がんと・ひとを・つなぐオンコロ http://オンコロジー.com/ がんと・ひとを・つなぐオンコロ Fri, 15 Dec 2017 16:37:45 GMT http://オンコロジー.com/wp/wp-content/uploads/2015/04/logo1.png がんと・ひとを・つなぐオンコロ http://オンコロジー.com/ 期待の乳がん新薬サイクリン依存性キナーゼ(CDK)4/6阻害薬 イブランス発売 https://oncolo.jp/news/171215k02 https://oncolo.jp/news/171215k02 期待の乳がん新薬サイクリン依存性キナーゼ(CDK)4/6阻害薬 イブランス発売 2017-12-15UTC11:41:29+0000 2017年12月15日、ファイザー株式会社は「手術不能又は再発乳癌」の効能・効果で、サイクリン依存性キナーゼ(CDK)4/6阻害剤パルボシクリブ(イブランス)を発売した。

イブランスはサイクリン依存性キナーゼ4および6(CDK4/6)とサイクリンD複合体の活性を選択的に阻害する新しい作用機序を有する薬剤である。

CDK4/6を直接的に阻害するだけでなく、内分泌療法剤と併用することで、エストロゲン受容体の下流物質であるサイクリンDの発現抑制を介したCDK4/6の間接的阻害も加わり、抗腫瘍効果の増強が期待されている。臨床試験において、HR陽性かつHER2陰性の進行・再発乳がん患者さんに対して高い有効性と忍容性が認められ、無増悪生存期間が標準治療と比較して約2倍延長することが示されていた。

【イブランスの詳細】
乳がんの新薬パルボシクリブ(イブランス)の治療を受ける前に知っておきたい7つのこと(2017年12月15日最終更新)

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BRCA遺伝子変異を有する進行性乳がんに対するPARP阻害剤タラゾパリブ、無増悪生存期間(PFS)を有意に延長する https://oncolo.jp/news/171215y03 https://oncolo.jp/news/171215y03 BRCA遺伝子変異を有する進行性乳がんに対するPARP阻害剤タラゾパリブ、無増悪生存期間(PFS)を有意に延長する 2017-12-15UTC10:38:49+0000 2017年12月5から9日までアメリカ合衆国・サンアントニオ州で開催されている第40回サンアントニオ乳癌学会議(SABCS2017)にて、生殖細胞系BRCA遺伝子変異陽性を有するHER2陰性乳がん患者に対するポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)阻害剤であるタラゾパリブ単剤療法の有効性を検証した第III相のEMBRACA試験(NCT01945775)の結果が公表された。

EMBRACA試験とは、生殖細胞系BRCA1/2遺伝子変異陽性を有する進行性乳がん患者(N=431人)に対してタラゾパリブ単剤療法を投与する群(N=287人)、主治医の選択した治療法(カペシタビン、エリブリン、ゲムシタビン、ビノレルビンのいずれか)を投与する群(N=144人)に2:1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目として客観的奏効率(ORR)、全生存期間(OS)を比較検証した国際多施設共同のオープンラベルの第III相試験である。

本試験の結果、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)中央値はタラゾパリブ単剤療法群8.6ヶ月に対して主治医の選択した治療法群5.6ヶ月、タラゾパリブ単剤療法群で病勢進行または死亡のリスク(PFS)が46%(ハザード比:0.542、P < .0001)統計学的有意に減少することが証明された。

また、副次評価項目である客観的奏効率(ORR)はタラゾパリブ単剤療法群62.6%に対して主治医の選択した治療法群27.2%、奏効率もタラゾパリブ単剤療法群で統計学的有意に良好な結果であった(ハザード比:4.99、P < .0001)。なお、タラゾパリブ単剤療法群において12人の患者が完全奏効(CR)を達成していた。

その他副次評価項目である全生存期間(OS)中央値は、両群ともに未到達であった。しかし、主治医の選択した治療法群よりもタラゾパリブ単剤療法群で改善傾向が見られ、死亡のリスク(OS)が24%減少することが証明された。

一方の安全性としては、グレード3から4の有害事象(AE)はグレード3から4の血液およびリンパ系有害事象(AE)はタラゾパリブ単剤療法群55%、主治医の選択した治療法群39%で発症した。また、グレード3から4の胃腸障害や皮膚および皮下組織障害系の有害事象(AE)発症率は主治医の選択した治療法群に比べてタラゾパリブ単剤療法群で少なかった。グレード3から4の重篤な有害事象(AE)としては、タラゾパリブ単剤療法群26%、主治医の選択した治療法群25%で確認された。また、死亡に至った有害事象(AE)発症率はそれぞれ2.1%、3.2%であった。

以上のEMBRACA試験の結果を受けて、テキサス州立大学MDアンダーソンがんセンター・乳がん診療部門の教授であるJennifer Litton氏は以下のように述べている。"第III相の大規模試験であるEMBRACA試験において主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)を達成したことを喜ばしく思います。トリプルネガティブ乳がん、HR陽性乳がんなどのサブタイプに関係なくタラゾパリブは治療効果を示しました。本試験により主治医の選択した標準治療に比べて1日1回の経口投与可能なタラゾパリブが無増悪生存期間(PFS)をはじめ有効性が優れることが証明されましたので、生殖細胞系BRCA遺伝子変異陽性を有する進行性乳がん患者さんに対して新しい治療選択肢を届けられることになるでしょう。本試験のデータ解析がさらに進み、全生存期間(OS)の結果が早期に出ることを我々は楽しみにしております。"

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再発難治性慢性リンパ性白血病(CLL)に対するベネトクラクス+リツキサン併用療法で病勢進行または死亡(PFS)のリスクが83%減少 https://oncolo.jp/news/171215y01 https://oncolo.jp/news/171215y01 再発難治性慢性リンパ性白血病(CLL)に対するベネトクラクス+リツキサン併用療法で病勢進行または死亡(PFS)のリスクが83%減少 2017-12-15UTC10:22:59+0000 2017年12月9日から12日までアメリカ合衆国ジョージア州アトランタで開催されている第59回米国血液学会議(ASH2017)にて、再発難治性慢性リンパ性白血病(CLL)患者に対するベネトクラクス+リツキシマブ(商品名リツキサン;以下リツキサン)併用療法の有効性を検証した第III相MURANO試験(NCT02005471)の結果が公表された。

MURANO試験とは、少なくとも1回の治療歴のある再発難治性慢性リンパ性白血病(CLL)患者(N=389人)に対してベネトクラクス+リツキサン併用療法を投与する群、またはベンダムスチン(商品名トレアキシン;以下トレアキシン)+リツキサン併用療法を投与する群に1:1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目である主治医判断による無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目である独立評価委員会による無増悪生存期間(PFS)、血球数の回復の有無を問わない血液学的完全寛解率(CR/CRi)、全奏効率(ORR)、全生存期間(OS)、微小残存病変(MRD)の状態、奏効持続期間(DOR)などを検証した国際多施設共同オープンラベルの第III相試験である。

本試験の結果、主要評価項目である主治医判断による無増悪生存期間(PFS)中央値はベネトクラクス+リツキサン併用療法群で未到達、トレアキシン+リツキサン併用療法群で17.0ヶ月、ベネトクラクス+リツキサン併用療法により病勢進行または死亡(PFS)リスクが83%(ハザード比:0.17、95%信頼区間:0.11-0.25、P<0.0001)統計学的有意に減少することが示された。

また、副次評価項目である独立評価委員会による病勢進行または死亡(PFS)リスクがベネトクラクス+リツキサン併用療法により81%(ハザード比:0.19、95%信頼区間:0.13-0.28、P<0.0001)統計学的有意に減少することが示された。それ以外の副次評価項目においては統計学的意義ある結果が確認されなかったが、血球数の回復の有無を問わない血液学的完全寛解率(CR/CRi)はベネトクラクス+リツキサン併用療法群26.8%に対してトレアキシン+リツキサン併用療法群8.2%、全奏効率(ORR)は93.3%に対して67.7%、全生存期間(OS)は両群共に未到達、微小残存病変(MRD)陰性率は83.5%に対して23.1%であった。

一方の安全性は、ベネトクラクス+リツキサン併用療法により新たに確認された有害事象(AE)はなく、既存の安全性プロファイルと一致していた。グレード3から4の有害事象(AE)は白血数減少がベネトクラクス+リツキサン併用療法群57.7%に対してトレアキシン+リツキサン併用療法群38.8%、赤血球減少が10.8%に対して13.8%、血小板減少が5.7%に対して10.1%、発熱を伴う白血球減少が3.6%に対して9.6%、肺炎が5.2%に対して8.0%、インフュージョンリアクションが1.5%に対して5.3%であった。

以上のMURANO試験の結果を受けて、F・ホフマン・ラ・ロシュ社の最高医学責任者兼国際開発責任者であるSandra Horning博士は以下のように述べている。”本試験は、治療歴のある再発難治性慢性リンパ性白血病(CLL)患者に対して化学療法なしに治療できる新しい治療選択肢を提案することになるでしょう。本試験により現在の標準治療に対するベネトクラクス+リツキサン併用療法の有用性を示したことを嬉しく思うとともに、今後我々は政府当局を相手に本効能での適応についての話し合いを進めていきます。”

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大腸がん診断後に穀物、野菜などの食品より食物繊維量を増加させることで死亡率が低減 https://oncolo.jp/news/171215y02 https://oncolo.jp/news/171215y02 大腸がん診断後に穀物、野菜などの食品より食物繊維量を増加させることで死亡率が低減 2017-12-15UTC09:36:09+0000 2017年11月2日、医学誌『JAMA Oncology』にて大腸がんと診断された後の食物繊維摂取量と死亡率の関係についてを検証した前向きコーホート研究の結果が公表された。

本研究は、Nurses’ Health試験、Health Professionals Follow-up試験の2つのコーホートより成るステージ1から3の非転移性大腸がんと診断された患者(N=1575人)を対象に、大腸がんによる死亡率、その他の要因による死亡率と食物繊維摂取量の関係を検証した前向きコーホート研究である。

なお、Nurses’ Health試験には1976年時点で30-55歳であった女性看護師121,700人が登録されており、その内963人が本研究に参加。また、Health Professionals Follow-up試験には1986年時点で40-75歳であった男性医療関係者51,529人が登録されており、その内612人が本研究に参加している。

本研究の参加者は治療歴、日々の生活に関するアンケート調査を2年毎に受けている。また、食事に関しては4年毎にアンケート調査が実施されており、食物繊維の摂取量、食物繊維を摂取した食品、全粒粉の摂取量に関しては大腸がんと診断されてから6ヶ月から4年以内にアンケート調査が実施されている。なお、本研究では食物繊維の摂取量の基準値をNurses’ Health試験においては1980年時点、Health Professionals Follow-up試験においては1986年時点に設定している。

本研究に登録されて患者(N=1575人)背景は、大腸がんと診断された時点の年齢中央値は68.6歳、女性61%である。フォローアップ期間中央値は8年、合計で773人の死亡が確認され、その内大腸がんによる死亡は22.5%(N=174人)であった。

本研究の結果、大腸がんと診断された後に食物繊維摂取量の多い患者は死亡率が低率であることが判った。また、食物繊維の摂取量が1日5g増加することで大腸がんによる死亡のハザード比は0.78(95%信頼区間:0.65-0.93,P = 0.006)、その他の要因による死亡のハザード比は0.86(95%信頼区間:0.79-0.93,P< 0.001)ずつ減少していた。

そして、大腸がん診断前における食物繊維摂取量の基準値よりも診断後にその摂取量が増加した患者の死亡率は低くなる傾向が確認され、食物繊維摂取量が1日5g増加することで大腸がんによる死亡のハザード比は0.82(95%信頼区間:7%-28%,P = 0.002)、その他の要因による死亡のハザード比0.86(95%信頼区間:8%-19%,P < 0.001)ずつ減少していた。

また食物繊維を摂取した食品群別による死亡率としては、穀物による食物繊維摂取量の増加は大腸がんによる死亡のリスク(1日5g増加する毎のハザード比:0.67,95%信頼区間:0.50-0.90,P = 0.007)、その他の要因による死亡のリスク(1日5g増加する毎のハザード比:0.78,95%信頼区間:0.68-0.90,P < 0.001)を減少。野菜による食物繊維摂取量の増加はその他の要因による死亡のリスク(1日5g増加する毎のハザード比:0.82,95%信頼区間:0.60-1.13,P =0.22)を減少。果物による食物繊維摂取量の増加は死亡率との関係が確認されなかった。

そして、全粒粉の摂取量は大腸がんによる死亡のリスク(1日20g増加する毎のハザード比:0.72,95%信頼区間:0.59-0.88,P = 0.002)、その他の要因による死亡のリスク(1日20g増加する毎のハザード比:0.88,P = 0.008)を減少するも、対象患者群における食物繊維摂取量を調整して再度検証すると大腸がんによる死亡のリスク、その他の要因による死亡のリスクはそれぞれ低減していた。

以上の結果より、大腸がんと診断された後の食物繊維摂取量の増加は大腸がんによる死亡率、その他の要因による死亡率を減少させる因子として関係していることが本研究より証明された。また、大腸がんと診断された患者は診断前より食物繊維の摂取量を増加させることで、臨床的なベネフィットが得られる可能性があることも示唆された。

Fiber Intake and Survival After Colorectal Cancer Diagnosis(JAMA Oncol. Published online November 2, 2017)

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キイトルーダの新適応症候補に軟部肉腫、難治性患者対象の第2相試験で単剤奏効率18% Lancet Oncol https://oncolo.jp/news/171215k01 https://oncolo.jp/news/171215k01 キイトルーダの新適応症候補に軟部肉腫、難治性患者対象の第2相試験で単剤奏効率18% Lancet Oncol 2017-12-15UTC07:54:01+0000 免疫チェックポイント阻害薬のペムブロリズマブ(商品名キイトルーダ)が、治療抵抗性軟部肉腫の新たな選択肢となる可能性を示した。特に、軟部肉腫の中で30%超を占める未分化多形肉腫、ならびに脂肪肉腫というサブタイプに効いた。テキサス大学MD AndersonがんセンターのHussein A Tawbi氏らが米国で実施中の第2相試験(SARC028、NCT02301039)の中間解析結果で、2017年10月4日のLancet Oncolオンラインで発表された。

試験SARC028:軟部肉腫と骨の肉腫を対象とする単群非無作為化非盲検試験

2015年3月13日から2016年2月18日までに18歳以上の軟部肉腫患者、および12歳以上の骨の肉腫患者を合計86例登録し、キイトルーダ200mgを3週ごとに静注した。登録例は組織学的に転移、または切除不能局所進行性であることを確認し、1種から3種の全身療法を受けても進行した患者に限定した。

その結果、データカットオフは2017年3月1日、追跡期間中央値は17.8カ月、有効性解析対象は軟部肉腫患者40例、骨の肉腫患者40例であった。主要評価項目であるRECIST判定による奏効率は、軟部肉腫患者集団が18%(完全奏効[CR]1例、部分奏効[PR]6例)、骨の肉腫患者集団が5%(PR 2例)であった。軟部肉腫の奏効7例のうち4例は未分化多形肉腫、2例は脂肪肉腫、1例は滑膜肉腫であった。骨の肉腫の奏効2例のうち1例は骨肉腫、1例は軟骨肉腫であった。免疫関連腫瘍反応(irRC)の判定基準でもRECIST判定とほぼ同様の結果が得られた。

主要評価項目:固形がん腫瘍反応判定基準RECIST

軟部組織肉腫のサブタイプ別のRECIST判定は次のとおりである。
・平滑筋肉腫(10例):病勢安定(SD)6例、病勢進行(PD)4例
・未分化多形肉腫(10例):CR 1例、PR 3例、SD 3例、PD 3例
・脂肪肉腫(10例):PR 2例、SD 4例、PD 4例
・滑膜肉腫(10例):PR 1例、SD2例、PD7例

骨の肉腫のサブタイプ別のRECIST判定は次のとおりである。
・軟骨肉腫(5例):PR 1例、SD 1例、PD 3例
・Ewing肉腫(13例):SD 2例、PD 11例
・骨肉腫(22例):PR 1例、SD 6例、PD 15例

未分化多形肉腫の10例中7例、脂肪肉腫の10例中6例は12カ月間無増悪

軟部肉腫患者集団の無増悪生存(PFS)期間中央値は18週間で、12週間PFS率(55%)は予測閾値(40%)を有意に上回った(p=0.039)。未分化多形肉腫患者に限るとPFS期間中央値は30週間、12週間PFS率は70%にのぼった。脂肪肉腫患者でのPFS期間中央値は25週間、12週間PFS率は60%であった。

軟部肉腫患者集団の全生存期間(OS)中央値は49週間で、未分化多形肉腫患者に限った解析ではOSの中央値特定には至っていない。骨の肉腫患者集団のPFS期間中央値は8週間で、解析時点で25例(63%)が病勢進行(PD)のため死亡、全生存期間(OS)中央値は52週間であった。軟骨肉腫患者に限った解析ではOSの中央値特定には至っていない。

PD-L1のバイオマーカー可能性は結論出せず

治療前の腫瘍生検解析対象70例中、PD-L1発現陽性はわずか3例(4%)で、この3例はすべて未分化多形肉腫患者であり、3例中1例に完全奏効(CR)、1例に部分奏効(PR)が得られた。未分化多形肉腫ではPD-L1発現とT細胞浸潤が相関するとの報告があるが、本試験の結果からも、未分化多形肉腫は炎症度の高い腫瘍の典型とも考えられ、PD-1標的抗体であるキイトルーダ単剤で効果が得られた理由として説明可能である。同様の結果が認められた別の試験報告もある。一方で、悪性黒色腫などを対象とする試験で報告されているように、本試験でもPD-L1発現陰性患者で奏効が得られている。したがって、バイオマーカーについては免疫組織化学的解析技術を駆使した詳細解析が必要である。

脂肪肉腫患者の奏効例もPD-L1発現は陰性であった。この奏効例は高悪性度サブタイプの脱分化型脂肪肉腫患者で、粘液型脂肪肉腫、または円形細胞型脂肪肉腫患者では奏効例が認められなかった。

以上の解析結果に基づき、未分化多形肉腫と脱分化型脂肪肉腫を患者登録拡大の対象に決定した。

安全性は承認済み適応症のがん種患者集団と同様

本試験で認められた有害事象は、キイトルーダの適応症としてすでに承認されている悪性黒色腫、非小細胞肺がん、古典的ホジキンリンパ腫患者で確認されているものと同様で、安全性に問題はなかった。特に、本試験の肉腫患者のほとんどが肺転移を伴い進行したにもかかわらず、間質性肺炎の発現率が増加することはなかった。

グレード3以上の有害事象は、主に貧血、リンパ球数減少、活性化部分トロンボプラスチン時間延長であった。重篤な有害事象が認められた9例のうち、免疫関連事象が認められたのは5例で、副腎不全(2例)、間質性肺炎(2例)、および腎炎(1例)であった。

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【メルマガコラム】2018年も開催します、希少がんセミナー[vol.47] https://oncolo.jp/backnumber/mailmagazine_vol47 https://oncolo.jp/backnumber/mailmagazine_vol47 【メルマガコラム】2018年も開催します、希少がんセミナー[vol.47] 2017-12-15UTC03:28:04+0000 コラム

オンコロの鳥井です。
本日国立がん研究センター広報企画室よりリリースが配信されましたが、2018年も希少がん Meet the Expertを開催します。
2018年では月2回に増え、より深く、希少ながんを取り上げ開催していきます。
https://oncolo.jp/rarecancer_mte2018/
このセミナーを開催して驚いたのは、毎回1割以上の方が首都圏以外の在住者だということです。
わずか90分のセミナーにも関わらず、数時間の時間をかけて聴きに来るのです。
それだけ情報が不足しているのだと実感をしました。
さて今年最後の希少がんMeet the Expertが12月8日に「AYA世代の希少がん」をテーマに開催されます。通例ですと、先生の講義が60分、ディスカッション30分で行っています。
しかし今回は4名の小児/AYA世代のサバイバーに登壇してもらい、自身の体験談を話してもらい、その後ディスカッションの時間を40分設けています。ちなみに肉腫サバイバーである私も登壇いたします。

今回のセミナーでは小児/AYA世代のがん体験者のありのままを伝えていきたいと考えています。治療以外の面で、本当に困難だった面や、こんなんと思われがちだが、実はそんなこともないといったこと知ってもらえる回に出来たらと思います。
まだ若干名受付が可能ですので、ご興味のある方はご来場、または後日動画配信をしますのでご覧ください。
【今週金曜日開催の希少がん Meet the Expert お申し込みはこちら】
https://oncolo.jp/rarecancer_mte/
鳥井 大吾

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【臨床試験広告】手術可能なトリプルネガティブ乳がんの術前化学療法に関する医師主導治験のご案内 https://oncolo.jp/ct/ad0041 https://oncolo.jp/ct/ad0041 【臨床試験広告】手術可能なトリプルネガティブ乳がんの術前化学療法に関する医師主導治験のご案内 2017-12-15UTC00:48:03+0000
本ページは、Japan Breast Cancer Research Group(JBCRG)からの委託による医師主導臨床試験(治験)の広告となります。また、治験を実施する実施医療機関の倫理審査委員会の審査・承認を受けたものを掲載しています。

本ページは、「手術可能なトリプルネガティブ乳がんの術前化学療法に関する医師主導臨床試験」への応募ページとなります。

「手術可能なトリプルネガティブ乳がんと診断されたばかりで治療法や病院を模索している方」
で、この臨床試験に興味がある方は、参加応募フォームからまたはお電話にてお問い合わせください。

【お問い合わせ電話番号】
Webサイト『オンコロ』:0120-974-268 (平日:10:00~18:30)
メールアドレス:info_oncolo@clinical-t.com

臨床試験の概要

臨床試験の目的について

この臨床試験は「手術可能なトリプルネガティブ乳がんと診断された方に術前化学療法(手術前に化学療法を行い、腫瘍を小さくする治療法)として新しい抗がん剤の組み合わせを検討する第2相臨床試験」となります。

トリプルネガティブ乳がんの術前化学療法の現状と、この臨床試験の意義
乳がんは、ホルモン受容体陽性のルミナールA/B、HER-2陽性,トリプルネガティブに分類されており、トリプルネガティブ乳がんはホルモン受容体(エストロゲン受容体(ER)およびプロゲステロン受容体(PgR))陰性、HER-2陰性タイプであり、全乳がんの約15%を占めています。他のタイプの乳がんと比較して予後が悪いことが知られています。

トリプルネガティブ乳がんと診断された場合、手術が可能でも、周術期(術前または術後)に化学療法(抗がん剤)を行うことが一般的であり、アントラサイクリン系併用療法(FEC*、AC**等)とタキサン系(ドセタキセル、パクリタキセル等)の逐次化学療法(例えばFEC療法後にパクリタキセルを実施する治療)が標準治療とされています。
*FEC:F(フルオロウラシル)、E(エピルビシン)、C(シクロフォスファミド)の併用療法
**AC:A(ドキソルビシン(アドリアマイシン))、C(シクロフォスファミド)

また、術前化学療法の効果(腫瘍縮小)がその後の予後に影響することがわかっており、効果を上げるために、新しい抗がん剤の組み合わせを開発することが、手術可能なトリプルネガティブ乳がんの治療の進歩となります。

一方、この臨床試験の軸となる薬剤であるエリブリンは、進行再発乳がん治療において,アントラサイクリン系とタキサン系既治療の状況で、その生存を改善する効果が示され、とくにトリプルネガティブ乳がんにおいてその効果は著明となります。ゆえに、トリプルネガティブ乳がんの周術期治療への応用により、従来の治療より勝る効果が期待されています。また、タキサン系に見られる末梢神経障害の副作用も軽微な傾向が示されています。

臨床試験に関するQ&A

Q:どのような方が対象となりますか?

本試験の対象になる方は以下の通りです。

・20歳以上70歳以下の女性
・トリプルネガティブ乳がんと診断された方
・ステージ1~3aで腫瘍の大きさが7cm以下の方
・手術可能と診断されて、今後手術を予定している方
・術前化学療法を開始していない方
*その他にも条件がございます。

Q:トリプルネガティブ乳がんと確定していませんが、問い合わせ可能ですか?

はい。可能です。「オンコロ」まで、お問い合わせください。

Q:セカンドオピニオンとして相談しても問題ありませんか?

問題ありません。臨床試験への参加は治療の選択肢の一つとなります。治験実施医療機関に来院されて、ご相談ください。

Q:スケジュールを教えてください。

この臨床試験に参加した場合、年齢やがんのタイプによりAグループかBグループに分けられます。

その後、Aグループであれば「パクリタキセル+カルボプラチン併用療法」「エリブリン+カルボプラチン併用療法」に、Bグループであれば「エリブリン+シクロフォスファミド併用療法」「エリブリン+カペシタビン併用療法」に1:1の割合で割り付けられます。これらの化学療法後にFEC療法またはAC療法を受けることになります(Bグループは効果次第になります)。

Q:AグループとBグループの違いは何ですか?

以下のとおりですが、専門的な内容のため、治験を検討する際に治験担当医にお尋ねください。

Aグループ:「65歳未満でHRD陽性」もしくは「BRCA変異ありが既知」の患者
Bグループ:「65歳未満でHRD陰性」もしくは「65歳以上(BRCA変異ありが既知を除く)」の患者

術前化学療法試験のトランスレーショナルリサーチ(橋渡し研究)の報告から、BRCA遺伝子異常を有する場合や、Homologous Recombination Deficiency (HRD) 陽性の場合にはカルボプラチンの有効性が期待できることから、Aグループはカルボプラチンを使用する抗がん剤の組み合わせとなっています。

Q:通常の治療とは違いがありますか?

この試験に参加しない場合、周術期に化学療法を受けるのが一般的です。手術期の化学療法は、アントラサイクリン系併用療法(FEC、AC等)やタキサン系(ドセタキセル、パクリタキセル等)が使用されます。

Q:手術はどこで受けることになりますか?

治験実施医療機関で受けることになります。

Q:治療への費用負担はどのようになりますか?

この臨床試験に参加している間のエリブリン、カルボプラチン、カペシタビンの3種類の薬剤は、無償提供されます。ただし、それ以外の薬剤(シクロフォスファミド、パクリタキセル、フルオロウラシル、エピルビシン、ドキソルビシン)、手術にかかわる費用、治療中に定期的に実施する採血検査、CT/MRIなどの画像検査は、通常の診療と同様に保険が適用され自己負担分の費用を負担していただくこととなります。

 

Q:どこでこの臨床試験が実施されていますか?

この臨床試験は以下の医療機関で実施されています。

・国立病院機構 北海道がんセンター
・公立大学法人 福島県立医科大学附属病院
・千葉県がんセンター
・東京都立駒込病院
・公益財団法人 がん研有明病院
・杏林大学医学部付属病院
・地方独立行政法人神奈川県立病院機構 神奈川県立がんセンター
・大阪国際がんセンター
・大阪医療センター
・地方独立行政法人広島市立病院機構 広島市立広島市民病院
・広島大学病院
・独立行政法人 国立病院機構 四国がんセンター

※患者関係者から治験実施医療機関への直接の問い合わせはご遠慮ください。臨床試験参加可能性があっても、参加できない場合があります。

 

Q:もっと詳しい情報が知りたいです。

本試験は以下にて公開されています。ご参照ください。
UMIN試験ID:UMIN000023162

また、JBCRGのホームページ上でも公開されています。
http://www.jbcrg.jp/clinicaltrials/detail.php?id=54
*参加を希望される場合、上記のリンク先の問い合わせ先に連絡するのではなく、本ページ上の電話番号にご連絡ください。

 

この臨床試験に関する問い合わせ先

本臨床試験に興味を持たれた方、疑問点がある方、参加希望の方は以下にお問い合わせ下さい。
電話番号;0120-974-268(平日:10:00~18:30)
メールアドレス:info_oncolo@clinical-t.com
その他、インターネットでの申し込みは以下よりお申し込みください。

臨床試験への参加の流れ

プライバシーポリシーについて

あなたのプライバシーは保護され、あなたの許可するもしくは法律で必要とされる場合を除き、提供された情報は当該臨床試験に関わる人のみが共有します。ご提供いただいた個人情報が外部会社に売却されたり、直接の同意なしに保存・収集されたりすることはありません。あなたの個人情報は、臨床試験参加中および参加後も保護され、いつ臨床試験への参加中止を決定したか否かを問いません。

臨床試験(治験)について

ヒトを対象とする研究分野のことを臨床研究といいます。臨床研究の中でも、ヒトに実際に治療法を用いて実施するものを臨床試験といいます。中でも、承認されていない薬剤等を用いて、承認を目的としてデータを集める過程を治験といいます。

監修: 一般社団法人JBCRG JBCRG-22治験調整医師 戸井雅和・増田慎三

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胃がん・大腸がん・肺がん患者さん 治療中のお気持ち理解を目的としたアンケート調査にご協力ください。 https://oncolo.jp/reserch/cancer1712 https://oncolo.jp/reserch/cancer1712 胃がん・大腸がん・肺がん患者さん 治療中のお気持ち理解を目的としたアンケート調査にご協力ください。 2017-12-14UTC09:44:00+0000 胃がん・大腸がん・肺がん患者さんへご協力をお願いしております。

この調査は現在、がんの治療を受けている方、過去に治療を受けた方に治療内容や治療期間を伺うとともに、がんと診断された時およびがんの治療期間中にどのようなお気持ちであったかをお伺いし、患者さんのがんの種類やステージ、治療状況の違いによりお気持ちにどのような変化があるかを調べる目的で行われます。
前向きに治療を行っていくうえで、家族や友人、医療関係者が患者さんのお気持ちを理解することはとても大切なことです。
患者さん中心の医療の発展に向けての調査へ皆さまのご協力をお願い致します。

アンケート調査にご協力いただける方

・5年以内に肺がん、胃がん、大腸がんの診断を受けた方

アンケートで質問する主な内容について

がんの種類についての確認
・診断されたがんの治療内容や治療期間
・診断された時および治療期間中のご自身の日常生活上でのお気持ち
※治療内容や治療期間についてはこれまでに行った治療が多い場合、質問数が増えることとなります。ご理解のほど何卒宜しくお願い致します。

実施方法について

この調査は、インターネット上のアンケートに回答する形で行われます。ほとんどの質問は選択式で、所要時間はこれまでの治療歴により変わりますが、およそ20分程度となっております。

その他の注意点について

アンケート内で謝礼を郵送する目的で住所と氏名の入力が必要になりますが、個人情報は厳重に管理され、謝礼の郵送以外の目的で使用されることはございません。また、どうしても入力に抵抗がある場合には、入力をせずに回答することが出来ますが、謝礼のお渡しをすることは出来ません。予めご了承ください。

 

実施期間

2017年12月14日(木)~25日(月)
※回答状況により変更となる可能性がございます。

謝礼

普通郵便為替にて3,000円の謝礼を郵送にてお送りいたします。
※郵便局で御引換が必要となります。

アンケートへの回答

下記のボタンをクリックしてください。

 調査の実施体制について

当アンケートは株式会社マーケティングセンターと共同で実施しております。
ご不明な点がございましたら下記までお問い合わせください。

がん情報サイト「オンコロ」
0120-974-268 (平日:10:00~18:30)
調査担当者:濱崎晋輔

株式会社マーケティングセンター
03-5391-2513 (平日:9:30~12:00/13:00~17:30)
個人情報に関するお問合せ担当:田村はな子

 

皆さまのご協力をお待ちしております。

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皮膚がん治療、新薬開発分野で海外との格差埋める第一人者 国立がん研究センター中央病院皮膚腫瘍科長・山崎直也さん https://oncolo.jp/pick-up/news1257 https://oncolo.jp/pick-up/news1257 皮膚がん治療、新薬開発分野で海外との格差埋める第一人者 国立がん研究センター中央病院皮膚腫瘍科長・山崎直也さん 2017-12-13UTC13:30:57+0000 国立がん研究センター中央病院皮膚腫瘍科長の山崎直也医師は、新薬承認をはじめ、皮膚がんや希少がんの治療法開発の分野における第一人者として国際的な知名度を持つ皮膚科医である。

続きを読む
https://goo.gl/uqAue4

ニュース選定者:中島 香織
引用元:zakzak
https://www.zakzak.co.jp/

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反抗期の息子が抱きしめてくれた モデル・園田マイコさんが乳がんと闘った日々 https://oncolo.jp/pick-up/news1256 https://oncolo.jp/pick-up/news1256 反抗期の息子が抱きしめてくれた モデル・園田マイコさんが乳がんと闘った日々 2017-12-13UTC11:30:56+0000 「あなたは乳がんです」そう伝えられたとき、あなたならどう思うだろうか?
カメラの前でまぶしい笑顔を見せた女性。モデルの園田マイコさんは、母であり、乳がんを経験した「がんサバイバー」でもある。

続きを読む
https://goo.gl/bujmvE

ニュース選定者:鳥井 大吾
引用元:ハフポスト
http://www.huffingtonpost.jp/

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就労世代のがんサバイバーへ 「仕事のペースを取り戻すために、少なくとも半年から1年はかかるものです」 https://oncolo.jp/pick-up/news1255 https://oncolo.jp/pick-up/news1255 就労世代のがんサバイバーへ 「仕事のペースを取り戻すために、少なくとも半年から1年はかかるものです」 2017-12-13UTC09:30:37+0000 早期発見や治療法の進歩によってがんの生存率が上がり、治療を経て仕事に復帰できるケースも今や珍しくありません。しかしその一方で、「がん患者や家族の心のケア」に特化した取り組みを行っている国立がん研究センター東病院の精神腫瘍科長・小川朝生医師は「日本での広がりはまだまだ不十分」と指摘します。

続きを読む
http://bunshun.jp/articles/-/5087

ニュース選定者:濱崎 晋輔
引用元:文春オンライン
http://bunshun.jp/

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レモネード販売で小児がん闘病支援の募金呼びかけ https://oncolo.jp/pick-up/news1254 https://oncolo.jp/pick-up/news1254 レモネード販売で小児がん闘病支援の募金呼びかけ 2017-12-13UTC07:30:50+0000 小児がんと闘う子どもたちを支援しようと、同じ経験がある小学4年生の男の子が、横浜駅の近くで手作りのレモネードを販売して募金を呼びかけました。

続きを読む
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20171209/k10011252811000.html

ニュース選定者:中島 香織
引用元:NHK NEWS WEB
http://www3.nhk.or.jp/news/?utm_int=all_header_logo_news

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主に中国人対象_前治療のある非小細胞肺がんに対するオプジーボ、全生存期間(OS)の優越性を証明し、試験が早期中止となる https://oncolo.jp/news/171213y02 https://oncolo.jp/news/171213y02 主に中国人対象_前治療のある非小細胞肺がんに対するオプジーボ、全生存期間(OS)の優越性を証明し、試験が早期中止となる 2017-12-13UTC07:16:58+0000 2017年11月30日、前治療歴のある進行性または転移性非小細胞肺がん患者に対するニボルマブ(商品名オプジーボ)単剤療法の有効性を検証したCheckMate-078試験(NCT02613507)において、主要評価項目である全生存期間(OS)が対照群に対してオプジーボ投与群で統計学的有意であることが判明したため、データモニタリング委員会(DMC)により試験の早期中止勧告を受けたことをブリストル・マイヤーズ スクイブ社が自社のプレスリリースで公表した。

CheckMate-078試験とは、プラチナ製剤ベースの2剤併用化学療法後に増悪したステージIIIb/IV非小細胞肺がん患者(N=504人)に対して2週間に1回の投与間隔でオプジーボ3mg/kgを投与する群、または3週間に1回の投与間隔でドセタキセル(商品名タキソテール)75mg/m2を投与する群に無作為に振り分け、主要評価項目である全生存期間(OS)を比較検証した国際多施設共同オープンラベルの第III相試験である。

なお本試験は主に中国人を対象とした臨床試験であり、患者504人のうち中国からは451人、ロシアからは45人、シンガポールからは8人の患者が登録されている。

本試験の途中結果、主要評価項目である全生存期間(OS)はタキソテール単剤療法群よりもオプジーボ単剤療法群で優越性が確認されたために試験は早期中止となった。また安全性プロファイルの結果は、他の固形がん種で確認された副作用と一致していた。

以上の臨床試験結果に基づき、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は治療歴のある非小細胞肺がんの適応でオプジーボの生物製剤承認一部変更申請(sBLA) を中華人民共和国国家食品薬品監督管理総局(CFDA)へ提出した。

本試験の結果を受け、Guangdong General Hospital・教授であり臨床試験の代表治験医師であるYi-Long Wu氏は以下のように述べている。”治療歴のある中国人非小細胞肺がん患者を対象に、主要評価項目である全生存期間(OS)がタキソテール群よりもオプジーボ群で優れることを初めて証明したCheckMate-078試験の結果に我々は興奮しております。オプジーボは治療歴のある中国人非小細胞肺がん患者に対する初のがん免役療法になることでしょう。患者さんが可能な限り早期にがん免役療法の恩恵を受けられることを我々は望みます。”

