6月22日に日本イーライリリー株式会社が手術不可能な進行・再発胃がんに対して分子標的薬「ラムシムマブ(商品名サイラムザ)」を発売しました。サイラムザはがんの増殖および転移に関わる血管新生において重要な働きを示す血管内皮細胞増殖因子(VEGF)受容体に結合する分子標的薬です。手術不可能な胃がんに対して、標準1次治療(プラチナ製剤(シスプラチンなど)+S1製剤(ティーエスワンなど))を使用し、効果がなくなった方に対してパクリタキセル(商品名タキソール)と共に使用します。

【血管内皮細胞増殖因子について】
血管を作り出す因子である「血管内皮細胞増殖因子(VEGF)」というタンパク質の働きを抑えます。VEGFが血管細胞上のタンパク質(VEGF受容体)に結合することにより新しい血管を作りはじめますが、この薬剤はVEGF受容体に結合してVEGFの結合を防ぐことができるのです。固形がんは腫瘍が大きくなる際に酸素や栄養などが必要になり、新たに血管を形成して腫瘍の中心までそれらを運ぶのです。新たな血管を作ることをできなくする兵糧攻めのような戦略により腫瘍の増殖を抑えることができます。

日本イライリリー株式会社のプレスリリースはコチラ

<オンコロスタッフコメント>
胃がんに対する臨床試験は活発ですが分子標的薬の臨床試験はことごとく失敗に終わり、ハーセプチン以来新しい薬剤がなかなか出てきませんでした。ライムシムマブは待望の分子標的薬といえます。現在、標準一次治療に対するラムシムマブの上乗せ効果を確認する臨床試験が実施中です(詳細はコチラ)。

可知


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