・標準的な導入化学療法が不適な未治療急性骨髄性白血病患者が対象の第3相試験
・ベネクレクスタ+ビダーザ併用療法の有効性・安全性を比較検証
・併用療法での全生存期間は14.7ヶ月、複合完全寛解率は66.4%で統計学的有意に改善
2020年6月13日、アッヴィ社のプレスリリースにて標準的な導入化学療法が不適な未治療の急性骨髄性白血病(AML)に対して経口BCL-2阻害薬であるベネトクラクス(商品名ベネクレクスタ;以下ベネクレクスタ)+アザシチジン(商品名ビダーザ;以下ビダーザ)併用療法の有効性、安全性を比較検証した第3相のVIALE-A/M15-656試験(NCT02993523)の主要評価項目の結果を公表した。
VIALE-A/M15-656試験とは、標準的な導入化学療法が不適な未治療の急性骨髄性白血病(AML)に対して28日を1サイクルとして1日1回ベネクレクスタ400mg+1~7日目にビダーザ75mg/m2併用療法を投与する群、または28日を1サイクルとしてプラセボ+1~7日目にビダーザ75mg/m2併用療法を投与する群に無作為に振り分け、主要評価項目として全生存期間(OS)、複合完全寛解率(CR+CRi)を比較検証した国際多施設共同第3相試験である。
主要評価項目である全生存期間(OS)中央値はベネクレクスタ+ビダーザ群14.7ヵ月に対してプラセボ+ビダーザ群9.6ヶ月、ベネクレクスタ+ビダーザ群で死亡(OS)のリスクを34%(HR:0.66,95%信頼区間:0.52-0.85,P=0.001)統計学的有意に改善した。
また、もう1つの主要評価項目である複合完全寛解率(CR+CRi)はベネクレクスタ+ビダーザ群66.4%に対してプラセボ+ビダーザ群28.3%で統計学有意に改善した。
安全性として、ベネクレクスタ+ビダーザ群の10%以上の患者で確認されたグレード3~4の有害事象(AE)は血小板減少症45%、好中球減少症42%、発熱性好中球減少症42%、貧血26%、 白血球減少症21%、肺炎20%、低カリウム血症11%であった。
以上のVIALE-A/M15-656試験の結果よりアッヴィ社のChief Medical OfficerであるNeil Gallagher氏は「標準的な導入化学療法が不適な未治療の急性骨髄性白血病(AML)は、血液がんの中でも最も病勢進行が急速な病態です。本患者さんに対する治療法としてベネクレクスタ+ビダーザ併用療法が全生存期間(OS)、完全寛解率(CR+CRi)で良好な結果を示したことは、本疾患の治療成績を改善するでしょう」と結論を述べている。
参照元:米アッヴィ社 プレスリリース