肝臓がんとは

 ウイルス性肝疾患やアルコール性肝障害、脂肪肝など原因はさまざまですが、原因が何であれ、慢性肝炎、肝硬変などの慢性肝疾患により炎症が長期に続く中、肝細胞ががん化して発症します。

 肝臓は、体の右側にある体内で最も大きな臓器です。肝臓には、肝動脈から酸素を豊富に含んだ血液が、門脈から栄養素などを含んだ血液が大量に送り込まれてきます。肝臓は、栄養素を利用しやすいように合成・貯蔵するほか、体内に入ってきた有害物質を無害な物質に解毒・代謝します。その後、血液は、肝静脈を通じて大静脈から全身に送り出されます。また、肝臓は、食べ物の消化に必要な胆汁を合成し、胆管から十二指腸へ分泌しています。

 正常な肝臓であれば、肝臓の約7割を失っても、3~4か月でほぼ元の大きさに戻るほど再生能力に優れているため、肝障害がよほどひどくならなければ症状が現れません。そのため、肝臓病は無症状のまま進行していきます。

 肝臓がんには、肝臓に発生する原発性肝がんと、ほかのがんが肝臓に転移した転移性肝がんの2種類があります。前者の約9割が肝細胞がんで、一般的に肝臓がんというと原発性肝細胞がんのことを指します。わが国では、年間約3万5000人が新たに肝臓がんと診断を受け、そのほとんどは高齢者で、男女比は3対1と男性が多く、東日本より西日本に多いことが知られています。

 肝臓がんの原因としては、これまでB型、C型肝炎ウイルスの感染が圧倒的多数を占めていましたが、最近ではアルコール性肝炎、脂肪肝など肝炎ウイルス非感染例(非B・非C)も増えつつあります。原因にかかわらず、肝臓がんは、ウイルス性肝疾患、アルコール性肝障害や肥満脂肪肝などによる慢性肝疾患(慢性肝炎、肝硬変など)によって炎症が長期にわたって続くことで肝細胞の破壊・再生が繰り返され、遺伝子が傷ついて、がん化するために発症すると考えられています。

本コンテンツは認定NPO法人キャンサーネットジャパンが出版する「もっと知ってほしい肝臓がんのこと」より抜粋・転記しております。