また、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社・胸部悪性腫瘍担当開発責任者であるNick Botwood氏は以下のように述べている。”CheckMate-078試験は、前治療のある転移性非小細胞肺がん患者に対するオプジーボの有効性を証明した3番目の臨床試験です。中国人にとって肺がんは最も死亡の多いがん種ですので、中国人を対象とした第III相試験においてオプジーボが全生存期間(OS)の優越性を初めて証明した抗PD-1抗体薬であるという事実は非常に臨床的意義が高いことでしょう。オプジーボの臨床開発研究を通じて、未だにアンメッドメディカルニーズが満たされていない患者さんの生存延長に貢献できるよう我々は今後も努めてまいります。”

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再発難治性ホジキンリンパ腫に対するアドセトリス+オプジーボ併用療法で6割が完全奏効率を達成 https://oncolo.jp/news/171213y01 https://oncolo.jp/news/171213y01 再発難治性ホジキンリンパ腫に対するアドセトリス+オプジーボ併用療法で6割が完全奏効率を達成 2017-12-13UTC07:13:46+0000 2017年12月9日から12日までアメリカ合衆国・ジョージア州・アトランタで開催されている第59回米国血液学会議(ASH2017)にて、再発難治性ホジキンリンパ腫患者に対するニボルマブ(商品名オプジーボ)+ブレンツキシマブベドチン(商品名アドセトリス)併用療法の有効性、安全性を検証した第I/II相試験(NCT02572167)の結果が公表された。

本試験は、初回治療としてABVD療法など化学療法レジメンの治療歴のある再発難治性ホジキンリンパ腫患者(N=62人)に対して21日を1サイクルとして8日目にオプジーボ3mg/kg+1日目にアドセトリス1.8mg/kg併用療法を最大4サイクルまで投与し、その後適応のある患者に対しては造血幹細胞移植(HSCT)を実施し、主要評価項目として完全奏効(CR)率、有害事象(AE)発現率を検証したオープンラベルシングルアームの第I/II相試験である。

本試験に登録された患者背景は、年齢中央値36歳、前治療歴としては95%の患者がABVD療法、またはABVD-PC療法、R-ABVD療法を受けていた。投与サイクル数としては4サイクルまで完遂した患者が62人の内58人、治療サイクル完遂前に投与中止となった患者は4人、造血幹細胞移植(HSCT)へ移行した患者は54人であった。

以上の背景を有する患者に対してオプジーボ+アドセトリス併用療法を投与した結果、評価可能であった患者60人における主要評価項目である完全奏効(CR)率は62%(N=37人)であった。なお、客観的奏効率(ORR)は83% (N=50人)、その内訳は部分奏効(PR)22% (N=13人)、安定(SD)8% (N=5人)、病勢進行(PD) 8% (N=5人)であった。

また、もう1つの主要評価項目である有害事象(AE)発現率としては、造血幹細胞移植(HSCT)前に少なくとも20%以上の患者で確認されたのは吐き気、疲労、インフュージョンリアクション(IRR)、痒み、下痢、頭痛、咳、嘔吐、呼吸困難、鼻づまり、発熱、発疹であった。

グレード3または4の有害事象(AE)は31% (N=19人)で発症した。グレード3の有害事象(AE)としては28% (N=17人)で発症が確認され、その内容は疲労、インフュージョンリアクション(IRR)、痒み、下痢であった。グレード4の有害事象(AE)は3% (N=2人)で発症が確認され、その内容は血小板減少症、リパーゼ増加であった。

なお、インフュージョンリアクション(IRR)を除く免疫関連有害事象(irAE)は82%の患者(N=50人)で発症が確認され、グレード2の免疫関連有害事象(irAE)は大腸炎、肺炎、グレード3は下痢、AST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)上昇、グレード4は大腸炎、肺炎であった。

本試験の結果を受けて、City of Hope Medical Centerの助教授であり本試験のリード治験医師であるAlex Herrera博士は以下のように述べている。”CD30抗原を標的とするモノクローナル抗体薬アドセトリスと抗PD-1抗体薬オプジーボの併用は有望な治療であると考えられます。これらの薬剤を併用することにより抗腫瘍効果が相乗的に高まる可能性が本試験により示唆されました。”

Results from a Phase 1/2 Study of Brentuximab Vedotin in Combination with Nivolumab in Patients with Relapsed or Refractory Hodgkin Lymphoma(ASH201 Abstract. 649)

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「娘が勇気をくれた」 異なる理由で毛を失った母娘の写真が美しい https://oncolo.jp/pick-up/news1253 https://oncolo.jp/pick-up/news1253 「娘が勇気をくれた」 異なる理由で毛を失った母娘の写真が美しい 2017-12-13UTC05:30:33+0000 自分の意志とは関係なく、髪の毛が抜け落ちる…。誰にとっても不安になる現象だが、特に若い女の子にはとても辛い出来事だろう。

続きを読む
https://irorio.jp/jpn_manatee/20171208/428506/

ニュース選定者:中島 香織
引用元:IRORIO
https://irorio.jp/

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割り付け https://oncolo.jp/dictionary/randomization-3 https://oncolo.jp/dictionary/randomization-3 割り付け 2017-12-13UTC04:23:03+0000 割り付けとは臨床試験において、あらかじめ決められた規則により被験者複数の群に振り分けることをいいます。比較試験においては、被験者が受ける治療法又は予防法の群を偶然性に基づいて決めることを無作為割付(randomization) といいます。

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リードオーサー https://oncolo.jp/dictionary/lead_author https://oncolo.jp/dictionary/lead_author リードオーサー 2017-12-13UTC04:19:54+0000 リードオーサー(筆頭著者)とは、論文に名前が載っている著者の中で、一番初めに記載されている著者のことです(ファーストオーサーと同義語です)。論文には、その研究に携わった人の名前が掲載されますが、名前を載せる順番にはルールがあり、一般的には貢献度に準じて名前が記載されます。直接研究を行い、実際に論文を執筆した人は一番最初に名前が記載されます。この人をリードオーサーと呼びます(論文は、著者全員で執筆するのではなく、基本的にはリードオーサーが一人で執筆し、それを他の著者が加筆・修正します)。その後、貢献度に応じて名前が記載され、研究の総責任者は最後に名前が載り、この著者をラストオーサーと呼びます。

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The Lancet Oncology https://oncolo.jp/dictionary/the_lancet_oncology https://oncolo.jp/dictionary/the_lancet_oncology The Lancet Oncology 2017-12-13UTC04:18:19+0000 The Lancet Oncologyは世界五大医学雑誌のひとつThe Lancetの関連雑誌で、がん治療に特化した医学専門誌です。その雑誌の影響度を表す指標にインパクトファクターという数値で順位付けられていますが、The Lancet Oncologyは医学専門誌の中で常に上位に位置づけられています。The Lancet Oncologyのようにインパクトファクターの高い雑誌に掲載された論文は、客観的にも論文内容が高く評価されたことと見なされています。

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容量制限毒性(DLT) https://oncolo.jp/dictionary/dlt https://oncolo.jp/dictionary/dlt 容量制限毒性(DLT) 2017-12-13UTC04:17:01+0000 用量制限毒性とは医薬品を患者さんに投与する際にこれ以上の増量ができない理由となる毒性(副作用)のことをいいます。臨床試験においては、グレード3以上の非血液学的毒性あるいはグレード4以上の血液学的毒性が出現した場合と規定されています。これらの毒性の出現頻度及びその程度によって、用いた投与量の毒性が許容範囲内かどうかを判断するために用いられます。

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免疫組織化学(IHC) https://oncolo.jp/dictionary/ihc https://oncolo.jp/dictionary/ihc 免疫組織化学(IHC) 2017-12-13UTC04:15:45+0000 免疫組織化学(Immunohistochemistry:IHC)とは、目的とするタンパク質が、検体組織に存在しているか調べる検査方法です。病気を詳しく診断するためには、患部の一部を切り取り、検査(生検)する必要があります。切り取られた患部は、固められた後、薄く(5 um:1 mmの200分の1の厚さ)切ってスライドグラスに載せられ、顕微鏡で詳しく調べられます。この時、患部にタンパク質Xが存在するか調べる検査が、免疫組織化学です。

まず、スライドガラス上の薄く切られた患部の組織に、タンパク質Xに対する抗体をふりかけます。タンパク質Xが存在する場合は、タンパク質Xと抗体が結合するので、タンパク質Xと抗体が一緒に存在します。この抗体を様々な色素を用いて可視化することにより、タンパク質Xが存在する場所を明らかにします。免疫組織化学は、トラスツズマブ(ハーセプチン)を投与する前に、HER2タンパク質が患部に存在するかを確かめる検査などで使われている方法です。

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免疫細胞 https://oncolo.jp/dictionary/immune_cells https://oncolo.jp/dictionary/immune_cells 免疫細胞 2017-12-13UTC04:13:54+0000 免疫細胞は、血球系のマクロファージとリンパ系のナチュラルキラー細胞(NK細胞)、B細胞、ヘルパーT細胞、キラーT細胞があります。

また、生まれつき持っている免疫で、体の中の細胞が侵入した細菌などを食べてやっつける自然免疫の働きをマクロファージとNK細胞が担当します。獲得免疫はあとから出来る免疫で、一度感染したものの情報が記録されていて、同じものが侵入してきた時に食べるだけでなく抗体という、その相手にだけ特別に反応するものをつくって、やっつけます。獲得免疫はB細胞、ヘルパーT細胞、キラーT細胞が担当します。

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無遠隔転移生存期間(DMFS) https://oncolo.jp/dictionary/dmfs https://oncolo.jp/dictionary/dmfs 無遠隔転移生存期間(DMFS) 2017-12-13UTC04:11:34+0000 無遠隔転移生存期間(distant recurrence-free survival)とは患者さんが他臓器への転移の発生なく生存していた期間のことを言います。

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前向き https://oncolo.jp/dictionary/prospective-2 https://oncolo.jp/dictionary/prospective-2 前向き 2017-12-13UTC04:10:21+0000 前向きとは、研究においてデーターをどのように集めるかを示したものです。データーの集め方は、時間の方向によって、未来に向かってデーターを収集する方法(前向き、プロスペクティブ:prospective)と、過去に遡ってデーターを収集する方法(後ろ向き、レトロスペクティブ:retrospective )に分けられます。治験などの臨床試験では、患者さんを登録してから、未来に向かって患者さんのデーター(QOL、再発率、生存率など)を収集します。この方法を前向きと呼びます。

一方、肺癌の患者さんとそうでない人で喫煙歴を調べ、肺癌と喫煙に関連性があるかを研究するといった場合は、過去に遡ってデーター(喫煙歴)を収集します。このような方法は後ろ向きと呼ばれます。

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ファルネシル化 https://oncolo.jp/dictionary/farnesylation https://oncolo.jp/dictionary/farnesylation ファルネシル化 2017-12-13UTC04:07:46+0000 ファルネシル化とは、タンパク質に行われる修飾の一種です(タンパク質修飾にはこの他に「リン酸化」、「アセチル化」、「ユビキチン化」などがあります)。ファルネシル化により、タンパク質の末端には疎水性のプレニル基が結合します。末端が疎水性になったタンパク質は、その疎水性の部分を細胞膜内に挿入するため、タンパク質は細胞膜(細胞の内側)につなぎ留められます。つまり、ファルネシル化されたタンパク質は、細胞の内側の細胞膜上に存在するようになります。がん遺伝子の一つRAS 遺伝子から作られるRASタンパク質は、このファルネシル化を受けており、RASタンパク質が働くためにはファルネシル化が重要(RASタンパク質が細胞膜に存在することが重要)であることが分かっています。そこで、RASタンパク質をファルネシル化する酵素を阻害し、RASタンパク質の働きを妨げ、がん細胞の増殖を抑える薬の開発が行われています。

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ファーストオーサー https://oncolo.jp/dictionary/first_author https://oncolo.jp/dictionary/first_author ファーストオーサー 2017-12-13UTC04:05:28+0000 ファーストオーサー(第一著者)とは、論文に名前が載っているの著者の中で、一番初めに記載されている著者のことです(リードオーサーと同義語です)。論文には、その研究に携わった人の名前が掲載されますが、名前を載せる順番にはルールがあり、一般的には貢献度に準じて名前が記載されます。直接研究を行い、実際に論文を執筆した人は一番最初に名前が記載されます。この人をファーストオーサーと呼びます(論文は、著者全員で執筆するのではなく、基本的にはファーストオーサーが一人で執筆し、それを他の著者が加筆・修正します)。その後、貢献度に応じて名前が記載され、研究の総責任者は最後に名前が載り、この著者をラストオーサーと呼びます。

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病勢コントロール率(DCR) https://oncolo.jp/dictionary/dcr https://oncolo.jp/dictionary/dcr 病勢コントロール率(DCR) 2017-12-13UTC04:03:45+0000 病勢コントロール率(DCR)とはdisease control rateの頭文字を取ったもので、CR(完全奏効)とPR(部分奏効)の合計である奏効率に腫瘍の大きさが変化しない状態であるSD(安定)を加えた割合のことです。通常、SDは奏功には該当しませんが腫瘍を増大させていないという点で、効果を発揮しているという考えから臨床試験の評価項目としてよくDCRが用いられます。

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PD-L1 https://oncolo.jp/dictionary/pdl1 https://oncolo.jp/dictionary/pdl1 PD-L1 2017-12-13UTC04:02:34+0000 PD-L1(Programmed cell Death 1- Ligand 1)は、PD-1(Programmed cell Death 1)と結合し、PD-1を活性化させる働きを持つ、細胞表面に存在するタンパク質です。PD-1は免疫細胞の一種であるT細胞の細胞表面に存在します。T細胞が標的細胞を攻撃しようとして標的細胞に近づいたとき、標的細胞の表面上にPD-L1が存在すると、T細胞上のPD-1と結合し、PD-1を活性化します。PD-1が活性化されると、T細胞は標的細胞への攻撃を中止します。正常な体内では、このPD-1/PD-L1のシステムを使って、T細胞が誤って自分自身の細胞(自己)を攻撃しないようにコントロールしています。

ところが、がん細胞はこのPD-1/PD-L1のシステムを使って、T細胞からの攻撃を巧みにかわしています。つまり、がん細胞は自分の細胞表面上にPD-L1を出し、T細胞からの攻撃を避けているのです。そこで、PD-1、PD-L1に対する抗体を使って、PD-1とPD-L1が結合するのを妨げ、T細胞ががん細胞を攻撃できるようする薬が、PD-1、PD-L1抗体薬です。現在、臨床使用又は開発が進められている抗体薬は、PD-1抗体が2剤(ニボルマブ、ペムブロリズマブ)、PD-L1抗体が3剤(アベルマブ、アテゾリズマブ、デュルバルマブ)あります。

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バスケット試験 https://oncolo.jp/dictionary/basket_test https://oncolo.jp/dictionary/basket_test バスケット試験 2017-12-13UTC04:01:04+0000 バスケット試験とは、臨床試験においてその薬剤が標的とする遺伝子変異があれば、どのタイプのがん腫でも登録できる試験のことをいいます。ある特定の遺伝子変異からがん細胞の増殖が促進され、臨床的にがんとなるのですが、ひとつの遺伝子変異から発現するがんは、1種類ではなく種々の臓器にがんとして発症します。

最近注目されているがん治療にプレシジョンメデシンという考え方がありますが、患者個々のがんの原因となる遺伝子異常を見つけ、個別化治療を行うというものです。つまり同じ遺伝子異常からがんを発症した患者を、がんの臓器に関係なくひとつの試験(バスケット)に入れるイメージから名付けられた治験です。

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発現率 https://oncolo.jp/dictionary/incidence_rate https://oncolo.jp/dictionary/incidence_rate 発現率 2017-12-13UTC03:58:47+0000 発現率とは一定期間内にその集団に対象となる事象が発現した割合のことを言います。従って新薬の副作用発現率は、承認時までの治験データをまとめたものが用いられています。

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T細胞 https://oncolo.jp/dictionary/tcell https://oncolo.jp/dictionary/tcell T細胞 2017-12-13UTC03:57:05+0000 T細胞とはリンパ球のひとつで、免疫に大きく関係している細胞です。T細胞は骨髄内にある造血幹細胞が分裂を繰り返しながら成熟したものです。造血幹細胞は白血球や赤血球などすべての血液細胞の源であり、骨髄内で常に自己複製を繰り返し、枯渇することはないといわれています。造血幹細胞から分裂したT細胞は、骨髄を出てからまず胸腺と呼ばれるリンパ組織で成熟を進めます。胸腺のことを英語で thymus(サイモス)といい、T細胞という名前は胸腺(thymus)に由来しています。

T細胞にはいくつか種類があり、代表的なものとしてヘルパーT細胞と細胞傷害性T細胞があります。ヘルパーT細胞は細胞表面にCD4と呼ばれる抗原が発現しており、CD4(シーディーフォー)とも呼ばれています。細胞傷害性T細胞は細胞表面にCD8と呼ばれる抗原が発現しており、CD8(シーデイーエイト)とも呼ばれています。ヘルパーT細胞は他の免疫系細胞に働きかけ、免疫応答を活性化する働きをしています。細胞傷害性T細胞はヘルパーT細胞からの刺激を受け、ウイルスに感染した細胞や腫瘍細胞を認識して攻撃する働きをします。以前はキラーT細胞とも呼ばれていましたが、近年ではCTLと呼ばれることが多いです。

また、ヘルパーT細胞や細胞傷害性T細胞が免疫応答を活性化するのに対し、免疫応答を抑制する制御性T細胞(T-reg:ティーレグ)と呼ばれるものがあります。制御性T細胞は免疫応答が活性化し過ぎるのを抑制することにより、生体の維持に重要な役割を担っていますが、がんが増殖する過程において、がん細胞は制御性T細胞の働きを巧みに利用し、がん細胞への免疫攻撃から逃れることにより、がんが増殖・進行していきます。

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iDFS https://oncolo.jp/dictionary/idfs https://oncolo.jp/dictionary/idfs iDFS 2017-12-13UTC03:54:06+0000 iDFSとは無浸潤疾患生存期間のことでInvasive Disease-free survivaの頭文字lを取ったものです。割付日を起算日として、浸潤性の病変再発と判断された日、再発以外の癌病変の出現が判断された日、またはあらゆる原因による死亡日のうち、いずれか最も早い方までの期間と定義されています。主に乳がんの臨床試験における評価項目に用いられます。

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単剤療法 https://oncolo.jp/dictionary/monotherapy https://oncolo.jp/dictionary/monotherapy 単剤療法 2017-12-13UTC03:51:26+0000 単剤療法とは病気に対する薬物治療をするにあたり、1種類の薬剤のみを用いて行う薬物療法のことをいいます。この場合、その1種類の薬剤の副作用をコントロールする支持療法のために投与される薬剤は数に含まれません。単剤療法の対義語として、数種類の薬剤を併用する多剤併用療法があります。

単剤療法のメリットは投与される薬剤が一つなので、多剤併用療法に比べ、一般的に副作用の発現頻度と重篤度が低いことがあげられます。一方デメリットとしては、患者の体内にその薬剤に対する耐性が発現した場合、薬物投与による治療効果が期待できないなどがあげられます。

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多変量ロジスティック回帰 https://oncolo.jp/dictionary/multivariate_logistic_regression https://oncolo.jp/dictionary/multivariate_logistic_regression 多変量ロジスティック回帰 2017-12-13UTC03:48:28+0000 多変量ロジスティック回帰とは、統計解析で使われる解析法の一つです。臨床試験に登録される患者さんには、一人ひとりに複数の特性(性別、年齢、全身状態、病期、前治療の回数、転移の有無、遺伝子変異の有無など)があります。これらの複数の特性ごとに患者さんのデーターを分けて、薬の効き方や副作用の出方などに違いがあるかどうかを調べたいときに用いられる解析方法が多変量ロジスティック回帰です。

「多変量」とは、分けようとしている特性(性別、年齢、全身状態、病期、前治療歴、転移の有無、遺伝子変異の有無など)が2つ以上あることを指しています。「ロジスティック回帰」は調べたい事柄がある/なしで表せるとき(薬の効果がある/ない、副作用がある/ない、など)に使われる解析方法です。

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生検 https://oncolo.jp/dictionary/biopsy https://oncolo.jp/dictionary/biopsy 生検 2017-12-13UTC03:45:45+0000 生検とは病変部位から細胞の一部を採取し顕微鏡で病理組織学的に診断する検査のことです。検査の結果、本当に病気なのかを診断したり、病気の様子を確認することで、今後の治療方針を決定することができます。

生検には細胞に針を刺して組織を取る経皮的生検(針生検)、胃カメラなどの内視鏡検査の際に病変の一部を採取する内視鏡下生検、実際に開腹するなどして、手術のように行なう外科的生検があります。

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重篤な有害事象 https://oncolo.jp/dictionary/adverse_events https://oncolo.jp/dictionary/adverse_events 重篤な有害事象 2017-12-13UTC03:43:18+0000 重篤な有害事象とは治療や処置の過程で生じた有害事象のうち、総じて生命や生理機能を脅かすなど重度の高い有害事象をいいます。有害事象は病気や怪我の治療中に生じたあらゆる好ましくない症状、徴候、臨床検査値の異常であり、治療との因果関係は問わないと定義されています。

重篤な有害事象と該当するものとして、死亡、生命が脅かされる症状、治療のための入院または入院期間の延長が必要となるもの、障害・機能不全が永続的に残るもの、先天異常・先天的欠損を来すものなどがあります。有害事象の評価は、アメリカの国立がん研究所(National Cancer Institute:NCI)が作成した『有害事象共通用語規準(Common Terminology Criteria for Adverse Events:CTCAE 』が世界的な規準として用いられています。CTCAEでは有害事象ごとに重症度を「Grade」で示し、Grade 1(軽症)からGrade 5(死亡)までの5段階で評価しています。

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CTCAE Ver4.0 https://oncolo.jp/dictionary/ctcae_ver4-0 https://oncolo.jp/dictionary/ctcae_ver4-0 CTCAE Ver4.0 2017-12-13UTC03:37:02+0000 CTCAEとはがん領域の有害事象評価において世界共通で用いられている有害事象共通用語基準のことでCommon Terminology Criteria for Adverse Eventsの頭文字をとった略語になります。

米国国立がん研究所(National Cancer Institute)が主導しがんの治療法の安全性評価を容易にし、全てのがん領域での有害事象の記録や報告を標準化し世界共通で使用する目的で開発されました。

現在のの最新版はversion 4.0になります。
日本語訳をJCOGが中心に作成しており、JCOGのホームページで公開されています。

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腫瘍微小環境(TME) https://oncolo.jp/dictionary/tme https://oncolo.jp/dictionary/tme 腫瘍微小環境(TME) 2017-12-13UTC03:35:27+0000 腫瘍微小環境とは、がん組織の中でがん細胞と正常細胞が互いに影響を及ぼし合い構築したネットワークのことです。

がんはがん細胞だけで構成されているわけではなく、様々な正常細胞が入り混じっています。例えば、がん細胞に酸素や栄養を届けるために、がん組織の中には血管やリンパ管が入り込んでいます。さらに、結合組織を構成する線維芽細胞や、免疫細胞であるマクロファージなど、多くの細胞ががん細胞の間に入り込んでいます(これらのがん細胞を取り囲む細胞や組織を「間質」と呼びます)。これらの正常な組織や細胞は、がん細胞と情報を交換することで、がん細胞の増殖を助けたり、がん細胞に対する免疫反応を抑え込んだりしていることが分かってきました。

また、悪性度の高い膵臓癌やスキルス癌では「間質」の割合が多いこと、同じ癌でも、進行が進むと「間質」の割合が増えることが知られています。そこで、間質の細胞をターゲットにした薬の開発や、腫瘍微小環境の免疫反応を活性化するような薬の開発が進められています。

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振戦 https://oncolo.jp/dictionary/tremor https://oncolo.jp/dictionary/tremor 振戦 2017-12-13UTC03:33:03+0000 振戦とは筋肉の収縮や弛緩が繰り返されたときに起こる、意思とは関係なく生じる細かいふるえのことをいいます。健康な人でもふつうに生理的な振戦は見られますが、病的な振戦はその振動の現れかたにより、安静時振戦、動作時振戦、姿勢時振戦、企図振戦などに分けられます。

安静時振戦は筋肉を動かす意思が全くない状態でみられるふるえで、パーキンソン病が代表的な病気です。

動作時振戦は運動を行うときに現れますが、動作をやめるとふるえも収まります。姿勢時振戦はある姿勢を保つときにふるえが現れるもので、原因が分からない本態性振戦が代表的な病期です。

企図振戦は動作を起こすときに症状があらわれます。振戦の主な原因として、小脳の腫瘍、脊髄小脳変性症、小脳の血管障害(小脳梗塞、小脳出血)などが考えられます。

他には、甲状腺ホルモンの産生が過剰となる甲状腺機能亢進症、アルコールの中止による禁断症状、特定の薬剤の使用や中止、毒物の服用、ほかに疲労やストレスおよび不安などが考えられます。

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子宮頸がんワクチン勧奨再開求め学会が声明 https://oncolo.jp/pick-up/news1252 https://oncolo.jp/pick-up/news1252 子宮頸がんワクチン勧奨再開求め学会が声明 2017-12-13UTC03:30:22+0000 接種後の全身の痛みなどの症例が報告され、積極的な接種勧奨が中止されている子宮頸がんワクチンについて、日本産科婦人科学会は9日、接種勧奨の再開を強く求める4度目の声明を発表した。

続きを読む
http://www.sankei.com/life/news/171209/lif1712090047-n1.html

ニュース選定者:柳澤 昭浩
引用元:産経ニュース
http://www.sankei.com/

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国際腎臓がんシンポジウム(International Kidney Cancer Symposium:KCS) https://oncolo.jp/dictionary/kcs https://oncolo.jp/dictionary/kcs 国際腎臓がんシンポジウム(International Kidney Cancer Symposium:KCS) 2017-12-13UTC03:29:28+0000 国際腎臓がんシンポジウム(International Kidney Cancer Sympojium:KCS)は、毎年11月にアメリカのマイアミで2日間にわたり開催される、腎臓がんの治療に関係する世界規模の学術集会です。腎臓がん治療に関連した最新の報告がなされる学術集会で日本からも多くの専門医が参加しています。

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RAS遺伝子 https://oncolo.jp/dictionary/ras https://oncolo.jp/dictionary/ras RAS遺伝子 2017-12-13UTC03:22:57+0000 RAS遺伝子とはがん遺伝子のひとつで、細胞増殖を促進するシグナルを、細胞内で伝達するという役割を持つRASタンパクを作り出す遺伝子です。RAS遺伝子にはKRAS遺伝子、NRAS遺伝子、HRAS遺伝子があります。

がん細胞が増えるメカニズムのひとつとして、細胞表面にある上皮成長因子受容体(EGFR)の関与が知られています。人の体内には細胞の増殖や成長を制御する上皮成長因子(EGF)というタンパク質がありますが、EGFとEGFRが結合すると、細胞内のRASタンパクが活性化されて、細胞を増殖させるシグナルが伝達されます。通常はRAS遺伝子が細胞の増殖を制御していますが、RAS遺伝子に変異が生じると、EGFとEGFRが結合していなくても、「細胞を増殖せよ」というシグナルが出され続け、がん細胞の増殖が活性化され続けることになります。

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プロスペクティブ https://oncolo.jp/dictionary/prospective https://oncolo.jp/dictionary/prospective プロスペクティブ 2017-12-13UTC03:20:19+0000 プロスペクティブとは、疫学調査で用いられる方法の一つで、前向き研究とも呼ばれます。前向き研究とは、試験を開始した時点から未来に向かって情報を集めるところから、このように呼ばれます。逆に、調査を開始した時点から過去に遡って対象者の情報を集める方法をレトロスペクティブ(後ろ向き研究)と呼びます。

臨床研究のうち、人間に対して医薬品の投与あるいは医療機器の使用などの介入行為を行い、ある決められた時点から情報を収集するものです。過去に遡らないのでプロスペクティブ スタディ(前向き研究)と言います。積極性とは無関係です。

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内分泌療法 https://oncolo.jp/dictionary/endocrine_therapy https://oncolo.jp/dictionary/endocrine_therapy 内分泌療法 2017-12-13UTC03:16:02+0000 内分泌療法とは、がんの増殖を促進するホルモンの分泌や働きを妨げる薬を用いてがんの増殖を抑える治療法です。乳癌、子宮体癌、前立腺癌などでは、特定のホルモン(乳癌、子宮体癌は、女性ホルモンであるエストロゲン、前立腺癌は男性ホルモンであるアンドロゲン)の作用により、がん細胞の増殖が促進される場合があります。

そこで、これらのホルモンの分泌を抑える薬や、ホルモンが作用するのを妨げる薬などを用いて治療が行われます。内分泌療法は、一般的な抗がん剤とは異なり、がんの増殖を抑えるだけで、がん細胞を殺すことはできません。

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対症療法 https://oncolo.jp/dictionary/symptomatic-therapy https://oncolo.jp/dictionary/symptomatic-therapy 対症療法 2017-12-13UTC03:00:53+0000 対症療法は病気に伴う症状を和らげる、あるいは消すための治療です。たとえば風邪薬を服用することは発熱、頭痛、鼻水、咳などの症状を改善させるための対症療法であって、風邪の原因であるウイルスの活動を抑える治療とは異なります。がんによる痛みや治療による副作用の症状が強い場合などに、それぞれの症状に応じた治療が行われます。つらい症状に対応して痛みや不快な症状を取り除くことで、QOL(クオリティ・オブ・ライフ:生活の質)を維持することを目指していきます。

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頭蓋内奏効 https://oncolo.jp/dictionary/oirr https://oncolo.jp/dictionary/oirr 頭蓋内奏効 2017-12-13UTC02:58:23+0000 頭蓋内奏効とは、頭蓋内の病変(脳転移)に対する腫瘍縮小効果のことです。頭蓋内腫瘍の半数は脳転移ですが、脳転移は予後不良因子であり、患者さんのQOL低下を引き起こすため、治療法の開発が待たれています。

薬による脳内腫瘍の治療では、血液脳関門の存在が問題となります。血液脳関門は脳の微小血管に存在し、脳細胞の維持や活動に重要な糖やアミノ酸などを選択的に通過させ、それ以外の物質が脳へ入るのをブロックしています。脳内に存在する腫瘍に薬が到達するためには、薬が血液脳関門を通過する必要があります。最近の分子標的薬では、血液脳関門を通過できるように設計し、脳内の腫瘍にも効果がある薬が開発されています。

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次世代シーケンサー(NGS) https://oncolo.jp/dictionary/ngs https://oncolo.jp/dictionary/ngs 次世代シーケンサー(NGS) 2017-12-13UTC02:50:56+0000 次世代シークエンサー(NGS)とは、患者さんのがん細胞の遺伝子に変異があるかを、一度に複数(数百)の遺伝子の変異を調べる検査のことです。

ある遺伝子の変異が原因でがんが発生した場合、その変異遺伝子の働きを阻害すると、がんの増殖が抑えられます(EGFR変異に対するEGFR阻害薬など)。がん細胞の遺伝子変異を網羅的に検査し、原因遺伝子を特定することができれば、原因遺伝子ごとに阻害薬を選択することが可能となります。

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殺細胞性物質(オゾガマイシン) https://oncolo.jp/dictionary/ozogamicin https://oncolo.jp/dictionary/ozogamicin 殺細胞性物質(オゾガマイシン) 2017-12-13UTC02:49:09+0000 オゾガマイシンは抗腫瘍性抗生物質であるカリケアマイシンの誘導体です。
細胞内に取り込まれると、細胞障害性を有するカリケアマイシンが放出されて細胞を破壊します。

急性骨髄性白血病細の治療薬として承認されているゲムツズマブオゾガマイシン(商品名:マイロターグ)に含まれています。急性骨髄性白血病の細胞表面には“CD33”と呼ばれるタンパク質が顔を覗かせています。このCD33へ特異的に結合するよう開発された抗体のゲムツズマブにカリケアマイシンの誘導体であるオゾガマイシンを結合させ ゲムツズマブ(抗体)が細胞表面のCD33と結合したあとにオゾガマイシンが細胞内に取り込まれカリケアマイシンとして核内のDNAに取り付いて細胞を死滅させます。

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国際多施設共同試験 https://oncolo.jp/dictionary/internationa_multicenter_study https://oncolo.jp/dictionary/internationa_multicenter_study 国際多施設共同試験 2017-12-13UTC02:40:21+0000 国際多施設共同試験とはグローバルスタディとも呼ばれ新薬の治験を世界規模で実施し、同時に承認を目指す方法を言います。試験データーを共有することで各国の承認申請を陣族に行うことができ、新薬承認の遅延―ドラッグ・ラグの解消や、治験時間の短縮が期待できます。

現在は、大手製薬企業を中心にグローバル スタディが積極的に進められているが日本は治験担当医師によるデータの見方やモニタリング方法が違うといった点からグローバルスタディーへの参加で遅れをとっている事が課題である。

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血中循環腫瘍DNA(ctDNA) https://oncolo.jp/dictionary/ctdna https://oncolo.jp/dictionary/ctdna 血中循環腫瘍DNA(ctDNA) 2017-12-13UTC02:33:49+0000 血中循環腫瘍DNA(ctDNA:circulating tumor DNAまたはcfDNA:cell free DNA)は、がん細胞から血液中にわずかに漏れ出したがん由来のDNAです。ctDNAを用いて腫瘍ゲノムを網羅的に分析するツールを開発しようと試みられています。

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KRAS遺伝子 https://oncolo.jp/dictionary/kras https://oncolo.jp/dictionary/kras KRAS遺伝子 2017-12-13UTC02:31:25+0000 KRAS遺伝子とはがん遺伝子のひとつで、細胞増殖を促進するシグナルを、細胞内で伝達するという役割を持つKRASタンパクを作り出す遺伝子です。

がん細胞が増えるメカニズムのひとつとして、細胞表面にある上皮成長因子受容体(EGFR)の関与が知られています。人の体内には細胞の増殖や成長を制御する上皮成長因子(EGF)というタンパク質がありますが、EGFとEGFRが結合すると、細胞内のKRASタンパクが活性化されて、細胞を増殖させるシグナルが伝達されます。通常はKRAS遺伝子が細胞の増殖を制御していますが、KRAS遺伝子に変異が生じると、EGFとEGFRが結合していなくても、「細胞を増殖せよ」というシグナルが出され続け、がん細胞の増殖が活性化され続けることになります。

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虚血 https://oncolo.jp/dictionary/ischemic https://oncolo.jp/dictionary/ischemic 虚血 2017-12-13UTC02:24:04+0000 虚血とは主に動脈の血流量の減少により局所的に貧血を起こしている状態を言います。原因として動脈が圧迫されたり,血栓などによって閉塞されたり,動脈硬化によって内腔が狭窄したりすることが考えられます。動脈を流れる血液動脈内の血液量が減少し、臓器や組織に必要十分量の血液が流れ込まなくなることで、その部位に変性・萎縮・壊死などをきたします。

代表的な虚血性疾患として「虚血性心疾患(心不全)」があります。その他にも脳卒中の中でも最も多い「虚血性脳血管障害」や大腸に栄養を送る血管の血流が不足し、腸管が虚血となり、粘膜の浮腫、出血、潰瘍などが出現する「虚血性大腸炎」などがあります。

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欧州癌研究機関(EORTC) https://oncolo.jp/dictionary/eortc https://oncolo.jp/dictionary/eortc 欧州癌研究機関(EORTC) 2017-12-13UTC02:20:53+0000 欧州癌研究機関(EORTC)は、様々な国、組織からの研究資金により運営される30か国、600以上の参加施設からなる欧州最大のがん多施設共同臨床研究グループです。

18の専門別分野グループおよび3つの基礎研究・トランスレーショナル研究グループが、研究者主導の臨床研究と、企業からの受託研究の両者を実施しており、年間約5,000~6,000人のがん患者さんが参加されています。米国や、欧州の他の研究グループ、オーストラリア等と数々の共同研究を手がけています。

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NK細胞 https://oncolo.jp/dictionary/nk_cell https://oncolo.jp/dictionary/nk_cell NK細胞 2017-12-13UTC02:18:32+0000 NK細胞(ナチュラルキラー細胞)は免疫細胞(白血球)の1種であり、T細胞やB細胞と同じリンパ球に属しています。NK細胞はウイルスや細菌などの微生物に感染した細胞を見つけ出し、その細胞を殺傷します。同じリンパ球のT細胞やB細胞は特定の敵が侵入した場合に初めて活性化されますが、NK細胞は、常に活性化した状態で全身をパトロールしており、感染細胞を見つけ次第攻撃します。この特性から、生まれつきの(ナチュラル)殺し屋(キラー)細胞と名付けられました。

