• 検索
  • お問い合わせ
  • お知らせ
  • メニュー
  • がん種
  • 特集
  • 治験
  • リサーチ
  • イベント
  • 動画
  • 体験談
  • 患者会
  • 辞典
  • お役立ち

70歳以上の高リスクホルモン受容体陽性HER2陰性乳がんに対する内分泌療法への化学療法の追加、生存期間の改善を認めず Lancetより

[公開日] 2025.08.20[最終更新日] 2025.08.18

2025年8月2日、医学誌『Lancet』にて、70歳以上の高リスクホルモン受容体陽性HER2陰性乳がんに対する術後療法としての内分泌療法±化学療法の長期的な有効性を評価した第3相ASTER 70s試験(日本不参加)の追跡結果が報告された。

試験デザイン

対象

70歳以上の高リスクホルモン受容体陽性HER2陰性浸潤性/局所再発乳がんの術後症例

治療法(レジメン)

内分泌療法単独(n=548)、または内分泌療法+タキサン/アントラサイクリンベースの化学療法(n=541)

評価項目

主要評価項目:全生存期間(OS) 副次評価項目:Specific OS(がん特異的な死亡までの期間)、無病生存期間(DFS)など

結果

有効性

主要評価項目であるOSについて、4年OS率は化学療法併用群で90.5%(95%信頼区間:87.6-92.8)に対して、内分泌療法単独群で89.3%(95%信頼区間:86.2-91.6)、8年OS率は72.7%(95%信頼区間:67.8-77.0)に対して68.3%(95%信頼区間:63.3-72.7)であった。 全生存期間に統計学的に有意な差は認められなかった(ハザード比:0.83、95%信頼区間:0.63-1.11、p=0.2100)

安全性

グレード3以上の有害事象は、化学療法併用群では541例中183例(34%)に発生し、治療関連死が1例含まれた。 一方の内分泌療法単独群では、548例中52例(9%)に発生し、治療関連ではない死亡が1例含まれた 。

結論

70歳以上の高リスクホルモン受容体陽性HER2陰性乳がんにおいて、術後療法としての内分泌療法への化学療法の追加は、生存期間を改善せず、有害事象の増加と関連していた。これは、高齢者において、内分泌療法に化学療法を追加することに対するリスクとベネフィットに関する重要なデータである。 参照元: Adjuvant chemotherapy and hormonotherapy versus adjuvant hormonotherapy alone for women aged 70 years and older with high-risk breast cancer based on the genomic grade index (ASTER 70s): a randomised phase 3 trial(Lancet 2025 DOI:10.1016/S0140-6736(25)00832-3.)
ニュース 乳がん 高齢 ホルモン受容体

浅野理沙

東京大学薬学部→東京大学大学院薬学系研究科(修士)→京都大学大学院医学研究科(博士)→ポスドクを経て、製薬企業のメディカルに転職。2022年7月からオンコロに参加。医科学博士。オンコロジーをメインに、取材・コンテンツ作成を担当。

治験・臨床試験

一覧を見る

リサーチ・調査

一覧を見る

ニュース

一覧を見る

イベント

一覧を見る

動画

一覧を見る

体験談

一覧を見る

患者会

一覧を見る