既治療の再発難治性多発性骨髄腫に対するLinvoseltamab、良好な奏効率を示すAACR 2024


  • [公開日]2024.05.15
  • [最終更新日]2024.05.14
この記事の3つのポイント
・治療歴のある再発難治性多発性骨髄腫を対象とした第1/2相のLINKER-MM1試験
・BCMAとCD3を標的とした二重特異性抗体Linvoseltamab単剤の有効性安全性を比較検討
・Linvoseltamabは高い確率で深い奏効を達成した

2024年04月05~10日、米国サンディエゴで開催された米国癌学会(AACR 2024)にて、治療歴のある再発難治性多発性骨髄腫(RRMM)に対するBCMAとCD3を標的とした二重特異性抗体Linvoseltamab(REGN5458)単剤療法の有効性、安全性を検証した第1/2相のLINKER-MM1試験(NCT03761108)の結果がThe Tisch Cancer Institute of Mount Sinai in New YorkのThe Tisch Cancer Institute of Mount Sinai in New YorkのSundar Jagannath氏らにより公表された。

LINKER-MM1試験は、3レジメン以上の治療歴のあるRRMM患者(N=117人)に対して、Linvoseltamabを200mg投与し、主要評価項目として独立評価委員会(IRC)の判定による客観的奏効率ORR)を検証した試験である。

本試験に登録された患者の背景は、年齢中央値が70歳(37-91歳)、特に75歳以上が26.5%を占めていた。また18%が国際病期分類法に基づくステージIIIの疾患を有していた。

本試験の結果、完全奏効(CR)以上の効果が得られた症例は46%、また非常に良好な部分奏効(VGPR)が得られた症例まで含めると62%であり、主要評価項目であるORRは71%であった。また微小残存病変MRD)について、CR以上の効果が得られた評価可能な患者27人のうち25人(92.6%)が陰性であった。

治験薬投与開始後に発現した最も一般的な有害事象(TEAE)は、サイトカイン放出症候群(46%)で、発現までの時間中央値は11時間であった。その他の一般的な有害事象は、好中球減少(41%)、貧血(39%)、下痢(35%)であった。感染症は患者の73%に発生したが、感染症の頻度と重症度は、投与開始6ヵ月後に4週間に1回の投与に切り替えることで減少した。

以上の結果から、「Linvoseltamabは、高リスクサブグループの患者を含むRRMM患者において、高い確率で深い奏効を誘導した。また有害事象に関しては、サイトカイン放出症候群は一般的に予測可能な発症タイミングと関連しており、感染症は4週に1回の投与スケジュールが発症率の低下と関連している可能性があります」と結論付けている。

参照元:
OncLive Spotlight)

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