この他にも、NK細胞は抗体が結合している細胞を認識し、その細胞を殺傷する働きも持っており、これは、ADCC活性(Antibody-Dependent-Cellular-Cytotoxicity:抗体依存性細胞傷害)と呼ばれています。基礎研究で、NK細胞ががんの発生を抑えている可能性が示されており、NK細胞を活性化させる治療法の開発が進められています。

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医療事故 https://oncolo.jp/dictionary/medical_error https://oncolo.jp/dictionary/medical_error 医療事故 2017-12-13UTC02:13:16+0000 医療事故とは病院や診療所などの医療機関で発生するすべての人身事故のことをいいます。医療事故の代表的なものは、病気や怪我の治療中にその治療が原因で、患者が死亡または生命の危機に陥る、病状が悪化する、後遺症が残るなどのものがあり、医師・看護師など医療従事者の過失や過誤の有無は問われません。

また、患者が病院の廊下で転倒し、負傷を負うなどのように、医療行為とは直接関係しない場合や、患者についてだけでなく、看護師が注射針によるB型肝炎ウイルス陽性血液の誤刺を受けてしまい、ウイルスに感染してしまう場合のように、医療従事者に被害が生じた場合も含まれます。

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医療過誤 https://oncolo.jp/dictionary/medical_malpractice https://oncolo.jp/dictionary/medical_malpractice 医療過誤 2017-12-13UTC01:55:18+0000 医療過誤とは医療事故の発生原因に医療機関、医療従事者に過失があるものを言います。人為的ミスを原因として、医療従事者が注意を払い対策を講じていれば防ぐことができたケースで、具体的には医者の診療ミス、手術ミス、診断ミス、看護師や医療スタッフなどの連携ミスなどが医療過誤に当たります。

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医療法 https://oncolo.jp/dictionary/medical_care_law https://oncolo.jp/dictionary/medical_care_law 医療法 2017-12-13UTC01:53:13+0000 医療法とは、病院、診療所、助産所などの医療機関に関する法律で、医療機関の開設や、管理、施設の整備などに関して定めた法律です(医師の職務・資格などは、医師法に定められています)。

医療法では、「20人以上の患者さんを入院させる施設を有するもの(ベット数が20床以上)」を病院、「患者を入院させるための施設を有しないもの又は19人以下の患者を入院させるための施設を有するもの(ベット数が19床以下)」を診療所(○○医院や、△△クリニックなど)と定めています。この他にも、医療機関の広告の規制や、医療事故調査に関することなどが定められています。

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インフォームドアセント https://oncolo.jp/dictionary/informed_assent https://oncolo.jp/dictionary/informed_assent インフォームドアセント 2017-12-13UTC01:50:40+0000 インフォームドアセントとは、治療を受ける小児患者に対して、治療について理解できるよう分かりやすく説明し、その内容について子ども本人の納得を得ることをいいます。

小児患者を対象とした治験においては、子どもの理解度に応じて臨床試験について丁寧に説明し、子ども自身が発達に応じた理解をもって合意・納得することが重要であり、子どもの人権を尊重した十分な倫理的配慮が必要です。親などの保護者だけに説明するだけでは不十分であり、治験に参加する(治療を受ける)子ども本人にも、年齢や発達に応じた説明が必要と考えられます。最近では小児を対象とした治験のプロトコールにも、インフォームドアセントについて記述されるようになり、アセントの必要性が認識されるようになってきています。

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インフォームドチョイス https://oncolo.jp/dictionary/informed_choice https://oncolo.jp/dictionary/informed_choice インフォームドチョイス 2017-12-13UTC01:45:29+0000 インフォームドチョイスとは 説明を受けた上での選択」と訳されるように医師が患者さんに対して可能な限りの治療方法・手段のメリット・デメリットを説明し、治療法を患者さんが自らの意思で決定することを言います。

例えば、現在,罹患しているがんの治療法について手術と化学療法の予後に大差がないと考えられる場合、医師から十分な説明を受けたり、情報を集めたりしたうえで治療方法を選択するということです。

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アンメットメディカルニーズ https://oncolo.jp/dictionary/unmet_medical_needs https://oncolo.jp/dictionary/unmet_medical_needs アンメットメディカルニーズ 2017-12-13UTC01:43:01+0000 アンメットメディカルニーズとは、いまだに有効な治療方法が見つかっていない病気に対する、新しい治療薬や治療法への患者さん、医師からの強い要望のことです。これらの要望には、アルツハイマー病やがんなど、治療薬を必要としている患者さんが多い病気と、患者さんの数が少なく、治療法が確立されていない病気があります。これまで、患者さんの少ない病気では、薬の研究開発に多額の費用をかけにくく、本格的な開発が進みにくい状況でした。

しかし、法律の改正により、希少疾病用医薬品(オーファン・ドラッグ)に対する公的な研究開発援助が始まりました。これにより、患者さんが少ない希少疾患の要望を満たすような薬の開発も行われるようになってきました。

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兵庫医科大・笹子特任教授が「中山恒明賞」受賞 https://oncolo.jp/pick-up/news1251 https://oncolo.jp/pick-up/news1251 兵庫医科大・笹子特任教授が「中山恒明賞」受賞 2017-12-13UTC01:38:12+0000 胃がん治療の世界的権威として知られる兵庫医科大 集学的腫瘍外科の笹子三津留特任教授が、日本癌治療学会の「中山恒明賞」を受賞した。

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https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/201712/0010802944.shtml

ニュース選定者:柳澤 昭浩
引用元:神戸新聞NEXT
https://www.kobe-np.co.jp/

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irAE https://oncolo.jp/dictionary/irae https://oncolo.jp/dictionary/irae irAE 2017-12-13UTC01:37:40+0000 irAEとは免疫関連副作用(immune-related Adverse Events)のことで、おもに免疫チェックポイント阻害薬の投与により引き起こされる副作用を指します。免疫チェックポイント阻害剤は、PD-1およびCTLA-4といった免疫を不活化する分子を阻害することで、がん細胞に対する免疫を増強させて治療効果を発揮します。

しかし、免疫チェックポイント阻害薬は、がんに対する免疫だけを選択的に増強することはできず、免疫全般を過剰に活性化してしまい、免疫が自分自身を攻撃してしまうといった様々な自己免疫疾患を引き起こします。おもな症状として、間質性肺疾患、大腸炎、甲状腺機能低下症、肝障害、発心、下垂体炎、糖尿病、腎機能障害、末梢神経障害、重症筋無力症など全身のあらゆる臓器に生じます。PD-1の有害事象はおおよそ投与数ヶ月後に生じることが多いと言われていますが、出現時期には大きなばらつきがあります。CTLA-4は皮膚粘膜障害が比較的早期に出現し、その後消化器症状が現れやすいと考えられています。

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アナフィラキシー https://oncolo.jp/dictionary/anaphylaxis https://oncolo.jp/dictionary/anaphylaxis アナフィラキシー 2017-12-13UTC01:31:19+0000 アナフィラキシーとは、人やその他の哺乳類に対してアレルゲンと呼ばれる抗原の侵入、接触により、複数臓器に急性(短時間のうちに)の全身性のアレルギー症状が引き起こされ生命に危機を及ぼす可能性がある過敏反応のことを言います。そのアナフィラキシーの状態に血圧低下や意識障害を伴う場合をアナフィラキシーショックと言います。

抗原としては食物、蜂の毒、薬物、ラテックス(天然ゴム)などがあります。厚生労働省の統計で2013年にアナフィラキシーショックで亡くなった方は77名でした。最も多かったのが薬物ついで蜂毒でした。

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クロスオーバー https://oncolo.jp/dictionary/%e3%82%af%e3%83%ad%e3%82%b9%e3%82%aa%e3%83%bc%e3%83%90%e3%83%bc https://oncolo.jp/dictionary/%e3%82%af%e3%83%ad%e3%82%b9%e3%82%aa%e3%83%bc%e3%83%90%e3%83%bc クロスオーバー 2017-12-13UTC01:27:06+0000 クロスオーバーは臨床試験でとられる試験デザインの一つです。対象患者を2つの群(AとB)にランダムに割り付け、A群をプラセボ群、B群を実薬群としてデーターを採ります。その後一定の休薬期間をおいて、A群とB群を入れ替え、A群を実薬群、B群をプラセボ群としてデーターを取得し、プラセボ群と実薬群で結果を集計します。

このデザインの利点は、プラセボと実薬の比較を同一対象者でできるので精度が高い、全対象者が実薬の治療を受けられるので倫理面の問題が起こりにくい、などです。欠点としては、先に実薬群に割り付けられた対象者は、休薬期間を置いたとしてもその影響を持ち越している可能性があり、純粋なプラセボ群とみなせない可能性があるという点です。また、抗がん剤の臨床試験では、プラセボ群の対象者に病状の悪化が見られた場合、倫理的な観点(プラセボ対象者も実薬治療を受けられるようにする)から実薬を投与するようにしたデザインもクロスオーバーと呼びます。

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RAINBOW試験 https://oncolo.jp/dictionary/rainbow%e8%a9%a6%e9%a8%93 https://oncolo.jp/dictionary/rainbow%e8%a9%a6%e9%a8%93 RAINBOW試験 2017-12-13UTC01:25:02+0000 RAINBOW試験は、初回に抗がん剤による薬物治療を行った後にがんが進行した、転移のある胃がん患者さんに対する世界的な臨床試験です。655名の患者さんを2群に分け、一方をラムシルマブとパクリタキセルの併用投与群、もう一方をプラセボ(偽薬)とパクリタキセルの併用群に割り振り、両群の有効性と安全性を比較する試験が行われました。日本からも140名の患者さんがこの試験にエントリーされました。

この試験の第一の目的は、患者さんの生存期間をどれだけ延長するかという全生存期間(OS)で、次にがんがどれだけの期間進行しないでいるかという無増悪生存期間(PFS)や奏効率や副作用の現れ方などを比較検討することでした。

試験の結果、全生存期間(OS)、無増悪生存期間(PFS)、奏効率でラムシルマブとパクリタキセル併用群が有意に優れていました。
この試験の結果を受け、日本胃癌学会の治療ガイドラインにおいて、ラムシルマブとパクリタキセル併用療法が1という高い推奨レベルに位置づけされています。

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HER2阻害薬 https://oncolo.jp/dictionary/her2%e9%98%bb%e5%ae%b3%e8%96%ac https://oncolo.jp/dictionary/her2%e9%98%bb%e5%ae%b3%e8%96%ac HER2阻害薬 2017-12-13UTC01:23:09+0000 HER2阻害薬とはヒト上皮成長因子受容体2型(HER2)に対するヒト化抗体製剤です。細胞膜上に存在するHER2受容体に特異的に結合し、シグナル伝達経路を阻害しがん細胞の増殖を抑制する作用と、受容体と結合したあとに目印となり、マクロファージやNK細胞などの免疫細胞が呼び寄せ、その抗体が結合しているがん細胞を殺傷する働きを行います。後者の作用はADCC活性と呼ばれています。

代表的なHER2阻害薬
トラスツズマブ 商品名:ハーセプチン
ペルツズマブ 商品名:パージェタ
T-DM1 商品名:カドサイラ

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ホジキンリンパ腫 https://oncolo.jp/dictionary/hodgkins_lymphoma https://oncolo.jp/dictionary/hodgkins_lymphoma ホジキンリンパ腫 2017-12-13UTC01:18:20+0000 ホジキンリンパ腫は、悪性リンパ腫のひとつで、病理組織学的にホジキン細胞やリード=シュテルンベルク細胞と呼ばれる特徴的な細胞が見られる悪性リンパ腫のことです。1832年にイギリス人医師トーマス・ホジキンがこの病気を発見し、その医師の名前から従来ホジキン病と呼ばれてきました。悪性リンパ腫は、日本では10万人あたり7~8人に発生しますが、そのうちホジキンリンパ腫は約10%程度とあまり多くはありません。発症年齢のピークは2つあり、20歳代と60歳代に多く発症が見られます。

ホジキンリンパ腫は、病理検査によって古典的ホジキンリンパ腫と結節性リンパ球優位型ホジキンリンパ腫の2つに大別されます。90%以上が古典的ホジキンリンパ腫で、さらに、結節硬化型、混合細胞型、リンパ球豊富型、リンパ球減少型の4つに分類されます。同じホジキンリンパ腫でも組織型によって若干、治療反応性や予後が異なるといわれています。最もよくみられる初発症状は、リンパ節の腫れやしこり(痛みはない場合が多い)で、頸部や鎖骨上窩のリンパ節腫脹で発見されることが多いと言われています。全身症状としては、発熱、体重減少、大量の寝汗がみられることがあり、これらはB症状と呼ばれます。発熱は微熱程度のこともありますが、発熱と解熱を繰り返すこともあります。

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ハーセプチン治療抵抗性HER2陽性進行性乳がんに対するハーセプチン+キイトルーダ併用療法の奏効率は39% https://oncolo.jp/news/171212y02 https://oncolo.jp/news/171212y02 ハーセプチン治療抵抗性HER2陽性進行性乳がんに対するハーセプチン+キイトルーダ併用療法の奏効率は39% 2017-12-12UTC12:02:50+0000 2017年12月5から9日までアメリカ合衆国・サンアントニオ州で開催されている第40回サンアントニオ乳癌学会議(SABCS2017)にて、トラスツズマブ(商品名ハーセプチン;以下ハーセプチン)治療抵抗性HER2陽性乳がん患者に対するペムブロリズマブ(商品名キイトルーダ;以下キイトルーダ)+ハーセプチン併用療法の有効性を検証した第I/II相のPANACEA試験(NCT02129556)の結果が公表された。

PANACEA試験の第II相試験では、前治療としてハーセプチンに治療抵抗性を示した進行性乳がん患者(N=40人)に対して3週間に1回の投与間隔でキイトルーダ200mg+ハーセプチン6mg/kg併用療法を投与し、主要評価項目である客観的奏効率(ORR)、病勢コントロール率(DCR)を検証している。なお、PD-L1発現率陽性、陰性の患者はそれぞれ12人であった。

本試験の結果、ITT解析によるPD-L1発現率陽性患者における主要評価項目である客観的奏効率(ORR)は15%、病勢コントロール率(DCR)は25%であった。また、腫瘍浸潤リンパ球(TILs)5%以上のPD-L1発現率陽性患者における客観的奏効率(ORR)は39%、病勢コントロール率(DCR)は47%であった。

一方の安全性としては、キイトルーダ+ハーセプチン併用療法により最も一般的に発現した有害事象(AE)はグレード1または2の疲労21%であった。また、免疫関連有害事象(irAE)としてはグレード1または2の甲状腺機能亢進症、甲状腺機能低下症が6.7% 、グレード3または4の肺炎が3.4%であった。

以上の試験の結果を受けて、オーストラリア・メルボルンにあるピーター・マッカラム・キャンサー・センターの教授であるSherene Loi氏は以下のように述べている。”HER2陽性進行性乳がん患者に対するハーセプチンに抵抗性を示す理由は免疫回避のメカニズムが働いているためであると本試験により示唆されました。そして、HER2陽性進乳がんの治療として、今後は抗PD-1抗体薬の併用意義が高まることでしょう。”

GS2-06. Phase Ib/II study evaluating safety and efficacy of pembrolizumab and trastuzumab in patients with trastuzumab-resistant HER2-positive metastatic breast cancer: Results from the PANACEA (IBCSG 45-13/KEYNOTE-014) study(SABCS2017)

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進行性非扁平上皮非小細胞肺がんの一次治療としてのテンセントリク+化学療法+アバスチン併用療法、病勢進行または死亡リスクを38%低下 https://oncolo.jp/news/171212y01 https://oncolo.jp/news/171212y01 進行性非扁平上皮非小細胞肺がんの一次治療としてのテンセントリク+化学療法+アバスチン併用療法、病勢進行または死亡リスクを38%低下 2017-12-12UTC11:29:21+0000 2017年12月7日、欧州臨床腫瘍学会免疫学シンポジウム(ESMO Immuno Oncology)にて、未治療の進行性非扁平上皮非小細胞肺がん患者に対するアテゾリズマブ(商品名テンセントリク;以下テンセントリク)+化学療法(カルボプラチン+パクリタキセル)+ベハジズマブ(商品名アバスチン;以下アバスチン)併用療法の有効性を検証した第III相のIMpower150試験(NCT02366143)の結果が発表されました。。

IMpower150試験とは、未治療の進行性非扁平上皮非小細胞肺がん患者(N=1202人)に対して以下の3群を1:1:1の割合で無作為に振り分け治療を行った。

・3週を1サイクルとして1日目にテンセントリク1200mg+1日目に化学療法併用療法を4または6サイクル投与した後テンセントリク単剤療法によるメンテナンス療法を投与する群(アームA)

・3週を1サイクルとして1日目にテンセントリク1200mg+1日目に化学療法+1日目にアバスチン15mg/kg併用療法を4または6サイクル投与した後テンセントリク+アバスチン併用療法によるメンテナンス療法を投与する群(アームB)

・3週を1サイクルとして1日目に化学療法+1日目にアバスチン15mg/kg併用療法を4または6サイクル投与した後アバスチン単剤療法によるメンテナンス療法を投与する群(アームC)

主要評価項目として無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、副次評価項目として全奏効率(ORR)を比較検証した多施設共同オープンラベルの第III相試験である。

本試験の結果、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)中央値はテンセントリク+化学療法+アバスチン併用療法群8.3カ月に対して化学療法+アバスチン併用療法群6.8カ月、病勢進行または死亡(PFS)のリスクをテンセントリク+化学療法+アバスチン併用療法群で38%減少した(ハザード比:0.62、95%信頼区間:0.52-0.74、p<0.000)。また、ランドマーク解析による12カ月時無増悪生存(PFS)率は、テンセントリク+化学療法+アバスチン併用療法群37%に対して化学療法+アバスチン併用療法群18%と、約2倍の差であった。

さらに、主要評価項目である無増悪生存(PFS)期間はALKまたはEGFR遺伝子変異陽性例を除いたITT解析集団、ならびにT細胞活性調整因子の遺伝子発現“Teff”により層別化した集団でも評価されており、両集団において化学療法+アバスチン併用療法群よりもテンセントリク+化学療法+アバスチン併用療法群で統計学的有意な改善を示した。なお、アームAであるテンセントリク+化学療法併用療法群に関する結果の公表については、2018年第1四半期を予定している。

また、副次評価項目である全奏効率(ORR)はテンセントリク+化学療法+アバスチン併用療法群64%に対して化学療法+アバスチン併用療法群48%であった。

一方の安全性プロファイルとしては、各薬剤で認められている既存の安全性プロファイルと一致しており、テンセントリク+化学療法+アバスチン併用療法レジメンにおける新たな安全性の懸念は確認されなかった。治療に関連した重篤な有害事象(AE)はテンセントリク+化学療法+アバスチン併用療法群25.4%、化学療法+アバスチン併用療法群19.3%であった。

IMpower150試験の結果を受けて、エフ・ホフマン・ラ・ロシュ社・最高医学責任者兼国際開発責任者であるSandra Horning博士は以下のように述べている。「本試験は、様々は患者背景を有する進行性非扁平上皮非小細胞肺がん患者さんの一次治療として病勢進行(PFS)リスクを低下させた癌免疫療法初の第III相臨床試験です。」

ESMO Immuno Oncology 2017 Congress – Press Conferenceより、動画抜粋

LBA1_PR: Primary PFS and safety analyses of a randomized phase III study of carboplatin + paclitaxel +/− bevacizumab, with or without atezolizumab in 1L non-squamous metastatic NSCLC (IMpower150), Martin Reck

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ヨシダソース創業者・ヨシダグループ社会長 吉田潤喜氏に聞く がん制覇戦略術(その2) https://oncolo.jp/news/20171206aj https://oncolo.jp/news/20171206aj ヨシダソース創業者・ヨシダグループ社会長 吉田潤喜氏に聞く がん制覇戦略術(その2) 2017-12-10UTC10:48:18+0000 この記事はシリコンバレー在住のビジネスライターAyako Jacobssonさんが著す「特集:欧米がん治療事情」となります。Ayakoさんは脂肪肉腫のがんサバイバーであり、その体験記や海外のがん事情を月2回のペースで掲載していきます。今回、コストコの「グルメのたれ」で日本でも有名なヨシダソースの吉田潤喜氏への独占インタビューとなります。

前回記事:ヨシダソース創業者・ヨシダグループ社会長 吉田潤喜氏に聞く がん制覇戦略術(その1)

お金は追いかけると逃げていく。でも、危機になるといつでも助けてくれた。

- 吉田会長はがん治療に多額の寄付をなさり、ご家族で取り組まれていらっしゃいますが、お心構えなどついてお話下されば、幸いです。

吉田:退職金で会社の倒産の危機を救ってくれた義父のブーマーが、結腸がんで亡くなったこともあって、妻のリンダがソウルフル・ギビング財団の理事を務め、一緒にがんのチャリティに長年取り組んできている。財団主催で自宅を解放して食べ物や音楽を提供し、チケットをネット(http://www.soulfulgiving.org/)で販売し、その収益を寄付するんだ。来年は8月4日にソウルフル・ギビング・ブランケット・コンサートをやる。

僕は、がん治療はビジネスだと考えているんだ。がんはビジネスと一緒でお金を突っ込む。つまり、お金を研究に突っ込んでいくと、治療法が見つかるからね。

ビジネスを大きくするのにお金を投資し成長していったように、がんの治療も同じこと。もっともっとお金を集めないといけない。がん研究をやって、より良い治療法を見つけ、さらに進めていくためには、寄付を集めて募っていかないとだよね。

- 吉田会長は子供がん協会理事、オレゴン州のドーエンベッカー子供病院、ランダル子供病院などに貢献されていらっしゃいますが、そのきっかけをお教え下さい。

吉田:ドーエンベッカー子供病院では18年間理事を務めた。僕の子供ががんになったから貢献するんですかと、人からよく聞かれるんだけど、そうじゃないんだ。
自分の子供が健康だからこそ、がんの子供を助けるんだよ。

長女のクリスティーナが生まれた直後に大病にかかって、シアトル子供病院に駆け込んだんだ。先生達が24時間つきっきり、5日間続けて治療してくれたから、クリスティーナは助かった。子供病院はお金がないことを察してくれて、たった250ドルだけ請求された。その時は、いつか絶対に恩返ししようと心に誓ったんだ。つまり、Giving Back!だ。

- 2011年には米国赤十字から、フィランソロピスト(慈善家)オブ・ザ・イヤーを受賞されました。アメリカでの慈善活動の背景や必然性などについてお話下さい。

吉田:アメリカは健康保険の保険料が非常に高く、病院に行けない人も多い。子供ががんにかかると、親が子供のために破産宣告してがん治療を受けたりすることもあるんだ。破産して貧乏になると、医療費が無料になり、フードスタンプというEBT(Electronic Benefit Transfer)カードも出て、福祉が面倒を見てくれるからね。その一方で、アメリカにはクリスチャン精神があって、人を助けることに誇りを持っている。

保険のない外国からの移民に病院が治療できるように運営するから、企業や篤志家から寄付を集めるボランティア活動が必要だし、ずっとやってきたんだ。

最近日本からやってきた事業家が高い時計を買って喜んでいたけれど、アメリカの事業家と心構えが違うと思った。

そんな使い方は悲しいお金で、幸せなお金の使い方じゃない。人をハッピーにする使い方をしないとダメなんだ。今ではヨシダグループとしてヨシダソースをはじめ、飲料水開発、レストラン経営、マンション・アパートやオフィスビルそしてリゾート開発事業を抱えているけど、過去に4回資金繰りで苦労した。ゴルフ場の開発に投資して失敗した時は、ピストルで頭を撃ち抜いて死のうと思ったことだってある。

お金は追いかけると逃げていくんだ。でも、危機になると、いつも誰かが助けてくれた。人が成功して大きくなっていくには、感謝して、返していかないと。要するにお金儲けより、人儲けなんだよ。

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「命の危険がある病気」など要件満たせば…新薬、治験を簡略化して早期承認へ https://oncolo.jp/pick-up/news1250 https://oncolo.jp/pick-up/news1250 「命の危険がある病気」など要件満たせば…新薬、治験を簡略化して早期承認へ 2017-12-08UTC11:30:53+0000 有効な治療法が限られる重い病気に対する新薬について、厚生労働省は、臨床試験(治験)を簡略化して早期に承認する制度を創設した。

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https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20171206-OYTET50006/

ニュース選定者:滝澤 宏隆
引用元:yomiDr.
https://yomidr.yomiuri.co.jp/

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「部分的に正しい」医療情報にご用心! https://oncolo.jp/pick-up/news1249 https://oncolo.jp/pick-up/news1249 「部分的に正しい」医療情報にご用心! 2017-12-08UTC09:30:01+0000 近年、インターネットの発達もあり、誰もが容易に医療に関する情報を得られるようになりました。怪しい情報があふれているということに関しても、最近メディアや医師たちが警告を出すようになりました。

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http://agora-web.jp/archives/2029864.html

ニュース選定者:濱崎 晋輔
引用元:アゴラ
http://agora-web.jp/

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切除不能再発転移性胃がんに対する3次治療としてのバベンチオ、主要評価項目である全生存期間(OS)を達成できず https://oncolo.jp/news/071208y01 https://oncolo.jp/news/071208y01 切除不能再発転移性胃がんに対する3次治療としてのバベンチオ、主要評価項目である全生存期間(OS)を達成できず 2017-12-08UTC08:11:51+0000 2017年11月28日、切除不能再発転移性胃がん患者に対する三次治療としてのアベルマブ(商品名バベンチオ)単剤療法の有効性を検証した第III相のJAVELIN Gastric 300試験(NCT02625623)の結果をファイザー社、メルクセローノ社がそれぞれ自社のプレスリリースで公表した。

JAVELIN Gastric 300試験とは、2レジメンの治療歴のある切除不能再発転移性胃がん(胃食道接合部がんを含む)患者(N=371人)に対してバベンチオ単剤療法+ベスト・サポーティブ・ケア(BSC)を投与する群、主治医選択の化学療法(イリノテカンまたはパクリタキセル単剤療法)+ベスト・サポーティブ・ケア(BSC)を投与する群に無作為に振り分け、主要評価項目である全生存期間(OS)を検証した国際多施設共同の第III相試験である。なお、患者はPD-L1発現率の有無に関係なく試験に登録されている。

本試験の結果、主要評価項目である全生存期間(OS)は主治医選択の化学療法群に対するバベンチオ単剤療法群の優越性を証明できないことが判った。また安全性プロファイルに関しては、JAVELIN Gastric 300試験以外の試験で確認されているものと一貫していた。

本試験における主要評価項目未達成の結果を受けて、メルクセローノ社・グローバル研究開発部門の責任者であるLuciano Rossetti氏は以下のように述べている。”切除不能再発転移性胃がん(胃食道接合部がんを含む)における三次治療は予後が悪く、他の胃がん治療とは異なります。JAVELIN Gastric 300試験はプラセボでなく化学療法を比較対照群とし、三次治療における免疫チェックポイント阻害薬の有効性を検証した世界で初めての国際共同の第Ⅲ相試験です。本試験より得られた知見は、臨床医が胃がんの後期治療について考えるための重要な情報を与えることでしょう。そして、我々は現在進行中である胃がんに対するメンテナンス療法としてのバベンチオの有効性を検証するJAVELIN Gastric100試験の研究を引き続き実施していきます。”

また、ファイザー社・オンコロジー事業部門の早期開発、トランスレーショナルおよび腫瘍免疫領域担当・ヴァイス・プレジデントであるChris Boshoff氏は以下のように述べている。”胃がんは世界的にも死亡に至りやすいがん種であり、明らかなアンメットメディカルニーズがあります。そして本試験より得られた重要な知見を参考に、我々はバベンシオの胃がんにおける役割を今後も検証し続けます。本年バベンシオはに2つのがん種で承認され、がん治療における飛躍的な進歩をもたらしたと自負しております。今後もがん患者さんに対して新しい治療選択肢を提供できるように、バベンチオ単剤療法、併用療法など多種多様な治療方法の開発を続けます。”

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希少がんに立ち向かう医師の想い、そして新たな時代への医療とは [Vol.3] https://oncolo.jp/feature/20171208dt https://oncolo.jp/feature/20171208dt 希少がんに立ち向かう医師の想い、そして新たな時代への医療とは [Vol.3] 2017-12-08UTC08:00:10+0000 人口10万人あたりに6例未満の頻度で発生する、“まれ”ながんである「希少がん」。その定義ができたのは、今からほんの数年前の2015年のことでした。その翌年、2016年のがん対策基本法の改正では「希少がんの研究促進」が盛り込まれるまでになり、世の中の関心も高まってきています。

引き続きお話をうかがうのは、国立がん研究センター骨軟部腫瘍科長であり、希少がんセンター長の川井章先生。今回は、2018年2月に記念すべき第1回の学術集会を開催する「日本サルコーマ治療研究学会」から考えるこれからの医療についてお聞きします。聞き手は軟部腫瘍体験者でオンコロスタッフの鳥井大吾です。(最終回/全3回)

第1回記事:希少がんに立ち向かう医師の想い、そして新たな時代への医療とは [Vol.1]
第2回記事:希少がんに立ち向かう医師の想い、そして新たな時代への医療とは [Vol.2]

医療の進歩により、学会の柔軟性も重要に


鳥井:「第1回日本サルコーマ治療研究学会(JSTAR)学術集会」が、2018年2月23〜24日に東京にて開かれます。記念すべき第1回目ですね。肉腫(サルコーマ/骨軟部腫瘍)を学ぶ場というのは、これまでもあったのでしょうか。

川井:肉腫の多く(60~70%程度)は整形外科が診療する四肢や体幹の骨軟部組織から発生することから、日本整形外科学会の主宰する3学術集会の一つとして日本整形外科学会骨軟部腫瘍学術集会があります。今年、50周年を迎えました。

鳥井:骨軟部腫瘍学術集会とは別に、新たに学会を開く必要があると思われた、その背景を教えてください。

川井:最も大きな理由は肉腫を取り巻く医療の進歩・変化です。具体的には、肉腫に対する内科的なお薬の治療、外科的な手術的治療のそれぞれにおいて、求められる知識と技術が爆発的に進歩、複雑化してきているという状況があります。

たとえば軟部肉腫に対して効果が期待できる抗がん剤は、これまでドキソルビシンとイホマイドくらいしかありませんでしたが、過去5年間の間にパゾパニブ、トラベクテジン、エリブリンという新しい薬が次々と登場してきました。また、後腹膜や胸壁など体幹部に発生した肉腫の外科的治療も急速に進歩しています。これらの変化全てに対応し、最高の形で患者さんに届け、さらにもっと発展させてゆくためには、一つの診療科だけでは限界があり、どうしても多くの診療科が協力する必要が出てきたのです。

鳥井:肉腫の治療が進歩・多様化してきたところが大きいのですね。

川井:そうですね。肉腫の診療において、いわゆる集学的治療(※)、Multidisciplinary Team(集学的治療を行う医療チーム)の確立が不可欠になってきています。(※手術、薬物、放射線など、様々な治療法を組み合わせて行う治療)

もちろん、発生部位など、肉腫という病気そのものが変わるわけではありませんから、その診断と治療において第一線の整形外科医が担う重要な役割に変わりはありません。専門家、非専門家を問わず全国にはりめぐらされた質の高い整形外科医のネットワークがあって初めて、適切な早期診断からリハビリ・社会復帰まで、現在の世界最高レベルのわが国の肉腫医療が達成されているということは忘れてはならないと思います。

日本整形外科学会骨軟部腫瘍学術集会が、骨や筋肉など運動器に発生した肉腫、骨転移や良性骨腫瘍などより幅広い疾患や病態まで対応する“兄貴分の学会”だとすると、サルコーマ治療研究学会は、これまで等閑視されてきた内臓や後腹膜の肉腫や、より集学的な治療にフォーカスした“弟分の学会”と言えるかもしれません。お互いに、お互いがあってよかったといえるような、補完し、高めあえるような関係にしていきたいと思っています。

鳥井:そのほかにも目指しているものはありますか。

川井:肉腫のような希少がんの領域では、一つの国だけで大規模な臨床試験を実施したり、新たな薬、エビデンスを創出したりしてゆくことは困難ですので、国際的な協力が欠かせません。欧米、アジアの研究者や学会との緊密な連携を図っていきたいと思います。

もう一つ、新たな学会が重視しているのは患者さんとの連携です。全ての肉腫医療は、突き詰めると患者の命、QOL、満足度の向上を目指した医療者と患者の協働作業にほかなりません。そのもっとも重要なパートナーである患者さん、患者会の方々と一緒に、これからの肉腫医療のあるべき姿を考えてゆきたいと思っています。

新たな学会はMultidisciplinary(集学的)であると同時に、International(国際的)、Patient-oriented(患者さん中心)であることを目指したいと思います。

患者家族の経験のある医師として伝えたいこと


鳥井:川井先生は、患者家族の経験のある医師として、患者さんにどんなことを伝えていきたいと思いますか。

川井:私は、肉腫で足を切る人をなくしたい、という非常に個人的な思いから医師を目指しましたが、今、もし当時の妹と同じような患者さんが来られたら、きっと足を残した治療を提示してあげられると思います。これは、この数十年の間に、私たちの先達や同世代の医師が成し遂げた大きな進歩だと思います。

その過程で私自身、多くのことを患者さんや病気から学ばせていただきました。良かれと思って行ったことが結果的に患者さんに辛い思いをさせることになったことも一度ならずあります。純粋だけど未熟な若者が無我夢中で数十年過ごしてみたら、知らないうちに遠くに見えた目標が手の届くところにあって、その向こうにさらに大きなたくさんの課題が見えてきました。髪は白くなって、お腹にも純粋な気持ちにも、いろいろな贅肉がくっついてきましたが(笑)。

鳥井さんも、病気になって本当に大変だったと思いますが、そこから、人生をかけてやりたいことを見つけて、今、走り出しておられます。患者会の皆さんも、肉腫に対する思い、同じ病気で苦しむ仲間の役に立ちたいという純粋な気持ちで活動しておられます。

肉腫で苦しむ人をなくしたい、助けたい、という根本において、医療者、患者会、患者アドボケイトの間に、何の違いもありません。医者はその気持ちを形にする訓練を受けたプロですが、患者会、患者アドボケートの方々はプロでない分、プロである我々が見失いがちな純粋な志を持ち続けることができます。三者の協働はきっとうまくゆくと信じています。

私が医師になった時のビジョンは「肉腫で手足を切る人をなくす」というシンプルなものでした。しかし、長年肉腫に関わってくる中で、人間にとって最も大切なものは命であるということ、そして、その価値を共有しつつ、その時できうる最善のことを一緒に悩み、考え、実行してゆくことが肉腫の医療そのものであるということを、今、改めて痛感しています。

「肉腫で命を落とす人がいなくなること」「肉腫で障害を持つ人がいなくなること」「肉腫で辛い思いをする人がいなくなること」が、私のこれからの目標です。

鳥井:先生の医療に対する想い、ブレない志に、がん体験者の一人として感銘を受けました。本日はありがとうございました!

