食道がんの検査と診断


  • [公開日]2017.11.28
  • [最終更新日]2023.08.01

食道がんの検査

食道がんが疑われる場合には、まずがんの有無を確認後、治療方針などを決めるために、画像検査などによって進行度を調べます。

上部消化管造影検査(バリウム検査)

バリウムなどの造影剤を服用して、胃の形や病変を調べる検査です。病変の有無、大きさや深さ、場所などの診断が可能です。

上部消化管内視鏡検査

食道の粘膜を直接観察し、がんの有無や良性・悪性の判断、進行度などを推定する検査です。更に組織の一部を採取し、顕微鏡による病理検査をすることも可能です(生検)。
また、早期の食道がんは平坦で見逃されやすいため、色素で粘膜を染めたり、特殊な波長の光を当てたりすることで、画像に写るがんを際立たせることもできます。
上部消化管造影検査では見つかりにくい無症状の初期がんを発見しやすいというメリットを持ちます。

(超音波)内視鏡検査

口や鼻から入れた内視鏡によって直接食道の中を調べる検査です。内視鏡の先端に超音波装置を付けることで、がんの広がりやリンパ節転移の有無をより詳しく調べることができます。

画像検査(CT/MRI/PET検査)

CT検査ではX線を、MRI検査では強い磁場を使い、体の断面を画像化して調べる検査です。がんの広がりや、転移などの診断に使います。
いずれも造影剤を使うことで診断の感度が上がりますが、アレルギー反応を起こすこともあるため、注意が必要です。
また、放射性フッ素を付加したブドウ糖液を注射し、がん細胞に取り込まれるブドウ糖の分布を撮影することでがんの広がりを調べるPET検査を組み合わせることで、がんの周囲への広がりや遠隔への転移を検査することもあります。

腫瘍マーカー

食道がんの腫瘍マーカーとしては、扁平上皮がんではSCC(扁平上皮がん関連抗原)とCEA(がん胎児性抗原)、腺がんではCEAがあります。いずれもがんの診断の補助や治療の経過を見ることを目的に使います。
腫瘍マーカーだけではがんの確定や進行度の性格は判定はできないため、画像検査などを組み合わせて総合的に評価していきます。

食道がんの診断と病期分類

がんの病期は一般的に、T(原発巣の広がり、深達度)、N(食道の近くにある領域リンパ節に転移したがんの個数)、M(遠隔転移度合い)に基づくTNM分類に従って分類されます。
食道がんの病期分類には、手術前に評価する臨床的進行度分類と、手術検体を使った病理診断によって評価する病理学的進行度分類があります。前者は最初の治療方針の決定に、後者は実際のがんの広がりを調べるために使います。
下記に示したものは、食道がんの9割以上を占める扁平上皮がんの分類です。なお、食道胃接合部の腺がんの場合には、胃がんの病期分類に従って評価します。

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