エストロゲン受容体陽性の再発子宮内膜がんに対するベージニオ+レトロゾール併用療法、客観的奏効率30%を示すJournal of Clinical Oncologyより


  • [公開日]2022.10.11
  • [最終更新日]2022.10.07
この記事の3つのポイント
・エストロゲン受容体(ER)陽性の再発子宮内膜がん患者が対象の第2相試験
ベージニオ+レトロゾール併用療法有効性安全性を検証
・客観的奏効率は30%、6ヶ月無増悪生存率は55.6%を示した

9月29日、医学誌『Journal of Clinical Oncology』にてエストロゲン受容体(ER)陽性の再発子宮内膜がん(EC)患者に対するサイクリン依存性キナーゼ(CDK4/6)阻害薬であるベージニオ(一般名:アベマシクリブ、以下ベージニオ)+レトロゾール併用療法の有効性、安全性を検証した第2相試験の結果がDana-Farber Cancer InstituteのPanagiotis A. Konstantinopoulos氏らにより公表された。

本試験は、エストロゲン受容体(ER)陽性の再発子宮内膜がん(EC)患者(N=30人)に対してベージニオ+レトロゾール併用療法を投与し、主要評価項目として客観的奏効率(ORR)、6ヶ月無増悪生存率(PFS)を検証した第2相試験である。

本試験の結果、主要評価項目である客観的奏効率(ORR)は30%(95%信頼区間:14.7-49.4%)を示した。なお、奏効は腫瘍グレードホルモン療法前治療歴、ミスマッチ修復、プロゲステロン受容体ステータスに関係なく確認されている。

もう1つの主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)中央値は9.1ヶ月であり、6ヶ月無増悪生存率(PFS)は55.6%(95%信頼区間:35.1-72.0%)を示した。奏効持続期間(DOR)中央値は7.4ヶ月を示した。一方の安全性として、多くの患者で確認されたグレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)は好中球減少症20%、貧血17%であった。

以上の第2相試験の結果よりPanagiotis A. Konstantinopoulos氏らは「エストロゲン受容体(ER)陽性の再発子宮内膜がん(EC)患者に対するサイクリン依存性キナーゼ(CDK4/6)阻害薬ベージニオ+レトロゾール併用療法は、持続的で良好な抗腫瘍効果を示しました」と結論を述べている。

A Phase II, Two-Stage Study of Letrozole and Abemaciclib in Estrogen Receptor–Positive Recurrent Endometrial Cancer(J Clin Oncol. 2022 Sep 29;JCO2200628. doi: 10.1200/JCO.22.00628.)

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