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アンドロゲン受容体阻害剤ニュベクオ、遠隔転移を有する前立腺がんに対する適応追加を申請

[公開日] 2022.03.16[最終更新日] 2022.03.16

3月11日、バイエル薬品株式会社は、経口アンドロゲン受容体阻害剤(ARi)のニュベクオ(一般名:ダロルタミド、以下ニュベクオ)について、遠隔転移を有する前立腺がんを適応症として厚生労働省に適応拡大申請を行ったと発表した。

前立腺がんは、2020年世界において新規罹患数が140万人以上と男性において2番目に多いがん腫。診断時には、前立腺に限局した状態で、発見されることが多く、根治目的の外科手術や放射線療法などの選択肢が存在する。一方、転移が認められる再発後のホルモン感受性前立腺がんの基本的な治療法は、アンドロゲン遮断療法(ADT)であり、ADTなどのホルモン療法のみ、アンドロゲン受容体阻害剤とADTの併用療法、化学療法のドセタキセルとADTの併用療法などが治療選択肢となる。約5%の患者は、初回診断時にすでに遠隔転移が認められ、遠隔転移を有する前立腺がん患者のほとんどは、2~3年のうちに生存期間の限られた去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)に進行する。

今回の申請は、第3相ARASENS試験のデータに基づくもの。同試験は、遠隔転移を有する前立腺がん患者(N=1306人)を対象に、1日2回ダロルタミド600mg+ADT+ドセタキセル併用療法の有効性および安全性をプラセボ+ADT+ドセタキセルと比較検討した第3相無作為化、多施設共同、二重盲検、プラセボ対照臨床試験である。試験の結果、ダロルタミド+ADT+ドセタキセル併用療法で全生存期間(OS)が統計学的有意に延長することが確認されたという。

バイエル社医療用医薬品部門の経営委員会メンバーで、オンコロジー・ストラテジック事業部責任者であるクリスティーン・ロス氏は「今回の申請は、遠隔転移を有する前立腺がんの患者さんに、良好な安全性プロファイルを提供しつつ、疾患の進行を遅らせ、生存期間を延長する可能性がある新しい治療を前進させるという、バイエルの前立腺がんに対する取り組みの重要な次の一歩となります」と述べている。

ニュベクオ(ダロルタミド)とは ニュベクオは、アンドロゲン受容体と結合し、強力な阻害作用を発揮する独自の化学構造を持つ経口タイプのアンドロゲン受容体阻害剤(ARi)。受容体機能と前立腺がん細胞の増殖を阻害する。遠隔転移を有しない前立腺がん患者(nmCRPC)の治療薬として、日本を含む世界60か国で承認されている。現在、転移性ホルモン感受性前立腺がん(mHSPC)を対象にした第3相試験(ARANOTE試験)や、再発リスクが非常に高い限局性前立腺がんの術後補助療法としてダロルタミドを評価するANZUP主導の第3相試験(DASL-HiCaP試験、ANZUP1801)など、さまざまな病期の前立腺がん患者を対象とした臨床試験が実施されている。

参照元:
バイエル薬品株式会社 プレスルーム
ニュース 前立腺がん ADT

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