【PR】遺伝子変異が見つかり肺がんの治験に参加-がん治療の道しるべがん遺伝子パネル検査《体験談》納得いく医療のために Vol.1


  • [公開日]2022.09.13
  • [最終更新日]2022.11.11

提供:バイエル薬品株式会社

本シリーズは、がん遺伝子パネル検査CGP検査)が役立つ可能性のある人がこの検査を検討する際に参考にしてもらえることを目的に患者さんやご家族のCGP検査の体験談を紹介しています。
本号は肺がんが再発し、薬物治療の効果が薄れる中、早い段階でCGP検査にチャレンジした緒方みちこさん(仮名)の体験談です。

※CGP(Comprehensive Genomic Profiling:包括的がんゲノムプロファイリング)検査

Patient:緒方みちこさん
(仮名・40代)肺がん 主婦
<治療経過>
2017年 肺がん告知(ステージ1A3)、手術を実施
2019年 再発
2019年 薬物一次治療開始
2020年 薬物二次治療開始→2コースで中止
    CGP検査を実施
    薬物三次治療開始始→4コースで休薬
2021年 治験に参加

二次治療薬の選択を相談する中でCGP検査の説明を受ける

みちこさんは手術から1年半後、がんが再発し薬物治療を開始。一次治療の効果が薄れ始めた頃、二次治療薬の選択を相談する中で主治医からCGP検査の説明を受けた。

薬の効き目が悪くなり、腫瘍サイズも少しずつ大きくなってくると自分に使える薬があとどのくらい残されているのか不安が募ってきました。そのような頃、主治医から「標準治療が一通り終わるとがんの遺伝子を一度に広範囲に調べられるCGP検査が保険適用で受けられます」といった説明がありました。これから二次治療を行う段階で、すぐにCGP検査を実施するわけではなかったのですが、今後の治療のために再発したがんが初発がんと同じ組織型なのかを検討しなければならず、将来のCGP検査も視野に入れ、検体を採取しておくことになったのです。

検体は針生検で採取したものの、CGP検査で使うには検体組織が足りないかもしれないといわれ、手術を提示されました。しかし、それには抵抗があったので針生検による検体を利用してもらって検査が不能なら手術で再採取するという方向で話し合いました。結果的には手術をせずに済んだのですが、CGP検査の準備をするだけでも越えなければならないハードルがいろいろあることを感じました。このときに支払った費用(自己負担額)は、一泊二日の入院費と検体採取料で合計6万5000円でした。

CGP検査に備えつつ、みちこさんは二次治療に入ったが、重い副作用が出現し2コースで中止となった。その時点で使用できる薬剤は残り1種類となったので、主治医からCGP検査に検体を出すことを提案された。

CGP検査の同意を取る際に主治医から「遺伝子変異が見つかっても治療に結び付く可能性は低い」といった説明がありました。一方で、「若くしてがんを発症した人は遺伝子変異を疑うことが多く、あなたもその可能性があるかもしれない」ともいわれ、CGP検査を受けることを決めました。治療に結び付く可能性は低くても、この検査にすがりたいという気持ちのほうが勝ったのです。

患者も治療情報の一つとしてCGP検査の存在を知っておくことが大事だと思います。検体採取の準備をしていたとき、主治医から患者向けパンフレットが外来化学療法室に置いてあるからもらっておくようにいわれました。患者の目に触れやすい場所で、ほかの治療情報と同じようにCGP検査の情報も提供してもらえると主治医や看護師に相談することができるので、タイミングよく受けられる人が増えるのではないでしょうか。

半面、CGP検査の情報を入手できても、どのタイミングで検査を受けるのがよいのか自己判断するのは難しく、そもそも自分がCGP検査の対象になるのかどうかさえわからないので、主治医の勧めがなかったら、ここまで踏み込んで遺伝子変異を調べることはなかったかもしれません。

みちこさんは偶然にもCGP検査を実施するがんゲノム医療拠点病院で治療を受けていたが、それでも主治医のもとにCGP検査の結果報告書が届いたのは検体を提出してから約1か月後のことだった。

主治医は束になった報告書をめくりながら結果について話してくれました。がんの原因となる遺伝子変異が見つかったこと、対応する治療薬はあるが、国内では治験段階で、その治験は中止になっていること、さらに薬剤の副作用や治療費など一通りの説明を受けました。遺伝子変異が見つかって使える薬の選択肢が増えることを少なからず期待していたので、検査結果を聞いてほっとしました。遺伝子変異に対応する薬剤はすぐに使えないけれど、CGP検査を受けたことで”希望”が生まれ、治療に前向きになれました。CGP検査の費用は15万円かかり、高額療養費制度が適用されて自己負担額は9万3000円でしたが、気軽に受けられる値段ではなく、期待される結果を得られないことも多いので、検査を受けるときの一つのハードルになると感じました。

Check Point
CGP検査を活用するうえでみちこさんが行ったこと

Point1.二次治療の段階で将来のCGP検査に備えて検体を採取した。
Point2.外来化学療法室で入手した患者向け冊子でCGP検査の知識を深めた。
Point3.CGP検査で判明した遺伝子変異に対応する薬剤の治験情報を集めた。

遺伝子変異がわかったことで情報を集め次の一手となる治験にスムーズにつながる

みちこさんは、自分の遺伝子変異に対応する薬剤の治験再開を願いながら、残された1種類の薬剤を使い始めた。しかし、副作用がひどくなり、4コースで休薬に。

休薬から5か月が経ち、それまで抑えていた薬の効果が薄れてきて、次の治療を考えなくてはならなくなったとき、運よく治験の再開を知ったのです。休薬中は体調も落ち着いていたので、その数か月前からインターネットで治験の情報を集めていたことが次の治療につながりました。自分でもよくヒットしたなと思います。主治医にすぐに申し出て、治験を受けられる病院を探してもらい、同じエリアにあった大学病院に転院して治療を続けています。通院の負担は以前より増しましたが、副作用は軽くなり、この選択に迷いはないです。普段の治療のときから自分がわからないこと、知りたいことは何でも主治医に聞くようにしてきました。こうした関係性があったからこそCGP検査についても適切な時期に説明していただけたのかもしれません。

治験について:患者さんに治験が適切かどうかを判断するには医療者の関与が不可欠です。ご関心をお持ちの方はご自身の状態をふまえた推奨や、研究段階の薬剤が安全性有効性に不明確な部分があることなどについて医療者とご相談ください。
Doctor’s Voice
よいタイミングで治験に入るには遺伝子変異を早く知ることが必要

中川和彦先生(近畿大学医学部内科学腫瘍内科部門 教授)
よいタイミングで治験に入るためには、できるだけ早くご自身の遺伝子変異について知っておく必要があります。肺がんの治療では、一度に多くの遺伝子変異を調べることができる「コンパニオン診断」が実施可能で、それを用いていたら初回治療前に遺伝子変異を知ることができた可能性があります。この検査よりもさらに多くの遺伝子変異を調べられるCGP検査は、制度上、健康保険では一度しか実施できない(2022年5月時点)ため、医師は既存のコンパニオン診断もうまく活用し、患者さんにとってベストなタイミングでCGP検査を提示できるよう努めたいですね。

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患者さん・ご家族のアンケートはこちら⇒https://ws.formzu.net/fgen/S99142644/
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