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胃がん治療薬ビロイなど抗がん剤3製品が新たに承認へ

[公開日] 2024.03.11[最終更新日] 2024.03.11

目次

3月4日に開催された厚生労働省薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会において、審議事項のうち3製品が、また報告事項のうち1剤が抗がん剤関連であった。

審議品目

トルカプ錠160mg、同錠200mg(カピバセルチブ)

申請企業:アストラゼネカ

効能・効果: 内分泌療法後に増悪したPIK3CA、AKT1又はPTEN遺伝子変異を有するホルモン受容体陽性かつHER2 陰性の手術不能又は再発乳がんを効能・効果とする新有効成分含有医薬品

AKTアイソフォーム(AKT1/2/3)に対するファーストインクラスのアデノシン三リン酸(ATP)競合阻害薬であり、PI3K/AKT経路の遺伝子変異を有するがん細胞の増殖を抑制すると考えられている。 なお今回は、フェソロデックス(一般名:フルベストラント)との併用療法として承認された。これに伴い、フェソロデックス筋注250mgに関しても、乳がんを効能・効果とする新用量医薬品として報告された。

ビロイ点滴静注用100mg(ゾルベツキシマブ(遺伝子組換え))

申請企業:アステラス製薬

効能・効果: CLDN18.2陽性の治癒切除不能な進行・再発の胃がんを効能・効果とする新有効成分含有医薬品

膜貫通型タンパク質claudin 18.2を標的として結合するファーストインクラスのキメラIgG1モノクローナル抗体。がん細胞表面のclaudin 18.2に結合し、抗体依存性細胞傷害(ADCC)と補体依存性細胞傷害(CDC)という2つ免疫活性化機構により、がん細胞への攻撃を誘導すると考えられている。

エルレフィオ皮下注44mg、同皮下注76mg(エルラナタマブ(遺伝子組換え))

申請企業:ファイザー

効能・効果: 再発又は難治性の多発性骨髄腫(標準的な治療が困難な場合に限る)を効能・効果とする新有効成分含有医薬品

BCMAおよびCD3を標的としたヒト化二重特異性抗体。一方の抗原結合部位ががん細胞の表面に、もう一方の抗原結合部位がT細胞の表面に結合し、がん細胞とT細胞を架橋することで、T細胞を介した強力な抗腫瘍活性を誘導するように設計されている。 なお同剤は皮下投与であり、静脈内投与よりも高い利便性が期待される。

報告品目

キイトルーダ点滴静注100mg(ペムブロリズマブ(遺伝子組換え))

申請企業:MSD

効能・効果: 治癒切除不能な進行・再発の胃がんを効能・効果とする新効能・新用量医薬品

国際共同第3相KEYNOTE-859試験(初回治療としての化学療法(フッ化ピリミジン系薬剤およびプラチナ系薬剤)との併用療法)の結果に基づき適応拡大が承認された。 なお同承認に伴い、5FU注250mg、同注1000mg(フルオロウラシル)に関しても、治癒切除不能な進行・再発の胃がんを効能・効果とする新効能・新用量医薬品として報告された。

参照元:
厚生労働省 薬事・食品衛生審議会(薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会)
ニュース エルレフィオ

浅野理沙

東京大学薬学部→東京大学大学院薬学系研究科(修士)→京都大学大学院医学研究科(博士)→ポスドクを経て、製薬企業のメディカルに転職。2022年7月からオンコロに参加。医科学博士。オンコロジーをメインに、取材・コンテンツ作成を担当。

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