[公開日] 2023.01.01[最終更新日] 2023.01.01
頭頸部とは
頭頸部領域は、鼻・副鼻腔、口腔、唾液腺、咽頭(上咽頭、中咽頭、下咽頭)、喉頭、甲状腺分けられます。これらの顔から首までの範囲(脳・眼・皮膚は除く)にできるがんを総称して頭頸部がんと呼びます。
頭頸部がんは、発声や咀嚼、嚥下など重要な機能を持つ部位に発生するがんなので、機能温存を考慮し、がんの発生部位に応じた治療方針の決定が大切です。
頭頸部がんの罹患率
頭頸部がんは、口腔・咽頭、甲状腺、喉頭の順に多く発症します。
日本における2019年の報告では、口腔・咽頭がんと診断された患者数は23,671例(男性16,463例、女性7,208例)、甲状腺がんは18,780例(男性4,888例、女性13,892例)、喉頭がんは5,111例(男性4,688例、女性423例)と報告されています。
頭頸部がんの原因
多くの頭頸部がんに共通してみられる危険因子としては、長期にわたる喫煙や飲酒が挙げられます。その他にも、慢性的な炎症やウイルス感染、遺伝子変異の異常が原因で発症することもあります。
中高年の男性に比較的多いがんです。
頭頸部がんの症状
発生部位やリンパ節への転移部位によって症状は異なりますが、一般的に見られる症状としては、嗄声、嚥下障害、疼痛、粘膜潰瘍、また痛みを伴わないしこりなどが挙げられます。
がん特有の初期症状に乏しく、見逃されやすい傾向があります。そのため、初診時の半数以上は、がんが既に進行している状態で見つかります。
頭頸部がんの予後
がんの発生部位に関わらず、根治のためには手術が基本の治療法となりますが、頭頸部は発生・咀嚼点嚥下など重要な機能を担っている部位であるため、患者さんの臓器温存などの希望に応じた治療を選択し、できる限りQOLを高く保っていくことも重要視されます。
がん種一覧
頭頸部がん
頭頸部がん