第1回日本サルコーマ治療研究学会学術集会:
http://www.congre.co.jp/jstar2018/

(写真・文:木口マリ)

●プロフィール:
川井 章
1961年生まれ、岡山育ち、岡山大学卒業。大学病院勤務、米国留学を経て2002年より国立がんセンター整形外科(現国立がん研究センター骨軟部腫瘍科)勤務。2015年より希少がんセンター長。

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日本の手術トレーニングで世界の肺がん患者を救え https://oncolo.jp/pick-up/news1248 https://oncolo.jp/pick-up/news1248 日本の手術トレーニングで世界の肺がん患者を救え 2017-12-08UTC07:30:53+0000 「一番必要とされるのが、いわゆるトラブルシューティング。血管の処理と、肺の気管支の処理をいかにうまくやって、実際にがんのある部所を取り除いて、無事に手術を終わるかということですね」。
そのために、実際の手術はどのような心がけで行われるのだろうか。

続きを読む
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/51730?page=2

ニュース選定者:鳥井 大吾
引用元:JBpress
http://jbpress.ismedia.jp/list/welcome

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英語圏での「がん患者ネットワーク」と日本 https://oncolo.jp/pick-up/news1247 https://oncolo.jp/pick-up/news1247 英語圏での「がん患者ネットワーク」と日本 2017-12-08UTC05:30:46+0000 海外での「がん患者ネットワーク」の状況についてご紹介します。がん経験者や同じ治療を受けている人たちとコミュニケーションを取りたいと思う人も多いです。
「なぜ、日本にはそういう仕組みがないの?」。

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http://www.huffingtonpost.jp/okubo-junichi/cancer-world_a_23298289/

ニュース選定者:中島 香織
引用元:ハフポスト
http://www.huffingtonpost.jp/

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抗がん剤治療をしていた医師も、自分は民間療法に頼ってしまうこれだけの理由 https://oncolo.jp/pick-up/news1246 https://oncolo.jp/pick-up/news1246 抗がん剤治療をしていた医師も、自分は民間療法に頼ってしまうこれだけの理由 2017-12-08UTC03:30:51+0000 「がんが発覚する前、仕事人間だった私は、ストレスによる暴飲暴食で体調が悪化し、うつ病にもなりました。それに術後は人工呼吸器につながれて身動きが取れず、圧倒的な孤独や再発の恐怖に襲われたんです。がんを再発させないためには、今までの生き方を180度変えるしかないと決意しました」。

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http://bunshun.jp/articles/-/5159

ニュース選定者:濱崎 晋輔
引用元:文春オンライン
http://bunshun.jp/

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ステージ4のがん。そんな私がずっと1人暮らしをする理由 https://oncolo.jp/pick-up/news1245 https://oncolo.jp/pick-up/news1245 ステージ4のがん。そんな私がずっと1人暮らしをする理由 2017-12-08UTC01:27:41+0000 「がんを宣告されたら、仕事も辞めて家族の元に戻って、一緒に闘病するものでしょ?」。そう言われたこともありますが、実はそうでもないのです。
若年性乳がんの患者会でヒアリングした結果、意外と一人暮らしを継続している人は多いことが分かりました。

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http://www.huffingtonpost.jp/yoriko-hirobayashi/stage-4-alone_a_23293630/

ニュース選定者:中島 香織
引用元:ハフポスト
http://www.huffingtonpost.jp/

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進行性食道がん対するキイトルーダ単剤療法、部分奏効率(PR)30%を達成する https://oncolo.jp/news/171207y03 https://oncolo.jp/news/171207y03 進行性食道がん対するキイトルーダ単剤療法、部分奏効率(PR)30%を達成する 2017-12-07UTC11:24:11+0000 2017年11月8日、医学誌『Journal of Clinical Oncology(JCO)』にて治療歴のある進行性食道がん患者に対するペムブロリズマブ(商品名キイトルーダ;以下キイトルーダ)単剤療法の有効性を検証したKEYNOTE-028試験(NCT02054806)の結果が公表された。

KEYNOTE-028試験とは、PD-L1陽性固形がん患者に対して2週間に1回の投与間隔でキイトルーダ10mg/kg単剤療法を投与し、主要評価項目としてRECIST1.1に基づく奏効率(RR)、副次評価項目として無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)を検証したマルチコーホートの第Ib試験である。なお、本論文では食道または食道胃接合部の扁平上皮がん、腺がんを対象としている。

本試験では83人の患者でPD-L1発現率が検証され、37人(45%)の患者でPD-L1陽性と診断され、その内23人の患者が試験に本登録されている。患者背景としては、年齢中央値65歳、扁平上皮がん87%、少なくとも前治療歴が2レジメン以上ある患者87%であった。

本試験におけるフォローアップ期間中央値7ヶ月(1-33ヶ月)における主要評価項目である奏効率(RR)の結果は、部分奏効率(PR)30%(N=7人)であった。また、扁平上皮がん患者における部分奏効率(PR)は28%(N=5/18人)、腺がん患者における部分奏効率(PR)は40%(N=2/5人)であった。そして、標的病変の縮小が52%(N=12人)の患者で確認された。

また、副次評価項目である無増悪生存期間(PFS)中央値は1.8ヶ月、6ヶ月または12ヶ月無増悪生存率(PFS)はそれぞれ30%、22%であった。全生存期間(OS)中央値は7.0ヶ月、6ヶ月または12ヶ月全生存率(OS)はそれぞれ60%、40%であった。そして、初回奏効までの期間(TTR)中央値は4ヶ月、奏効持続期間(DOR)中央値は15ヶ月であった。

一方の安全性として、治療下に発現した有害事象(TEAE)が39%の患者で発症し、最も一般的に発症が確認された有害事象(AE)としては皮膚障害13%、食欲減退9%、リンパ球減少9%であった。

また、グレード3の治療下に発現した有害事象(TEAE)は17%(N=4人)の患者で確認され、リンパ球減少9%、食欲減退、肝障害、皮疹がそれぞれ4%であった。なお、免疫関連有害事象としては26%(N=6人)の患者で発症し、甲状腺機能低下症9%(N=2人)、副腎不全、腸炎、甲状腺機能亢進症、全身性皮疹がそれぞれ4%(N=1人)であった。

以上の試験結果を受けて、本論文のファーストオーサーである国立がん研究センター東病院・先端医療科長である土井 俊彦氏をはじめとした治験医師は以下のように結論を述べている。”キイトルーダは複数の治療歴のあるPD-L1陽性進行性食道がん患者に対して持続的な抗腫瘍効果、また管理可能な毒性を示しました。”

Safety and Antitumor Activity of the Anti–Programmed Death-1 Antibody Pembrolizumab in Patients With Advanced Esophageal Carcinoma (Journal of Clinical Oncology – published online before print November 8, 2017)

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【メルマガコラム】患者さんの声を届けたい[vol.46] https://oncolo.jp/backnumber/mailmagazine_vol46 https://oncolo.jp/backnumber/mailmagazine_vol46 【メルマガコラム】患者さんの声を届けたい[vol.46] 2017-12-07UTC07:15:04+0000 コラム

皆さん いつもオンコロをご覧いただきありがとうございます。
オンコロの濱崎です。
2週間前のコラムでは、オンコロの「治験お問合せ窓口」での治験紹介についてお話をしましたが、
私にはオンコロ立ち上げ時からの大きなミッションが、別に存在しています。

かなり初期の話ですが(2015年ころ)私はボイスデリバリーHAMAと名乗ってました。
これをご存知の方がいたらかなりのオンコロマニアですw
全く持ってセンスのないネームですよねw
このふざけた(ようにみえる)ネームには、実は私の思いが込められています。
それは患者さんの「声」を医療の現場に「届ける」役目を、私が担うということです。
もともと製薬業界にいた私は、患者さんの医療に対しての要望や意見が反映されにくいことを
とても残念に感じていました。

しかし、最近ではずいぶんと変わってきたように思います。「患者中心医療」という言葉も、よく聞くようになりました。
また製薬会社は医師を中心とした活動から、少しずつ患者さんにも目を向けるようになりました。患者さんを対象としたインタビュー調査や、アンケート調査が増えてきているのも、
そうした理由からであると思います。
オンコロでも患者さん対象の調査の案内を行うことが増えてきました。
私自身もいくつかの調査に関わり、調査によって判明した患者さんの声がエビデンスとなり(研究としての実施ではないので違うかもしれませんが)、医療現場に反映される様子を見ることが出来ました。

長くなりましたので続きはまたの機会にお話しできたらと思います。
オンコロでは、患者さんの声を届けるための調査をどんどん行っていきます!これは患者さんのご協力なくして実現できませんので、調査への参加を何卒宜しくお願い致します。
これからも、患者さんの「ボイス」を医療業界に「デリバリー」したいと思います。

HAMA

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324種類の遺伝子変異、2種のゲノムサインを一度に測定できるコンパニオン診断がFDAより承認される https://oncolo.jp/news/171207y02 https://oncolo.jp/news/171207y02 324種類の遺伝子変異、2種のゲノムサインを一度に測定できるコンパニオン診断がFDAより承認される 2017-12-07UTC05:59:31+0000 2017年11月30日、 固形がんにおける324種の遺伝子変異、2種のゲノムサインを一度に特定する次世代シークエンサー(NGS)であるコンパニオン診断のFundationOneCDx(F1CDx)が米国食品医薬品局(FDA)より承認されたことをFoundation Medicine,Inc.が自社のプレスリリースで公表した。

また、米国食品医薬品局(FDA)の承認に併せ、FundationOneCDx(F1CDx)がメディケイドにとっても革新的な医療技術であることがメディケア・メディケイドサービスセンター(CMS)より認められ、医療保険給付金の決定(National Coverage Determination,NCD)申請が提出された。なお、本申請結果の決定は2018年第1四半期を予定している。

FundationOneCDx(F1CDx)は、がん細胞の成長を促進させることで知られているEGFR、ALK、BRAF、KRASなど324種の遺伝子変異を一度にすべて測定し、医師が治療方針を決定するために必要な情報を提供する。

例えば、非小細胞肺がん、悪性黒色腫(メラノーマ)、大腸がん、卵巣がん、乳がんと診断された患者は、現在承認されている17ある中の1つの治療薬に対して恩恵が得られることが遺伝子変異より明らかになる。

しかし、17ある中の12の治療薬が一次治療として適応があるにも関わらず、FundationOne CDx(F1CDx)承認以前は1人の患者に対して複数以上のコンパニオン診断を治療開始前に実施できなかった。

さらに、FundationOneCDx(F1CDx)は免疫療法の効果予測因子として考えられているマイクロサテライト不安定性(MSI)、腫瘍変異負荷(Tumor mutation burden,TMB)など2種のゲノムサインも測定でき、現在の治療効果の判定に必要な情報も提供できる。

Foundation Medicine,Inc.が実施した包括的ゲノムプロファイリングテストによれば、5種類の一般的な進行性固形がんに罹患する患者3人の内1人は米国食品医薬品局(FDA)より承認されている治療薬が標的とする遺伝子変異に適合すると推定されている。

そして、FundationOneCDx(F1CDx)に基いて示された薬剤、その薬剤による恩恵が得られる患者の合致率は今後何倍も増加するであろう。それは、Foundation Medicine,Inc.と提携する製薬会社がFundationOneCDx(F1CDx)で測定できる遺伝子変異、ゲノムサインの種類の追加を米国食品医薬品局(FDA)に申請しているためである。

今日、約50%の新規抗がん剤はバイオマーカーを標的として開発が進められている。そのため、FundationOneCDx(F1CDx)のようなコンパニオン診断の重要性は非常に大きいのである。

以上の米国食品医薬品局(FDA)によるFundationOneCDx(F1CDx)の承認を受けてLUNGevity FoundationのCEO兼会長であるAndrea Ferris氏は以下のように述べている。”ベストな治療選択肢を提供する包括的ゲノムプロファイリングテストが重要であることを理解しているにも関わらず、バイオマーカー検査を受けることができない多くのがん患者さんの存在を我々は知っています。米国食品医薬品局(FDA)によるこの度の承認は、多くのがん患者さんが治療効果の恩恵を受ける可能性の高い治療へ辿り着けることを意味します。また、臨床だけでなく治験段階よりがん患者さんが抗がん剤による恩恵を受けられる可能性が高まることでしょう。”

また、Cancer Treatment Centers of America(CTCA)のAnkur R. Parikh氏は以下のように述べている。”包括的ゲノムプロファイリングは個別化医療(プレシジョンメディシン)の入り口です。米国食品医薬品局(FDA)、メディケア・メディケイドサービスセンター(CMS)による今回の決定は、患者さんとその医療従事者が個別化医療(プレシジョンメディシン)による恩恵が得られるための重要な一歩です。遺伝子情報にアクセスできる環境下では、革新的で精度の高い治療選択肢が提供できるようになります。”

そして、Foundation Medicine,Inc.・CEOであるTroy Cox氏は以下のように述べている。”本日の米国食品医薬品局(FDA)、メディケア・メディケイドサービスセンター(CMS)同時の審査結果は、がん患者の個別化医療に対して重要で巨大な進歩となるでしょう。FundationOneCDx(F1CDx)が承認されたことで、治験の基準に適合する患者を特定するだけでなく、米国食品医薬品局(FDA)より承認されている治療薬、がん免疫療法による恩恵が得られる患者を遺伝子情報に基づいて医師が把握できるようになることでしょう。そして、個別化医療を加速させる医薬品の開発をする製薬会社のプラットフォームとしての役割を、FundationOneCDx(F1CDx)が担うことを我々は期待しております。Foundation Medicine,Inc.を代表して、この度の米国食品医薬品局(FDA)、メディケア・メディケイドサービスセンター(CMS)による勇気ある決断に対して感謝を述べたいです。”

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小細胞肺がんとは(疾患情報) https://oncolo.jp/cancer/small_cell_lung_cancer-about https://oncolo.jp/cancer/small_cell_lung_cancer-about 小細胞肺がんとは(疾患情報) 2017-12-07UTC05:58:20+0000

目次

肺の構造と働き

肺は、肋骨に囲まれ胸膜に包まれた臓器で、空気の通り道である気管の左右にあります。気管の右側にある肺は上葉、中葉、下葉の3つの区画に分かれておりそれぞれ気管に続く気管支が広がっています。左側の肺は上葉と下葉に分かれており、右の肺と同じように気管支が広がっています。右の肺は左の肺よりも体積が少し大きいのが特徴です。

肺の働きは血液中のガス交換をすることです。空気から酸素を血液に取り込んで、二酸化炭素を身体の外に排出します。空気中の酸素を取り込むために、肺の中にある肺胞が重要な役割を果たします。肺胞はぶどうの房のような形をしていて、周りが毛細血管で覆われています。肺胞には弾力性がありスポンジのようなイメージです。

1つの肺につき約150万個の肺胞があり、球状の形をしているため面積も広くなるため効率よくガス交換ができる仕組みになっています。呼吸によって空気が身体に取り込まれると、気管と気管支を通って肺胞に達します。すると肺胞の毛細血管が空気中の酸素を取り込むのです。血液中の二酸化炭素は毛細血管から肺胞へ移動して、呼吸によって身体の外へ排出されます。

肺胞の毛細血管で酸素を取り込んだ血液は、心臓へ向かう肺動脈を通り心臓を通って全身に運ばれます。酸素は身体中のあらゆる部分で必要になるため、肺でのガス交換は人が生きるために必要不可欠な働きなのです。

小細胞肺がんとは


肺にできる悪性腫瘍が肺がんであり、小細胞肺がんと非小細胞肺がんがあります。非小細胞がんは腺がん、扁平上皮がん、大細胞がんに分かれますが、小細胞がんだけ別の分類になっているのは、それだけ特殊ながんであるためです。

小細胞肺がんは、顕微鏡で見ると丸くて小さい細胞で構成されているため、そのように名付けられています。進行が速いため、早期発見が難しく、発見した時には腫瘍やリンパ節転移が大きくなっていることが多く、根治することが難しいのが特徴です。小細胞肺がんは気管支が分かれて肺に入っていく肺門(肺の中心部)、細い気管支が広がっている肺野どちらにも発生するがんです。

小細胞肺がんの症状

肺がんは一般的に症状が出現しにくいがんです。症状が出るとすれば、次第に悪化する咳と血痰が特徴です。咳が続くのは肺がんが肺や気管支を圧迫して刺激するためです。腫瘍が増大して気管支の圧迫が強くなり、空気の通り道がなくなってしまうと息切れをするようになったり、気管支炎や肺炎を引き起こしたりするようになります。

さらに、肺がんが肋骨や神経を刺激することで胸の不快感や痛みが出現することもあれば、がん細胞が気管支を傷つけることで痰に血液が混ざることもあります。腫瘍が大きくなって太い静脈を圧迫するようになると、血液の流れが悪くなるため首や顔がむくみとなって腫れる場合があります。

その他、声が枯れる、飲み込みづらくなる、食欲が落ちる、体重が減少する、倦怠感が出ることもあります。

稀なものとして、肺がんがホルモンを異常に産生することで内分泌異常が起こることがあります。たとえば副腎皮質刺激ホルモンを分泌すればクッシング症候群が起こりますし、抗利尿ホルモンが異常に分泌されればSIADHという病態を呈します。

これらは小細胞肺がんに限らず肺がん一般に起こる症状ですが、小細胞肺がんに特徴的な症状としては、Lambert-Eaton症候群があります。小細胞肺がんの電位依存性カルシウムチャネルという部位に対して抗体が産生され、その抗体が神経筋接合部のカルシウムチャネルにも作用するために、筋力低下や歩行障害をきたす症候群です。小細胞肺がんの2-3%に合併することが知られています。

小細胞肺がんの原因

小細胞肺がんの主な原因は喫煙です。喫煙は他のがんも引き起こしますが、小細胞肺がんには特に喫煙が深く関わっています。たばこには数千種類の物質が含まれており、うち200種類をこえる物質が人体に有害です。

たばこの成分で有名なのは「ニコチン」や「タール」ですが、他にも一酸化炭素、ホルムアルデヒドやアセトアルデヒドなどのカルボニル類、ベンゾピレン、窒素酸化物、シアン化水素、有機化合物、ニトロソアミン類などが含まれています。

ニコチンは依存症を引き起こす成分で、交感神経を刺激して血圧を上げる働きがあります。タールは植物樹脂で肺に取り込むと蓄積して肺が黒くなります。慢性閉塞性肺疾患を引き起こす成分でもあります。一酸化炭素は身体の酸素不足を引き起こす成分です。ホルムアルデヒドやベンゾピレンは発がん性物質ですし、これらの他にも身体に有害な物質が多数含まれています。

たばこによって身体に取り込まれた発がん物質はDNAと結びつくことで遺伝子変異を引き起こし、がん細胞へ変化すると考えられています。

喫煙している場合は喫煙を続けている期間や喫煙を始めた年齢、1日の喫煙本数、喫煙する時にどれくらい吸入したかが小細胞肺がんの発生と関わってきます。喫煙していない人でも喫煙する人が近くにいる場合は受動喫煙をしているため、小細胞肺がんを発症するリスクが高まります。

小細胞肺がんの原因は喫煙以外にもいくつかあります。

アスベストは小細胞肺がんを引き起こす原因であると考えられています。アスベストは軽い綿状の物質で、加工しやすく音の吸収や断熱など様々な利点があることからこれまで多くの建物に使用されてきました。しかしアスベストは飛散しやすく花粉よりも小さくなることから、吸い込んで肺に達すると肺がんを誘発する要因となります。その他ヒ素、ニッケル、クロロメチルエーテル、クロム、マスタードガスを取り扱う工場はこれらの物質を呼吸で吸入する機会にさらされるため、工場労働者は肺がんを引き起こす可能性もあります。

またディーゼル車による排ガスも小細胞肺がんを発症する原因となります。都市部ではディーゼル車が多いため排ガスが多くなった空気を吸い込むことや、トラック運転手がディーゼル車の排ガスを吸入する機会が多いことが肺がんを引き起こします。

近年はPM2.5による大気汚染も肺がんのリスクファクターとして注目されています。PM2.5は浮遊粒子物質といって多くの有害物質や発がん性物質を含んでおり、細かい物質なので気管から肺へ入りやすいのです。PM2.5は中国をイメージしますが、日本でも都市部だとPM2.5の濃度が高い場所もあります。ディーゼル車の排ガスからもPM2.5は排出されています。

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小細胞肺がんの種類と分類 https://oncolo.jp/cancer/small_cell_lung_cancer-stage https://oncolo.jp/cancer/small_cell_lung_cancer-stage 小細胞肺がんの種類と分類 2017-12-07UTC05:52:43+0000

目次

小細胞肺がんのステージ(病期)

がんの治療を行う際には、まず検査によってがんの種類や進行度を診断し、循環・呼吸・免疫・栄養状態の全身状態を踏まえてどのような治療が適切かを判断します。そのためがんの病期を診断することが治療方針を決定する上で重要なプロセスとなります。

肺がんは小細胞肺がんと非小細胞肺がんの2種類がありますが、小細胞肺がんは、限局型と進展型に病期が分類されています。

小細胞肺がんの疫学・統計・5年生存率

小細胞肺がんは肺がんの原発性腫瘍のうち約20%を占めています。約80%が非小細胞肺がんです。肺がん全体でみると割合は少ないですが、進行が速く悪性度の高い腫瘍です。

日本の肺がん患者は2000年を過ぎた頃から罹患者50000人をこえるようになりました。厚生労働省による2016年の悪性新生物に関する統計では、男女合わせた肺がんの死亡者数が73838人であり第1位でした。このうち男性の死亡者数が52,430人、女性は21,408人です。男性では肺がんの死亡数が第1位になっています。女性は第1位の大腸がんに次いで、2位が肺がんとなっています。女性は近年喫煙者が増加していることから肺がんの罹患も増えていることが問題となっています。

都道府県別での75歳未満がん年齢調整別死亡率をみると、肺がんは男性だと北海道や東北地方、近畿地方が多く、女性は北海道や東北地方と九州地方の一部が多くなっています。肺がんの進行度では遠隔転移を伴った病期が最も多く、早期発見されているケースが少ないのが現状です。肺がんは発見された時に手術の適応になるケースは約40%で、手術適応にならず化学療法や放射線療法の適応になるケースが約60%です。

肺がんの原因の約70%は喫煙だとされています。喫煙者の肺がんになるリスクは非喫煙者に比べて男性が4~5倍、女性が2~3倍高くなっています。

肺がんの手術適応となり手術を行えた場合の5年生存率は約40%で、手術ができない場合の5年生存率は20%未満です。小細胞肺がんの場合、病期がⅠ期で手術を行った場合の5年生存率は70%です。Ⅱ期は50%、Ⅲ期は25%となります。Ⅲ期で手術を行わない場合の2年生存率は約30%となります。Ⅳ期では1年生存率は30~40%となり5年生存率となると約2%まで下がります。

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小細胞肺がんの治療 -免疫療法- https://oncolo.jp/cancer/small_cell_lung_cancer-immunity https://oncolo.jp/cancer/small_cell_lung_cancer-immunity 小細胞肺がんの治療 -免疫療法- 2017-12-07UTC05:51:51+0000 小細胞肺がんの免疫療法

小細胞肺がんは進行が速く転移しやすいことから、新たな治療方法も開発されています。

・免疫チェックポイント阻害薬
免疫チェックポイント阻害薬は免疫に働きかける薬です。細胞ががん化すると、がん細胞を攻撃するリンパ球の仲間であるT細胞の働きが弱まってしまいます。T細胞の働きを弱めるのが、「PD-1」と「PD-L1」というたんぱく質の物質です。PD-1とPD-L1が結びついているとT細胞が上手く働くことができません。そこで免疫チェックポイント阻害薬を投与すると、PD-1とPD-L1の結合が解消されてがん細胞が防衛力を失い、T細胞が正常に働くことができるようになるのです。現在のところ、免疫チェックポイント阻害薬はPD-1に働きかける「抗PD-1抗体薬(商品名:オプシーボ、キイトルーダ)」が使用されています。

参照元
筑波大学オープンコースウェア 肺がんの手術療法
https://ocw.tsukuba.ac.jp/discovery/lung_cancer/surgery/

特定非営利法人日本肺癌学会 肺癌診療ガイドライン2016
http://www.haigan.gr.jp/modules/guideline/index.php?content_id=3

東京慈恵会医科大学附属柏病院 肺がんの基礎知識
http://www.jikei.ac.jp/hospital/kashiwa/sinryo/40_02w1.html

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慢性リンパ性白血病(CLL)患者は薬剤を選択する時に有効性と同じくらい自費負担率を重視する https://oncolo.jp/news/171207y01 https://oncolo.jp/news/171207y01 慢性リンパ性白血病(CLL)患者は薬剤を選択する時に有効性と同じくらい自費負担率を重視する 2017-12-07UTC05:47:50+0000 2017年9月20日、医学誌『blood advances』にて慢性リンパ性白血病(CLL)患者の薬剤選択を検証するための離散選択実験(Discrete Choice Experiment,DCE)の結果が公表された。

なお、離散選択実験(DCE)とはある財がいくつかの属性により単純化された形で表現されていると見なし、その属性を少しずつ変えたものを仮想的な財として被験者に提示し、被験者がどの属性をどの程度重視しているか(いないか)を分析する方法である。

本研究では、384人の慢性リンパ性白血病(CLL)患者に対して複数の慢性リンパ性白血病(CLL)治療薬を選択する時に重要な属性として無増悪生存期間(PFS)、投与方法、重度な下痢の発症率、重度な感染症の発症率、臓器障害の発症率などを提示し、患者がどの属性をどの程度重視しているかをアンケート調査により検証している。

本研究が実施された背景としては、慢性リンパ性白血病(CLL)の患者数、新規に承認される薬剤数の増加により多くの患者が複数の選択肢の中から治療薬を選択できるようになったためである。

アメリカ合衆国には現在、13万人の慢性リンパ性白血病(CLL)の患者が存在し、毎年2万人の患者が新規に慢性リンパ性白血病(CLL)と診断さる。この数は全白血病の約3分の1を占めている。

また、2013年以降に慢性リンパ性白血病(CLL)の新薬はオビヌツズマブ(商品名Gazyva)、イブルチニブ(商品名イムブルビカ;以下イムブルビカ)、イデラリシブ(商品名ザイデリグ;以下ザイデリグ)、ベネトクラクス(商品名VENCLEXTA;以下VENCLEXTA)など次々に発売され、現在も開発中の新薬が複数ある。慢性リンパ性白血病(CLL)は治療後に再発する可能性が高い疾患であり、患者は複数の治療薬を経験する機会があるのだ。

本研究の結果、患者にとって薬剤選択する時に最も重要な属性は無増悪生存期間(PFS)であることが調査による判明した。しかし、有効性以外にも患者は副作用の発症率も重視しており、例えば平均36ヶ月の無増悪生存期間(PFS)延長が薬剤により得られるのであれば、重篤な感染症の発症率を30%の患者が許容できると答えている。

一方投与方法に関して、患者はそこまで重要していない属性である。しかし、無増悪生存期間(PFS)が数ヶ月など、その差が僅かであれば静脈よりも簡便な投与方法である経口薬の属性を持つ薬剤へ変更を希望していた。

以上の研究結果を受け、本論文のファーストオーサーであるCarol Mansfield氏は以下のように述べている。”患者背景の違いにより、薬剤を選択する時に重視する属性は変わります。選択した結果に対する満足度は患者さんそれぞれの状況により異なります。”

また、本研究の研究者らは薬剤コストの属性を追加した調査も実施しており、薬剤コストは薬剤選択の時に与える影響が絶大であることが判明した。例えば、患者の自費負担率が異なる2つの薬剤を提示した時、65%の患者が選択肢を変更したのだ。

この結果に対して、Carol Mansfield氏は以下のように述べている。”自費負担率を患者さんに提示しない時とした時での離散選択実験(DCE)の結果は異なると予測されていました。実際、自費負担率は薬剤を選択する時に重要な属性であり、特に生活に余裕のない患者さんにとっては自費負担率を最重視した選択をせざるを得ません。”

今回の研究結果は、医師と様々な事情を抱えた患者が薬剤を選択する時に何を重視するべきかを考える助けになるであろう。そして、これら属性がトレードオフの関係にあることを十分に理解していない患者は多いので、医師は薬剤の属性が患者の今後の生活にどのような影響を与えるかを率直に伝えることが大切である。

Patients’ priorities in selecting chronic lymphocytic leukemia treatments(Blood Advances 2017 1:2176-2185)

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腎臓がん(腎細胞がん)の転移・再発 https://oncolo.jp/cancer/renal_cell-carcinoma-recurrence https://oncolo.jp/cancer/renal_cell-carcinoma-recurrence 腎臓がん(腎細胞がん)の転移・再発 2017-12-07UTC03:03:33+0000

目次

腎臓がん(腎細胞がん)の転移

腎臓がん(腎細胞がん)は、血行性に転移しやすいがんです。血行性とはその名の通り、血管の中にがん細胞が入り込んで、血流にのって全身へと流れていき、どこか付着した場所で生育するという転移形式です。(一般的にその他の転移形式には、腹膜播種やリンパ行性転移などがあります。)

腎臓がん(腎細胞がん)の転移場所

腎臓の血管のうち、腎静脈は腎からの静脈血を下大静脈へと流入させる静脈です。下大静脈は右心房、右心室、肺と流れていきます。腎静脈にがん細胞が入り込むとがん細胞は肺へと容易に到達することができます。そのため、腎臓がん(腎細胞がん)は肺に転移しやすくなっています。

肺の次に転移しやすいのは骨です。さらに、リンパ節にも腎臓がん(腎細胞がん)が転移することがあります。その他にも、肝臓、副腎、膵臓、脳などに転移が見られる場合もあります。

転移に伴う症状

肺転移:咳、血痰、胸水貯留による呼吸困難
骨転移:病的骨折、骨痛
脳転移:痙攣、中枢神経症状、頭痛など
これらのように転移する部位によってあらゆる症状が出てきます。

特に腎臓がん(腎細胞がん)はサイトカインという細胞同士がやりとりするための伝達物質を多く産生することが特徴です。サイトカインはたとえば炎症が起こると多く産生されますので、腎臓がん(腎細胞がん)が進むことで風邪をひいたようなだるさが続くことがあります。

また、骨に転移したり、炎症によって消耗したりすることで貧血が進み、輸血を余儀なくされる場合もあります。

腎臓がん(腎細胞がん)は肺に転移しやすいため、肺転移による呼吸症状が出ることがあります。さらに、脳にもしばしば転移し、さらにそれが大きくなると圧迫などによって麻痺や痙攣などの神経症状が出ることもあります。

その他、皮膚転移や、副腎転移など、転移した部位に応じた症状が出ます。

転移巣に対する治療

一般的にがんの遠隔転移巣を手術によって切除することは少ないですが、腎臓がん(腎細胞がん)の転移巣に対しては切除することによって有意に生存率が延びるという研究成果が報告されています。

もちろん、肺に無数にある転移を全て取り切ることはできませんが、数個にとどまる場合、または薬によって縮小した場合であり、かつ体力的に問題無いようであれば積極的に手術が行われる傾向にあります。

全身状態、転移巣の部位などから切除が困難な症例においては、分子標的薬、免疫チェックポイント阻害薬、インターフェロンを用いた免疫療法などが行われます。

分子標的薬とは、がん細胞だけが持っていて体の正常な細胞は持っていない細胞表面マーカーという目印を頼りにしてがん細胞を攻撃し、腫瘍を小さくする薬です。また、免疫チェックポイント阻害薬とは、患者さんの体内の免疫機能を増強することで腫瘍細胞を攻撃してもらい、腫瘍を小さくする治療です。これらの薬が出てくる前は、インターフェロンが主に用いられていましたが、最近ではあまり使用されるケースは多くありません。

基本的に、日本であれば日本泌尿器科学会から出されている腎癌診療ガイドラインを元に治療が決定されます。しかし、薬物療法については、新薬も次々に出てきており、専門家も、誰に、どの薬を、どのように使うのがよいのかについて詳しくは分かっていないのが現状です。

そのため、医師の考えによって使用される薬剤が異なる場合がありますので、よく主治医の先生に、薬の特徴や期待される効果など聞いた上で、治療に取り組むことが大切でしょう。

腎臓がん(腎細胞がん)の再発

再発とは一度手術によってがんを取り除いたのち、再びどこかにがんが発生してしまうことを指します。腎臓がん(腎細胞がん)では多くの場合手術によって腎臓を摘出していますが、局所に再発することもあります。術後に一度がんが無くなったように思えても、後日離れたところに遠隔転移として再発する場合もあります。

もともと転移がなかった腎臓がん(腎細胞がん)に対して根治的腎摘出術を行った場合でも、約3割に再発が認められることがわかっています。また、再発する場合は術後2年以内である場合が多いとされています。最も多い再発場所は肺で、約半数を占めます。肺の他にはリンパ節、骨、肝臓などに再発がよくみられます。部分切除を行った場合、残された腎臓にも再発巣が見つかることもあります。そうなった場合は残った腎臓も摘出することになることが一般的です。

インターフェロンαやインターロイキン2といった古典的な免疫療法や、効果の乏しい抗がん剤しか治療として用いることができなかった時代だと、再発例に対する有効な治療がなく、3年生存率は10%以下でした。しかし、最近の医療の発展によって分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬が開発されたおかげで、予後は次第に改善されつつあります。

再発した場合でも、早期発見、早期治療を行うことで命をのばすことができる場合があります。腎臓がん(腎細胞がん)になった際に、手術によって摘出したからといって油断せず、必ず医師の指示の通りに定期的に病院を受診し、適切なフォローアップを受けることが生存率の延長につながります。

参考:
病気がみえる Vol.8 腎・泌尿器 第2版
http://www.ususus.sakura.ne.jp/062-001portal_h0.html
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jibiinkoka/115/10/115_917/_pdf

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腎臓がん(腎細胞がん)の治療 -放射線療法- https://oncolo.jp/cancer/cell-carcinoma-reaction https://oncolo.jp/cancer/cell-carcinoma-reaction 腎臓がん(腎細胞がん)の治療 -放射線療法- 2017-12-07UTC03:01:40+0000

目次

腎臓がん(腎細胞がん)に対する放射線療法について

腎臓がん(腎細胞がん)に対しては、放射線療法はあまり多く行われていません。それは、他の治療法の方が有効な場合が多いためです。

特に、腎臓がん(腎細胞がん)の治療においては手術が最も重要な位置を占めています。他のがんとは異なり、たとえ転移があって取り切れないと分かっている場合でも、可能であれば原発巣を手術でとることを選択します。これには、腎臓がん(腎細胞がん)は多種多様な化学物質を産生しますので、そうした物質の産生量を減少させる意味合いがあります。

しかし、腎臓がん(腎細胞がん)が転移した場合に、放射線療法を行うことがあります。この項では、腎臓がん(腎細胞がん)に対する放射線療法について述べていきます。

まずは腎臓がん(腎細胞がん)の治療アルゴリズムを示します。

上記のアルゴリズムの中の、放射線療法について説明していきます。

放射線療法は高エネルギーのX線を照射してがん細胞を殺して腫瘍を小さくするために行う治療法です。しかし、腎臓がん(腎細胞がん)は放射線に対して一般的に抵抗性を持っていることが知られています。また、それ以外にも腎臓の周囲の臓器は放射線に弱く、照射しすぎると正常な組織が重篤なダメージを負ってしまいます。

そのため、腎臓にある腫瘍、つまり原発巣に対して根治を目指して放射線療法を行うことは多くはありません。一般的に根治のために行われるのは手術療法です。(非常に早期の場合では凍結療法といって、がん細胞を凍らせる治療を行う場合や、ラジオ波焼灼術といってラジオ波を使ってがん細胞を焼き殺す治療法を行う場合もあります。)

しかし、腎臓がん(腎細胞がん)の癌細胞が転移してしまった場合、その転移巣に対して放射線療法を行う場合があります。骨や肺、脳に腎臓がん(腎細胞がん)は血行性に転移しやすいので、症状を緩和する目的で照射を行うことがあります。転移した際は麻痺などの神経症状や疼痛が見られますが、放射線療法を行うと一時的にではありますが癌を抑制できたり、症状が緩和できたりするので、それを目的として放射線療法は行われています。

特に、脳転移に対してはガンマナイフという放射線療法を行うことがあります。ガンマナイフとは放射線療法の1つでγ線という種類の放射線を虫眼鏡で太陽の光を集めるように一点に集中して照射する方法です。焦点にだけγ線が当たるので周囲の正常組織を傷つける可能性が低く、比較的侵襲が低い治療であると評価されています。約7割程度の方に神経症状の改善を認めます。

腎臓は他の臓器に比べると放射線への感受性は確かに低いですが、1回に照射する線量を増やせばある程度の効果は見込め、特に転移巣に対しては症状の緩和を目的とした照射は効果的なことがあります。

放射線療法の副作用

・腎機能障害
腎臓が放射線を浴びてダメージを受けることで腎機能が低下する可能性があります。腎機能が低下して体外から不要な物質を排泄する機能が落ちてしまうと、薬の副作用が出やすくなるという弊害が生じる場合があります。

ただし、通常腎臓は2つありますので、1個でも健康な腎臓があれば片方の腎臓が全く機能しなくなっても日常生活に支障が出ることはありません。

・骨髄抑制
血液は骨髄で作られますが、骨転移に対して放射線をかけると、骨髄がダメージを受けて骨髄抑制(血球減少)が生じます。具体的には、白血球が減ると感染症に感染しやすくなり、赤血球が減ると貧血になり、血小板が減ると血が止まり辛くなります。これらを総称して血球減少と呼びます。これらの減少度合いが大きければいったん放射線照射を中止します。

・放射線性肺臓炎
放射線が肺にあたることで炎症が起きるものです。肺に炎症が起きると水がたまって、呼吸がしづらくなります。激しく症状が出ると、酸素を吸わないと日常生活が送れない状態になることがあります。

・放射線性腸炎
放射線は、細胞分裂の活発な組織において、よりダメージを及ぼします。特に消化管の粘膜は日常的に刺激にさらされる部位ですので、新陳代謝が速く、そのためより放射線などによって障害されやすい部位です。放射線によって粘膜が障害されると、ひどい下痢や血便が出ます。特に血便は出血量が多くなることがあり、入院や輸血を要することもあります。

・放射線性皮膚炎
一般的な放射線は、遮蔽物があると次第に減衰していきます。そのため、一番体の外側にある皮膚は、放射線によって障害されやすいのです。皮膚炎が起こると、皮膚がやけどをおこしたようにただれてしまいます。

