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悪性中皮腫患者に対するバベンチオ単剤療法、高く持続的な抗腫瘍効果を示す『JAMA Oncology』より


  • [公開日]2019.01.03
  • [最終更新日]2019.03.27
この記事の3つのポイント
・抗PD-L1抗体薬バベンチオ単剤療法の第1b相試験の結果が公表された
・対象は複数治療歴のある切除不能悪性中皮腫患者だった
・単剤療法は高く持続的な抗腫瘍効果を示し、忍容性も良好だった

2018年1月3日、医学誌『JAMA Oncology』にて複数治療歴のある切除不能悪性中皮腫患者に対する抗PD-L1抗体薬であるアベルマブ(商品名バベンチオ;以下バベンチオ)単剤療法の安全性有効性を検証した第1b相のJAVELIN Solid Tumor試験(NCT01772004)の結果がNational Cancer InstituteのRaffit Hassan氏らにより公表された。

JAVELIN Solid Tumor試験とは、プラチナ系抗がん剤ペメトレキセド(商品名アリムタ;以下アリムタ)治療歴後に病勢進行した切除不能悪性中皮腫患者(N=53人)に対して2週間に1回バベンチオ10mg/kg単剤療法を病勢進行または予期せぬ治療関連有害事象(TRAE)が発症するまで投与し、主要評価項目として客観的奏効率ORR)、副次評価項目として奏効持続期間(DOR)、無増悪生存期間PFS)、全生存期間OS)などを検証した第1b相試験である。

本試験が実施された背景は、シスプラチン+アリムタ併用療法後の切除不能悪性中皮腫患者に対する2次治療としての治療選択肢が限られているためである。切除不能悪性中皮腫患者に対する1次治療としての標準治療はシスプラチン+アリムタ併用療法が、第3相試験の結果よりシスプラチン単剤療法に比べて全生存期間(OS)を統計学有意に改善することが示されている。

しかし、その後の2次治療としてゲムシタビン、ビノレルビン、アリムタ等の単剤、併用療法の複数の治療選択肢があるが、その全生存期間(OS)中央値は4.1~10.9ヶ月であり標準治療として確立していない。以上の背景より、治療歴のある切除不能悪性中皮腫患者に対する抗PD-L1抗体薬バベンチオ単剤療法の有効性、安全性が本試験より検証された。

本試験に登録された患者背景は下記の通りである。年齢中央値は67.0歳(32.0-84.0歳)、65歳未満が38%(N=20人)、65歳以上が62%(N=33人)。性別は男性60%(N=32人)、女性40%(N=21人)。ECOG Performance Statusはスコア0が26%(N=14人)、スコア1が74%(N=39人)。

前治療歴中央値は2レジメン(1-8レジメン)、1レジメンが34%(N=18人)、2レジメンが28%(N=15人)、3レジメンが19%(N=10人)、4レジメンが19%(N=10人)。悪性中皮腫の組織型分類は上皮型が81%(N=43人)、肉腫型が4%(N=2人)、二相型が11%(N=6人)、不明が4%(N=2人)。PD-L1ステータスは発現率1%以上の患者42%(N=22人)、1%未満の患者40%(N=21人)、5%以上の患者30%(N=16人)、5%未満の患者51%(N=27人)。

以上の背景を有する患者に対する本試験の結果は下記の通りである。主要評価項目である全患者群における客観的奏効率(ORR)は9.4%(95%信頼区間:3.1%-20.7%)、その内訳は完全奏効(CR)2%、部分奏効(PR)8%を示した。なお、奏効持続期間(DOR)中央値は15.2ヶ月(95%信頼区間:11.1ヶ月-未到達)、病勢コントロール率DCR)は58%を示した。

治療歴別の客観的奏効率(ORR)は、前治療歴1レジメンの患者群は6%(N=1/18人,95%信頼区間:0.1%-27.3%)、前治療歴2レジメンの患者群は13%(N=2/15人,95%信頼区間:1.7%-40.5%)、前治療歴3レジメンの患者群は10%(N=2/20人,95%信頼区間:1.2%-31.7%)を示した。

PD-L1ステータス別の客観的奏効率(ORR)は、PD-L1発現率1%以上の患者群は14%(N=3/22人,95%信頼区間:2.9%-34.9%)、PD-L1発現率1%未満の患者群は10%(N=2/21人,95%信頼区間:1.2%-30.4%)、PD-L1発現率5%以上の患者群は19%(N=3/16人,95%信頼区間:4.0%-45.6%)、PD-L1発現率5%未満の患者群は7%(N=2/27人,95%信頼区間:0.9%-24.3%)を示した。

副次評価項目である全患者群における無増悪生存期間(PFS)中央値は4.1ヶ月(95%信頼区間:1.4-6.2ヶ月)、6ヶ月無増悪生存率(PFS)38.0%(95%信頼区間:24.2%-51.7%)、12ヶ月無増悪生存率(PFS)17.4%(95%信頼区間:7.7%-30.4%)。全患者群における全生存期間(OS)中央値は10.7ヶ月(95%信頼区間:6.4-20.2ヶ月)、12ヶ月全生存率(OS)43.8%(95%信頼区間:29.8%-57.0%)。

一方の安全性として、全グレードの治療関連有害事象(TRAE)発症率は81%(N=43人)、10%以上の患者で確認された全グレードの治療関連有害事象(TRAE)はインフュージョンリアクション36%(N=19人)、悪寒15%(N=8人)、疲労感15%(N=8人)、発熱11%(N=6人)であった。

また、グレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)発症率は9%(N=5人)、確認されたグレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)は肺炎2%(N=1人)、大腸炎2%(N=1人)、CPK増加2%(N=1人)、低アルブミン血症2%(N=1人)、1型糖尿病2%(N=1人)であった。

以上のJAVELIN Solid Tumor試験の結果よりRaffit Hassan氏らは以下のように結論を述べている。”第1b相試験の結果ではあるものの、複数治療歴のある切除不能悪性中皮腫患者に対する抗PD-L1抗体薬バベンチオ単剤療法は高く持続的な抗腫瘍効果を示し、忍容性も良好でした。”

Efficacy and Safety of Avelumab Treatment in Patients With Advanced Unresectable Mesothelioma(JAMA Oncol. 2019;5(3):351-357. doi:10.1001/jamaoncol.2018.5428)

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