進行胃がん患者対象 2次治療 免疫チェックポイント阻害薬ペムブロリズマブ(キイトルーダ)の第3相試験(終了)


  • [公開日]2015.11.12
  • [最終更新日]2017.11.13[タグの追加] 2017/11/13

目次

<一般的な説明>

試験概要

シスプラチン(ランダ等)やオキサリプラチン(エルプラット)などプラチナ製剤」+「S-1(ティーエスワン)やカペシタビンゼローダ)などのフッ化ピリミジン系製剤」を含む薬剤治療を受け、がんの進行が認められた進行性胃がん又は食道胃接合部がんの患者のうち、PD-L1陽性の方を対象とした方にペムブロリズマブキイトルーダ/キートルーダ)またはパクリタキセル(タキソール)を投与した時の腫瘍が進行するまでの期間や生存期間がを比較検証します。

治験薬剤の説明

通常、細菌等の異物が体内に認められたときに免疫細胞が攻撃します。一方、がん細胞は免疫細胞から異物と認められないような機能を有しますが、その時にPD-Lというたんぱく質がかかわっています。MK3475はその機能を無効にできると期待されています。結果、がん細胞を異物であると認識することができるようになります。がん細胞を異物と認識できるようになると、免疫細胞ががん細胞を攻撃できるようになります。この薬剤のことを免疫チェックポイント阻害薬といいます。

主な参加条件等

この試験の対象となりうる方

  1. 組織検査の結果、進行胃腺がんまたは進行胃食道接合部腺がんと確認され、局所治療(手術など)が不可能であると判断された方
  2. シスプラチンまたはオキサリプラチンなどのプラチナ系製剤とS-1やカペシタビンなどの5FU系薬剤を含む、1次治療中または治療終了後に、がんが進行してしまった方
  3. HER2陰性の方、もしくはHER2陽性の場合トラスツマブ(商品名ハーセプチン)を使用したことがある方
  4. PD-L1バイオマーカー解析のためのがん組織を提出可能な方
  5. パフォーマンスステータスが0か1の方(がんにより、日常生活に支障が出ていない方)

この試験の対象とならない方

  1. 扁平上皮胃がんまたは未分化型胃がんを有する方
  2. 2年以内に自己免疫疾患の既往がない方
  3. 胃がんや胃食道接合部腺がん以外のがんの合併がある方
  4. 神経系への転移やがん性髄膜炎となっている方
  5. PD-1阻害薬、PD-L1阻害薬、PD-L2阻害薬を使用したことがある方
  6. エイズ、C型肝炎、B型肝炎の方

プラチナ製剤及びフッ化ピリミジン系製剤による1次化学療法を受け疾患進行が認められた進行性胃腺癌又は食道胃接合部腺癌の患者を対象としたMK-3475とパクリタキセルを比較する非盲検無作為化第III相試験(KEYNOTE-061)

対象がん腫 胃がん、食道胃接合部がん
フェーズ P3
実施期間 2015年6月~2019年3月
実施国 日本、アメリカ、アーストリア、ベルギー、カナダ、チリ、デンマーク、エストニア、フィンランド、ドイツ、グアテマラ、香港、アイルランド、イスラエル、イタリア、韓国、マレーシア、ニュージーランド、ノルウェー、ポーランド、プエルトリコ、ロシア、シンガポール、南アフリカ、スペイン、台湾、トルコ、イギリス
目標症例 720
状況 募集終了
手法 オープン、多施設共同試験
被験薬名 MK-3475(一般名:ペムブロリズマブ、 米国商品名:キートルーダ)
種類 免疫チェックポイント阻害薬(抗PD-1抗体
投与経路 静脈点滴

<専門的な説明>

試験概要

治験は、プラチナ製剤及びフッ化ピリミジン系製剤を含む化学療法を受け疾患進行が認められた進行性胃腺癌又は食道胃接合部腺癌の患者が対象である。本治験の主要仮説はPD-L1陽性の進行性胃腺癌又は食道胃接合部腺癌の患者にMK-3475を投与した時、無増悪生存期間PFS)及び全生存期間OS)が延長されることである。

治験薬剤の説明

A humanized monoclonal IgG4 antibody directed against human cell surface receptor PD-1 (programmed death-1 or programmed cell death-1) with potential immunopotentiating activity. Upon administration, pembrolizumab binds to PD-1, an inhibitory signaling receptor expressed on the surface of activated T cells, and blocks the binding to and activation of PD-1 by its ligands, which results in the activation of T-cell-mediated immune responses against tumor cells. The ligands for PD-1 include PD-L1, which is expressed on antigen presenting cells (APCs) and overexpressed on certain cancer cells, and PD-L2, which is primarily expressed on APCs. Activated PD-1 negatively regulates T-cell activation through the suppression of the PI3K/Akt pathway. Check for active clinical trials or closed clinical trials using this agent. (NCI Thesaurus)
(National cancer institute drug dictionaryより:http://www.cancer.gov/publications/dictionaries/cancer-drug?CdrID=695789

PD-1阻害薬、PD-L1阻害薬

臨床試験公開情報

JAPIC-CTI.No: JapicCTI-152988(最終更新日2015/8/10)詳細はコチラ
ClinicalTrials.gov Identifier: NCT02370498(最終更新日2016/1/21)詳細はコチラ

注意

・試験タイトルに英語記載がある場合、JAPIC等に掲載がないことを意味します。
・試験概要の「専門的な説明」は、JAPICやUMINに情報がある場合はそこから、ない場合はClinidcaltrials.govから転記しています。
・薬剤の「専門的な説明」は、開発企業に情報がある場合はそこから、ない場合はNCI(National Cancer Institute)から転記しています。
・専門的な記載を一般の方がわかるよう記載していますが、当社の認識が誤っていることがありますので、必ず実際の公開情報を確かめてください。
・実施医療機関は明記できませんが、実際の公開情報に明記されている場合があります。
・主な参加条件には記載された基準以外にも多くの基準があります。

初回作成:可知 健太
keyword
ペムブロリズマブ ペンブロリズマブ pembrolizumab  キートルーダ

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