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HER2陽性進行乳がんに対するエンハーツ+パージェタ、無増悪生存期間を有意に改善 ASCO 2025

[公開日] 2025.06.13[最終更新日] 2025.06.13

2025年5月30日-6月3日、米国シカゴで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO)にて、HER2陽性の進行・転移性乳がんを対象とした初回治療としての抗HER2抗体薬物複合体エンハーツ(一般名:トラスツズマブ デルクステカン(T-DXd))+抗HER2抗体パージェタ(一般名:ペルツズマブ)の有効性・安全性を検証した国際共同二重盲検ランダム化第3相DESTINY-Breast09試験(NCT04784715)の結果が発表された。

試験デザイン

対象

HER2陽性進行・転移性乳がん

治療法(レジメン)

試験群:エンハーツ+パージェタ(n=383) 対照群:ハーセプチン+パージェタ+タキサン系抗がん剤(n=387)

評価項目

主要評価項目 (盲検下独立中央判定による)無増悪生存期間(PFS) 副次評価項目 全生存期間(OS)、(治験責任医師評価による)PFS、客観的奏効率(ORR)、奏効期間(DOR)など

結果

有効性

追跡期間中央値29.2ヶ月におけるPFSの中央値は、試験群で40.7ヶ月に対して対照群で26.9ヶ月(ハザード比:0.56、95%信頼区間:0.44-0.71、p<0.00001)であった。 またORRは、試験群で85.1%に対して対照群で78.6%、完全奏効が得られた症例は、試験群で15.1%に対して対照群で8.5%であった。DORの中央値は、試験群で39.2ヶ月に対して対照群で26.4ヶ月であった。 OSは今回の中間解析の時点では未成熟であった。

安全性

グレード3以上の有害事象(TEAE)は、試験群で63.5%に対して対照群で62.3%に発現した。間質性肺疾患/肺炎は、試験群で46例(12.1%)に対して対照群で4例(1.0%)に発生した。

結論

初回療法エンハーツ+パージェタ併用療法は、2012年のCLEOPATRA試験で確立された現在の標準治療であるハーセプチン+パージェタ+タキサン系抗がん剤と比較して、PFSの中央値を1年以上改善することが示され、標準治療が塗り替わる可能性を示唆している。 参照元: Trastuzumab deruxtecan (T-DXd) + pertuzumab (P) vs taxane + trastuzumab + pertuzumab (THP) for first-line (1L) treatment of patients (pts) with human epidermal growth factor receptor 2–positive (HER2+) advanced/metastatic breast cancer (a/mBC): Interim results from DESTINY-Breast09.(ASCO 2025)
ニュース 乳がん HER2エンハーツトラスツズマブ デルクステカン

浅野理沙

東京大学薬学部→東京大学大学院薬学系研究科(修士)→京都大学大学院医学研究科(博士)→ポスドクを経て、製薬企業のメディカルに転職。2022年7月からオンコロに参加。医科学博士。オンコロジーをメインに、取材・コンテンツ作成を担当。

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