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高リスクHR陽性HER2陰性早期乳がんにおけるリスク分類と予後の関係 Breast Cancerより

[公開日] 2025.08.13[最終更新日] 2025.08.13

2025年7月28日、医学誌『Breast Cancer』にて、高リスクのホルモン受容体(HR)陽性HER2陰性早期乳がんにおけるベースラインの再発リスクのばらつきと予後との関係についての評価結果が、日本から報告された。 同研究は、高リスクのHR陽性HER2陰性早期乳がんに対する術後内分泌療法+ベージニオ(一般名:アベマシクリブ)の有効性・安全性を評価したmonarchE試験の適格基準(リンパ節転移4個以上、リンパ節転移1-3個かつ腫瘍径>5cmまたは組織学的グレード3)に基づき、サブグループ毎の予後を解析した後ろ向き研究である。

試験デザイン

対象

2017年1月-2019年8月に国立がん研究センターで手術および周術期薬物療法を受けたHR陽性HER2陰性乳がん患者。 上記の患者について、N1+>5cm群(リンパ節転移1-3個かつ腫瘍径>5cm)、N1+G3群(リンパ節転移1-3個かつグレード3)、≥N2群(リンパ節転移4個以上)、非適格群(monarchE試験の基準を満たさない)の4つのサブグループに分けて解析された。

治療法(レジメン)

評価項目

無浸潤疾患生存期間(iDFS)、遠隔無病生存期間(dDFS)、全生存期間(OS)

結果

有効性

5年iDFS率は、N1+>5cm群(n=9)で88.9%、N1+G3群(n=48)で83.3%、≧N2群(n=75)で77.3%、非適格群(n=856)で94.7%であり、グループ間で有意な差が認められた(p<0.001)。 多変量解析では、N1+G3群(ハザード比:3.38、p=0.005)、≧N2群(ハザード比:3.39、p<0.001)、術前化学療法(ハザード比:2.71、p=0.003)が予後不良因子として同定された。 また5年OS率は、N1+>5cm群で100%、N1+G3群で93.2%、≧N2群で89.8%、非適格群で99.2%であり(p<0.001)、5年dDFS率は、N1+>5cm群で86%、N1+G3群で86.0%、≧N2群で81.5%、非適格群で98.7%であり(p<0.001)いずれの評価においても有意な差が認められた。

安全性

結論

今回の結果は、HR陽性HER2陰性乳がんの術後補助療法において、アベマシクリブによる治療のベネフィットを最大化するためには、個別のリスク評価が重要であることを示唆している。 参照元: Baseline risk variability by eligibility criteria in Cohort 1 of the monarchE trial for high-risk HR-positive, HER2-negative breast cancer(Breast Cancer. 2025 doi: 10.1007/s12282-025-01747-x.)
ニュース 乳がん ホルモン受容体

浅野理沙

東京大学薬学部→東京大学大学院薬学系研究科(修士)→京都大学大学院医学研究科(博士)→ポスドクを経て、製薬企業のメディカルに転職。2022年7月からオンコロに参加。医科学博士。オンコロジーをメインに、取材・コンテンツ作成を担当。

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