2月28日、中外製薬株式会社は、ヒト化抗ヒトIL-6レセプターモノクローナル抗体であるアクテムラ(一般名:トシリズマブ、以下アクテムラ)について、悪性腫瘍治療に伴うサイトカイン放出症候群(CRS)に対する適応拡大申請を行ったと発表した。
サイトカイン放出症候群(CRS)は、CAR-T細胞療法や一部の抗体医薬品などを用いた悪性腫瘍治療で見られる副作用のひとつ。免疫反応が過剰に生じ、細胞から多量のサイトカインと呼ばれるタンパク質が放出され、血中のサイトカインの濃度が上昇することで引き起こされる。
アクテムラは炎症性サイトカインの一種であるIL-6の働きを阻害する。日本では関節リウマチをはじめとする7つの適応症を取得している。悪性腫瘍治療においては、これまでに腫瘍特異的T細胞輸注療法に伴うサイトカイン放出症候群の適応症を取得していた。
中外製薬の代表取締役社長である奥田修氏は、プレスリリースで「CAR-T細胞療法や一部の抗体医薬品の副作用で認められるサイトカイン放出症候群は、重症化すると生命を脅かすことがあります。CAR-T以外の悪性腫瘍治療中の患者さんに対しても適切にお使いいただけるよう、規制当局と協議を進めてまいります」と述べている。
参照元:中外製薬株式会社 ニュースリリース