化学放射線療法を受けた肺がんの過去症例を検索できる医療情報システム開発:治療計画のサポートに期待-アストラゼネカ・富士フィルム-


  • [公開日]2024.04.22
  • [最終更新日]2024.04.22

アストラゼネカ株式会社と富士フィルム株式会社は4月9日、切除不能なIII期非小細胞肺がん(NSCLC)に対する化学放射線療法の過去症例の検索、および放射線治療計画の表示が可能な医療情報システムを共同開発したことを発表した。

今回開発されたシステムは、両社が2021年より共同で開発を進めてきた医療情報システム。アストラゼネカ社が14の医療機関からCRTが適用されたNSCLC約1900症例の放射線治療計画の情報を収集し、富士フイルム社がその情報のデータベース化および検索機能の開発を行った。

同システムは、医師が患者のCT画像を入力し腫瘍の位置や検索条件を指定すると、データベースから腫瘍の中心の相対位置が近い過去症例を検索し、医師が参照したい症例の放射線治療計画の情報を表示することが可能だという。

切除不能なIII期NSCLCは、腫瘍の大きさやリンパ節転移の位置のパターンが多岐にわたること、また放射線による肺臓炎などの有害事象を回避する必要があることなど、多くの課題がある。同システムが、治療が難しい症例に対して医師が放射線治療計画を作成するサポートとなることが期待される。

なお同システムの検索機能は、3D画像解析システム「SYNAPSE VINCENT(シナプス ヴィンセント)」の新バージョン「SYNAPSE VINCENT Ver7.0」にオプション搭載され、富士フイルムのグループ会社である富士フイルムメディカル株式会社を通じて4月10日より提供が始まっている。

参照元:
アストラゼネカ株式会社 プレスリリース
富士フィルム株式会社 プレスリリース

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