BRAF V600E/K変異陽性III期悪性黒色腫に対する術後療法としてのタフィンラー+メキニスト、無再発生存期間を有意に改善The New England Journal of Medicineより


  • [公開日]2024.07.11
  • [最終更新日]2024.07.05
この記事の3つのポイント
BRAF V600E/K変異陽性III期悪性黒色腫を対象とした第3相COMBI-AD試験
・術後療法としてのBRAF阻害薬タフィンラー+MEK阻害薬メキニスト併用療法の有効性安全性を比較検討
・長期追跡後も主要評価項目である無再発生存期間の有意な延長を認める

2024年06月19日、医学誌『The New England Journal of Medicine』にて、BRAF V600E/K変異陽性III期悪性黒色腫に対する術後療法としてのBRAF阻害薬タフィンラー(一般名:ダブラフェニブ)+MEK阻害薬メキニスト(一般名:トラメチニブ)併用療法の有効性、安全性を比較検証した第3相のCOMBI-AD試験(NCT01682083)の長期追跡後の結果が、The University of Sydney and Royal North Shore HospitalのGeorgina V. Long氏らにより公表された。

COMBI-AD試験は、BRAF V600E/K変異陽性III期悪性黒色腫患者に対する術後療法として、1日2回タフィンラー150mg+1日1回メキニスト2mgを12ヶ月投与する群、もしくはプラセボを投与する群に1:1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として無再発生存期間(RFS)、副次評価項目として全生存期間OS)、無遠隔転移生存期間DMFS)、無再発生存期間(RFS)などを比較検証した無作為化二重盲検比較の第3相試験である。

今回の報告は、追跡期間中央値がタフィンラー+メキニスト併用群で8.33年、プラセボ群で6.87年時点のデータ。主要評価項目であるRFSは、プラセボ群に比べてタフィンラー+メキニスト併用群で有意な改善傾向を維持(HR:0.52,95%信頼区間:0.43-0.63)、またDMFSも同様に、タフィンラー+メキニスト併用群で改善傾向を示した(HR:0.56,95%信頼区間:0.44-0.71)。

OSに関しては、タフィンラー+メキニスト併用群で死亡のリスクを20%減少するも、統計学的有意な差は確認されなかった(HR:0.80,95%信頼区間:0.62-1.01,P=0.06)。BRAF V600E変異陽性792人における事前に指定されたサブグループ解析では、生存期間の改善が認められた(HR:0.75,95%信頼区間:0.58-0.96)。

一方の安全性として、本試験で新たに確認された有害事象(AE)はなく、既存の臨床試験で確認されている安全性プロファイルと同等であった。

以上のCOMBI-AD試験の長期追跡の結果よりGeorgina V. Long氏らは「BRAF V600E/K変異陽性III期悪性黒色腫に対する術後療法としてのタフィンラー+メキニストは、長期追跡後も、良好な無再発生存率および無遠隔転移生存率を示しました」と結論付けた。

参照元:
Final Results for Adjuvant Dabrafenib plus Trametinib in Stage III Melanoma(The New England Journal of Medicine 2024. doi:10.1056/NEJMoa2404139)

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