腹水とは腹腔内に溜まっている水の事で健常人でも50ml前後の量が溜まっています。腹水の成分としては水だけでなくたんぱく質や電解質といった血管やリンパ管から浸み出した栄養分が含まれています。腹水はお腹の中で腸が動く時に潤滑油の働きをしています。腹水は腹膜から少しずつ出てきて、再び腹膜から吸収され、通常は一定の量を保っています。

肝臓がんの場合、肝機能が低下することで水分を保持し、血液を正常に循環させるための浸透圧を維持するアルブミンが減少する事が原因となり血液中の水分を一定に保ちにくくなっている場合が多いと言われています。また、腫瘍が大きくなり肝臓の門脈を圧迫し血中の水分の流れが妨げられることで、腹水の吸収が悪くなり大量にたまる原因と言われています。

腹水が溜まると『お腹の張り』『腹部圧迫による不快感』『息苦しさ』『食欲低下』などの症状が現れます。腹水を減らすために利尿剤やアルブミン製剤を使ったり、お腹に針を刺して腹水を抜く腹水穿刺(ふくすいせんし)などを行いますがどれも対症療法になります。肝臓がんで腹水が溜まる状態になると病気は進行している場合が多くなります。

作成:株式会社インテリム

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