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オプジーボなど抗PD-(L)1抗体薬の効果予測因子を同定:血漿中の可能性免疫因子がカギに

[公開日] 2024.04.10[最終更新日] 2024.04.10

近畿大学医学部内科学教室(腫瘍内科部門)主任教授の林秀敏先生、近畿大学病院がんセンター特任教授の中川和彦先生、京都大学大学院医学研究科がん免疫PDT研究講座特定教授の茶本健司先生、京都大学大学院医学研究科附属がん免疫総合研究センターセンター長・京都大学高等研究院特別教授の本庶佑先生らの研究グループは、シスメックス株式会社との共同研究により、非小細胞肺がんに対する抗PD-1抗体オプジーボ(一般名:ニボルマブ)の効果を、血液を使って予測できる可能性を報告した。 オプジーボをはじめとする抗PD-1抗体は、長期にわたる高い効果が期待できる薬剤である一方で、効果が得られる患者の割合は約10~20%と限定的である。そのため、抗PD-1抗体の効果をあらかじめ予測することが重要である、既に腫瘍組織を使った予測方法はあるものの、精度が十分ではないこと、リアルタイムに免疫状態を把握できないことなどの課題があり、血液を用いて患者の免疫状態を予測できるバイオマーカーが求められてきた。 京都大学大学院医学研究科附属がん免疫総合研究センターとシスメックス株式会社は、可溶性免疫因子を精密に測定する方法を共同で開発してきた背景がある。そこで今回同研究グループは、オプジーボのをはじめとする治療を受けた進行性非小細胞肺がん患者における治療前の血液を採取し、血球の遺伝子解析と、血漿中の可溶性免疫因子を測定した。その結果、血漿中の可溶性免疫因子、特にPD-L1とCTLA-4の濃度が、抗PD-(L)1抗体に対する奏効と関連していることが示された。 同成果により、可溶性免疫因子は、特に腫瘍組織のPD-L1が高発現している場合や腫瘍組織におけるCD8+ T細胞の浸潤レベルが高い場合のような免疫原性の高い患者さんにおいて、非小細胞肺がんにおける抗PD-(L)1抗体の効果をより効率的に予測できることが期待される。 なお、同研究結果は、4月2日2:00(日本時間)に、臨床医学雑誌「Journal of Clinical Investigation」にオンライン掲載された。 参照元:
Soluble immune checkpoint factors reflect exhaustion of antitumor immunity and response to PD-1 blockade(J Clin Invest . 2024 Apr 1;134(7):e168318. doi: 10.1172/JCI168318.)
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