FLT3阻害剤キザルチニブ、FLT3-ITD遺伝子変異を有する急性骨髄性白血病に対する一次治療として適応拡大を申請ー第一三共ー


  • [公開日]2022.09.05
  • [最終更新日]2022.09.02

8月30日、第一三共株式会社は、FLT3阻害剤キザルチニブについて、FLT3-ITD変異を有する急性骨髄性白血病(AML)の一次治療を効能・効果とする適応追加を申請したと発表した。

AMLは骨髄で白血病細胞が異常に増殖した結果、正常な血液細胞の生成が阻害されるため、治療を行わないと短期間で致死的になる予後不良な血液がん。白血病の約23%を占めるAMLのうち約4分の1の患者にはFLT3-ITD変異が見られる。変異がない患者と比較し、再発率が高く、生存期間が短いと言われている。

今回の申請は、FLT3-ITD変異を有するAML患者の一次治療としてキザルチニブの有効性安全性を検証した第3相QuANTUM-First試験の結果に基づくもの。なお、キザルチニブは厚生労働省より希少疾病用医薬品の指定を受けている。

第一三共はプレスリリースにて「FLT3-ITD変異を有するAML治療における新たな選択肢を提供することで、国内のより多くのAML患者さんに貢献できるものと期待しております」と述べている。

キザルチニブ(ヴァンフリタ)とは
キザルチニブは、経口のFLT3阻害剤。商品名はヴァンフリタ。日本では2019年より「再発または難治性のFLT3-ITD変異陽性の急性骨髄性白血病」の治療薬として販売されている。

QuANTUM-First試験とは
QuANTUM-First試験は、日本を含むアジア、オセアニア、欧州、北米および南米において、FLT3-ITD変異を有するAML患者(N=539人)を対象に、キザルチニブ+標準化学療法の併用を実施する群と、プラセボ+標準化学療法の併用を実施する群に振り分け、有効性と安全性を評価したプラセボ対照二重盲検比較試験。主要評価項目である全生存期間OS)は、31.9ヶ月を示し、プラセボ+標準化学療法群(15.1ヶ月)と比較し、死亡リスクを22.4%減少した。(参照元:第一三共株式会社 2022年6月13日プレスリリース

参照元:
第一三共株式会社 プレスリリース

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