放射線治療を受ける際には皮膚の保湿を行うなど、できる限りのケアを行って予防に努めることが大切です。(※特殊な放射線治療である重粒子線や陽子線は遮蔽物を通り抜けて標的とする部位に高い放射線量をかけることができます)

その他にも、かけた部位に応じて、さまざま合併症が起こり得ます。放射線による副作用のやっかいな点としては、「照射してから時間が経てば副作用が出ない」とは言い切れないところです。もちろん治療中は皮膚炎など出やすいのですが、場合によっては放射線をかけてから数年してから副作用が出てくることもあるのです。

放射線療法を選択する場合は、そうしたことも踏まえて、主治医の先生とよく相談の上で決定するようにしましょう。

参考:
病気がみえる Vol.8 腎・泌尿器 第2版
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jibiinkoka/115/10/115_917/_pdf
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/cancernavi/jingan/another/201201/523298.html

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腎臓がん〈腎細胞がん〉の治療 -手術療法 (外科治療)- https://oncolo.jp/cancer/renal_cell-_carcinoma-surgery https://oncolo.jp/cancer/renal_cell-_carcinoma-surgery 腎臓がん〈腎細胞がん〉の治療 -手術療法 (外科治療)- 2017-12-07UTC02:53:39+0000

目次

腎臓がん(腎細胞がん)に対する治療

がんの治療を検討するときは臨床病期に沿った形で治療が選択されます。進行がんと早期がんではがんの広がりが異なりますので、その都度、臨床病期と患者さんの全身状態を鑑みて治療を決定します。

腎臓がん(腎細胞がん)に対する治療も例外ではなく、日本においてはたとえば下記のような日本泌尿器科学会のガイドラインに沿って治療が行われることが一般的です。(医師によっては、アメリカやヨーロッパのガイドラインも参考にして治療を行います。)


(出典:日本泌尿器科学会編「腎癌診療ガイドライン」 2011年版 金原出版)

腎臓がん(腎細胞がん)に対する治療の特徴としては、とにかく手術によって腫瘍を取り除くことが重要であるということです。通常、多くのがんでは転移をしている段階では原発巣の手術をしません。なぜならば原発巣をとってもあまり意味がないためです。しかし、腎臓がん(腎細胞がん)の場合は、多種多様な化学物質(サイトカイン)を出すという性質などから、たとえ転移があっても原発巣をとるということが特徴的です。(非常に早期のがんには、凍結療法やラジオ波焼灼術が行われることもあります)

また、もうひとつの特徴としては、腎臓がん(腎細胞がん)はいわゆる抗がん剤が効かないという点です。腎臓は体の毒素や不要物を除去する役割を担っており、腎臓がん(腎細胞がん)は抗がん剤全般に耐性があるのです。さらに、放射線療法への感受性も低いため、あまり多くは行われません。

腎臓がん(腎細胞がん)に対する薬物療法としては、古典的な免疫療法(インターフェロン)、分子標的薬、新しい免疫療法薬(免疫チェックポイント阻害薬)などが主なものになっています。

腎臓がん(腎細胞がん)に対する外科的治療

腎臓がん(腎細胞がん)は化学療法や放射線療法に抵抗性を示すので、可能な限り手術による腫瘍の摘出を行います。Ⅳ期、つまり進行した癌に対しても可能であれば摘出術を行い、転移巣に対しては放射線療法や分子標的薬を併用することによって予後を改善できる可能性があります。

1)根治的腎摘出術
根治的腎摘出術では腎臓全て、Georta筋膜、腎臓の周囲にある脂肪組織を1つの塊として摘出します。腫瘍の部位や大きさによっては(腎臓の上にある)副腎を合併切除することもあります。また、リンパ節や腎静脈、下大静脈などの主要静脈にまで進展している場合はそれらもできる限り切除を行います。

腎臓がん(腎細胞がん)ではステージⅣなどの進行例であっても可能であれば腎摘出術を行います。その後に、可能な範囲で転移巣切除を行い、薬物療法を続けて行うこともあります。腎摘出術は最近では鏡視下手術(体に穴をあけて内視鏡や鉗子を挿入して行う手術)が行われることが増えており、比較的患者さんに与えるダメージが少なく抑えられるようになってきました。

2)腎部分切除術
腎臓がん(腎細胞がん)の手術においては、可能ならば部分切除術を行うことが一般的です。それは、できる限り腎機能を温存した方が、長く生きられることが分かっているためです。

腫瘍の範囲を特定し、腫瘍の周りを正常な腎臓の組織も少し含めて切除、核出することで癌細胞の残存を防ぎつつ腎臓を温存します。基本的にがんのコントロールという意味では同等であり、可能な限り部分切除が試みられます。

部分切除が可能かどうかを決める因子として代表的なものは、腫瘍の部位と大きさです。腫瘍が腎臓の中心部に位置するような場合は、部分切除は難しくなりますし、反対に、外側に飛び出しているような場合は比較的手術しやすいのです。

腎臓は血流が非常に豊富な臓器であり、心拍出量の20%程度の血液が注ぎ込みます。そのため、腎臓に不用意にハサミを入れると、大出血をきたします。多くの場合は、腎動脈を一時的にクリップで遮断して、その間に腫瘍を切除して、さらに必要に応じて切除してできたスペースを糸と針で縫い縮めます。血流を遮断している時間が長ければ長いほど、正常な腎組織が傷んでしまいますので、迅速で正確な手術手技が求められます。

腎部分切除術については、現在ロボット支援下手術が普及してきています。広い意味では鏡視下手術のひとつですが、手術用ロボットを使用することでより細かく迅速に手術を行うことができます。身体への負担が少ないという鏡視下手術のメリットと、開腹手術のような手の動かしやすさを兼ね備えた手術方法です。

腎臓がん(腎細胞がん)の手術後の後遺症・リスク

1)根治的腎摘出術のリスク
・出血

腎臓は血液から老廃物を濾し出すための機能を担っているため、血流が豊富な臓器です。さらに、腎臓へ血液を送る血管(腎動脈)はかなり太く、損傷すると大出血になる可能性もあります。

・腸閉塞
術後に腸が癒着してしまうことで、腸の通りが悪くなり、それに伴って嘔吐や頭痛が起きます。しばらく鼻から胃腸まで管を通して安静をはかるなどといった処置が必要になります。

・腎機能の低下
腎臓は通常2つありますので、反対側が正常であれば特に日常生活に支障は起こりませんが、もともと反対側の腎機能が悪い場合などには、腎機能が低下し、日常生活に支障が出ることがあります。

・他臓器損傷
手術の際に他臓器を損傷してしまう場合があります。アプローチ法にもよりますが、腸、脾臓、胃、膵臓、十二指腸、大血管、横隔膜などを損傷する恐れがあります。

・感染症
手術の傷に感染したり、内部で感染したりする場合があります。

その他、創ヘルニア、気胸、肺梗塞、心筋梗塞、脳梗塞などが主な合併症として挙げられます。また、鏡視下手術のリスクとして、手術中におなかを膨らませる炭酸ガスが血中に入り、つまってしまったり、皮下にガスがたまったり肩の痛みを生じることがあります。

2)腎部分切除術のリスク
・出血

全摘出の時と同様に、血管の損傷による大量出血が起こり得ます。また、部分切除術の際に腎臓に切り込みますので、それによる出血はある程度避けられません。医療機関によって、血流をおさえるために冷やしたり、反対に、正常腎機能をできるだけ保全するために腎動脈を遮断せずに腫瘍を切除したりするなど、細かい術式は定まっていません。

・腸閉塞
全摘の時と同様に、起こり得ます。

・腎機能の低下

手術中、腎動脈の血流を遮断する影響や切除する量などによって、手術側の腎臓の機能が予想より下がることがあります。反対側の腎機能が正常であれば術後に透析を要することは少ないですが、糖尿病や高血圧の方、もともとの腎機能障害がある方などは術後の腎機能次第で日常生活に制限がかかる可能性があります。

・他臓器損傷
部分切除であっても、手術の際に他臓器を損傷してしまう場合があります。アプローチ法にもよりますが、腸、脾臓、胃、膵臓、十二指腸、大血管、横隔膜などを損傷する恐れがあります。

特にロボット支援下手術を行っている場合、執刀医が患者から離れた場所にいることになるため、鉗子の肘などによって、カメラの視野の外でいつのまにか重要な臓器を傷つけているといったことが起こり得ます。

・感染症

手術の傷に感染したり、内部で感染したりする場合があります。

・尿漏
腎臓を部分切除する際に尿路に切り込まねばならなかった場合に起こりえます。切除が尿路にまで及んだ場合も、当然、術中に縫合して閉鎖しますが、それでも術後に腎臓の周辺に尿が漏れてしまう場合があり、これを尿漏といいます。漏れる量が多ければしばらく尿管内にカテーテルを留置し、そちらに尿が流れないようにすることで自然と塞がるのを待つことになります。どうしても塞がらない場合は手術を要することもあります。

その他、創ヘルニア、気胸、肺梗塞、心筋梗塞、脳梗塞などが主な合併症として挙げられます。また、鏡視下手術のリスクとして、手術中におなかを膨らませる炭酸ガスが血中に入り、つまってしまったり、皮下にガスがたまったり肩の痛みを生じることがあります。

参考:
http://www.asahikawa-med.ac.jp/dept/mc/urol/18.pdf
http://www.asahikawa-med.ac.jp/dept/mc/urol/07.pdf
病気がみえる Vol.8 腎・泌尿器 第2版

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腎臓がん(腎細胞がん)の種類と分類 https://oncolo.jp/cancer/renal_cell-carcinoma-stage https://oncolo.jp/cancer/renal_cell-carcinoma-stage 腎臓がん(腎細胞がん)の種類と分類 2017-12-07UTC02:44:13+0000

目次

腎臓がん(腎細胞がん)の分類

まずは病期分類について説明します。
腎臓がん(腎細胞がん)の進行度を分類する方法はいくつかありますが、まずは最も一般的に用いられる分類法について、以下に表を示します。

腎臓がん(腎細胞がん)では以上の表の通り病期分類がなされています。Ⅲ期の他組織とは腎臓の静脈系である腎静脈や大静脈、腎周囲組織などが該当します。Ⅳ期の遠隔転移とは腎臓から離れた臓器に癌細胞が発生し、そこでまた増殖しがんになることで、肺や骨などが腎臓がん(腎細胞がん)の遠隔転移にはあります。

腎臓がん(腎細胞がん)の発見契機として、他臓器への転移巣が見つかり、精査してみたら腎臓がん(腎細胞がん)だった、ということがありますが、この時の病期はⅣ期ということになります。

次に、上の表の分類を作るにあたってもとにされたTMN分類について説明します。こちらは4段階よりもさらに細分化されています。

この様に分類されています。腫瘍がどれだけ大きく、他組織へと浸潤しているのかどうか、リンパ節へ転移しているのかいないのか、遠隔転移があるのかないのかを総合的に判断したものがTNM分類です。例えば、「最大腫瘍径が5cmで、所属リンパ節への転移が1個認められ、遠隔転移がない患者さん」の場合、TNM分類ではT1aN1M0をいう表記をします。

次に、腎臓がん(腎細胞がん)の病理組織分類について説明します。

病理組織分類はその名の通り病理診断をして分かる分類で、組織型とも言います。腎臓がん(腎細胞がん)では通常、腫瘍を摘出したのちに病理診断を行います。以下に示します。

1)淡明細胞型腎細胞がん(淡明細胞がん)
淡明細胞がんは腎臓がん(腎細胞がん)の組織型の中で最も頻度が高く、70~80%が淡明細胞がんといわれています。60%にVHL遺伝子異常を伴うのが特徴で、発生墓地は近位尿細管の上皮から発生するがんです。

2)乳頭状腎がん
乳頭状腎細胞がんは腎臓がん(腎細胞がん)の10~15%を占める組織型です。病理像を見てみると、乳頭状の名の通りがん細胞が乳頭状の構造になっています。サブタイプに1と2がありますが、タイプ1の方が一般に予後が良好です。

3)嫌色素性腎がん
腎がんの5%を占めている組織型です。一般的に予後が良好です。

4)多房嚢胞性腎がん
小さい嚢胞が多数集まることで腫瘤を形成している組織型です。一般的に予後は良好です。

5)紡錘細胞がん
他のがんに合併するケースが多い組織型で、腎がんの組織型の中で最も予後不良とされます。頻度は非常に少ないです。

6)集合管がん
頻度は1%にも満たない組織型ですが、がん細胞の異型度が高く(異型度は癌細胞が正常な細胞の性質からどれくらい逸脱しているかを示します。異型度が高いほど予後不良とされます)、紡錘細胞がんと同様に予後が極めて不良です。

腎臓がん(腎細胞がん)の検査

1)腹部超音波検査(エコー検査)
腎臓がん(腎細胞がん)を疑った場合の検査は、腹部の超音波検査(エコー検査)を行うのが最も一般的です。腎臓がん(腎細胞がん)があれば、内部構造が不均一な充実性腫瘤性病変として描出されることが多いです。腎臓がん(腎細胞がん)の多くは血流が豊富であるため、血流を見ることができるカラードプラという機能をエコー検査に併用すると、腎臓がん(腎細胞がん)の組織型の1つである淡明細胞がんの診断の補助になります。

また、エコー検査は患者さんへの負担が小さく、時間もさほどかかりません。腎臓がん(腎細胞がん)を疑った場合に限らず、早期発見が可能であるという点からスクリーニング検査としても広く用いられている検査であり、人間ドックでたまたま腎がんが見つかるケースも多々あります。

2)腹部CT、MRI検査
腹部造影CT検査は腎臓がん(腎細胞がん)の画像検査として最も重要な検査です。確定診断に造影CT検査が一般的に用いられます。ただし、アレルギーや腎機能障害などによって造影剤が使えない場合、CTでは確定診断を行うことができなかった場合などはMRIで診断を行うこともあります。(MRIはX線ではなく磁気を使って体の内部を描出する検査です。)

3)胸腹部CT検査/MRI検査/骨シンチグラフィ/単純X線検査
胸腹部CT検査で肺やリンパ節への転移がないか、骨シンチグラフィでは骨への転移がないかを主に確認します。これらの臓器を調べるのは腎臓がん(腎細胞がん)が血行性に転移しやすいからです。他臓器浸潤や転移に対してこれらの検査を行うことで治療の道筋を立てます。

腎臓がん(腎細胞がん)の検査~診断の流れ

①スクリーニング
腎臓がん(腎細胞がん)は健診や他疾患の検査目的で画像検査をした際に偶然発見されることが多いです。そのほか、問診で自覚症状があるのか、あればそれはどんな症状なのか、家系内にVHL病の人はいるのか、透析を行っているのかなどを聞きます。

↓腎臓がん(腎細胞がん)を思わせる事項に該当した場合

②確定診断
造影CT検査によって確定診断を行います。

↓腎臓がん(腎細胞がん)と確定した場合

③他臓器浸潤や転移に対する検査
胸腹部CTや骨シンチグラフィなどを行い、病期判定を行い、治療方針を決定します。

腎臓がん(腎細胞がん)のリスク分類

進行した腎臓がん(腎細胞がん)が見つかった際に、TNM分類やステージといった病期分類だけではなく、リスク分類も行います。

特によく用いられるのが、アメリカののMemorial Sloan-Kettering Cancer CenterのMotzerらによって提唱された5つの予後因子にもとづく分類(MSKCC分類)です。

①KPS80未満
これは、Karnofskyの一般全身状態スコア(Karnofsky Performance Status)という、全身状態(体の元気な具合)をあらわす指標を元に評価します。ちなみに80というのは、「症状があるものの、頑張れば日常生活を送ることができる」状態です。

②血清LDH値が正常上限値の1.5倍以上
採血でLDHという項目が、上限値の1.5倍以上ある場合に、予後が悪い(見通しが悪い)ことが分かっています。

③Hb値が正常下限値未満
採血でHb(ヘモグロビン)値が正常下限より低い場合に、予後が悪い(見通しが悪い)ことが分かっています。

④補正血清カルシウム値が10mg/dL以上
採血でCa(カルシウム)値が10mg/dL以上ある場合に、予後が悪い(見通しが悪い)ことが分かっています。ちなみに、カルシウムはアルブミンというタンパク質と結合するため、採血でCaの値を見る際にはアルブミンも測定して、下記のように補正をしなければなりません。

補正血清カルシウム値(mg/dL)=実測血清カルシウム値(mg/dL)+4-血清アルブミン値(g/dL)

⑤腎がんの診断から治療開始まで1年未満
これは、腎がんと診断されてから、治療を開始しなければならないタイミングが1年未満にやってくる、すなわちそれだけ再発・転移・進行が速いがんだということをあらわしています。

これら5つの項目のうち、1-2項目当てはまると中間リスク、3個以上当てはまると予後不良と判定されます。このグループに応じて、選択される薬が変わることがあります。

参考:
http://www.shikoku-cc.go.jp/hospital/medical/class/urology/cancer/jin/diagnosis/
http://ganjoho.jp/data/public/qa_links/brochure/odjrh3000000ul0v-att/152.pdf
http://www.onh.go.jp/seisaku/cancer/kakusyu/jinsai.html
病気がみえる Vol.8 腎・泌尿器 第2版

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腎臓がん〈腎細胞がん〉とは(疾患情報) https://oncolo.jp/cancer/renal_cell-carcinoma-about https://oncolo.jp/cancer/renal_cell-carcinoma-about 腎臓がん〈腎細胞がん〉とは(疾患情報) 2017-12-07UTC02:28:37+0000

目次

腎臓がん(腎細胞がん)とは

腎臓がん(腎細胞がん)は腎臓にできる悪性腫瘍です。多くの場合、腎臓の近位尿細管という部分に由来します。腎臓にできるがんには成人に発生する腎細胞がんと腎盂尿管がん、小児に発生するWilms腫瘍などがあり、稀ながんとしては肉腫などもあります。

腎臓がん(腎細胞がん)は腎臓から発生する腫瘍の約90%、全てのがんのうち2%程度を占めます。進行しないと症状が出ませんので多くの場合は健診や他疾患を調べるための画像検査などで偶発的に見つかります。早期に発見できた場合は手術を行うことで根治を望めます。

腎臓の解剖

まず腎臓の解剖やその機能について説明します。

腎臓はお腹の中にある臓器ですが、肝臓や胃などとは少し違う収まり方をしている臓器なのです。

肝臓や胃などの、お腹の中にある臓器の多くは、腸間膜という膜によって腹腔の壁から吊るされています。一方で腎臓は、腹腔の後ろの後腹膜という空間におさまっているのです。

腎臓は後腹膜臓器で、背骨を挟んで左右に2つあります。ソラマメに似た形をしていて、10㎝程度の大きさ、重量は左の腎臓が成人男性で160グラム、女性で140グラムほどです。位置としては第12胸椎~第3腰椎にわたる高さにあります。これは概ね、腰痛のときに自分のこぶしで腰を叩く場所と考えるといいでしょう。

ヒトの体は基本的に左右対称に作られていますが、腎臓のある高さは左右対称になっておらず、右側の腎臓が左の腎臓に比べて低い場所にあります。というのも右側は肝臓が腎臓のすぐ上にあるためです。

腎臓は腎筋膜(Georta筋膜)という分厚い膜に覆われています。腎臓の内側縁にはくぼんだ部分があり、このくぼみを通って動脈や静脈、尿管、神経、リンパ管などが腎臓へと進入していきます。動脈は大動脈から分岐してきた腎動脈という太い動脈が左右に進入し、腎静脈というこれまた太い静脈となって腎臓から脱出、その後大静脈を経て心臓へと帰っていきます。また、腎臓でできた尿は尿管を経て下へ行き、膀胱へ流れます。

(「解剖学講義」より引用)

次に、腎臓自体について説明します。腎臓を縦に切ると(冠状断といいます)、下の図のように、皮質が最も外側にあり、その内側に髄質があります。皮質は腎臓の表層側3分の1くらいの厚さで、髄質は3分の2を占めています。髄質は腎錐体という構造が集合してできていて、腎錐体の先端は腎門側に向かって突出していて、この構造のことを腎乳頭と呼びます。腎乳頭は杯状に腎杯と呼ばれる構造に囲まれて、腎杯が集まって最終的に腎盂となり、尿管へと移行していきます。

皮質には動脈から不要な水や尿素などを濾し出すための糸球体、これに連続している尿細管があり、この2つを合わせてネフロン(腎単位)と呼びます。単位と呼んでいるのはこれら二つが共同して尿を生成しているからです。

腎小体は尿細管のスタート部位にあたる、尿細管が膨大したボーマン嚢と、その周りにあるたくさんの毛細血管からなる糸球体の2つの構成要素からできています。ボーマン嚢へと送られた、尿になる元となる液体は尿細管を通っていくうちに、まだ有効活用できそうな物質を体内へとりこみ(このことを再吸収と言います。再吸収したものを血管へ取り込むので尿細管の周囲に毛細血管が発達しているのです)、最終的に要らないものだけになった液体を尿として尿管へと送ります。

尿細管はボーマン嚢から順に近位尿細管→ヘンレの下行脚→ヘンレの細い上行脚→ヘンレの太い上行脚→遠位尿細管→集合管(→腎盂→尿管→膀胱)という順番の管で構成され、それぞれ再吸収する物質やその量が少しずつ違っています。今回説明する腎臓がん(腎細胞がん)の多くは、この近位尿細管が発生母地となります。

近位尿細管では低分子の物質を再吸収します。具体的には水やNa+、K+、Ca2+、Mg2+、HCO3-、尿酸、グルコース、アミノ酸などが再吸収されます。遠位尿細管では水とNa+の再吸収とK+、H+の分泌を行っています。集合管は一部遠位尿細管と似ていて、水とNa+の再吸収とK+、NH4+の分泌を行っています。

腎臓の機能

腎臓の機能は大きく分けて排泄機能と代謝機能に分けられます。排泄機能としては、尿を生成することによって①水分・電解質の調整②酸塩基平衡を一定に保つ③代謝産物の排泄 などの働きをしています。

①水分・電解質の調整
体液の量(循環血液量)を調節することでむくみや脱水を防いでいます。この機能が障害されると浮腫や電解質異常を引き起こします

②酸塩基平衡を一定に保つ
血液の中の酸と塩基のバランスはpHという指標を用いて表されます。ヒトのpHは7.35~7.45です。pHが下がるような病態をアシドーシス、上がるような病態をアルカローシスといいます。

腎臓では排泄する物質と再吸収する物質を調節することでpHを一定に保っています。しかし、腎不全になると、様々な物質の再吸収が阻害されることになりますが、その中の塩基性物質であるHCO3-という物質の再吸収が阻害されることで腎不全では一般的にアシドーシスに陥ってしまいます。

③代謝産物の排泄
尿素やクレアチニンなどの不要物を尿として体外へ排出します。この機能が障害されると尿毒症という状態に陥ってしまいます。

一方、代謝機能としては、レニン、エリスロポエチン、ビタミンD3などの化学物質を産生・調節しています。たとえばレニンは、血圧を上げようとするときに主に出てくる酵素で、アンジオテンシン、アルドステロンと一連の働きをし、レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(RAA系)というシステムを構築しています。昇圧系(血圧を上げるので)とも呼ばれます。エリスロポエチンは組織の酸素濃度の低下を感知すると産生が増えてくるホルモンで、骨髄で赤血球を増加させる働きがあります。ビタミンD3はカルシウム代謝を調節しています。

腎臓がん(腎細胞がん)の原因

腎臓がん(腎細胞がん)の多くでVHL(Von Hippel-Lindau)という遺伝子が欠失していることが分かっており、主な原因のひとつと考えられています。その他、VHL病、長期血液透析、喫煙、肥満などが代表的な腎臓がん(腎細胞がん)のリスク因子であることが分かっています。

腎臓がん(腎細胞がん)の症状

腎臓がん(腎細胞がん)は、初期のころは無症状のことが多く、ある程度腫瘍が大きくならないと症状が出ない疾患です。そのため、発見の契機としては定期的な健診や他の目的で行われた画像検査で腎臓に腫瘤がみつかり、造影CT検査などでよく調べてみると腎臓がん(腎細胞がん)であった、というケースが多いです。

無症状のまま進行していく腎臓がん(腎細胞がん)ですが、いよいよがんが大きくなると腎臓がん(腎細胞がん)の古典的3徴と呼ばれる症状が見られてきます。古典的3徴は肉眼的血尿、側腹部痛、腹部腫瘤の3つの症状のことです。

がんが進行すると体重減少や発熱、食欲不振などの全身症状があらわれることもあります。この他、静脈内に腫瘍が詰まることによる精索静脈瘤や、下腿浮腫などがあらわれることもあります。

また、腎臓がん(腎細胞がん)の特徴として、腫瘍随伴症候群という病態を呈することもあります。赤血球増多症、高カルシウム血症、非転移性肝機能障害(Stauffer症候群)、高血圧などが腎がんの腫瘍随伴症候群として知られています。

1つの病院で取られた1年間の腎臓がん(腎細胞がん)の発見契機を以下の表に示します。

このデータをみても、無症状で症状が進行していくことが分かると思います。

腎臓がん(腎細胞がん)の疫学

2010年、日本において腎臓がん(腎細胞がん)で亡くなった方は男性が約2700人、女性が約1300人で、全てのがんにおける死亡数の1%程度(悪性新生物での死者が約35万人)でした。腎臓がん(腎細胞がん)は腎臓が発生墓地となる腫瘍の9割を占めるほど腎臓に対する割合が高いです。好発は50~60歳代の男性で、日本は欧米諸国よりも罹患率が低いことが分かっています(罹患率:人口10万人当たり2.5人)。

腎臓がん(腎細胞がん)の5年生存率

5年生存率は腫瘍が腎臓にとどまっている腎臓がん(腎細胞がん)であれば73~93%。腎臓周囲の脂肪組織(腎臓は腹膜に埋もれているので周囲を脂肪組織が覆っています)に浸潤しているがんであれば63~77%、静脈に腫瘍が詰まっている場合や所属リンパ節(腎臓の所属リンパ節は腎門部周囲、腹大動脈周囲、腹部大静脈周囲、腹部大静脈の間にあるリンパ節のことです)へ転移している場合は38~80%、全身へ転移している場合は11~30%とされています。

参考:
http://ganjoho.jp/public/cancer/renal_cell/index.html
標準生理学 第6版
ネッター解剖学アトラス 原書第3版
病気がみえる Vol.8 腎・泌尿器 第2版
解剖学講義 改定3版

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小細胞肺がんの再発・転移 https://oncolo.jp/cancer/small_cell_lung_cancer-recurrence https://oncolo.jp/cancer/small_cell_lung_cancer-recurrence 小細胞肺がんの再発・転移 2017-12-07UTC01:56:13+0000 小細胞肺がんが局所再発・遠隔転移した場合

小細胞肺がんが局所再発した場合は、化学療法を行うことになります。初めて腫瘍が見つかった時の初回治療終了から再発までの期間が長いほど、再発した腫瘍に対する化学療法の効果があります。それだけ化学療法への感受性が高いと考えられるということです。

再発日が初回治療終了後90日を経過している場合は化学療法によって生存する期間が長くなることが分かっており、生存期間が初回治療終了から45日以降に再発した場合は化学療法を行うことが推奨されています。再発した時に選択される抗がん剤は、白金製剤のシスプラチン、植物アルカロイドのエトポシドやイリノテカン塩酸塩です。

再発の早期発見のためには初回治療後にもきちんと定期的に検査を受けることが大切です。再発の検査にはCT、MRI、PETの画像を使った検査方法や腫瘍マーカーがあります。腫瘍マーカーとはがんがつくり出す物質のことで、その物質が少ないか多いかでがんの治療の評価をするものです。肺がんの場合は血液や胸水から検査します。

ただし、腫瘍マーカーはあくまでも目安に過ぎません。検査する施設によって基準値が異なり、肺がんの種類や肺がん以外の疾患や喫煙の程度によって検査値が基準値を外れることがあります。腫瘍マーカーで小細胞肺がんの再発が疑われた場合は画像検査によって詳しい検査をすることとなります。

小細胞肺がんは転移しやすいがんです。血液にがん細胞が流れて転移する血行性転移が多く、脳や骨に遠隔転移しやすくなっています。小細胞肺がんが遠隔転移している場合は、全身状態を評価しながら化学療法と放射線療法が行われます。

特に骨転移は疼痛が強く、病的骨折を起こしやすくもなります。疼痛の軽減と骨折予防のために放射線療法は有効です。疼痛が起きている転移巣に合計20Gyまたは30Gyを分割して照射します。線量が20Gyの場合は1回4Gyを5回、30Gyの場合は1回3Gyを10回に分けて照射します。放射線治療中や治療後は骨の表面を覆っている骨皮質が再生するまでは骨折に十分注意する必要があります。

疼痛の軽減や骨折予防のために行われる放射線療法は線量が少ないため、激しい副作用が出現することはさほどありませんが、たとえば脊椎転移に対して照射する場合は、咽頭炎、食道炎、腸炎が副作用として生じる可能性があります。また化学療法と併用している場合は化学療法の副作用が増強することがあります。

脳転移には手術療法と放射線療法の2つが選択肢にあります。放射線療法では脳全体に照射する全脳転移と転移巣に線量を集中させる定位手術的照射があります。全脳照射は脳転移への標準的な照射方法で、合計30Gyまたは37.5Gyを照射するのが一般的です。線量が30Gyの場合は1回3Gyを10回、37.5Gyの場合は1回2.5Gyを15回に分割して照射します。長期の延命が期待できる場合は線量を増やして長期の治療を行い、状態が悪い場合は線量を減らして治療することもあります。

定位手術的照射では転移している腫瘍の数が少なく、腫瘍の大きさが3cm以内の場合に適応となります。定位手術的照射は腫瘍に線量を集中させるため、その効果は高く腫瘍の消失が期待できるのです。腫瘍に線量を集中させるためには精度の高い照射を行うことが必要です。そのため頭部に局所麻酔をしてピンで固定した上で、画像で腫瘍の位置を判断し、誤差が1mm以内の精度が高い照射を行います。

以上のような治療を行いますが、再発や転移を起こしてしまうと、根治する望みはほとんどなくなってしまいますので、まず最初の段階で早期発見ができるように、定期的に健康診断や人間ドックを受けることが大切です。

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小細胞肺がんの治療 -放射線治療- https://oncolo.jp/cancer/small_cell_lung_cancer-reaction https://oncolo.jp/cancer/small_cell_lung_cancer-reaction 小細胞肺がんの治療 -放射線治療- 2017-12-07UTC01:55:34+0000 小細胞肺がんの放射線治療

放射線治療は腫瘍に放射線をあてて、腫瘍細胞の増殖を防ぎ縮小させることを目的に行われます。小細胞肺がんの放射線治療では限局型が適応となります。

限局型小細胞肺がんの放射線治療は、標準的には、45Gyを30回に分けて照射し1日2回治療を行います。45Gyを1日2回照射すると3週間の治療期間となります。通常放射線治療は1日1回です。小細胞肺がんは進行が速いので、回数を増やすことによって短期間で多くの放射線を照射するメリットがあるため1日2回の治療を行います。照射する範囲は画像上で見える腫瘍と転移する可能性が高いリンパ節などです。

腫瘍が他の臓器やリンパ節に転移していない、Ⅰ期の早期がんに対しては定位放射線治療を選択することがあります。定位放射線治療は腫瘍部分に集中して多くの放射線を照射する治療で、肺がんに対しての定位放射線治療は体幹部定位照射と呼ばれています。他の組織に照射せずに腫瘍だけに集中して照射できることがメリットです。多くの場合12Gyを4回照射して合計48Gy照射することとなります。一度に大量の放射線を照射することから、呼吸で腫瘍の位置が変わる肺がんはCT検査を利用して厳密に腫瘍の位置を判断する必要があります。通常の放射線治療は10分程度で終了しますが、体幹部定位照射は腫瘍の位置を厳密に確認するため照射に1時間程度かかることがあります。

小細胞肺がんが検査をしても腫瘍を判定できないくらいまで縮小した場合は、脳への転移予防のために予防的全脳照射を行います。脳への転移予防のためには化学療法は有効ではありません。なぜならば、脳には血液脳関門といって血液中の有害物質が脳内に入り込まないように、ブロックするシステムがあるためです。化学療法を行っても血液脳関門によって抗がん剤が脳へ届かないのです。そのため放射線治療が用いられます。予防的全脳照射は1日1回2~3Gyの少ない線量を10回~15回照射します。照射が終了するまでには3週間必要です。

放射線治療を行うと化学療法と同様に副作用が出現します。皮膚炎、肺炎、食道炎、食欲低下、全身倦怠感などが主な副作用です。得に皮膚炎、肺炎、食道炎は化学療法と併用した治療を行うと早期に出現する副作用でもあります。

・皮膚炎
放射線を照射しった皮膚が炎症を起こすことによって発症します。皮膚が赤くなったり、日焼けのように黒っぽくなったり、かゆみや痛みを感じることがあります。皮膚炎は放射線治療終了後、数週間で症状が軽減してきます。

・肺炎
放射線治療を終了した1か月~2か月後に照射した部位に肺炎を発症することがあります。肺炎の症状は発熱や咳などですが、症状が出ない場合もあり自然に治癒します。しかしながら肺にもともと病気を抱えていたり、放射線治療の範囲が広いと症状がひどくなったり肺炎が長引くこともあります。

・食道炎
肺がんの放射線治療では腫瘍へ照射をする時に食道にも放射線があたる場合があります。食道に放射線があたると炎症を引き起こし、食物を飲み込んだ時に痛みを感じることやしみる感じが出現します。食道炎は放射線治療開始後2週間すると出現しますが、治療が終了すると症状は次第に軽減していきます。

参照元
筑波大学オープンコースウェア 肺がんの手術療法
https://ocw.tsukuba.ac.jp/discovery/lung_cancer/surgery/

特定非営利法人日本肺癌学会 肺癌診療ガイドライン2016
http://www.haigan.gr.jp/modules/guideline/index.php?content_id=3

東京慈恵会医科大学附属柏病院 肺がんの基礎知識
http://www.jikei.ac.jp/hospital/kashiwa/sinryo/40_02w1.html

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小細胞肺がんの治療 -化学療法- https://oncolo.jp/cancer/small_cell_lung_cancer-chemo https://oncolo.jp/cancer/small_cell_lung_cancer-chemo 小細胞肺がんの治療 -化学療法- 2017-12-07UTC01:55:02+0000

目次

小細胞肺がんの化学療法

小細胞肺がんは限局型と進展型のどちらにおいても化学療法が行われます。多くの場合、限局型は放射線療法との併用、進展型は化学療法の単独で治療が行われることになります。

放射線療法を併用する場合はPE療法という化学療法が選択されます。PE療法のPはシスプラチン、Eはエトポシドという抗がん剤を意味します。シスプラチンとエトポシドを組み合わせて治療する理由は、他の抗がん剤よりも放射線療法の治療効果を高めるからです。

シスプラチンは白金製剤(プラチナ製剤)に分類される抗がん剤で、アルキル化剤という抗がん剤と同じ働きがあります。白金製剤とアルキル化剤は細胞のDNAに結び付き、細胞分裂する時にDNAが分かれることができないようにします。DNAはアミノ酸が並んだ鎖のようなつくりをしており、2本の鎖が螺旋を描くようになっています。シスプラチンは2本のDNAに結合するので、細胞分裂する時にDNAが分かれることができず細胞の増殖を防ぐのです。

エトポシドは植物アルカロイドに分類される抗がん剤で、DNAの鎖構造を切断する働きがあります。DNAの構造を切断すると細胞分裂をする時にDNAの情報を新しい細胞に伝えることができないため、腫瘍細胞の増殖を防いでくれます。

進展型の単独で行う化学療法はPI療法が行われます。Pはシスプラチン、Iはイリノテカン塩酸塩を意味します。イリノテカン塩酸塩は植物アルカロイドに分類される抗がん剤で、エトポシドと同じようにDNAの鎖構造を切断することで腫瘍細胞の増殖を防ぐ働きがあります。進展型の化学療法では全身状態や年齢によって、PE療法やPI療法が難しい場合があります。PE療法やPI療法の適応にならない場合、シスプラチンの分割投与とエトポシドの投与を組み合わせたSPE療法やカルボプラチンとエトポシドを組み合わせたCE療法を行います。カルボプラチンはシスプラチンと同じ白金製剤で、シスプラチンと同じ働きがあります。カルボプラチンの方が腎臓への毒性が軽減されているのが特徴です。

PE療法やPI療法は身体の体表面積に応じて投与量が決まります。投与方法は点滴で3日~5日連続で投与した後、3週間~4週間の休薬期間を経てまた投与を再開するサイクルが続けられます。

化学療法の副作用

化学療法を行うと腫瘍細胞だけではなく、正常細胞も攻撃してしまいます。そのため、腫瘍に対する効果とともに副作用が出現します。小細胞肺がんで使用されることが多いシスプラチン、エトポシド、イリノテカン塩酸塩は以下の副作用が出現しやすいです。

