T細胞のがんを標的とした新規細胞療法の開発が始動国立がん研究センターら


  • [公開日]2024.07.18
  • [最終更新日]2024.07.16

国立がん研究センターは7月11日、米国ペンシルバニア大学との共同研究によって開発されたCCR4標的キメラ抗原受容体T細胞療法(CCR4 CAR-T細胞療法)について、特許の実施権を国立がん研究センター発のベンチャー企業ARC Therapies株式会社に許諾したことを発表した。これにより、日本に多い成人T細胞白血病リンパ腫(ATLL)をはじめとするT細胞のがんに対する細胞療法の臨床開発が始まるという。

CCR4は、ATLL、末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)、皮膚T細胞リンパ腫CTCL)の細胞表面、および制御性T細胞に発現しているケモカインレセプターであり、CCR4を標的とした薬剤として、抗CCR4抗体ポテリジオ(一般名:モガムリズマブ)が既に承認されている。

今回臨床開発を進めるCCR4 CAR-T細胞療法は、患者から採取した白血球に、CCR4と特異的に結合する抗体と細胞内情報伝達酵素を結合した遺伝子を導入した組換えT細胞を患者の体内に戻すことで、CCR4を発現している腫瘍組織に集結、活性化してがんを攻撃することが期待されている。

また同治療法は、固形がんに対しての展開も期待されており、固形がんでの臨床開発も視野にいれて取り組んでいく予定だ。

参照元:
国立がん研究センター プレスリリース

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