薬事日報 「被験者リクルートメントの現状と課題」というテーマの特集12記事を掲載


  • [公開日]2017.03.29
  • [最終更新日]2017.03.29

オンコロの可知です。

医薬品業界には4つの有名な業界紙があります。日刊薬業、薬事日報、RISFAX、ミクスです。どれも、製薬業界等で働く人のための業界誌であり、再選の情報も多々掲載されています。しかしながら、購読しないと読めない記事が多々あり、業界誌は購読料がものすごく高く一般の方が購読するのは大変なことです。
(ちなみに、医師向けは、エムスリー、ケアネット、MedicalTribuneなどがありますが、コチラは登録制のため一般の方ははじかれることがあり、ハードルが高いです)

ただ、上記4つの媒体は全てが閲覧できないわけではなく、一部の記事は無料で読むことが可能です。

その中、3月29日、薬事日報が「被験者リクルートメントの現状と課題」をいうテーマの特集を掲載しました。しかも、様々なステークホルダーにインタビューした12記事が同日掲載されおり、このテーマでは業界初の試みだと思います。そして、購読者でなくても全て読むことが可能です。

その中で、「がん」について医療者の立場で語っているのが、国立がん研究センター東病院 消化管内科長(研究実施管理室長)吉野 孝之先生です。

【被験者リクルートメントの現状と課題】抗癌剤開発では被験者不足‐一般者への啓発が大切

吉野先生がお話しされているテーマは、「メディアの在り方」、「がん試験の被験者不足」、「治験の啓発が第一」、「治験実施計画書策定への医療者や患者の関与」、「CRC(治験コーディネーター)不足」および「治験実施医療機関の集約化」といったことだったと思いました。

私はこの業界に従事して「がん試験の被験者不足」を認識してオンコロのモデルを考え運営してきましたが、がん患者さんとお話しすると「治験の啓発」という意味では、まだまだ誤解があると思っています。

また、実はオンコロはCRCに迷惑かけないようにするのにはどうすればいいのかということをテーマに、紹介フローも考えてはいるのですが、結局、迷惑かけることもあり、まだまだ工夫が必要だと考えています。

一方、「がん」について患者の対場で語っているのが、肺がん患者会「ワンステップ」の長谷川 一男さんです。

【被験者リクルートメントの現状と課題】治験情報が欲しい患者には、それに応える提供体制を‐癌患者の立場から

長谷川さんとは何回も何回もこのテーマでディスカッションさせて頂いていますが、治験情報が欲しい患者のために利便性が不十分なオンコロは本当にまだまだだと思っています。

いつもこの手のテーマで興味深いのが、治験は被験者が不足しているのに患者は治験にアクセスできづらいという現状です。これについては真っ向勝負していくのが、我々のミッションであると強く思っています。

さらに興味深いと思ったのが、吉野先生は患者が力をつけて患者参加型治験をと語っている一方、ワンステップは患者力をつけるをテーマに活動しているという点でしょうか。

オンコロは、「最新のがんに関する情報を発信しながら、がん治験を紹介してくというテーマ」で運営してきて、もうすぐ2年になります。でも、実は診断されたばかりに治験を考慮しなければ参加できない治験が(治験数というよりは募集人数という意味で)圧倒的に多いです。

よって、我々も治験というものをもっと啓発していかなければならない。そして、我々が「医療者」、「製薬企業」、「がん患者」が参画する治験のストラテジーの架け橋になれるようになれればと思っています。

というわけで、最後はオンコロ運営会社である株式会社クリニカル・トライアルが所属するクロエグループのインタビューを紹介します。当社からは代表取締役社長滝澤が、株式会社クロエからは代表取締役社長安藤が語っています。

当グループがオンコロジー、プライマリーケア問わず「被験者募集」を中心に何を考えているかをご参照ください。

【被験者リクルートメントの現状と課題】オンコロ起点に癌治験支援‐プロトコル立案から相談 クロエグループ

実は「認知症領域」では画期的新薬が臨床試験段階だったりします。

これらの薬剤は「最近、物忘れし始めたかな」という程度や症状がなくても脳を調べると認知症兆候があるような「プレクリニカル」という「軽度認知障害(MCI)」に対して、進行を止めるかもしれないと期待されている薬剤となり、後期(P2~3)臨床試験が実施中です。
(気になる方はオンコロへ問い合わせください)

実は、オンコロジーだけではなく、こういった領域の患者を募集するのも当グループのミッションです。

今後の医薬品開発の軸は「オンコロジー」、「中枢神経系(主に認知症)」ならびに「希少疾患」であることは間違いないと感じており、当グループはそういった領域の医療の発展に貢献していければと真剣に考えていきたいと思う次第です。

記事:可知 健太

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