4月18日から22日まで米国にて開催されているアメリカ癌学会(American Association for Cancer Research Annual Meeting(AACR2015))にて、免疫チェックポイント阻害薬(免疫系に作用する薬剤)である抗PD-L1抗体MPDL3280Aが、トリプルネガティブ乳がんに対して効果がある可能性が明らかになりました。

米国Johns Hopkins Kimmel Cancer Center等で実施された多種類の固形がん(乳がん、胃がん、肺がん等、血液がんでないがん)を対象の第1相臨床試験で、54人のトリプルネガティブ乳がん患者が登録されました。
そのうち、免疫細胞にPD-L1タンパクが多く存在する患者は21人であり、奏効率(がん細胞が一定以上縮小した患者)は19%で、24週間治療を継続した時点の無増悪生存率(治療効果が継続している割合)は27%でした。奏効患者のうちは2人が完全奏効(画像上、腫瘍が完全に消えること。注;完治ではありません)でした。
多く認められた副作用は倦怠感、吐き気、発熱、食欲減少、無力症で、CTCAEグレード3(中等度から重度)の副作用が11%の患者で発現でした。

【MPDL3280A】
ロシュ社(中外製薬社)が開発中の薬剤です。肺がんや膀胱がんでは開発が最終段階となります。
日本で実施中の試験(肺がん)はコチラ(外部の臨床試験情報に飛びます)
日本で実施中の試験(膀胱がん:募集前)はコチラ(外部の臨床試験情報に飛びます)

【トリプルネガティブ乳がん】
エストロゲン受容体・プロゲステロン受容体・HER2の3つ(トリプル)が腫瘍細胞に発現していない(ネガティブ)乳がんのことです。ホルモン療法もHER2を標的とした分子標的薬の効果が期待できないため、新たな治療方法が開発中となります。

<オンコロニュース担当者コメント>
免疫チェックポイント阻害薬は新しい機序の薬剤となり、悪性黒色腫(メラノーマ)や肺がんなど様々ながんで効果を示してきています。ただ、問題なのは価格が高いことです。こういった所も改善されれば良いですね。(カチ)


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