7月27日、アストラゼネカ株式会社は、第三世代EGFRチロシンキナーゼ阻害薬オシメルチニブ(商品名タグリッソ)がEGFR変異陽性非小細胞肺がんのファーストライン治療(一次治療、初回治療)において、現在の標準的な治療との比較で統計学的に有意かつ臨床的に有意義な無増悪生存期間の改善を示したと発表した。

タグリッソは、第3世代不可逆的EGFR阻害薬である。EGFR感受性変異およびEGFR T790M耐性変異の両方を阻害し、中枢神経系(CNS)転移に対する臨床活性を発揮するよう設計されている。タグリッソ(オシメルチニブ)40mg錠および80mg錠1日1回経口投与は、EGFR T790M変異陽性進行NSCLCの治療薬として米国、EU、日本、中国を含む50以上の国で承認されている。

現在の標準的な治療(ゲフィチニブ(商品名イレッサ)もしくはエルロチニブ(商品名タルセバ))との比較で、タグリッソが治療歴のない上皮成長因子受容体変異陽性(EGFRm)、局所進行あるいは進行転移非小細胞肺がん(NSCLC)患者さんを対象とする第3相臨床試験(FLAURA)において統計学的に有意かつ臨床的に有意義な無増悪生存期間(PFS)の改善を示したとのこと。タグリッソ、イレッサおよびタルセバの有効性、安全性および忍容性プロファイルは既存の知見と一貫していたとのこと。

FLAURA試験データの詳細解析は現在実施中であり、さらなる結果は今後の医学学会において発表される予定である。

現在、EGFR陽性非小細胞肺がんにはEGFRチロシンキナーゼ阻害薬が著しい効果を示す一方、薬剤耐性が問題点となる。タグリッソは耐性機構のうちT790M変異という二次変異を阻害するように設計されている薬剤であるが、T790M変異が検出されないとしようできない薬剤である。T790M変異を確認するためには、薬剤耐性後の腫瘍組織が必要であるが、何らかの理由により腫瘍組織が採取できない場合も使用できない。また、昨今、リキッドバイオプシーによるT790M変異検出も可能となったが、偽陰性等の問題が残る。そのため、(T790M変異に関係なく)初回治療からタグリッソを使用できる可能性がある今回の結果は患者への希望となりうる一方、その結果が、イレッサまたはタルセバ後にタグリッソを使用した場合の治療期間よりも短くなっては意味をなさない。

よって、今後の詳細結果が待たれる。

FLAURA試験について

FLAURA試験は、局所進行あるいは転移EGFR変異陽性NSCLC患者さんを対象とし、タグリッソ80mg1日1回投与の有効性および安全性をイレッサ(250mg 1日1回経口投与)あるいはタルセバ(150mg 1日1回経口投与))と比較検討した試験となる。本試験は、二重盲検無作為化試験30カ国の556例の患者さんを対象としている。(NCT02296125)

記事:可知 健太


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