・腎機能の低下
腎臓は血液の老廃物を取り除き、尿をつくり水分を再吸収するところです。抗がん剤によって腎臓の働きが低下し、尿量や体重が減少してむくみが出現します。特にシスプラチンには腎機能の低下が投与後数日続くため、身体の水分量をしっかり確保する必要があります。水分量を確保するために輸液を行います。

・肝障害
抗がん剤の影響で肝臓の細胞が障害を引き起こします。肝機能の低下は無症状のことが多く、採血をして肝機能の低下がないかを定期的にみていくこととなります。肝機能が低下すると食欲がなくなったり、皮膚が黄色くなったり(黄疸)、吐き気や嘔吐が出現します。

・骨髄抑制
化学療法によって骨髄の正常な造血細胞が攻撃され、白血球、赤血球、血小板が減少します。白血球が減少すると、体外から入ってきた細菌などに対して対処する力が少なくなるため身体が感染しやすい状態となります。赤血球が減少すると貧血を引き起こします。血小板が減少すると、身体から出血した時に出血が止まりにくくなり、出血しやすくなります。

・脱毛
化学療法開始後2~3週間で頭髪、腋毛、陰毛、眉毛やまつ毛が脱毛します。特に頭髪は半分以上脱毛することがあり、外見が変化することから男女ともに悩みとなる副作用です。頭髪が抗がん剤の影響を受けやすい理由は細胞分裂の速さにあります。体毛には毛周期といって、毛の成長と休止、脱毛を繰り返すサイクルがあります。毛の根元にある毛母細胞が細胞分裂をすることによって、5年かけて毛は成長します。その後休止期といって毛の成長が止まる約3か月の期間を経て自然に脱毛します。抗がん剤によって成長期の毛母細胞の細胞分裂が抑制されるため、毛が成長する前に脱毛してしまうのです。脱毛は抗がん剤による一過性の副作用なので、治療が終了すればまた毛が生えるようになります。

・悪心・嘔吐
抗がん剤開始から24時間以内に発生する急性悪心・嘔吐、24時間以降に発生する遅発性悪心・嘔吐、抗がん剤開始前の不安などから発生する予期性悪心・嘔吐があります。いずれも延髄にある嘔吐中枢が刺激されておこります。

・全身倦怠感
全身倦怠感が発生するメカニズムは明らかになっていませんが、腫瘍そのものや腫瘍に付随して発生する症状、薬剤の副作用、精神面など様々な側面の要因が重なって生じると考えられています。

・アナフィラキシー
抗がん剤の投与から5~10分後に皮疹、発熱、呼吸困難などを引き起こします。これらの症状は身体が抗がん剤を異物として認識し身体が異物を排除しようとする反応です。

・下痢
抗がん剤の影響によって腸の運動を活発にする神経が正常に働かなくなると、腸の運動が活発になり過ぎて下痢を引き起こします。下痢がひどくなると身体の電解質のバランスがくずれたり、脱水を引き起こしたり栄養状態が悪くなることがあります。

・末梢神経障害
抗がん剤の影響で神経細胞を構成する軸索が障害されて発生すると考えられていますが、詳しい機序はまだ解明されていません。指先がしびれたり、温度感覚が障害されて熱いものがわからなくなったりします。神経細胞は細胞分裂をしないため、一度症状が出ると回復に時間がかかって症状が持続する場合があります。

・聴覚障害や味覚障害
シスプラチンには耳の聴こえが悪くなる、高い音が聞こえづらくなる副作用があります。耳鳴りが出現することもあります。また抗がん剤に影響によって口腔内粘膜へダメージや亜鉛の不足、味覚に関わる神経の障害で食事の味がわからなくなります。

参照元
筑波大学オープンコースウェア 肺がんの手術療法
https://ocw.tsukuba.ac.jp/discovery/lung_cancer/surgery/

特定非営利法人日本肺癌学会 肺癌診療ガイドライン2016
http://www.haigan.gr.jp/modules/guideline/index.php?content_id=3

東京慈恵会医科大学附属柏病院 肺がんの基礎知識
http://www.jikei.ac.jp/hospital/kashiwa/sinryo/40_02w1.html

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小細胞肺がんの治療 -標準治療- https://oncolo.jp/cancer/small_cell_lung_cancer-standard https://oncolo.jp/cancer/small_cell_lung_cancer-standard 小細胞肺がんの治療 -標準治療- 2017-12-07UTC01:53:35+0000 小細胞肺がんの標準治療について

小細胞肺がんは進行が速いがんであり、残念ながら腫瘍が発見された時には手術が適応にならない時期の腫瘍であることが多いのが現状です。小細胞肺がんに対して手術療法が選択される場合は、肺以外の他の臓器やリンパ節転移がない状態(Ⅰ期)までであり、小細胞がんの治療は化学療法と放射線療法がメインです。小細胞肺がんは他の肺がんと比べて化学療法と放射線療法への反応性が良いのが特徴です。

小細胞肺がんの標準治療は化学療法と放射線療法ですが、小細胞肺がんの種類によって選択される治療内容は異なります。小細胞肺がんは限局型と進展型の2種類があります。

限局型であっても治療の主軸となるのは化学療法と放射線療法ですが、腫瘍が他臓器やリンパ節転移がないⅠ期に分類された場合は手術を行うこともあります。手術を行うことができれば、5年生存率は40%~70%であり、長期の生存が期待できます。手術は腫瘍とその周辺組織のみを摘出する部分切除術よりも、腫瘍ができた肺葉を摘出する肺葉切除術を行う方が予後は良いとされています。

しかし、手術適応になる場合でも全身状態が良くない場合は手術を選択しません。全身状態はEOGE PS(Eastern Cooperative Oncology Group Performance Status)の分類を使って判断しています。PSは0~4までの数字で表すスコアで、数字が高くなるほど全身状態が良くないことを示しています。PSが3~4の場合は手術を選択しません。

0:病気になる前と同じように日常生活ができる状態。制限なく活動できる状態。
1:激しい身体活動は制限されますが、歩行はできる状態。
軽い家事や座ってできる仕事など軽作業はできる状態。
2:日中の50%以上はベッド以外で過ごし自分の身の回りのことを全て行い歩行できる状態。仕事などの作業はできない状態。
3:日中の50%以上をベッドが椅子で過ごし、限られた身の回りのことのみできる状態。
4:1日中ベッドか椅子で過ごし、全く動けず自分の身の回りのこともできない状態。

進展型小細胞肺がんは腫瘍が広がっているため、放射線療法で治療できる範囲をこえていることから全身状態(PS)と年齢によって化学療法を組み合わせながら治療を行います。進展型には根治的な放射線治療は適応外ですが、化学療法でがんがほとんど消えた場合は脳への転移を予防するために放射線療法を取り入れて全脳照射を行うことがあります。

参照元
筑波大学オープンコースウェア 肺がんの手術療法
https://ocw.tsukuba.ac.jp/discovery/lung_cancer/surgery/

特定非営利法人日本肺癌学会 肺癌診療ガイドライン2016
http://www.haigan.gr.jp/modules/guideline/index.php?content_id=3

東京慈恵会医科大学附属柏病院 肺がんの基礎知識
http://www.jikei.ac.jp/hospital/kashiwa/sinryo/40_02w1.html

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小細胞肺がんの治療 -手術療法 (外科治療)- https://oncolo.jp/cancer/small_cell_lung_cancer-surgery https://oncolo.jp/cancer/small_cell_lung_cancer-surgery 小細胞肺がんの治療 -手術療法 (外科治療)- 2017-12-07UTC01:44:28+0000 小細胞肺がんの手術療法(外科治療)

肺がんは一般的に画像診断や腫瘍組織を顕微鏡で確認する病理診断からがんの病期や進行度を診断します。肺がんの病期がⅠ期あるいはⅡ期であれば、手術が優先して行われます。Ⅲ期以上であっても組織型によっては手術が行われる場合もあります。

しかし、小細胞肺がんは手術適応になる病期はⅠ期のみで、かつリンパ節転移がない状態に限られます。限局型の小細胞肺がんⅠ期で、リンパ節転移がある場合でも手術療法を選択する場合がありますが、本当に手術をする効果があるかどうかについてはまだ明らかになっていません。

小細胞肺がんの手術方法としては、肺葉切除術とリンパ節郭清術が標準的です。腫瘍の状態によっては片側の肺を全て切除する一側肺全摘術が行われたり、高齢者で体力が低下している場合は腫瘍とその周囲の組織だけを取り除く部分摘出術が行われたりします。

以前は背中から胸にかけて30cm~40cmほどの切開をして肋骨の間の筋肉を切開し、肋骨の一部を切除して直接肺を見ながら腫瘍とリンパ節を切除する開胸術が一般的に行われてきました。開胸術は直接肺を見て手術ができることや手術にあまり時間がかからないことがメリットですが、患者への身体の負担が大きいことや入院期間が10日~14日はかかることなどがデメリットです。

最近では内視鏡を使った胸腔鏡下手術が主流になっています。胸腔鏡下手術は内視鏡で手術する部位をモニター画面に映し出し、モニター画面を医師が確認しながら体にあけた穴から細長い棒状の手術器具を入れて腫瘍やリンパ節を切除する手術方法です。

切除した肺を取り出すために5cmほどの切開を要しますが、その他には手術器具を身体に入れる1cm程度の小さな傷が3か所ほどできるだけなので切開創が小さく、患者への身体の負担が少ないのが特徴です。

手術前には患者が手術に耐えられるかを判断するために、肺機能検査や心機能検査を実施して他の病気を合併していないかも併せて確認します。手術後は残った肺で呼吸や循環を保っていく必要があるため、手術前の検査が重要になります。

また手術前に禁煙することも必要なことです。喫煙は血液中のヘモグロビンを、酸素を運搬しないヘモグロビンへと変化させてしまいます。そのため喫煙者は手術後に低酸素血症を起こすリスクが高くなるのです。合併症のリスクを抑えるためには、手術2週間前からの禁煙はもちろんのこと、残った肺を守るために術後も必ず禁煙を守りましょう。

肺がんの手術は体に大きな負担がかかるものであり、さまざまな合併症が起こり得ます。出血、感染症(創部、肺炎、膿胸など)、無気肺、肺水腫、乳び胸、反回神経麻痺、気管支ろうなどの他、手術一般の合併症として、深部静脈血栓症、肺梗塞、心筋梗塞、脳梗塞なども当然起こり得ます。

※気管支ろうとは、手術後に縫合した部位から空気が漏れるものです。自然に治る場合もありますが、菌が入って感染することもあり、治らない場合は手術が行われます。

合併症予防のためには手術前から禁煙をするとともに、呼吸訓練や痰を排出する練習をすることが大切になります。手術後は看護師や理学療法士と一緒に呼吸訓練やリハビリを行って合併症予防を行います。

参照元
筑波大学オープンコースウェア 肺がんの手術療法
https://ocw.tsukuba.ac.jp/discovery/lung_cancer/surgery/

特定非営利法人日本肺癌学会 肺癌診療ガイドライン2016
http://www.haigan.gr.jp/modules/guideline/index.php?content_id=3

東京慈恵会医科大学附属柏病院 肺がんの基礎知識
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肺がん患者さん及びご家族の方 治療に関するアンケート調査にご協力ください。 https://oncolo.jp/reserch/lungcanser1711 https://oncolo.jp/reserch/lungcanser1711 肺がん患者さん及びご家族の方 治療に関するアンケート調査にご協力ください。 2017-12-06UTC07:58:49+0000 肺がん患者さん及びご家族の方へご協力をお願いしております。

この調査は薬物療法を実施するに当たり、患者さんやご家族が、どのようなことを優先して治療を行いたいと思っているのかを調べる目的で行われます。
具体的には、お薬による治療をするにあたり治療の効果、副作用、剤形、使用できる可能性等の要素によって、患者さんにとって望む治療法が異なるかについて調査します。
患者さん中心医療の発展に向けて皆さんのご協力をお待ちしております。

アンケート調査にご協力いただける方

下記に全て当てはまる患者さんまたはそのご家族にご協力をお願いしております。
・進行・再発(ステージ3b、4)の肺がんである
・現在もしくは1年以内に薬物療法を行ったことがある

※ご家族の場合は治療について把握されている方が対象となります。

アンケートで質問する主な内容について

肺がんの種類についての確認
治療の状況や環境について
自身が良いと思う治療法について(いくつかの治療法について治療の効果や副作用、治療を受けられる可能性等の違いについてご意見をお伺いいたします)

実施方法について

この調査は、インターネット上のアンケートに回答する形で行われます。ほとんどの質問は選択式で、所要時間はおよそ20~30分となっております。

その他の注意点について

アンケート内で謝礼を郵送する目的で住所と氏名の入力が必要になりますが、個人情報は厳重に管理され、謝礼の郵送以外の目的で使用されることはございません。また、どうしても入力に抵抗がある場合には、入力をせずに回答することが出来ますが、謝礼のお渡しをすることは出来ません。予めご了承ください。

実施期間

2017年12月6日(水)~18日(月)
※回答状況により変更となる可能性がございます。

謝礼

普通郵便為替にて3,000円の謝礼を郵送にてお送りいたします。
※郵便局で御引換が必要となります。

アンケートの実施方法

患者さんはコチラから

ご家族はコチラから

 調査の実施体制について

当アンケートは株式会社マーケティングセンターと共同で実施しております。
ご不明な点がございましたら下記までお問い合わせください。

がん情報サイト「オンコロ」
0120-974-268 (平日:10:00~18:30)
調査担当者:濱崎晋輔

株式会社マーケティングセンター
03-5391-2513 (平日:9:30~12:00/13:00~17:30)
個人情報に関するお問合せ担当:田村はな子

 

皆さまのご協力をお待ちしております。

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【レポート】厚生労働省主催「第1回 小児・AYA世代のがん医療・支援のあり方に関する検討会」に参加してみて・・・ https://oncolo.jp/blog/20171206dt https://oncolo.jp/blog/20171206dt 【レポート】厚生労働省主催「第1回 小児・AYA世代のがん医療・支援のあり方に関する検討会」に参加してみて・・・ 2017-12-06UTC03:58:25+0000 オンコロの鳥井です。

12月1日に厚生労働省(健康局がん・疾病対策課)主催の、第1回小児・AYA世代のがん医療・支援のあり方に関する検討会」に参加をしてきました。2時間の検討会で内容がかなりボリュームがあるので、その一部をまとめレポートします。
第1回小児・AYA世代のがん医療・支援のあり方に関する検討会(ペーパーレス)(開催案内)

小児・AYA世代のがん医療・支援のあり方に関する検討会とは

『この検討会では、小児・AYA世代のがん患者とその家族が安心して適切な医療や支援を受けられるような環境の整備を目指し、小児がん拠点病院のあり方や、がん診療連携拠点病院等との連携を含めた医療や支援のあり方と具体策について検討する。(資料1より)』
この目的の下、開催されました。

小児がんとは

15歳未満で発症した患者さんのことを指し、年間2000〜2500人が小児がんと診断を受けています。罹患するがん種は血液がん、脳腫瘍の順で多いです。小児がん患者は体が未成熟の時期に治療を行うために、晩期合併症や二次がんといった問題もあり、治療を終えても長期フォローアップが必要となります。

これまでの小児がん対策について

まず初めに、今までの小児がん対策の経緯について説明がありました。かなりその一部を抜粋します。この5年間で小児がん拠点病の選定をはじめとして、様々な動きがあったことがわかります。


2012年5〜6月に「小児がん医療・支援のあり方に関する検討会」が開催され、2013年2月に小児がん拠点病院(15施設)、2014年2月小児がん中央機関(2施設)が選定された。これらの取り組みは治療体制の整備等を目的としている。小児がん患者数が少なく、またがん種も多岐に渡るための医療格差が起こっていました。例えば病院単位で、年間2、3症例しか小児がん患者を見ていないといった現状があった。

小児がん拠点病院・中央機関のこれまでの取り組みと課題

その次に、国立研究開発法人国立成育医療研究センター 小児がんセンター長 松本 公一先生から、この5年間で行われた取り組みの成果とその課題についての説明がありました。

これまでの取り組み


・年間4割の小児がん患者さんを2013年選定の小児がん拠点病院でカバーできた。


・中央機関として、国立成育医療研究センターと国立がん研究センターが連携をして、人材育成や小児がん登録等を行った。


・TV会議システムを立ち上げ研修会などを開催して、地域間の連携を計っている。

課題


・小児がん長期フォローアップ体制の整備が必要
└長期フォローアップ外来整備、 長期フォローアップ計画提供の仕組み、データベース作成を検討。


・遺伝子解析を取り込んだ個別化医療の推進
└小児がん拠点病院のネットワークを活用して、十分な治験・臨床研究の行える体制整備が必要。


・小児がんに携わる看護師やその他コメディカルの育成
└早急な専門教育プログラムを確立し、小児がん看護の専門性をもつ看護師を専任配置すべき。


・小児がん患者の教育体制の整備
└人員、内容面で充実する特別支援学校による教育支援を目指し、高校教育の充実が必要。


・AYA世代がん患者の診療体制の整備
└疾患、年齢に応じた成人診療科との連携が必要。

思春期・若年成人(AYA)世代のがんの現状と課題】

国立がん研究センター中央病院 乳腺・腫瘍内科 清水千佳子先生からは若年性(AYA世代)がんの課題と現状について説明がありました。

思春期・若年成人(AYA)世代のがんの現状

清水先生は現状としてその希少性、多様性から発生する現状をまとめ、下記の様に挙げました。医療だけの問題ではない、社会的な問題もあることも言及されていました。

• AYA世代のがん患者には、この世代に特有の悩みやニーズがある。
• AYA世代のがん患者の悩みやニーズは多岐にわたり、必ずしも医療機関の中だけで対応できるものばかりではない。
• 医療機関あたりのAYA世代がん患者の診療数は少なく、医療従事者がAYA世代がん患者の支援に関する知識や経験を蓄積しにくい。
• AYA世代がん患者の診療数の多い施設でも、AYA支援に必要なリソースが充足しているとは言い難い

思春期・若年成人(AYA)世代のがんの課題

参考資料として、2014年に若年成人(AYA)がん患者に行ったアンケートです。十分な情報、または足りなかった情報についてまとめられています。

思春期・若年成人(AYA)世代のがんの課題

課題として体制や連携の必要性について触れ、3つの課題を挙げました。

• ネットワークの構築
└小児、成人や生殖医療、精神科等の連携を推進させる
• 情報、相談支援窓口の拠点化
└AYA世代の悩みに対する相出来るようにする
• 自律、自己管理の支援
└患者の主体性に主眼をおいた患者教育

参加してみて・・・

上記の資料をご覧いただくと、小児もAYA世代も患者数が少なく、がん種の多様性が様々な課題の根本をなしているがわかります。解決するためには体制、仕組みを変えていく以外にも清水先生がおっしゃった、患者教育が大切だと思いました。情報を教えてもらうことを待つだけでなく、患者自身で調べる必要があると思いました。もちろん信憑性の低い情報等もありますが、調べることで様々な情報にアクセスすることが出来ます。その情報の取捨選択方法を患者教育に取り入れて、患者自身が能動的に情報を得ようとすることで、スライドにもあるアンメット・ニーズの多くを解決できるのではないかと思いました。

実際に調べていただくと数多くの患者会等の団体が情報を出していることがわかると思います。しかしその情報の中には紙や冊子のみで、インターネットで見ることが出来なかったり、点在してしまっているのが現状です。患者の方が情報を得やすいように一元化する等の対策はオンコロで行っていかねばと感じました。

資料1:開催要綱
当日資料:第1回小児・AYA世代のがん医療・支援のあり方に関する検討会(資料)

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乳がんの手術療法 https://oncolo.jp/cancer/breast-surgery https://oncolo.jp/cancer/breast-surgery 乳がんの手術療法 2017-12-05UTC08:41:14+0000

目次

手術(外科治療)

乳がん治療における標準的な手術法には、乳房を残す乳房温存手術と、乳房を全部切除する乳房切除術があります。手術を受ける前に、乳房再建を受けたいかどうかも考えておく必要があります。

乳房温存手術と乳房切除術

乳がんの手術の目的は、①局所のがんを取り除く②手術で切除した病変を病理検査で詳しく調べ、その結果からがんの性質を確定診断することです。標準的な手術法は、乳房温存手術あるいは乳房切除術です。

乳房温存手術は乳房を残して、病変とその周辺を部分的に取り除く方法、乳房切除術は、大胸筋や小胸筋といった胸の筋肉を残して、乳房をすべて切除する手術法です。乳房温存手術と放射線療法を組み合わせた乳房温存療法は、乳房切除術と同等の治療成績が得られることがわかっています。

乳房温存手術の対象になるかどうかは、腫瘍と乳房の大きさのバランスによって決まります。日本では、腫瘍の大きさ3センチ以下が目安となっています。腫瘍が大きくても温存手術を希望する人は、術前に薬物療法を受けて腫瘍が縮小すれば、乳房温存手術の対象になります。

ただ、腫瘍の大きさと乳房のバランスによっては、乳房温存手術を受けたとしても、乳房が変形してしまうなど、満足のいく結果が得られない場合があります。どちらの手術を受けるかを選べるときには、担当医に術後の乳房や傷跡がどのようになるのか、絵や写真でイメージを見せてもらって検討しましょう。

なお、次の①~③に当てはまるときと、本人が乳房温存を希望しないときには乳房温存手術の適応にはなりません。

①2つ以上のがんのしこりが同じ側の乳房の離れた場所にある。
②乳がんが広範囲にわたって広がっている。
③放射線療法を行う体位が取れない場合や妊娠中などの理由で、温存乳房への放射線療法が行えない。

センチネルリンパ節生検とは

どちらの手術法を受ける場合でも、術前にわきの下のリンパ節(腋窩リンパ節)に明らかに転移があると診断されたときには、現時点ではリンパ節を郭清(切除)するのが標準治療です。わきの下のリンパ節を郭清する目的は、腋窩リンパ節転移の個数や大きさを調べるため、そして、再発を防ぐためです。

触診や画像診断などで、わきの下のリンパ節への転移がなさそうだと診断されているときには、手術中、あるいは術前の検査として、必要に応じてセンチネルリンパ節生検を行い、そこで転移の有無を顕微鏡で調べます。

センチネルリンパ節は、腋窩リンパ節の中で最初にがん細胞がたどり着く場所であり、見張りリンパ節とも呼ばれます。センチネルリンパ節に転移がなければ、そのほかのリンパ節に転移がある危険性が低いので腋窩リンパ節郭清を省略できます。

最近の研究では、センチネルリンパ節への転移が2ミリ以下と微小であれば、郭清してもしなくても予後に影響はないとの結果が出ており、微小転移なら腋窩リンパ節郭清を行わないのが標準治療になりつつあります。

手術の後遺症

乳がんの手術の主な後遺症は、リンパ浮腫と慢性的な痛みです。肩関節が動かしにくくなることもあるので術後はリハビリ体操を続け、痛みなどの症状は医療者に相談しましょう。

リンパ浮腫の予防にもなるリハビリ体操

手術でわきの下のリンパ節郭清をしたときには、リンパ液の流れが悪くなり、肩関節が拘縮して動かしにくくなることがあります。予防のためには、リンパ液を外に出すドレーンをつけている間は、ボールを握る運動や、指を1本ずつ動かす指の曲げ伸ばし運動、ドレーンが抜けてからは、腕の挙上運動や肩関節を回す運動などのリハビリテーションを1日3回3か月以上継続すると効果的です。

手術の後遺症として最も問題になるのは、リンパ節郭清や放射線療法が原因で、リンパ液がたまって腕が腫れた状態になるリンパ浮腫です。リハビリテーションは、リンパ浮腫の予防にも役立つと考えられています。リンパ浮腫を防ぐには、重いものを持ったり、腕を強く振るような運動を避けることも大切です。また、体を締めつけるような下着や衣服は避けましょう。

皮膚に傷ができると、腕の血液の循環量が増え、リンパ浮腫を発症しやすくなるので、日ごろから、虫刺されやけが、細菌感染、日焼けなどをしないように気をつけることも大切です。鍼・灸や強い力でのマッサージは逆効果なので、絶対に行わないようにしてください。

治療は、弾性スリーブ(着衣)・グローブ、弾性包帯による圧迫療法、圧迫療法をした状態での運動療法、手を使ったリンパドレナージ、皮膚の保湿ケアを組み合わせて行います。圧迫療法に使う弾性スリーブや弾性包帯は保険診療の対象になります。10ミリ以上腕回りが太くなったとき、腕のむくみや腫れがあるときには、担当医に相談しましょう。リンパ浮腫の治療を専門にしたリンパ浮腫外来がある医療機関もあります。

術後の痛みは我慢せず医療者へ伝えよう

手術後は麻酔薬や鎮痛薬を使って痛みを抑えますが、強い痛みを感じるようなら我慢せずに担当医や看護師に伝えましょう。痛みを我慢し過ぎると、かえって痛みを感じやすくなり、より強い薬を使わないとコントロールできない状態になります。リンパ節郭清をしたときには、手術の傷やわきの下の周辺の知覚が低下することがあります。

こういった痛み、違和感、しびれ、知覚低下などは、術後数か月でほとんど感じなくなるのが一般的ですが、知覚異常、鈍痛、神経痛のようなキリキリとした痛みが数年以上続く人もいます。耐えがたい痛みや痛む回数は徐々に少なくなる人が多いものの、眠れない、仕事や家事ができないなど日常生活に支障があるようなら、緩和ケア外来や麻酔科、ペインクリニックで相談しましょう。

本コンテンツは認定NPO法人キャンサーネットジャパンが出版する「もっと知ってほしい 乳がんのこと」より抜粋・転記しております。

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乳がんとは(疾患情報) https://oncolo.jp/cancer/breast-about https://oncolo.jp/cancer/breast-about 乳がんとは(疾患情報) 2017-12-05UTC08:15:21+0000

目次

乳がんとは

乳がんは、乳頭から放射状に張りめぐらされている乳腺にできるがんです。乳がん検診やしこりや痛みなどの自覚症状で発見されることが多いのが特徴です。

乳がんは乳腺にできる悪性腫瘍

乳房には、15~20個の乳腺が放射状に張りめぐらされています。この乳腺にできる悪性腫瘍が乳がんです。乳腺は母乳(乳汁)を分泌するための組織で、乳汁を運ぶ乳管、乳汁を作る小葉に分かれています。

この乳管、小葉などの細胞が異常に増殖した状態が乳がんです。がん細胞が乳管や小葉といった上皮細胞の中にとどまっているものを「非浸潤がん」、がん細胞が乳管や小葉の周囲に広がったものを「浸潤がん」といいます。

非浸潤がんは命の危険はありませんが、浸潤がんの多くは、目に見えないほど微小のがんが広がっている危険性があるため、全身を対象にした治療が必要です。

組織型による分類では、90%は乳管にできる乳管がん、約5%が小葉から発生する小葉がん、そのほか粘液がん、髄様がんなど特殊な型のがんに分けられます。ただ、組織型によって、治療法や病気の経過が変わるわけではありません。

全体の6~7%は若年性乳がん

年齢別には30代から増え始め、50歳前後から60歳代前半に多いのが特徴です。比較的若い20~30歳代で発症する「若年性乳がん」の人(全体の6~7%)もいます。また、乳がん全体の0.5%と非常に少ないものの、男性も乳がんになるケースがあります。男性乳がんは比較的進行が早い傾向があります。

乳がんの症状

乳がんが見つかるきっかけは主に、マンモグラフィ検診と、しこり、ひきつれや痛みなどの自覚症状による自己発見です。日本乳癌学会の「全国乳がん患者登録調査報告(2011年次症例)」によると、自覚症状があって検診を受けた人も合わせると61.6%が自己発見で見つかっています。自覚症状がないうちにマンモグラフィ検診で見つかった人は28.4%で、検診による発見率も年々増えています。

本コンテンツは認定NPO法人キャンサーネットジャパンが出版する「もっと知ってほしい 乳がんのこと」より抜粋・転記しております。

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生命力あふれる乳がん体験者 NPO法人エンパワリング ブレストキャンサー『E-BeC』 理事長 真水 美佳さん https://oncolo.jp/feature/20171205dt https://oncolo.jp/feature/20171205dt 生命力あふれる乳がん体験者 NPO法人エンパワリング ブレストキャンサー『E-BeC』 理事長 真水 美佳さん 2017-12-05UTC03:00:23+0000  現在、女性の11人に1人がかかると言われている「乳がん」。乳がん患者は、がんになったという衝撃に加えて、「胸を失ってしまう」「術後どんな胸になるのか」などの悩みを抱えることも多いものです。

 近年、「乳房再建」は社会でも知られてきていますが、その情報がなかったころに乳がんを経験されたNPO法人エンパワリング ブレストキャンサー『E-BeC』理事長の真水美佳さんは、ご自身の経験から「再建後の胸の写真集を出そう!」という一歩を踏み出しました。そこから様々に展開していった真水さんの活動、活力は、多くの乳がん患者さんに勇気と希望を与えるものになっています。
 「私もがんばれる気がする!!」そんな気持ちにさせてくれる真水さんにお話をうかがいました。

「このまま天寿をまっとうしようかと思った」

鳥井:まず、真水さんの自己紹介をお願いします。

真水:NPO法人エンパワリング ブレストキャンサー「E-BeC」の理事長をしています。E-BeCでは、乳房再建を広く理解してもらうため、そして乳がん患者さんのQOL(Quality of Life/生活の質)向上のための情報発信を行なっています。ウェブサイトでの情報掲載、セミナー、アンケート調査、『乳房再建手術Hand Book』製作などの活動をしています。活動を開始してから来年で5年になります。

鳥井:ご自身の乳がんの告知から、どのような治療を行なったかを教えてください。

真水:2008年に「両側(りょうそく)乳がん」と告知されました。右は乳房全摘出と同時に再建、左は乳房温存での手術を行いました。それから1年間のホルモン治療を行なったのですが、あまりに副作用がひどかったため、主治医と相談のうえ治療をストップしました。罹患(りかん)から9年目の今は、年1回の経過観察となっています。

鳥井:告知された時はどんなお気持ちでしたか。

真水:目の前が真っ暗になりました。多くの人が思うように、「なんで私なんだ、なんで私じゃないといけないの?」と思いました。社会から疎外されたような気持ちでしたね。「手術をしないでこのまま天寿をまっとうしようか」と思うなど、まったく前向きにはなれませんでした。

 小学校低学年の頃、乳がん経験者の叔母と一緒にお風呂に入ったことがありました。叔母には片胸がなく、衝撃を受けました。しかし、「どうしてお胸がないの?」と聞いてはいけないというのが、子供ながらに分かったんです。

 告知を受けて、「私もそうなるの?」と思いました。私が衝撃を受けたように周りの人をびっくりさせるのも嫌だし、その時は周りにだれも乳がん体験者もいなかったし、手術後にどんな胸になるのかが怖くて仕方ありませんでした。

 そして、「とにかく切らないでなんとかならないのか」と思い、今度は手術をしない方法を探したのですが、見つかりませんでした。当時、乳房再建はまだメジャーではなかったんです。医師から「この病院では再建を行なっていません。再建したいのであれば、紹介状は必要なだけ書くので自分が納得できる病院を探してください」と言われました。そこで初めて再建という言葉を知って、「そんなことができるのか」とびっくりしました。

 しかし、調べてみたものの、当時あったのはブログからの情報だけ。その中で「これはいけそうだ」と思ったブログに書かれていた形成外科医に話を聞きに行きました。

 ひととおりのデータを持って行ったら「乳腺外科の先生にも会ってみてください」とのことになり、そこでバタバタと同時再建を含めた手術が決まりました。実はそれまで、治療する病院を決められない“病院難民”になっていたんです。乳がん発覚から半年後に手術をすることになりました。

写真集を作りたい!——『いのちの乳房』発売

鳥井:その後、真水さんは写真集を出版されました。なぜ写真集を作ろうと思ったのでしょうか。

真水:当時は先生の学会報告用の資料と思われるものをもらい、それ以外の説明はありませんでした。その時は本当に大変だったし辛かったんです。そこで、「再建した胸の写真集を作りたい!」と思いました。

鳥井:当時の自分が必要だったものを作ろうと思ったんですね。

真水:その頃は、大学系の研究所で先生方のマネジメントやシンポジウムの企画、学術書の出版などをする仕事をしていました。ちょうどビジネス書を作ることになり、その関係で編集者やフリーライターさんと一緒に仕事をしていたんです。

 そこで、「写真集を作りたい」という話をしました。そうしたら、「それいいね」ということになって。写真家の荒木経惟さんを紹介していただきました。荒木さんのことはあまり詳しく知らなかったので、どんな写真になるのか不安だったのですが、「絶対荒木さんがいい」と言われて(笑)。でも、荒木さんの『母子像』シリーズや『日本人ノ顔』プロジェクトなどを見て、いいなと思いました。そして会って話をしたら、「いいね、やろう」と言ってくれたんです。

鳥井:すごいですね!

真水:それからあわてて出版社とモデルさん探しです。主治医に患者さんと再建を手がけている形成外科の先生を紹介してほしいと相談に行き、患者会やツイッターでも募集しました。すると、すぐに定員の20人(最終的には19人)が集まったんです。フルヌードの写真集ですが、みなさん「辛い経験を乗り越えた自分を、荒木さんに撮ってもらいたい」とのことでした。

鳥井:なぜフルヌードなのでしょうか。

真水:再建では、お腹やお尻、太ももなどの自家組織を胸に移植するという方法があります。その傷も写すということでフルヌード。モデルさんには、「本当に大丈夫ですか?」と確認をしました。再建するとハッピーになってしまう「再建ハイ」というものがあります。その勢いで撮って、あとで後悔してしまうのは残念ですから。

鳥井:出版後、社会の反応はどうでしたか。

真水:比較的好意的だったと思います。NHKや新聞にも掲載されて話題になり、社会的にも受け入れてもらえたと思いました。

 ところが、医師の反応は違いました。写真集を学会のブースで販売したら、台湾などの海外の先生方は好意的に受け止めてくれましたが、日本の先生方は冷ややかだったんです。「日本でもとうとうこんな本が出たんだ」というような冷たい反応でした。

鳥井:それは残念ですね……。

真水:そのことから、「医療者にも理解をしてもらわないといけない」と思いました。助成金や企業の支援により、写真集を乳腺外科医や乳がん看護専門看護師さんに向けて送付しました。

鳥井:負けずにさらなる活動をしていったのですね!

