進行性胆道がん患者に対する顆粒球‐マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)であるSargramostim+キイトルーダ併用療法、良好な忍容性を示すASCO-GI2018より


  • [公開日]2018.02.27
  • [最終更新日]2018.02.27

2018年1月18日より20日までアメリカ合衆国・カルフォルニア州・サンフランシスコで開催されている消化器癌シンポジウム(ASCO-GI2018)のポスターセッションにて、進行性胆道がん患者に対する顆粒球‐マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)であるSargramostim+ペムブロリズマブ(商品名キイトルーダ;以下キイトルーダ)併用療法有効性安全性を検証した第II相試験(NCT02703714)の結果がThe University of California, San Francisco Medical Center・Robin Kate Kelley氏らより公表された。

本試験は、少なくとも1レジメン以上の標準治療後に増悪または不耐を示した進行性胆道がん患者(N=27人)に対して21日を1サイクルとして1-14日間のSargramostim250µg+1日目にキイトルーダ200mg併用療法を投与し、主要評価項目として6ヶ月無増悪生存期率(PFS)、副次評価項目として客観的奏効率ORR)、有害事象(AE)発症率などを検証したオープンラベルの第II相試験である。

本試験に登録された患者背景は、年齢中央値は61歳(37-77)、男性14人、女性13人。肝内胆管がん70%(N=19人)、肝外胆管がん26%(N=7人)、混合型胆管がん4%(N=1人)、ステージ分類としてはIVA/Bが85%、II/IIIが15%。前治療歴中央値は2レジメン(1-6)であった。

上記背景を有する患者に対してSargramostim+キイトルーダ併用療法を投与した結果、副次評価項目である有害事象(AE)発症率は下記の通りである。

グレード3以上の有害事象(AE)は15%(N=4人)の患者で発症が確認され、この中には免疫関連副作用irAE)であるグレード4の糖尿病、グレード3の血小板減少症を発症した患者がそれぞれ1人含まれている。また、5%以上の患者で発症が確認された免疫関連副作用(irAE)は関節痛33%、ドライアイ/ドライマウス15%、甲状腺炎15%、甲状腺機能低下症15%、神経障害11%、皮膚障害11%、副腎不全7%であった。

その他副次評価項目である奏効率(ORR)は21%(N=5人)の患者で部分奏効(PR)を示した。また、5人の患者でマイクロサテライト不安定性(MSI)状態の評価が可能であり、それぞれマイクロサテライト不安定性のない (MSS) 患者4人、マイクロサテライト不安定性高い(MSI-H)患者4人が確認された。そして、マイクロサテライト不安定性のない (MSS) 患者2人において、腫瘍マーカーCA19-9の減少が確認され、その期間はそれぞれ11ヶ月と16ヶ月以上であった。

以上の第II相試験の結果より、Robin Kate Kelley氏らは以下のように結論を述べている。”進行性胆道がん患者さんに対するSargramostim+キイトルーダ併用療法は忍容性があることが示されました。今後も本試験の主要評価項目である6ヶ月無増悪生存期率(PFS)などを検証するために、臨床試験を継続していきます。”

Phase II trial of pembrolizumab (PEM) plus granulocyte macrophage colony stimulating factor (GM-CSF) in advanced biliary cancers (ABC).(ASCO-GI2018, Abstract No.386)

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