EGFR変異陽性の進行非小細胞肺がんに対するアミバンタマブ+ラゼルチニブ、無増悪生存期間を有意に延長The New England Journal of Medicineより


  • [公開日]2024.07.04
  • [最終更新日]2024.07.02
この記事の3つのポイント
・EGFR変異陽性の進行非小細胞肺がんを対象とした第3相のMARIPOSA試験
・初回治療としてのアミバンタマブ+ラゼルチニブとタグリッソ単剤の有効性安全性を比較検討
・アミバンタマブ+ラゼルチニブ併用療法はタグリッソ単剤よりも無増悪生存期間を有意に延長

2024年6月26日、医学誌『The New England Journal of Medicine』にて、未治療のEGFRエクソン19欠失変異(ex19del)またはエクソン21 L858R変異陽性の進行非小細胞肺がんに対するEGFRおよびMETを標的とする完全ヒト型二重特異性抗体アミバンタマブ+第3世代EGFRチロシンキナーゼ阻害薬(EGFR-TKI)ラゼルチニブ併用療法の有効性、安全性を比較検証した第3相のMARIPOSA試験(NCT04487080)の結果がByoung C. Cho氏らにより公表された。

MARIPOSA試験は、未治療のEGFRエクソン19欠失変異またはエクソン21 L858R変異陽性の進行非小細胞肺がん患者(N=1074人)に対して、アミバンタマブ+ラゼルチニブ併用療法を実施する群(N=429人)、第三世代EGFR-TKIであるオシメルチニブ単剤療法をする群(N=429人)、ラゼルチニブ単剤を投与する群(N=216人)に2対1対1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目としてタグリッソ群に対するアミバンタマブ+ラゼルチニブ群の盲検下独立中央評価による無増悪生存期間(PFS)、副次的評価項目として全生存期間(OS)、全奏効率ORR)、奏効持続期間(DOR)、最初の治療開始から二次治療後の病勢進行または死亡までの期間(PFS2)を比較検証した第3相試験である。

主要評価項目であPFSの中央値は、アミバンタマブ+ラゼルチニブ併用群の23.7ヶ月に対してタグリッソ群で16.6ヶ月と、アミバンタマブ+ラゼルチニブ群で病勢進行または死亡のリスクを30%改善した(HR:0.70,95%信頼区間:0.58-0.85,P<0.001)。

副次評価項目であるORRは、アミバンタマブ+ラゼルチニブ群の86%(95%信頼区間:83%-89%)に対してタグリッソ群で85%(95%信頼区間:81%-88%)を示した。DORの中央値は、アミバンタマブ+ラゼルチニブ併用群の25.8ヶ月(95%信頼区間:20.1ヶ月-未到達)に対してタグリッソ単剤群で16.8ヶ月(95%信頼区間:14.8-18.5ヶ月)を示した。

OSは、タグリッソ単剤群に比べてアミバンタマブ+ラゼルチニブ群で死亡のリスクを20%改善した(HR:0.80,95%信頼区間:0.61-1.05)。

治療関連有害事象(TRAE)はEGFR阻害に関連したものが多く、またTRAEによる治療中止率は、アミバンタマブ+ラゼルチニブ群の10%に対してタグリッソ群で3%を示した。

以上のMARIPOSA試験の結果よりByoung C. Cho氏らは、「EGFR変異陽性の進行非小細胞肺がんに対する初回治療としてのアミバンタマブ+ラゼルチニブ併用療法は、タグリッソ単剤療法に比べて優れた有効性を示しました」と結論付けた。

参照元:
Amivantamab plus Lazertinib in Previously Untreated EGFR-Mutated Advanced NSCLC(The New England Journal of Medicine 2024. doi:10.1056/NEJMoa2403614)

×

この記事に利益相反はありません。

会員登録 ログイン