慢性リンパ性白血病の新薬ベネトクラクスについて

慢性リンパ性白血病は、白血球の一種であるリンパ球の中でも成熟した小型のBリンパ球が悪性化し、がん化した細胞が無制限に増殖することで発症します。

発症原因は不明ですが、日本人の発症は稀ですが欧米人では白血病の中でも最も発症率が高いことから、遺伝的要因が関係していると考えられています。

生存期間の中央値も約7~10年と造血器腫瘍の中では寿命が長く、無治療でも20年生存する人もいるほどです。

慢性リンパ性白血病の治療方法には化学療法、放射線療法、分子標的治療薬、造血幹細胞移植などがありますが、無症状であることも多いためその場合は経過観察となります。

このように慢性リンパ性白血病は比較的予後が良好である疾患ですが、染色体17pの欠失がある場合は別です。予後不良ですから。

そのため、染色体17pの欠失がある慢性リンパ性白血病患者には同種造血幹細胞移植、分子標的治療薬であるアレムツズマブなどの強力な治療方法が選択されます。

しかし、これら治療方法に対して難治性、または治療後に再発する患者もいます。それは、染色体17pの欠失がある患者はアポトーシスを制御するp53遺伝子が存在するからです。

このような患者に対して効果が期待される新薬こそが、

ベネトクラクス

です。ベネトクラクスはアポトーシスを制御し、癌細胞の成長を促すB細胞リンパ腫2(BCL-2)と呼ばれるタンパク質を阻害することで抗腫瘍効果を発揮する慢性リンパ性白血病の新薬です。

ベネトクラクスの薬剤概要

製品名

VENCLEXTA

一般名

ベネトクラクス(Venetoclax)

用法用量

未定(1週間に1回ベネトクラクス20mgより開始し、1週ごとに50mg、100mg、200mg、400mgまで増減する)

効能効果

未定(1回以上の治療歴がある17p欠失を有する慢性リンパ性白血病)

主な副作用

未定(好中球減少症、血小板減少症、下痢、悪心、貧血、上気道感染症、倦怠)

製造承認日

未定

ベネトクラクスの作用機序

ベネトクラクス

@wehi.edu.au

ベネトクラクスはがん細胞のアポトーシスを抑制し、成長を促すB細胞リンパ腫2(BCL-2)タンパク質を阻害することで抗腫瘍効果を発揮する

ベネトクラクスの最新文献

1)Venetoclax in relapsed or refractory chronic lymphocytic leukaemia with 17p deletion: a multicentre, open-label, phase 2 study

文献の概要

17p欠失を有する再発難治性の慢性リンパ性白血病患者に対してベネトクラクス単剤を投与してその有効性(奏効率)と安全性を検証した試験。

文献の出典

The Lancet Oncology

文献の発刊日

2017年1月

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ベネトクラクスの治験情報

1)Study Evaluating Venetoclax in Subjects With Hematological Malignancies

治験の概要

血液腫瘍(慢性リンパ性白血病、小リンパ球性リンパ腫、多発性骨髄腫、非ホジキンリンパ腫、急性骨髄性白血病)を有する日本人患者に対して1週間に1回ベネトクラクスを投与して、その安全性を検証する治験。

治験の期限

2017年4月

参考資料

1)アッヴィ合同会社プレスリリース
2)造血器腫瘍診療ガイドライン


造血器腫瘍診療ガイドライン


この記事に利益相反はありません。

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