未治療の急性骨髄性白血病に対するMagrolimab+アザシチジン併用療法、有望な抗腫瘍効果を示すJournal of Clinical Oncologyより


  • [公開日]2023.10.02
  • [最終更新日]2023.10.02
この記事の3つのポイント
・未治療の急性骨髄性白血病を対象とした第1b相試験
・初回治療としてのMagrolimab+アザシチジン併用療法有効性安全性を検証
・安全性・有効性が確認できたため、現在第3相試験が進行中

2023年09月13日、医学誌『Journal of Clinical Oncology』にて未治療の急性骨髄性白血病(AML;TP53遺伝子変異を含む)に対する抗CD47に対するモノクローナル抗体Magrolimab+アザシチジン併用療法の有効性、安全性を検証した第1b相試験(NCT03248479)の結果がThe University of Texas MD Anderson Cancer CenterのNaval G. Daver氏らにより公表された。

本試験は、未治療のAML患者に対して1もしくは2週を1サイクルとして、Magrolimabを1日目と4日目に1mg/kgで静脈内投与、その後維持療法として15mg/kgを8日目に1回、30mg/kgを週1回または2週ごとに投与+28日を1サイクルとして1~7日目にアザシチジン75mg/m2を投与し、主要評価項目として安全性、忍容性、完全寛解率(CR)を検証した第Ib相試験である。

本試験に登録された87人の患者背景は、TP53遺伝子変異のある患者が82.8%(N=72人)、治療期間中央値は4サイクル(1~39サイクル)であった。

最も多くの患者で確認された治療関連有害事象(TRAE)は、便秘が49.4%、嘔吐が49.4%、下痢が48.3%であった。
CR率は32.2%(N=28人)であり、TP53遺伝子変異のある患者では31.9%(N=23人)であった。全生存期間OS)中央値はTP53遺伝子野生型群で18.9ヶ月、TP53遺伝子変異型群で9.8ヶ月を示した。

以上の結果からNaval G. Daver氏らは、「未治療のAMLに対する抗CD47に対するモノクローナル抗体Magrolimab+アザシチジン併用療法は、忍容性が良好であり、十分な抗腫瘍効果を示しました。現在、AMLに対するファーストライン治療としてのMagrolimabの有用性を検証した第3相試験のENHANCE-2試験(NCT04778397)、ENHANCE-3試験(NCT05079230)の患者登録が進行中です」と述べている。

参照元:
Tolerability and Efficacy of the Anticluster of Differentiation 47 Antibody Magrolimab Combined With Azacitidine in Patients With Previously Untreated AML: Phase Ib Results(J Clin Oncol 2023. doi: 10.1200/JCO.22.02604.)

×

リサーチのお願い


この記事に利益相反はありません。

会員登録 ログイン