NPO設立、そして、つながりがつながりを生む活動

鳥井:その後、NPOを立ち上げようと思ったきっかけは何だったでしょうか。

真水:NPO法人キャンサーネットジャパン(CNJ)でボランティアをしていた時、地方に住む患者さんたちが、乳房再建の情報を集めるために東京まで来ていることを知りました。地元でも熱心に乳房再建に取り組んでいる医師がにいるのに、それを知らない人が多い。そんな現状を知りました。そのために何か活動をしたいと思い、仕事を辞めて再建に関する情報発信のためのNPOを立ち上げました。

 サイトのコンテンツには、必ず医療監修を付けています。前職の経験から、監修は重要だということが分かっていましたから。そのほか、再建の専門医や再建経験者のインタビュー、座談会でのインタビューなども掲載しています。猪突猛進で後先考えずに始めてしまいましたが、やりたかったことをやることができて、今すごく楽しいです。

鳥井:そのほかにはどのような活動をされているのでしょうか。

真水:サイト立ち上げの次には「セミナーをやろう」と思いました。第1回目は、私の実家があって患者会の知り合いもいる札幌で行いました。自費で行い、私と再建経験者3人くらいで講演を行ったんです。寄付をつのったら交通費をまかなえるくらいになったので、「なるほど、こういう方法もあるのか」と思い、次には助成金をもらって沖縄で開催しました。ここではCNJのBEC(乳がん体験者コーディネーター)養成講座で同期だった方が沖縄にいたため、手伝ってくれました。

 3回目くらいのセミナーから形成外科医を講師としてお招きしました。さらに2年目あたりにはセミナーの形もきちんとできてきて。現在では、「乳房再建全国キャラバン」を各地で年に2回と、「特別セミナー」を東京で1回行なっています。

 キャラバンには、「その土地で再建を行なっている医師の発掘」の意味合いもあります。主治医や他の先生方から紹介してもらった医師に参加していただいているのですが、その先生たちもとても熱心なんです。講師として登壇していただき、インタビューをE-BeCのサイトに掲載しています。

鳥井:様々なつながりをもとに発展していったんですね。

真水:そうですね。さらに、今度はインプラントが保険適用になったことをきっかけに、「ハンドブックを作ろう」ということになりました。インプラントなどの医療製品を開発している「アラガン・ジャパン」の支援により『乳房再建手術 Hand Book』を制作し、全国1250ヶ所の医療機関に配りました。

 今年(2017年)7月には、乳がん患者さんのQOL向上のための「口腔ケア」「傷ケア」「下着」の情報を追加した改訂版も作りました。医療機関では、乳がん患者さんに「これを読んでおいて」と渡すこともあるほどです。

鳥井:活動を始めて、がん患者さんからはどんな声がありましたか。

真水:ポジティブな声ばかりです。「写真集で助けられた」と言ってくれる人は結構います。最初、困り果てて泣きながらセミナーに来ていた人が、「私はE-BeCに救われた」と言って、今度はセミナーを手伝う側になってくれることもありました。「再建が終わりました。本当にありがとうございました」という声もいただきます。それは本当にありがたいです。

鳥井:活動が誰かの力になるのはとてもすばらしいことですね。

だれもが「私はこういう胸にしたい」と言えるように

鳥井:真水さんが今後やっていきたいことをお聞かせください。

真水:やりたいことはいろいろとあります。ひとつには、サイトのコンテンツを充実させたいと思っています。乳がん患者にとって、乳房再建はQOL向上のひとつだけれど、そのほかにもQOL向上のためにできることがあります。それも掲載していきたいです。

 セミナーでは、小さい都市を周ってみたいです。スモールミーティングみたいな感じで。それがきっかけでその地域で「私たちも患者会を作りたい」となるなど、小さな火がポッポっといろんなところに飛び火していくといいなと思っています。

 あとは、もう一度写真集を作りたい。前回写真集を作った時と現在とでは、再建の環境が変わってきています。再建が保険適用になった今の写真集を作りたいです。

 写真集には、患者さんの生き生きした顔も写っています。乳がんというと、どうしても暗いイメージを連想してしまいますが、みなさんとても元気ではち切れちゃってるんです(笑)。タトゥーをつけている人、カップルで写っている人、親子で写っている人など、みんなそれぞれです。それを見ると、「私もこうなれる」と思えるかなと。傷も写っているけれど、「そんなことは関係ない。とにかく元気!」という姿を届けたいと思っています。

 また、写真集がメディアに取り上げられるのもすごく大事。今、乳がんになっていない人にも、ある程度の知識を持っていてほしいと思います。がんになってすぐはショックだし、情報を探そうとすることだけでもとても難しい。もしも、がんになる前にどこかで写真集を目にしていたとしたら、「そういえばそんなものがあったな」と思い出して慌てないですむかもしれません。

 現在は、地域での医療格差・情報格差があります。再建をしたい人は、だれでもどこでも一定の水準の医療が受けられるようにできたらと思いますが、患者さんも自分で知識をつけることが大事。言われるがままにしてしまって後悔するということもあります。「私はこういう胸にしたいんです」と言えるように、患者自身も力を持っていく必要がありますね。

鳥井:活動を次々に新しい方向へとつなげていく、そんな真水さんこそが生き生きとしているように感じました。本日はありがとうございました!


特定NPO法人エンパワリング ブレストキャンサー『E-BeC』
http://www.e-bec.com

(写真・文:木口マリ)

●プロフィール:
真水 美佳(ますい みか)
NPO法人エンパワリング ブレストキャンサー理事長
NPO法人キャンサーネットジャパン認定乳がん体験者コーディネーター

2008年、両側乳がんの宣告を受け、左側温存、右側全摘出と同時に乳房再建手術を受ける。2010年、自身の乳がん体験をもとに写真集『いのちの乳房-乳がんによる「乳房再建手術」にのぞんだ19人』 (撮影:荒木経惟、発行:赤々舎)を企画・出版、モデルの1人でもある。2013年1月、NPO法人エンパワリング ブレストキャンサー/E-BeC設立。ウェブサイトからの情報の発信、『乳房再建手術Hand Book』の作成、 「乳房再建に関するアンケート調査」や特に情報の少ない地方都市を中心に「乳房再建全国キャラバン」を開催している。

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【セミナーレポート】がんに対する補完代替療法ー第23回 OMCE https://oncolo.jp/event/omce23report https://oncolo.jp/event/omce23report 【セミナーレポート】がんに対する補完代替療法ー第23回 OMCE 2017-12-05UTC01:19:06+0000 講演タイトル:『がんに対する補完代替療法』
演    者:大野 智 先生(大阪大学大学院医学系研究科 統合医療学寄附講座 准教授)
日    時: 11月22日(水) 19:00
場    所: 秋葉原・ジーニアスセミナールーム

今月は、がんに対する補完代替療法がテーマでした。
クローズドセミナーであるため全ての情報は掲載できませんが、ポイントとなる情報をお伝えしていきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

がんの患者さんの多くが経験しているがんに対するサプリメントなどの補完代替療法。補完代替医療は、英語ではComplementary & Alternative Medicine といい、頭文字を取って CAM(カム)と言います。

CAMには、現行の医療をすべて止めて何か別のものに置き換える代替医療と現行の医療に何かを上乗せして、さらにQOLを向上させる補完医療との2つの要素が存在しますが、両者を厳密に分けることができないものも存在します。

(大阪大学大学院 医学系研究科 統合医療学寄附講座HP参考)

具体的には、食事療法・サプリメント・鍼灸(はりきゅう)・マッサージ・漢方・アロマセラピー・ヨガ・音楽療法等があります。患者さんがCAMに興味を持っている、利用している割合は83%と言われています。

使用する目的は「進行抑制」「治癒」が大半を占め、「症状緩和」「通常治療の補完」等です。

CAMを使用する後押しとなるものは、患者さんご家族の薦めが最も多く、ブレーキ(使用が控えられる原因)としては、医療者の否定的な考えや正確な情報を持っていないことが挙げられました。

(詳細は「がんの補完代替医療ガイドブック」PDFを参考)

CAMを利用する上で大切なことは「正確な情報」を見極めることである、と先生は述べられました。科学的根拠(エビデンス)はその治療法の裏付けです。

エビデンスの種類は様々で、経験談・権威者(医師等)の意見や動物実験は低く、観察研究(症例報告、コホート研究)→※ランダム化比較試験→システマティックレビューにつれて情報の信頼性が高く、偏り・偶然が少なくなります。

システマティックレビューとは、ランダム化比較試験を取りまとめ、全体としてはどうかを再評価したものです。

※ランダム化比較試験・無作為化比較試験とは/研究の対象者をランダムに2つのグループに分け(ランダム化)、一方には評価しようとしている治療や予防のための介入を行い(介入群)、もう片方には介入群と異なる治療(従来から行われている治療など)を行います(対照群)。一定期間後に病気の罹患率・死亡率、生存率などを比較し、介入の効果を検証します。…国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センターHP「がん情報サービス」より

 

実施する前に「何のために(目的)でやるのか、価値観、自分の好みに合うか。エビデンスはあるならどれ位か」を明確にすることをお勧めされました。

CAMに関するエビデンスは厚生労働省が構築した『「統合医療」情報発信サイト 利用マニュアルPDF』を参考にして下さい。

また、会場からの質問コーナーでは「だまされない為にはどうすれば良いか、主治医にCAMを否定される場合はどうすれば良いか」などの質問が挙がりました。

気をつける事は高額なもの、標準治療を否定するものには注意する事です。寄せられる相談には、CAMの相互作用、健康被害より経済的被害が最も多いそうです。

また、主治医に相談しづらい時は看護師、薬剤師に相談する事も薦められました。認定看護師はカリキュラムの中にCAM相談があるそうです。治療薬との関係も気になる場合は薬剤師に相談して下さい。

患者さんに必要なことは、正確な情報をもとに自分で下した決断に責任を持つこと―インフォームド・チョイスをすること―、と述べられました。それは、インフォームドコンセントから一歩進み、みずから情報を取りにいくことです。

そして、「医療者や家族はそれを選んだ患者さんの意思をまず聞いて、寄り添うことが大切。」と述べて締めくくられました。

大野先生、ご参加された皆様、本当にありがとうございました。

12月22日(金)は、がん研有明病院 消化器化学療法科 部長 山口 研成先生をお迎えし、『進化する胃がん治療の実際』をテーマにご講義いただきます。

引き続き、皆様のご参加をお待ちしております。
(赤星)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
登場したHPサイトのリンク/
 ・日本補完代替医療学会
 ・厚生労働省「統合医療」情報発信サイト
 ・朝日新聞DIGITAL「apital」大野 智先生記事一覧

2017年OMCEセミナースケジュール/お申込み

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末期がん16歳少女のために、慈善団体と地域住民らが早めのクリスマス準備 https://oncolo.jp/pick-up/news1244 https://oncolo.jp/pick-up/news1244 末期がん16歳少女のために、慈善団体と地域住民らが早めのクリスマス準備 2017-12-04UTC11:30:32+0000 来年のクリスマスを迎えることはできないだろう―死期を悟った少女の最後の願いは「もう一度、クリスマスの飾り付けをした家が見たい」というものだった。

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http://japan.techinsight.jp/2017/12/ellis05491201.html

ニュース選定者:中島 香織
引用元:Techinsight
http://japan.techinsight.jp/

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海外の一流科学誌「ネイチャー」 HPVワクチンの安全性を検証してきた医師・ジャーナリストの村中璃子さんを表彰 https://oncolo.jp/pick-up/news1243 https://oncolo.jp/pick-up/news1243 海外の一流科学誌「ネイチャー」 HPVワクチンの安全性を検証してきた医師・ジャーナリストの村中璃子さんを表彰 2017-12-04UTC09:30:55+0000 HPVワクチンの安全性を検証する発信を続けてきた医師でジャーナリストの村中璃子さんが11月30日、イギリスの一流科学誌「ネイチャー」元編集長の功績を記念したジョン・マドックス賞を受賞した。

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https://www.buzzfeed.com/jp/naokoiwanaga/rikomuranakajohnmaddoxprize?utm_term=.scw0kyXva#.xtNpPeRV5

ニュース選定者:可知 健太
引用元:BuzzFeed
https://www.buzzfeed.com/jp?utm_term=.toqVQ3azb#.esppwBzEx

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皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)患者に対するポテリジオの生物製剤承認一部変更申請(sBLA)、FDAより優先審査として承認される https://oncolo.jp/news/171204y03 https://oncolo.jp/news/171204y03 皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)患者に対するポテリジオの生物製剤承認一部変更申請(sBLA)、FDAより優先審査として承認される 2017-12-04UTC08:44:02+0000 2017年11月28日、少なくとも1レジメンの全身療法治療歴のある皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)患者に対するモガリズムマブ(商品名ポテリジオ)単剤療法の効能で米国食品医薬品局(FDA)より生物製剤承認一部変更申請(sBLA) の優先審査の承認を受けたことを協和発酵キリン株式会社が公表した。

今回の承認は、第III相試験であるMAVORIC試験(NCT01728805)の臨床結果に基づくものである。MAVORIC試験とは、少なくとも1レジメン以上の全身療法治療歴のある菌状息肉腫(MF)、セザリー症候群(SS)を含む皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)患者(N=372人)に対して最初の4週間は1週間に1回、その後は2週間に1回をポテリジオ1.0mg/kgを投与する群、1日1回ボリノスタット(商品名ゾリンザ)400mgを投与する群に1:1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)を比較検証した国際多施設共同の第III相試験である。

本試験の詳細は2017年12月9日から2017年12月12日まで米国・ジョージア州・アトランタで開催される第59回米国血液学会(ASH2017)で発表される予定である。なお、本学会が事前に公表してあるアブストラクトによれば、主要評価項目である病勢進行または死亡(PFS)率がポテリジオ群で47%減少することが判っている。

今回の生物製剤承認一部変更申請(sBLA)が米国食品医薬品局(FDA)より優先審査の承認されたことを受けて、協和発酵キリン株式会社・研究開発本部長である佐藤光男氏は以下のように述べている。”ポテリジオが皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)の効能で米国食品医薬品局(FDA)より生物製剤承認一部変更申請(sBLA)の優先審査品目に指定されたことを大変嬉しく思います。今後は米国食品医薬品局(FDA)をはじめ規制当局と共に協力し、可能な限り早くポテリジオを皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)患者さんに届けることができるよう努めてまいります。”

なお、米国食品医薬品局(FDA)はポテリジオの皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)での生物製剤承認一部変更申請(sBLA) の優先審査の最終結果は、2018年6月4日に出る予定である。

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藤崎マーケット、新婚の田崎佑一が腎臓がんの手術を受けていた https://oncolo.jp/pick-up/news1242 https://oncolo.jp/pick-up/news1242 藤崎マーケット、新婚の田崎佑一が腎臓がんの手術を受けていた 2017-12-04UTC07:30:39+0000 お笑いコンビ「藤崎マーケット」の田崎佑一が、11月22日に腎臓がんの手術を受け、大阪市内の病院に入院していることが分かった。

続きを読む
http://www.huffingtonpost.jp/2017/11/30/fujisaki_a_23293578/

ニュース選定者:鳥井 大吾
引用元:ハフポスト
http://www.huffingtonpost.jp/

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白血病の再発・転移について https://oncolo.jp/cancer/leukemia-recurrence https://oncolo.jp/cancer/leukemia-recurrence 白血病の再発・転移について 2017-12-04UTC06:45:56+0000

目次

急性白血病の再発について

具体的な話の前に、総論的な説明をします。急性白血病では完全寛解後も微小残存病変(MRD)が存在していて、それが再び増殖してくることを再発と呼びます。寛解導入療法中や、終了後にも再発が起こる場合があります。

急性白血病の場合だと完全寛解後3~5年以内に起こることが多いです。再発した場合は、再発前に用いていた化学療法を行っても効果を期待できないので、以前とは異なる化学療法(救援療法/サルベージ療法)や、造血幹細胞移植を行うことが多いです。

ここからはそれぞれの疾患特異的に説明していきます。

急性骨髄性白血病が再発・転移した場合

急性骨髄性白血病が再発するケースは初回寛解導入療法によって一度寛解したのち、予後良好と判断されたため、もしくは予後中間・不良と判断されたが同種造血幹細胞移植のドナーがいないために地固め療法を行っていた場合に再発することがあります。

再発してしまったらまず再寛解導入療法を行います。この他、同種造血幹細胞移植も可能かどうか検討します。この時期の急性骨髄性白血病では患者さん個人にあった治療を検討していく必要があります。

また、急性骨髄性白血病のなかでも急性前骨髄球性白血病が再発した場合では、それまで用いていたオールトランス型レチノイン酸(ATRA)がそのまま用いることができたり、抗CD33抗体療法を行うことができたりする場合があります。

治療効果が認められない場合は緩和医療に切り替えるなど、患者さんに寄り添った医療を提供する必要があります。

次に転移についてですが、白血病には転移という概念と言うより浸潤という概念で理解したほうがよろしいかと思います。骨髄で白血病細胞がこれ以上増えるスペースがない!となった場合、本来血液細胞は骨髄や末梢血中にしかないわけですが、白血病細胞がリンパ節に腫瘍として出てきたり、中枢神経に浸潤して精神症状を呈したりします。

普通のがんでいうところの転移は他の臓器に飛んでそこでまた癌細胞として増殖していきますが、白血病では骨髄で増えたものが飽和して血液を介して全身に飛んで行って腫瘤を形成するイメージです。

急性リンパ性白血病が再発・転移した場合

成人の急性リンパ性白血病の再発例は一般に予後不良とされますが、再寛解導入療法を行った後に同種造血幹細胞移植が可能な場合は予後改善が期待できます。

また、再発は治療のどの段階においても発生しますが、発生した時期や前治療歴によって再寛解導入療法の内容を検討する必要があります。

例えば、AdVP療法(アドリアマイシン、ビンクリスチン、プレドニゾロン併用療法のことです)やHyper CVAD療法(シクロホスファミド+ビンクリスチン+ドキソルビシン+デキサメタゾンの併用療法)、ステロイド薬併用療法などが再発した急性リンパ性白血病に対する再寛解導入療法として治療成績が報告されていますので、これらを中心に検討します。

イマチニブに対して抵抗性を獲得しながら再発することもあるので、一般にフィラデルフィア染色体陽性の急性リンパ性白血病におけるイマチニブ継続中の再発例ではイマチニブをダサチニブに変更することが妥当であるとされます。

ダサチニブはイマチニブよりも新しい薬で、イマチニブの325倍、フィラデルフィア染色体への効果があるとされています。

また、転移についてですが、急性リンパ性白血病における転移は急性骨髄性白血病と同様に、臓器浸潤という形で考えられます。病態は同じなので急性骨髄性白血病の項をご覧ください。

慢性骨髄性白血病が再発・転移した場合

慢性骨髄性白血病においては、一度は治療によって、一度は寛解または治癒と判断されたのち、また白血病細胞が出現することを再発、再燃と呼びます。

慢性骨髄性白血病では当初、有効であった分子標的薬が治療効果を示さなくなったり、治療していたのにもかかわらず慢性期から移行期や急性転化期に移行してしまったりした場合に増悪とみなし、治療方針の再検討が行われます。

再発した慢性骨髄性白血病に対する治療としては、チロシンキナーゼ阻害剤を用いた分子標的療法、ドナー幹細胞移植、ドナー白血球輸注療法、生物学的療法(インターフェロン、新しいタイプか大量投与の標的療法とドナー幹細胞移植の臨床試験などです。

これらの治療も効果が得られない場合は、患者さんのQOL(Quality of life)を維持しながら病気と付き合っていくことを持奥表にした治療が行われます。

慢性リンパ性白血病が再発・転移した場合

慢性リンパ性白血病においては、一度は寛解あるいは治癒と判断されたのちに再び癌細胞が出現し、症状が現れるようになり、積極的な治療を行う必要が出てきたときに再発とみなします。

治療を開始していた慢性リンパ性白血病において、再発してしまったり治療抵抗性を示したりした場合には、一般には救援療法を行います。

救援療法とは今までに使用していない抗がん剤を組み合わせて治療を行うことで、慢性リンパ性白血病の場合「CHOP療法」や「Hyper- CVAD療法」、これらにリツキシマブという分子標的薬を追加した治療法などが良く用いられていますが、個人間でどの種類の薬を組み合わせるのかは異なってきます。

CHOP療法というのはB細胞由来の腫瘍(慢性リンパ性白血病は異常なB細胞が異常に増殖してしまう疾患です)に用いられる治療法で、3種類の抗がん剤(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン)に副腎皮質ホルモンであるプレドニゾロンを組み合わせた治療法です。

原則3週間ごとにCHOP療法は行われます。1日目は4剤すべてを使い(プレドニゾロンだけ内服であとは点滴)、2日目~5日目まではプレドニゾロンだけを内服し、6日目~Ⅱ1日目までは休薬します。

これを3週間1サイクルとして、何サイクル行うかは病気のタイプや進行度によって左右されます。

予測される副作用には食欲不振や嘔吐、便秘、手足のしびれや発熱、脱毛など自覚症状があるものと、骨髄抑制や肝機能低下、腎機能低下など自覚症状に乏しいものがあります。

Hyper-CVAD療法ではシクロホスファミド、ビンクリスチン、ドキソルビシン、デキサメタゾンの併用療法です。

脱毛や末梢神経障害、悪心・嘔吐・食欲不振、便秘などの自覚症状のあるものと、骨髄抑制や貧血、血小板減少など血液検査を行うことで分かる副作用があります。

これらは慢性リンパ性白血病の治療が終わったのちの定期的なフォローアップによって再発が認められた場合に行います。

出典
病気がみえる Vol.5 血液 第二版

http://ganjoho.jp/data/public/qa_links/brochure/odjrh3000000ul0l-att/133.pdf#search=%27%E6%85%A2%E6%80%A7%E9%AA%A8%E9%AB%84%E6%80%A7%E7%99%BD%E8%A1%80%E7%97%85+%E5%86%8D%E7%99%BA%27

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https://oncolo.jp/wp/wp-content/uploads/2017/10/gan_hakketu-300x153.jpg
慢性骨髄性白血病(CML)の治療 https://oncolo.jp/cancer/leukemia-cml-treatment https://oncolo.jp/cancer/leukemia-cml-treatment 慢性骨髄性白血病(CML)の治療 2017-12-04UTC06:44:56+0000

目次

慢性骨髄性白血病(CML)の標準治療

CMLの実際の治療法について説明していきます。

CMLの治療の目的は、フィラデルフィア染色体陽性白血病細胞のコントロール(=血液細胞の異常増殖を止めること)と、病気進行の回避にあります。

慢性期にはほとんど症状の無いCMLですが、進行して急性転化期になると致命的なことになることもありますので、無症状のうちから治療に当たり、進行を防ぐことが重要になってきます。

現在、CMLの患者さんに対する第一選択薬はイマチニブなどのチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)です。この他に、根本的にCMLを治す方法として造血幹細胞移植がありますが、TKIに比べて毒性が高く、早期死亡のリスクがあるので、患者さんの年齢や全身状況などを考慮したうえで移植を行うか否かを決定します。

基本的な治療アルゴリズムを以下に示します。

この際の治療効果は、血液所見、フィラデルフィア染色体の残存率、BCR-ABLの残存率など複合的な因子で決定します。TKIによって、BCR-ABLの働きを封じ込めることに成功しても、TKIを中止すると多くの症例が再発することが分かっています。ですので、現時点においてはまだ寛解後もTKIの治療を継続すべきであるとしています。

慢性骨髄性白血病(CML)の薬物治療について

CMLの第一選択として用いられているチロシンキナーゼ阻害薬TKIについて説明します。

TKIにはいくつかの種類があります。以下に示します。

以上の表に示したTKIが比較的よく使われているものです。

この中から代表して第一選択薬であるイマチニブの作用機序を説明します。

イマチニブはBCR-ABLチロシンキナーゼのATP結合部位(ATPは細胞内で何かするときに必要になるエネルギーのようなものです)に競合的に結合します。

つまり本来ATPに結合してもらうことでエネルギーを得て、活性を得るBCR-ABLチロシンキナーゼのエネルギーをなくしてしまうということです。エネルギーがなくなったBCR-ABLチロシンキナーゼは活性を失い、細胞を増殖させる働きが弱まると言う訳です。

また、BCR-ABLチロシンキナーゼというのはフィラデルフィア染色体がある細胞にしか発言していない異常なものですので、正常な細胞に対してイマチニブは何の効果もありません。ですから、イマチニブは比較的副作用が少ないのです。

また、イマチニブの単独療法で血液所見は97%の患者さんで寛解させることができ、フィラデルフィア染色体陽性細胞は82%の症例で消失、5年生存率は95%に達することが現段階での研究で知られており、非常に効果がある治療法であると言えます。

ただ、イマチニブは薬価が高く、先発医薬品に比べて廉価といわれるジェネリック医薬品(後発医薬品)でも1日当たり4000円以上の負担になってしまいます。経済的な理由で服薬を自己中断してしまうケースもあります。

自己中断するとその多くは再発、進行してしまうのでいかに患者さんに正しく飲んでもらうかも重要なポイントです。

薬物療法の副作用

【イマチニブ】
イマチニブの副作用で最も多いのが皮疹です。そのほか、体液貯留や肝障害、関節痛や筋肉の痛みなどが出る場合があります。ですが致命的な副作用は少なく、体液貯留などは利尿薬などを同時に服用することによってある程度改善が見込め、イマチニブによる治療を続けることが可能になっています。

ただし、イマチニブはあくまでも対症療法であり、根治を目指す治療ではありません。あくまでも慢性期にとどめることで生存率を挙げることを目標にしたものです。

【ニロチニブ】
ニロチニブの副作用はQT延長(不整脈)や血糖値の上昇や虚血性心疾患(心筋梗塞や狭心症などです)が低確率(不整脈は2.5%、高血糖は7.5%、心筋梗塞は1.2%、狭心症は1.4%)ではありますが起こり得ます。

不整脈に関しては心電図検査を行うなどして対応します。高血糖に関しては観察を十分行い、異常が認められたら適切な対応をします。虚血性心疾患にかんしても、異常や兆候が認められたら速やかに検査を行います。

イマチニブと比較してABLへの親和性も高く、効果も期待できますがそれ以外の副作用が少し多めです。

【ダサチニブ】
ダサチニブの副作用は出血傾向が他のTKIと比べて得意的です。脳出血や硬膜下出血(0.8%)、消化管出血(3.3%)が見られることがありますので、定期的な血液検査を実施します。また、頭痛、咳嗽、下痢や悪心、発疹なども見られます。

【ボスチニブ】
ボスチニブの副作用として重大なものは、肝機能障害や重度の下痢、骨髄抑制、体液貯留、心障害、易感染性などです。肝機能障害は60.3%に見られます。重度の下痢は12.7%にみられ、体液貯留は9.5%、心障害は6.3%です。

これらの副作用に注意するために観察を十分に行い、異常が見られた場合休薬、減量または中止します。

この他にも、日々新しい薬が開発されています。

慢性骨髄性白血病(CML)の化学療法

イマチニブの登場によってCMLに対して化学療法(抗がん剤治療)を行うことは少なってきましたが、以前はインターフェロンαやブスルファン(アルキル化薬)などが良く用いられていました。今でも一部用いられることもあります。

インターフェロンαは白血病細胞を直接破壊する作用と、免疫系の働きを強める作用があります。副作用には発熱や悪寒、頭痛などの症状に加えて骨髄抑制や貧血、脱毛、下血なども見られます。

慢性骨髄性白血病に対する同種造血幹細胞移植について

一般に慢性骨髄性白血病(CML)に対してはイマチニブでの治療を目指しますが、イマチニブの効果が不十分な(フィラデルフィア染色体が消失しない)場合は、同種造血幹細胞移植の適応となります。

同種造血幹細胞移植では、まず前処置をします。移植を行う前に、CML患者さんに対して大量の化学療法、もしくは全身放射線照射の組み合わせによって、体内の白血病細胞を残存する正常の血液細胞もろとも死滅させます。

この前処置を行うことによって、白血病細胞を死滅させると同時に移植した正常な免疫機能を持った血液細胞が働きやすい土壌を作ります(もともとの免疫機能が働いていると拒絶反応が起きます)。その後、骨髄移植や末梢血幹細胞移植などを行います。

化学療法、放射線照射でも白血病細胞は完全には死滅しないですが、移植した正常な免疫機能を持つリンパ球によって攻撃され、やがて治癒することを目標にしています。

移植に際して、白血球の型(HLA)がドナーとレシピエントで一致している必要があります。HLAは兄弟姉妹間であれば4分の1の確率で一致しているので、兄弟姉妹に同じHLAを持っている人がいる場合が同種造血幹細胞移植のいい適応になります。

兄弟姉妹間にいない場合はドナーを探すことになります。血縁など全く関係のない人同士では数百~数万分の1での確率で一致するので、骨髄バンクなどを利用することになります。現在、日本では26万人の方が骨髄バンクにドナー登録しています。

同種造血幹細胞移植の有効性について

まだ慢性期にとどまっている慢性骨髄性白血病(CML)の患者さんや、病気の状態がいい患者さんの場合、移植によって50~60%が治癒しますが、30~40%の患者さんは白血病が再発し、20%の患者さんでは移植に伴う合併症などで1年以内に亡くなっているというデータがあります。

また、移行期や急性転化期など、病気の状態の良くない患者さんの場合だと移植後も治癒するケースが減少している傾向にあります。

同種造血幹細胞移植の副作用

同種造血幹細胞移植では、前処置に抗がん剤を用いることによる副作用を無視できません。通常の化学療法よりもかなりひどい吐き気や嘔吐、口内炎や下痢など、様々な副作用が生じます。

加えて、移植後にドナー由来のリンパ球がレシピエントの臓器に障害を与えたり、移植してすぐにはちゃんと存在して機能していたリンパ球がしばらくして消えたりする(生着不全)などのリスクもあります。

これらの副作用は何年にもわたって継続することもあり、これらのことからもCMLの患者さんに対しては慎重に治療法を選択必要があります。

同種造血幹細胞移植前の管理について

次に移植前の感染管理についてです。移植に伴う合併症をなるべく少なくするために、移植の前に虫歯などの感染源となるものを治しておく必要があります。

虫歯が原因で移植後、亡くなった方もいらっしゃるので、これくらい、と楽観することは出来ません。また、患者さん自身には手洗いうがいを徹底してもらうなど、最大限感染のリスクを低くします。

それでも万が一感染症を発症した場合には速やかに強力な抗生物質などで鎮静させます。

ミニ移植について

最後に「ミニ移植」と呼ばれる同種造血幹細胞移植法を紹介します。

ここまでで紹介してきた幹細胞移植ですと、大量化学療法、放射線照射が前提にあるので、高齢者や臓器機能がもともと低下している患者さんにおいては、死亡率が上昇してしまうことが問題視されていました。

このような、造血幹細胞移植の適応ではあるけれど、移植したら死亡率が高い人たちのために考案されたのがこのミニ移植です。ミニという名称になったのは前処置の際に用いる化学療法の強さです。

ミニ移植では骨髄抑制や殺細胞効果の低い前処置を行います。具体的な薬剤名を挙げると、フルダラビンやブスルファンなどを用います。ですがこれらの抗がん剤では白血病細胞をはじめとする骨髄の血液細胞は完全には死滅しません。

ですので、移植後、ドナーの血液細胞とレシピエントの血液細胞が混ざりあう訳です。自己免疫が問題になりそうですが、抗がん剤によって、また、CMLによって弱っているレシピエント側の血液細胞はドナーの血液細胞の免疫によって淘汰され、最終的には100%がドナー側の血液細胞になります。

なお、一回の移植でドナー側の免疫が勝ち切れなかった場合は追加で末梢血よりドナーのリンパ球を輸注することがあります。

ただ、副作用などの問題は決してミニではありません。ミニ移植はいまだ研究段階にすぎず、発展途上の治療法です。

出典
病気がみえる Vol.5 血液 第二版

http://www.med.osaka-cu.ac.jp/labmed/CMLHSCT.pdf#search=%27%E6%85%A2%E6%80%A7%E9%AA%A8%E9%AB%84%E6%80%A7%E7%99%BD%E8%A1%80%E7%97%85+%E5%90%8C%E7%A8%AE%E9%80%A0%E8%A1%80%E5%B9%B9%E7%B4%B0%E8%83%9E%E7%A7%BB%E6%A4%8D%27

http://ganjoho.jp/public/dia_tre/treatment/HSCI/mini_transplant.html

http://www.esmo.org/content/download/86945/1603666/file/ESMO-ACF-CML-Guide-for-PatientsJapanese.pdf#search=%27%E6%85%A2%E6%80%A7%E9%AA%A8%E9%AB%84%E6%80%A7%E7%99%BD%E8%A1%80%E7%97%85+%E5%9C%http://ganjoho.jp/public/cancer/CML/B0%E5%9F%9F%27

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慢性骨髄性白血病(CML)とは https://oncolo.jp/cancer/leukemia-cml-about https://oncolo.jp/cancer/leukemia-cml-about 慢性骨髄性白血病(CML)とは 2017-12-04UTC06:42:24+0000

目次

慢性骨髄性白血病(CML)とは

血液は血小板、赤血球、白血球などの血液細胞と呼ばれる細胞によって構成されています。これらの細胞たちは、全て骨中心にある骨髄の中で生まれる「造血幹細胞」からできます。

幹細胞はまだプロフェッショナルな役割を持っていない未熟な細胞で、まだどの細胞にもなれる可能性を有している細胞です。造血幹細胞は骨髄の中で増殖していきますが、まだ何も役割を持たない造血幹細胞ばかりが増えても生体にはなんらメリットがありません。

そのため、生体は造血幹細胞に役割を与えます。このことを医学的には「分化」と言います。造血幹細胞はまず①骨髄系幹細胞 ②リンパ系幹細胞に分化し、それぞれさらに①-1赤血球、①-2血小板、①-3骨髄芽球、①-4単球、
②-1リンパ球、と分化していきます。

これがどう白血病と関係しているのかというと、白血病の分類はどの細胞がどの成長段階で、どういったパターン・速度で増殖するのかをもとにして分類しています。慢性骨髄性白血病では骨髄性の細胞(①-③骨髄芽球)が異常に増殖します。

急性骨髄性白血病との違いは増える細胞が分化しているかしていないかの違いです。急性骨髄性白血病では幼弱な芽球が大量に増殖しますが慢性骨髄性白血病では幼弱な芽球から成熟顆粒球までまんべんなく増えます(最も増殖するのは成熟顆粒球です)。以下のグラフのようになります。

慢性骨髄性白血病(CML)の症状

CMLの症状は進行性で、慢性期→移行期→急性転化期と段階的に悪性度が進行します。一般的には、症状がない慢性期でCMLと診断されることが多いです。好発年齢は50~60歳代で、慢性期に診断が付けられずに治療を受けられないでいると、3~5年程度で移行期や急性転化期へと移行していきます。

I.慢性期の症状
  
・最初期は無症状
・進行に伴い微熱や全身倦怠感、体重減少
・白血病細胞の浸潤に伴う肝脾腫、腹部膨満感

II.移行期の症状

・肝脾腫の増悪
・発熱、体重減少
・骨痛
・イマチニブ等治療薬への抵抗性を増す

III.急性転化期の症状
 
・貧血
・出血傾向
・易感染性

多くは急性転化期の前に移行期をたどりますが、慢性期から移行期を飛び越えて急性転化期になることもあります。急性転化期では、急性白血病と似たような症状を呈することが知られています。慢性期や移行期から急性転化期に移行させないことがCMLの治療の際に大事になってきます。

慢性骨髄性白血病(CML)の原因

CMLの多くは染色体異常によって発症することが知られています(CMLの患者さんの95%以上に染色体異常があることが知られています)。

まず人の染色体について説明致します。染色体は2本1組で22組ある常染色体と、2本1組で1組しか存在しない性染色体があります。つまり人には46本染色体があります。長い染色体から1番、2番・・・と番号が振られ、22番まであり、性染色体はまた別の数え方をします。

CMLでは、この染色体のうちで9番と22番の染色体に異常が生じます。何かしらの拍子で9番と22番染色体の一部がそれぞれ切れて、9番の切れ端が22番へ、22番の切れ端が9番へと間違ってくっついて、染色体として出来上がってしまいます(このことを転座といいます)。

すると、ありえない形の染色体が2組出来上がることになります。

ありえない形の2組の染色体の中で、もともとは9番染色体にあるはずの「ABL」という遺伝子と、22番染色体にあるはずの「BCR」という遺伝子が一つの染色体上に存在する染色体がCMLでは出来上がります。

本来2本の染色体にそれぞれあったはずの遺伝子が、合体して、1本の染色体上に存在するわけです。これが有名な「フィラデルフィア染色体」というものです。

フィラデルフィア染色体の上にはBCR-ABL融合遺伝子が存在しており、この遺伝子からできる産物は細胞をどんどん増やそうとする働きを持っています(このことを高いチロシンキナーゼ活性を持っている、と専門的に言います。チロシンキナーゼ活性とは細胞分裂を促進させて細胞を増やす働きと理解してください)。

ざっくりいうと、転座して融合した遺伝子の組み合わせが、細胞を増やす働きを持っていたばっかりに細胞が腫瘍性に増殖し、体に害をなしているのです。

http://ganclass.jp/kind/cml/cause/cause.php

慢性骨髄性白血病(CML)の病期

CMLの病期は先ほど症状のところでも述べた通り、慢性期→移行期→急性転化期と進行していきます。

慢性期において、骨髄ではフィラデルフィア染色体由来のチロシンキナーゼ活性によってすべての成熟段階の血液細胞たちが増殖しています。

急性白血病とは異なり、それらは全てちゃんと分化することができるのですが、骨髄で細胞が増えすぎるばっかりに末梢血の方へ未熟な細胞(芽球と言います)のまま出てくることがCMLでは知られています。

慢性期における末梢血の芽球の割合は10%未満と定義づけられています(正常では芽球が末梢血に出てくることはありません)。

移行期を経て、急性転化期になると未熟な芽球の割合が高くなります。末梢血や骨髄での芽球の割合が20%以上になった場合を急性転化期と呼んでいます。

さて、ではなぜ急性転化期では未熟な芽球の割合が増えるのでしょうか。

CMLが進行していくと、フィラデルフィア染色体以外にも様々な染色体異常が付加的に起きていくことが知られています。その中で、偶発的に造血幹細胞の分化能を担う染色体に異常が生じ、分化ができなくなるからCMLが進行すると、より未熟な芽球が増加するのです。

さて、以下にWHOが分類した正式なCMLの病期分類を載せます。

慢性骨髄性白血病(CML)の疫学

日本においてCMLと新たに診断される人数は、1年間に100万に当たり7~10人だそうです(国立がん研究センター 慢性骨髄性白血病 より引用)。発症が多いのは50~60代で、男性にやや多いです。

成人の白血病の20%程度を占めていると言われています。小児にCMLを発症するのは稀です。地域差などは特に認められていません。

慢性骨髄性白血病(CML)の5年生存率

CMLの予後は患者さん個人の状況を良く観察したうえで予測されます。今はイマチニブというチロシンキナーゼ受容体阻害薬が開発されたことで、慢性期のCMLの場合85%は急性転化することなく長期生存することができるようになったと言われています(イマチニブ開発前は通常4年程度で急性転化し、死亡していました)。

