8月11日、医学誌『The New England Journal of Medicine』にて再発/難治性多発性骨髄腫(RRMM)患者へのBCMA(B-Cell Maturation Antigen)/CD3に対する二重特異性抗体薬であるteclistamab(テクリスタマブ)療法の有効性、安全性を検証した第1/2相MajesTEC-1試験(NCT03145181、NCT04557098)の結果がInternational Myeloma SocietyのPhilippe Moreau氏らにより公表された。
本試験は、再発/難治性多発性骨髄腫(RRMM)患者(N=165人)に対して週1回teclistamab 1.5mg/kg療法を投与し、主要評価項目とし客観的奏効率(ORR)を検証した第1/2相試験である。なお、本試験に登録された165人の患者のうち、77.6%が3クラスの薬剤(プロテアソーム阻害薬、免疫調整薬、抗CD38抗体)に対して抵抗性のある患者で、前治療歴中央値は5レジメンである。
本試験のフォローアップ期間中央値14.1ヶ月時点における結果、主要評価項目である客観的奏効率(ORR)は63.0%を示した。奏効の内訳は39.4%(N=65人)が完全奏効(CR)であった。無増悪生存期間(PFS)は11.3ヶ月(95%信頼区間:8.8~17.1ヶ月)を示した。
一方の安全性として、多くの患者で確認された有害事象(AE)は、サイトカイン放出症候群(CRS)が72.1%(グレード3が0.6%)、好中球減少症が70.9%(グレード3もしくは4が64.2%)、貧血が52.1%(グレード3もしくは4が37.0%)、血小板減少性が40.0%(グレード3もしくは4が21.2%)であった。感染症は76.4%(グレード3もしくは4が44.8%)、神経毒性は14.5%(N=24人)であった。
以上の第1/2相試験の結果よりPhilippe Moreau氏らは「再発/難治性多発性骨髄腫(RRMM)患者へのBCMA(B-Cell Maturation Antigen)/CD3に対する二重特異性抗体薬であるteclistamab療法は持続的で良好な抗腫瘍効果を示しました」と結論を述べている。
Teclistamab in Relapsed or Refractory Multiple Myeloma(N Engl J Med. 2022 Aug 11;387(6):495-505. doi: 10.1056/NEJMoa2203478.)