小細胞肺がんが局所再発・遠隔転移した場合

小細胞肺がんが局所再発した場合は、化学療法を行うことになります。初めて腫瘍が見つかった時の初回治療終了から再発までの期間が長いほど、再発した腫瘍に対する化学療法の効果があります。それだけ化学療法への感受性が高いと考えられるということです。

再発日が初回治療終了後90日を経過している場合は化学療法によって生存する期間が長くなることが分かっており、生存期間が初回治療終了から45日以降に再発した場合は化学療法を行うことが推奨されています。再発した時に選択される抗がん剤は、白金製剤のシスプラチン植物アルカロイドのエトポシドやイリノテカン塩酸塩です。

再発の早期発見のためには初回治療後にもきちんと定期的に検査を受けることが大切です。再発の検査にはCT、MRI、PETの画像を使った検査方法や腫瘍マーカーがあります。腫瘍マーカーとはがんがつくり出す物質のことで、その物質が少ないか多いかでがんの治療の評価をするものです。肺がんの場合は血液や胸水から検査します。

ただし、腫瘍マーカーはあくまでも目安に過ぎません。検査する施設によって基準値が異なり、肺がんの種類や肺がん以外の疾患や喫煙の程度によって検査値が基準値を外れることがあります。腫瘍マーカーで小細胞肺がんの再発が疑われた場合は画像検査によって詳しい検査をすることとなります。

小細胞肺がんは転移しやすいがんです。血液にがん細胞が流れて転移する血行性転移が多く、脳や骨に遠隔転移しやすくなっています。小細胞肺がんが遠隔転移している場合は、全身状態を評価しながら化学療法と放射線療法が行われます。

特に骨転移は疼痛が強く、病的骨折を起こしやすくもなります。疼痛の軽減と骨折予防のために放射線療法は有効です。疼痛が起きている転移巣に合計20Gyまたは30Gyを分割して照射します。線量が20Gyの場合は1回4Gyを5回、30Gyの場合は1回3Gyを10回に分けて照射します。放射線治療中や治療後は骨の表面を覆っている骨皮質が再生するまでは骨折に十分注意する必要があります。

疼痛の軽減や骨折予防のために行われる放射線療法は線量が少ないため、激しい副作用が出現することはさほどありませんが、たとえば脊椎転移に対して照射する場合は、咽頭炎、食道炎、腸炎が副作用として生じる可能性があります。また化学療法と併用している場合は化学療法の副作用が増強することがあります。

脳転移には手術療法と放射線療法の2つが選択肢にあります。放射線療法では脳全体に照射する全脳転移と転移巣に線量を集中させる定位手術的照射があります。全脳照射は脳転移への標準的な照射方法で、合計30Gyまたは37.5Gyを照射するのが一般的です。線量が30Gyの場合は1回3Gyを10回、37.5Gyの場合は1回2.5Gyを15回に分割して照射します。長期の延命が期待できる場合は線量を増やして長期の治療を行い、状態が悪い場合は線量を減らして治療することもあります。

定位手術的照射では転移している腫瘍の数が少なく、腫瘍の大きさが3cm以内の場合に適応となります。定位手術的照射は腫瘍に線量を集中させるため、その効果は高く腫瘍の消失が期待できるのです。腫瘍に線量を集中させるためには精度の高い照射を行うことが必要です。そのため頭部に局所麻酔をしてピンで固定した上で、画像で腫瘍の位置を判断し、誤差が1mm以内の精度が高い照射を行います。

以上のような治療を行いますが、再発や転移を起こしてしまうと、根治する望みはほとんどなくなってしまいますので、まず最初の段階で早期発見ができるように、定期的に健康診断や人間ドックを受けることが大切です。

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