインに、取材・コンテンツ作成を担当。

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