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肝臓がん(肝細胞がん)の検査と診断・分類


  • [公開日]2014.03.01
  • [最終更新日]2022.10.03

肝臓がん(肝細胞がん)の検査

肝細胞がんの多くは無症状のまま進行するため、がん発症の危険因子を有する症例においては、定期的なサーベイランス(検査)が重要です。B型およびC型慢性肝炎、非ウイルス性の肝硬変症例は高危険群、B型およびC型肝硬変症例は超高危険群に分類されます。

診療ガイドラインでは、超高危険群の場合3-4か月毎、高危険群の場合6か月毎に、腹部超音波検査と腫瘍マーカー測定を併用し、さらに年齢や性別、糖尿病の有無、BMI値、飲酒量などの危険因子も考慮に入れ、その他の検査内容が決定されます。

①腫瘍マーカー検査

腫瘍マーカーには、AFPAFP-L3分画、PIVKA-IIの3つがあります。これらは特に初期の小さいがんに対しては感度があまり高くないため、2種類のマーカーを同時に測定することが推奨されています。

②腹部超音波(エコー)検査

腫瘍マーカーは、がんがあっても正常値を示すことがあるため、同時に超音波検査を行います。臓器で反射した超音波の様子を画像化して観察する検査で、がんの大きさや個数、がんと血管の位置、がんの広がり、肝臓の形や状態、腹水の有無などを調べます。ただし、がんの位置や皮下脂肪の厚さによって検査が十分にできないケースもあります。

肝細胞がんの確定診断には、造影CT/MRIが使われますが、その際Dynamic Studyが重要です。Dynamic Studyとは、造影剤を急速静注し、経時的にCT撮影やMRI撮影を行うことで、肝臓の多血性病変の検出や、肝臓内外の血行動態を評価する方法です。肝細胞がんの悪性度が増すと、門脈血流が減少し、動脈血流は増加する傾向を示すため、腫瘍の血流を調べることが、肝細胞がんの診断に非常に有用とされています。

③造影CT

Ⅹ線を使ってからだの断面を画像化し、がんの性質や分布、転移の状態や他臓器への広がりを調べます。Dynamic CTでは、動脈優位な部位で濃く染まり、その他の門脈優位などの部位ではwash out(造影剤の流出)を示します。

④造影MRI

MRI検査は、強力な磁力と電波を使い、磁場を発生させて行われる検査で、体の内部の断面をさまざまな方向から画像にすることができます。MRI検査はX線を使わないため、放射線被ばくの心配がありません。CT同様にDynamic Studyで血流が評価されます。また、造影剤としてガドリニウムを含むGd-EOB-DTPAを使うことで、早期肝細胞がんにおける高い診断能が報告されています。

その他の検査法として、造影剤を静注して実施する造影超音波検査があります。CTやMRIと比較すると少し客観性が劣るとも言われていますが、腎機能が低下している症例などにも安全に使うことができます。

⑤肝機能検査

肝細胞がんにおいては、肝機能がどの程度維持されているかという情報が、治療選択をするうえでも必須です。現在日本で使われている評価基準は、「Child-Pugh(チャイルド・ピュー)分類」と「肝障害度」のふたつがあります。

現在「肝癌診療ガイドライン」では、Child-Pughの使用が主軸となっていますが、肝臓の切除手術を行う場合には、肝障害度を使うことが推奨されています。これは、肝障害度の評価項目に含まれる「ICG R15(%)=静脈にICG(インドシアニングリーン)を注射してから15分後に血中に残っているICGの割合」が、肝機能を直接反映した値であり、肝臓切除範囲の決定に有用だからです。

腫瘍マーカーの上昇や典型的な画像所見がある場合には、確定診断だけのために侵襲性の高い生検は必要ないとされています。ただし、画像診断と腫瘍マーカーだけでは判断がつかない場合、穿刺生検が必要なケースもあります。

肝臓がん(肝細胞がん)の診断と病期(ステージ)分類

がんの進行の程度は、「病期ステージ)」として分類され、進行度に応じてI期~IV期で表記します。肝臓がんの病期は、腫瘍の大きさ、個数、がんが肝臓内にとどまっているか、肝臓以外の臓器に転移があるか、によって決定されます。病期の分類は、日本の「臨床・病理 原発性肝癌取扱い規約(日本肝癌研究会編)」と、国際的に使われている「TNM悪性腫瘍の分類(UICC)」の二種類が主に使われています。

肝臓がんの治療選択の際には、病期と肝機能の両方を考慮することが必要です。

参考
がん情報サービス 肝臓がん

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