不運なことに、イマチニブが効かないタイプのCMLもありますが、第二世代のニロチニブやダサチニブのような薬も開発が進んでおり、これにさらにインターフェロン療法や造血幹細胞移植を行うことで90%以上が長期生存することができる時代になりました。

出典
病気がみえる Vol.5 血液 第二版

http://www.esmo.org/content/download/86945/1603666/file/ESMO-ACF-CML-Guide-for-PatientsJapanese.pdf#search=%27%E6%85%A2%E6%80%A7%E9%AA%A8%E9%AB%84%E6%80%A7%E7%99%BD%E8%A1%80%E7%97%85+%E5%9C%B0%E5%9F%9F%27

http://ganclass.jp/kind/cml/cause/

http://ganclass.jp/kind/cml/cause/condition.php

http://www.jalsg.jp/leukemia/chronic_myeloid.html

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慢性リンパ性白血病の治療 https://oncolo.jp/cancer/leukemia-chronic_lymphocytic_leukemia-treatment https://oncolo.jp/cancer/leukemia-chronic_lymphocytic_leukemia-treatment 慢性リンパ性白血病の治療 2017-12-04UTC06:41:54+0000

目次

慢性リンパ性白血病の標準治療

慢性リンパ性白血病は慢性に進行していく疾患で、Rai分類やBinet分類にも挙げた通り病期によって生存期間に幅が生じる疾患です。と同時に完全に治癒することが難しい疾患でもあります。

ですので、治療の方針としましては(一部の若年者例を除いて)なるべく低リスクの状態を維持することで長期生存の可能性を上げる、という方針になります。

慢性リンパ性白血病の患者さんは高齢者の方が多いので、症状緩和やコントロールが治療の目的になります。

以下に個人のタイプ別の治療方針をまとめますが、「活動性」という言葉の定義について先に説明します。

これらの病態を認めた場合に活動性がある慢性リンパ性白血病である、といいます。

慢性リンパ性白血病の治療アルゴリズム

①無症候または早期の慢性リンパ性白血病(活動性の無いRai分類の低・中リスクと判定されたもの or 活動性の無いBinet分類のA・B期と判定されたもの)

 →治療を開始しても生存期間の延長に寄与しないため経過観察が推奨されています。むしろ早期に多剤併用療法を行うことで二次的に発癌する可能性もあるため推奨されていません

②活動性兆候が見られたり、進行期(活動性のあるRai分類の低・中リスクと判定されたもの or 活動性のあるBinet分類A・B期と判定されたもの)になったりした場合において、多剤併用療法や免疫化学療法がその患者さんに用いることができるか判定したうえで可能であると判定されたもの

 →フルダラビン(FLU)とシクロホスファミド(CPA)を併用したFC療法というものを行います

フルダラビンは代謝拮抗薬に分類される抗がん剤で、癌細胞が増えていく段階で必要とする酵素の働きを阻害してあげることで癌細胞が増殖できなくします。

シクロホスファミドはアルキル化薬に分類される抗がん剤で、細胞が増えていく段階で、自分のDNAという遺伝情報を複製する必要があるのですが、この段階で複製に必要な核酸という物質の合成を阻害することで癌細胞を死滅させる効果があります。FC療法ではこの両者の効果を期待して投薬します。

②-2上記②で併用療法が可能であると判断されたうち、17番染色体の短腕(染色体は短い方と長い方のセットになっていて、今回の場合は短い方において)に欠失が生じている場合(予後不良な染色体異常を保有している場合)

 →FC療法を行っても予後不良であることが分かっているため、同種幹細胞移植を検討します。移植が可能であれば同種幹細胞移植の適応。

不可能であればアレムツズマブ(分子標的薬で慢性リンパ性白血病でなどの免疫細胞上に発現している受容体に対する特異的な薬です)やBSC(Best Supportive Care)という緩和医療、経過観察も視野に入れます。

同種幹細胞移植の不可能例を難治性慢性リンパ性白血病とも言います。

②-3上記②で併用療法を行ったが、再発、もしくは治療に対して抵抗性を示した場合

 →救援療法を行います。救援療法によって部分奏功まで達しなかった患者さんにおいては、BSCや緩和療法に移行します。救援療法によって部分奏功、もしくは完全奏功に達することができた患者さんに対しては続いて同種幹細胞移植の適応となります。

③多剤併用療法が不可能であった場合
 →アレムツズマブ単独療法、フルダラビン単独療法、シクロホスファミド単独療法、減量FC療法など、標準の慢性リンパ性白血病では用いることの無いアルキル化剤や原料多剤併用化学療法を考慮します。

④自己免疫性溶血性貧血を合併した場合
 →プレドニゾロンというステロイド薬の適応になります。慢性リンパ性白血病に自己免疫性溶血性貧血を合併したもの以外に、慢性腎不全や膠原病などの時にも用いるお薬です。

慢性リンパ性白血病ではその人のステージや染色体異常の有無、治療抵抗性を示すか否かなど複合的な要因を考慮したうえでの治療が選択されています。

慢性リンパ性白血病の化学療法

先ほどの標準療法の項でも述べましたが、慢性リンパ性白血病ではFC療法(フルダラビンとシクロホスファミド)が最も一般的です。

ですがこの他にも、ベンダムスチン(抗がん剤の一つで、アルキル化作用によって癌細胞のDNAに損傷を与えたり、アポトーシス(細胞が計画的に自殺すること)を誘導したりすることで抗腫瘍効果を示す薬です)やリツキシマブと呼ばれる分子標的薬(B細胞を特異的に消失させるお薬です)なども用いられることがあります。

慢性リンパ性白血病の同種幹細胞移植

同種幹細胞移植は、慢性リンパ性白血病の治療法として推奨はされていませんが、予後不良となる染色体異常を持っている場合や、救援療法によって部分奏功、完全奏功に達することができた場合など、ケースバイケースで長期予後を改善する治療法として考慮されます。

標準的な治療法としては現在用いられていません。

以上の慢性リンパ性白血病の治療アルゴリズムを大まかにまとめると、

経過観察→注意深い経過観察→治療開始

という流れで、それぞれの病期ごとに、経過観察にするのか、治療を開始するのかを決定します。慢性リンパ性白血病であることが確定しても、すぐには治療を開始しないところが他の臓器のがんとは少し違うところです。

出典
病気がみえる Vol.5 血液 第二版

http://www.jshem.or.jp/gui-hemali/1_5.html

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https://oncolo.jp/wp/wp-content/uploads/2017/10/gan_hakketu-300x153.jpg
2人に1人がかかるがん、最新治療を医師が解説 https://oncolo.jp/pick-up/news1241 https://oncolo.jp/pick-up/news1241 2人に1人がかかるがん、最新治療を医師が解説 2017-12-04UTC05:30:58+0000 今回は、最新のがん治療の流れ、中でも新しく登場した「免疫療法」という治療法について解説したいと思います。なるべく専門用語を使わずにお話ししましょう。

続きを読む
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/16/011000038/112800022/?P=1

ニュース選定者:滝澤 宏隆
引用元:日経ビジネスオンライン
http://business.nikkeibp.co.jp/

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「スマホで執筆。書くモチベーションは今の方が高い」 難治がんと闘い、それでも書くことをやめない新聞記者 https://oncolo.jp/pick-up/news1240 https://oncolo.jp/pick-up/news1240 「スマホで執筆。書くモチベーションは今の方が高い」 難治がんと闘い、それでも書くことをやめない新聞記者 2017-12-04UTC03:31:52+0000 日本人の”国民病”と言っても過言ではない、がん。今や2人に1人が罹り、3人に1人が命を落とすと言われている。中でも完治の見込みが少ない「難治がん」と診断されながらも、書くことを諦めない新聞記者がいる。

続きを読む
http://www.huffingtonpost.jp/abematimes/news-writer-cancer_a_23291123/

ニュース選定者:滝澤 宏隆
引用元:ハフポスト
http://www.huffingtonpost.jp/

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https://oncolo.jp/wp/wp-content/uploads/2017/05/ebb0ec38c18399d424d38225d50022dd-300x153.jpg
有効性 https://oncolo.jp/dictionary/%e6%9c%89%e5%8a%b9%e6%80%a7 https://oncolo.jp/dictionary/%e6%9c%89%e5%8a%b9%e6%80%a7 有効性 2017-12-04UTC03:10:06+0000 有効性とは、効果があることです。よって、臨床試験(治験)や臨床研究などで「●●の有効性を確認する」と記載があった場合は、●●という薬剤等の効果を確認することを目的とした試験であることを意味します。

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薬物動態 https://oncolo.jp/dictionary/%e8%96%ac%e7%89%a9%e5%8b%95%e6%85%8b https://oncolo.jp/dictionary/%e8%96%ac%e7%89%a9%e5%8b%95%e6%85%8b 薬物動態 2017-12-04UTC03:04:02+0000 薬物動態とは、薬が体の中に入ってから排泄されるまでの変化の過程をいいます。吸収(Absorption)、分布(Distribution)、代謝(Metabolism)、排泄(Excretion)の4つの過程からなり、それらの頭文字をとってADMEと略されます。飲み薬の場合、飲んだ薬は胃を通り、小腸から吸収され、全身に分布されます。その後、肝臓などで代謝され、腎臓から尿中に排泄されます。薬物動態は、薬によってそれぞれ異なり、年齢、人種等の個人差、他の薬の服用に影響を受けることがあるため、薬がどのような体内動態を示すかを調べることは、薬の開発に重要なことです。

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門脈 https://oncolo.jp/dictionary/%e9%96%80%e8%84%88 https://oncolo.jp/dictionary/%e9%96%80%e8%84%88 門脈 2017-12-04UTC02:58:29+0000 門脈とは胃、腸管、膵臓、脾臓から集めた血液を肝臓に運ぶ静脈のことです。肝門脈とも呼び、肝臓に流入する血液の70%から80%は門脈を介して流入します。特に重要となるが、胃や腸管から吸収した栄養の送り込みです。胃や腸管から吸収された栄養は直接体中の血管(大動脈や大静脈)に入るのではなく、門脈を通り肝臓に運ばれます。肝臓に運ばれた栄養は、分解・合成された後に貯蓄されて、必要な時に体中に送り込まれます。

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非治癒切除 https://oncolo.jp/dictionary/%e9%9d%9e%e6%b2%bb%e7%99%92%e5%88%87%e9%99%a4 https://oncolo.jp/dictionary/%e9%9d%9e%e6%b2%bb%e7%99%92%e5%88%87%e9%99%a4 非治癒切除 2017-12-04UTC02:56:17+0000 非完全切除とは、手術にて腫瘍が完全にとり切れなかったことです。肉眼でとり切れなかった場合の他、顕微鏡で確認しても腫瘍が残っていた場合のこともいいます。肉眼でも腫瘍が残存していることがわかる場合をR2(あーるつー)切除といい、顕微鏡で切断面を確認した場合に腫瘍が認められなかった場合や洗浄細胞(手術時に洗浄した液体の中の細胞)に腫瘍細胞が認められた場合をR1(あーるわん)切除といいます。

一方、完全に腫瘍を取り除いたということを完全切除やR0(あーるぜろ)切除といいます。

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医薬品医療機器等法 https://oncolo.jp/dictionary/%e5%8c%bb%e8%96%ac%e5%93%81%e5%8c%bb%e7%99%82%e6%a9%9f%e5%99%a8%e7%ad%89%e6%b3%95 https://oncolo.jp/dictionary/%e5%8c%bb%e8%96%ac%e5%93%81%e5%8c%bb%e7%99%82%e6%a9%9f%e5%99%a8%e7%ad%89%e6%b3%95 医薬品医療機器等法 2017-12-04UTC02:52:30+0000 医薬品医療機器等法とは、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器及び再生医療等製品に関わる法律のことです。略して「薬機法」ともいいます。

これらの品質、有効性及び安全性の確保並びにこれらの使用による保健衛生上の危害の発生及び拡大の防止のために必要な規制を行うとともに、指定薬物の規制に関する措置を講ずるほか、医療上特にその必要性が高い医薬品、医療機器及び再生医療等製品の研究開発の促進のために必要な措置を講ずることにより、保健衛生の向上を図ることを目的とする法律のことを指します。

正式名称は「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」といい、元の呼称は「薬事法」となります。

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薬機法 https://oncolo.jp/dictionary/%e8%96%ac%e6%a9%9f%e6%b3%95 https://oncolo.jp/dictionary/%e8%96%ac%e6%a9%9f%e6%b3%95 薬機法 2017-12-04UTC02:51:14+0000 薬機法とは、「医薬品医療機器等法」の略称となります。

医薬品医療機器等法とは、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器及び再生医療等製品に関わる法律のことです。

これらの品質、有効性及び安全性の確保並びにこれらの使用による保健衛生上の危害の発生及び拡大の防止のために必要な規制を行うとともに、指定薬物の規制に関する措置を講ずるほか、医療上特にその必要性が高い医薬品、医療機器及び再生医療等製品の研究開発の促進のために必要な措置を講ずることにより、保健衛生の向上を図ることを目的とする法律のことを指します。

正式名称は「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」といい、元の呼称は「薬事法」となります。

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発症リスク https://oncolo.jp/dictionary/%e7%99%ba%e7%97%87%e3%83%aa%e3%82%b9%e3%82%af https://oncolo.jp/dictionary/%e7%99%ba%e7%97%87%e3%83%aa%e3%82%b9%e3%82%af 発症リスク 2017-12-04UTC02:49:26+0000 発症リスクとはその疾病に罹る危険性が高いと考えられる生活習慣などの因子ことである。例えばアルコールの過剰摂取や喫煙、または肥満などの生活習慣や生活環境などはがんの発症リスクを高めると考えられています。また年齢やがんの家族歴などもがんの発症リスクであるとも言われています。

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パクリタキセル https://oncolo.jp/dictionary/%e3%83%91%e3%82%af%e3%83%aa%e3%82%bf%e3%82%ad%e3%82%bb%e3%83%ab https://oncolo.jp/dictionary/%e3%83%91%e3%82%af%e3%83%aa%e3%82%bf%e3%82%ad%e3%82%bb%e3%83%ab パクリタキセル 2017-12-04UTC02:46:23+0000 パクリタキセルとはがん化学療法に用いられる抗がん剤です。太平洋イチイという樹木の樹皮から抽出された成分から精製された薬剤で、がん細胞が増殖するための分裂が完了するのを阻害することで、抗腫瘍効果を発揮する、殺細胞型抗悪性腫瘍剤と呼ばれる抗がん剤です。1997年に発売された「タキソール」やアルブミンとパクリタキセルと結合させた「アブラキサン」などが、卵巣癌、非小細胞肺癌、乳癌、胃癌、子宮体癌、頭頸部癌、食道癌、血管肉腫、子宮頸癌、胚細胞腫瘍(精巣腫瘍、卵巣腫瘍、性腺外腫瘍)、膵癌など多くのがんの治療に用いられています。

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ネオアジュバント https://oncolo.jp/dictionary/%e3%83%8d%e3%82%aa%e3%82%a2%e3%82%b8%e3%83%a5%e3%83%90%e3%83%b3%e3%83%88 https://oncolo.jp/dictionary/%e3%83%8d%e3%82%aa%e3%82%a2%e3%82%b8%e3%83%a5%e3%83%90%e3%83%b3%e3%83%88 ネオアジュバント 2017-12-04UTC02:05:36+0000 ネオアジュバントとは手術の前の補助療法という意味で、主に手術の前に抗がん剤による治療を先行することを指し、「術前化学療法」または「ネオアジュバント化学療法(NAC;neoadjuvant chemotherapy)」といいます。薬物療法により、がん病巣のダウンステージングで手術切除をより容易にするとともに、微小転移のリスクを根絶して、治癒率の向上が期待されています。
ただし、薬物療法が奏功しなかった場合、がん病巣の成長により手術切除が不可能となったり、微小転移の可能性が高まるリスクもあります。
臨床的に術前化学療法の有効性が認められているがん腫には、食道がん、膀胱がん、乳がん、喉頭がん、骨肉腫、胚細胞腫瘍、小児固形癌などがあります。

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リニアック https://oncolo.jp/dictionary/%e3%83%aa%e3%83%8b%e3%82%a2%e3%83%83%e3%82%af https://oncolo.jp/dictionary/%e3%83%aa%e3%83%8b%e3%82%a2%e3%83%83%e3%82%af リニアック 2017-12-04UTC01:59:39+0000 がんのかたまりとその周囲のがん細胞を死滅させるため、体外から皮膚を通して放射線を照射する外部放射線治療を行う装置で、がんの治療に必要な高エネルギーのX線や電子線を発生させます。

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ラルス https://oncolo.jp/dictionary/%e3%83%a9%e3%83%ab%e3%82%b9 https://oncolo.jp/dictionary/%e3%83%a9%e3%83%ab%e3%82%b9 ラルス 2017-12-04UTC01:56:18+0000 Remote After Loading System(遠隔操作密封小線源治療)の頭文字を取ったもの。
ラルスとは体の中から放射線を照射(内部照射)する治療のこと。
ラルスは、主に、子宮・気管支・胆道・食道・直腸などの管腔臓器に発生した腫瘍に対して行われる。

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術後ハーセプチン療法後HER2陽性乳がんに対するHer1, Her2, Her4阻害薬ネラチニブを1年間追加投与することで5年無浸潤疾患生存率が改善 https://oncolo.jp/news/171204y02 https://oncolo.jp/news/171204y02 術後ハーセプチン療法後HER2陽性乳がんに対するHer1, Her2, Her4阻害薬ネラチニブを1年間追加投与することで5年無浸潤疾患生存率が改善 2017-12-04UTC01:47:57+0000 2017年11月13日、術後トラスツズマブ(商品名ハーセプチン)療法後のHER2陽性乳がん患者に対するHER1、HER2、HER4を不可逆的に阻害する経口のチロシンキナーゼ阻害薬であるネラチニブ(商品名Nerlynx)単剤療法の有効性を検証した第III相のExteNET試験(NCT00878709)の5年間解析結果が医学誌『The Lancet Oncology』にて公開された。

ExteNET試験とは、術後ハーセプチン療法後の再発転移を認めないHER2陽性乳がん患者(N=2840人)に対してNerlynx240mgを1年間投与する群(N=1420人)、プラセボを1年間投与する群(N=1420人)に無作為に1:1の割合で振り分け、主要評価項目である無浸潤疾患生存期間(iDFS)を比較検証した国際多施設共同二重盲検下の第III相試験である。なお本論文公開以前に2年無浸潤疾患生存(iDFS)の結果が既に公開されており、プラセボ群よりもNerlynx群で改善する結果が得られている。

本試験のフォローアップ期間中央値5.2年間における5年無浸潤疾患生存(iDFS)イベント数は、Nerlynx群116人に対してプラセボ群163人(ハザード比0.73,95%信頼区間:0.57-0.92,P=.0083) 、5年無浸潤疾患生存率(iDFS)はNerlynx群90.2%に対してプラセボ群87.7%、以上の結果よりNerlynx群で統計学的有意に5年無浸潤疾患生存(iDFS)が改善することが証明された。

一方の安全生としては、最も一般的なグレード3の有害事象(AE)としては下痢、嘔吐、吐気が確認されNerlynx群、プラセボ群における発症率はそれぞれ下痢40%(N=561人)、2%(N=23人)、嘔吐3%(N=47人)、1%未満(N=5人)、吐気2%(N=26人)、1%未満(N=2人)であった。また、重篤な有害事象(AE)としてはNerlynx群で7%(N=103人)、プラセボ群で6%(N=85人)の患者で確認された。なお、Nerlynxを長期投与することで下痢の発症率が増加する明確な科学的根拠は現時点で確認されていない。

本試験の5年解析の有効性、安全性の結果を受けて、治験代表医師は以下のように述べている。”術後ハーセプチン療法後にNerlynx単剤療法を1年間追加投与することで、死亡する確率を上昇させる再発率を統計学的有意に改善することが分かりました。さらに、長期に渡ってNerlynx単剤療法を投与することで副作用が増加するリスクもありません。なお、全生存期間(OS)の解析結果はイベント数が248人に到達した時点で実施する予定です。”

Neratinib after trastuzumab-based adjuvant therapy in HER2-positive breast cancer (ExteNET): 5-year analysis of a randomised, double-blind, placebo-controlled, phase 3 trial(Lancet Oncol, Published: 13 November 2017)

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NAC https://oncolo.jp/dictionary/nac https://oncolo.jp/dictionary/nac NAC 2017-12-04UTC01:47:48+0000 NACとは、ネオアジュバント(術前化学療法)の略となり、手術の前の補助療法という意味で、主に手術の前に抗がん剤による治療を行う事です。薬物療法により、がん病巣のダウンステージングで手術切除をより容易にするとともに、微小転移のリスクを根絶して、治癒率の向上が期待されています。
ただし、薬物療法が奏功しなかった場合、がん病巣の成長により手術切除が不可能となったり、微小転移の可能性が高まるリスクもあります。

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太っているがん患者は痩せているがん患者よりも予後が悪い理由が明らかになる https://oncolo.jp/news/171204y01 https://oncolo.jp/news/171204y01 太っているがん患者は痩せているがん患者よりも予後が悪い理由が明らかになる 2017-12-04UTC01:27:19+0000 ※本記事は、基礎研究結果となり、臨床研究結果ではなくエビデンスレベルが低いことに注意してください。

2017年11月8日、医学誌『Molecular Cancer Research』にて肥満がん患者は痩せているがん患者に比べて予後が悪い理由が、アメリカ合衆国・カルフォルニア州にあるロサンゼルス子供病院・内分泌学センター所属のXia Sheng氏らの研究により明らかになった。

本研究は、脂肪細胞を含むヒト急性リンパ性白血病(ALL)細胞株に対して急性リンパ性白血病(ALL)治療薬であるアントラサイクリン系抗がん剤のダウノルビシン(商品名ダウノマイシン)を添加することで、ダウノマイシンの代謝、薬物濃度などを検証している。本研究の結果より得られた知見は下記の3つである。

1.脂肪細胞が存在することでヒト急性リンパ性白血病(ALL)細胞株におけるダウノマイシンの蓄積量が有意に減少する
2.脂肪細胞は化学療法剤を吸収し、白血病細胞株から化学療法剤を除去する。実際、ダウノマイシンを添加した白血病細胞株は生存し、特に脂肪細胞を多く含む白血病細胞株は増殖していた
3.脂肪細胞はダウノマイシンを代謝し、その酵素が化学療法剤の分子構造を変換することで白血病細胞株に対する抗腫瘍効果を低下させた

以上の研究結果を受けて、Xia Sheng氏をはじめとした本研究論文の筆者らは以下のように述べている。”脂肪細胞はダウノマイシンを毒性の低い代謝産物にすることで、急性リンパ性白血病(ALL)細胞株がダウノマイシンによる細胞障害を回避することを可能にしていてます。本研究により得られた知見は、肥満がん患者が痩せているがん患者よりも予後が悪い可能性を説明する根拠として有益でしょう。また、急性リンパ性白血病(ALL)をはじめ他のがん種の治療としてのアントラサイクリン系抗がん剤に対する肥満細胞の影響を決定的にするためには、腫瘍微小環境(TME)における薬物動態試験を実施する必要があります。”

また、アメリカ合衆国・カルフォルニア州にあるUCLA Mattel Children’s Hospital・小児科所属の共同筆者であるSteven Mittelman氏は以下のように述べている。本研究により得られた肥満細胞が化学療法剤を代謝し、不活性化するという知見は画期的であり、非常に驚くべきことでしょう。特に白血病をはじめ骨髓、肥満細胞付近で増殖する他のがん種においては、肥満細胞が化学療法剤の細胞障害を回避し、がん細胞の生存を可能にしていますのでこの知見を知っておくことは非常に重要です”

本研究以前、肥満はがん患者の予後不良因子であることは知られていたが、その理由について科学的根拠を持って説明した理論はこれまで存在しなかった。本研究により肥満細胞の存在がアントラサイクリン系抗がん剤ダウノマイシンの有効性に影響を与えることが示唆されたので、急性リンパ性白血病(ALL)をはじめダウノマイシンを用いた化学療法の有効性を検証する時には本知見が活かされるであろう。

Adipocytes Sequester and Metabolize the Chemotherapeutic Daunorubicin(MCR-17-0338 Published December 2017)

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2017年11月30日アップデートされた拡大治験情報 ~更新情報はありませんでした~ https://oncolo.jp/ct/20171201 https://oncolo.jp/ct/20171201 2017年11月30日アップデートされた拡大治験情報 ~更新情報はありませんでした~ 2017-12-01UTC10:58:49+0000 オンコロの可知です。
11月30日にPMDAのサイトの拡大治験情報がアップデートされましたましたが、今回、アップデートされた拡大治験はありませんでした。

現在、実施している可能性がある拡大治験は以下の通りです。

PF-02341066:クリゾチニブ(ザーコリ):ROS1陽性の非小細胞肺癌 ファイザー株式会社
MPDL3280A:アテゾリズマブ(米国商品名テセントリク)⇒尿路上皮膀胱癌 中外製薬株式会社
AZD2281:オラパリブ(米国商品名リムパーザ)⇒BRCA遺伝子変異を有する進行又は再発卵巣癌 アストラゼネカ株式会社
DSP-1958:チオテパ⇒小児固形腫瘍・小児脳腫瘍及び悪性リ ンパ腫 大日本住友製薬株式会社 
E7080:レンバチニブ(レンビマ)⇒肝細胞がん エーザイ株式会社
AMG 103:blinatumomab⇒ B前駆細胞性急性リンパ性白血病 アステラス・アムジェン・バイオ ファーマ株式会社
AZD2281:オラパリブ(米国商品名リムパーザ)⇒BRCA変異を有する転移性乳癌 パレクセル・インターナショナル株式会社⋆(2017/11/23~)
*パレクセル・インターナショナル株式会社は開発業務受託機関(CRO)であるため、開発先であるアストラゼネカ株式会社に問い合わせる方が宜しいかもしれません。
※拡大治験実施中であるけれども、登録が継続しているかは不明となります。

では拡大治験にはどうやって参加するの?

では、拡大治験に参加するには??

拡大治験情報は、医薬品医療機器総合機構(PMDA)に掲載されています。なので、興味がある方は以下のリンクをクリックしてみてください。

https://www.pmda.go.jp/review-services/trials/0019.html#2

中ほどの以下の位置に情報が掲載されています。PDFのところです。(このページではクリックできません)

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問い合わせは以下の「治験届出者の連絡一覧」をクリックして、該当の製薬企業の連絡先にお問い合わせしてみれはいかがでしょうか?
*ただし、制度上、患者さんからですと回答できない可能性があります。その場合は主治医等へ相談してみてください。
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この情報が、必要な人に届くことを願います。
(ただし、拡大治験の治験薬は無償ではない可能性があるため、注意してください)

文:可知 健太

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希少がんに立ち向かう医師の想い、そして新たな時代への医療とは [Vol.2] https://oncolo.jp/feature/20171201dt https://oncolo.jp/feature/20171201dt 希少がんに立ち向かう医師の想い、そして新たな時代への医療とは [Vol.2] 2017-12-01UTC08:00:06+0000 人口10万人あたりに6例未満の頻度で発生する、“まれ”ながんである「希少がん」。その定義ができたのは、今からほんの数年前の2015年のことでした。その翌年、2016年のがん対策基本法の改正では「希少がんの研究促進」が盛り込まれるまでになり、世の中の関心も高まってきています。

前回よりお話をうかがうのは、国立がん研究センター骨軟部腫瘍科長であり、希少がんセンター長の川井章先生。第2回目は、希少がんセンターの在り方と、情報発信として毎月行われているセミナー『希少がん Meet the Expert』の意義、そして希少がんとは切り離せない「AYA世代」の問題についてお話をうかがいました。聞き手は軟部腫瘍体験者でオンコロスタッフの鳥井大吾です。(第2回/全3回)

前回記事:希少がんに立ち向かう医師の想い、そして新たな時代への医療とは[Vol.1]

希少がんへの強力な支援が必要、しかし希少がんファーストにしはしない

鳥井:近年、社会の「希少がん」への関心が高まってきています。希少がんという言葉はどこから生まれたのでしょうか。

川井:人口10万人あたり年に6人未満の発症数のがんのことを希少がんといいます。希少がんは、5大がんなど頻度の高いがんに比べると個々の腫瘍は非常にまれです。しかし、その種類は非常に多く、希少がん全てを合わせるとがん全体の15〜22%にもなり、決して無視できないものであることが分かります。そして、これら希少がんには、診療を受ける上で、情報の乏しさ、診断の難しさ、治療選択肢の少なさ、新しい治療法開発の困難さなど、頻度の高いがんにはない問題があることが次第に明らかになってきました。

鳥井:希少がんの中で、先生が専門にされている肉腫の割合はどのくらいでしょうか。

川井:肉腫は日本全国の年間発生数が4,000~5,000例。がん全体の新たな発症数が毎年100万人であることからみると1%にもみたないまれな腫瘍ですが、希少がんの中では最も多いものの一つです。当院の希少がんの相談窓口である「希少がんホットライン」にこれまでご相談があった10,000件超のうち、約30%が肉腫の患者さんからの相談です。

鳥井:希少がんセンターが立ち上がったのは、「希少がんの治療向上に力をいれていくべき」ということからでしょうか。

川井:その通りです。がんは種類にかかわらず大変な病気ですが、中でも希少がんの人たちは様々な面で不利な状況にあります。企業も大学も取り組むことが難しい。そんな困難な領域だからこそ、国立がん研究センターが真っ先に取り組むべき課題だと考えました。

しかし、一方では、希少がんさえよければそれでよいという、いわゆる「○○ファースト」というような考え方はしてはならないと思っています。まれであろうがなかろうが、がん患者さんの苦しみや願いに違いはありません。そのことを心に留めつつ、弱い立場の希少がんの患者さんと共にあり、その声を代弁する希少がんセンターでありたいと思っています。

「情報を届けたい」から始まったNPO・企業とのコラボ『希少がん Meet the Expert』

鳥井:希少がんセンターを始められてから、ご自身に変化はありましたか。

川井:いろいろな病気とその患者さんの存在に気がつくようになりました。それまでは「肉腫」という本当にまれな病気が自分の世界の全てでした。小腸がんや中皮腫など、肉腫以外の希少がんに関しては、その存在すらよく知らなかったんです。それが、希少がんセンターの活動を通して、様々な希少がんの患者さんの存在を知り、全ての希少がんに共通している問題に気がつきました。

鳥井:「情報が少ない」という点ですね。

川井:そうです。希少がんの患者さんにとっては、自分のがんはどのような病気なのか、どんな治療法があるのか、どの病院に行けばよいのか、そんな5大がんの患者さんにとってはあたりまえの基本的な情報すら手に入れることが難しい。「この情報格差を何とかしなければならない」と思いました。

鳥井:毎月、希少がんセンターで行われているセミナー『希少がん Meet the Expert』の開催もそのひとつでしょうか。

川井:はい。全国の希少がんの患者さんに正確な情報を届けることが必要だとわかっていても、私たち医療者にはそのすべがありませんでした。そんな時に、小児・AYA世代のがんをロックを通じ支援している『樋口宗孝がん研究基金』のがんセンター(希少がんセンター)への寄付を通じ、認定NPO法人キャンサーネットジャパンの柳澤さん(当時/現オンコロ・コンテンツ・マネージャー)から声をかけていただいたんです。「私たち医療者が持っている最新の医療情報」を「NPOや企業(オンコロ)の方々の力を借りて広く社会に届ける」という、がん研究センターにとっても初めてのチャレンジングな共同作業でした。

幸いがん研究センター上層部の方々も応援して下さり、希少がんセンターをあげての活動として、今年(2017年)の1月より開始することができました。

鳥井:私もセミナーにたずさわる中で、患者さんやご家族がどれほど情報を必要としていたかを強く感じました。非常に有用なセミナーになっていると思います。

「AYA世代の専門家」は作るべきか

鳥井:希少がんを語る時に「AYA世代」(※)も一緒に語られることが多いと思います。しかし「AYA世代の専門家」はいません。それはなぜでしょうか。(※Adolescent and Young Adult/15〜39歳の思春期・若年成人期の世代)

川井:希少がんとAYA世代はイコールではないけれど、重なる部分は多いですね。5大がんはじめ、がん全体は高齢者に多い病気ですが、希少がんはAYA世代に多いという傾向があります。また、どちらもまれであるがゆえの問題を有しています。

AYA世代の方々のがんには、「小児期に多く発生する骨肉腫や白血病などの希少がんがAYA世代に発症したもの」、「乳がんや胃がんなど中・高齢者に多いメジャーながんがAYA世代に発症したもの」、さらにまれですが「病気そのものがAYA世代に多いもの」、の3種類があると考えられます。これらは病気の性格も治療法も異なり、総数としても少ないため、「AYA世代のがん専門家」というのを育てるのは非常に難しいと考えられます。

たとえAYA科というものがあったとしても、実際に一人の医師が、多種多様なアプローチが必要な何種類ものがん全てを診ることは困難です。したがって「病気の治療」においては“AYAという年齢に特化した専門家”よりも、AYAという年代の特徴を十分に理解した“それぞれの病気の専門家”を育てる方が良いのではないかと思っています。

一方、AYA世代のがん患者さんが抱える問題は、「病気の治療」そのものに加えて、「進学・就職などの問題」「妊孕性(にんようせい/妊娠する能力)の問題」「家族・社会との関わりの問題」など多様なベクトルからのアプローチが必要なものが多く、医療者だけで解決することは困難です。社会の中の医療という視点が大変重要な領域だと思います。

鳥井:医療に関してはAYA世代という総論で語るべきではないということですね。

川井:そう思います。治療は個々の病気に応じて医療者を中心に行い、それを取り囲む社会・社会医学的な問題に関しては、医師だけでなく患者さんを中心とした“マルチタスクチーム”として対応してゆくことが重要なのではないかと思っています。

今回は、希少がんセンターの在り方から、情報提供のためのセミナー開催、AYA世代の問題についてうかがいました。次回(3回目)は、2018年2月に記念すべき第1回目を迎える「日本サルコーマ治療研究学会学術集会」から考える、これからの医療についてお聞きします。

(写真・文:木口マリ)

●プロフィール:
川井 章
1961年生まれ、岡山育ち、岡山大学卒業。大学病院勤務、米国留学を経て2002年より国立がんセンター整形外科(現国立がん研究センター骨軟部腫瘍科)勤務。2015年より希少がんセンター長。

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冷やして予防  -抗がん剤の副作用対策- https://oncolo.jp/news/171130kn https://oncolo.jp/news/171130kn 冷やして予防  -抗がん剤の副作用対策- 2017-12-01UTC03:32:00+0000 京都大学は、手足を冷却することで抗がん薬パクリタキセルの副作用である末梢神経障害(しびれ)を予防できることを確認し、本研究結果は、2017年10月12日に医学誌「Journal of the National Cancer Institute」(JNCI)に掲載された。
ニュース引用元:http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research/research_results/2017/171012_1.html

抗がん剤の副作用

パクリタキセルの重篤な副作用の一つである末梢神経へのしびれの対策として、手足を冷やすことで血流の流れを遅くさせ、抗がん剤が神経にまわりにくいようになるのではないか、という考えは以前から存在しており、全国の医療施設では数年前から外来化学療法室に常備している病院も少なくないと聞く。

自分が受けた当時の治療について振り返る。術前抗がん剤として、EC(薬剤名:エピルビシン塩素酸・シクロホスファミド)を3週間に1回を4クール、パクリタキセル(薬剤名:アブラキサン)を1週間に1回を3週連続・1週休薬を4クールを受けた。かかりつけ病院では、在庫数は潤沢ではなかったが冷却用グローブとソックスの用意があり、パクリタキセル投薬時は装着して治療を受けることができた。

アブラキサンの点滴時間は1時間もかからず、かつ始めの15分は吐き気止めを流すので、1回あたりの装着時間は短く済み、冷やすことで苦痛を感じる場面には至らなかった。

末梢神経のしびれは、箸が持てない、つまずきやすい、など日常生活の基本的な動作に支障が出る。手指の爪が10本はがれた、という深刻な副作用に苦しんだ人もいた。乳がんの患者会やサバイバーのブログでも、よくこの話題が取り上げられ、みなそれぞれに工夫をされている。

冷却用グローブやソックスがない病院で治療を受ける場合は、自宅から持参した二つの鍋つかみの中に保冷剤を入れ両手を冷やし、足元はアイスノンを踏みながら凌いだと聞く。

「冷やす」ことでQOLを保つ

この冷却用グローブ、ソックスは、アメリカのメーカーから日本国内の業者が輸入し、医療機関へ販売しており、キャップ(頭髪用)も取り扱いがある。
最近では日本のメーカーが低価格で製造販売を始めている、と外来担当の看護師さんから聞いた。

ただし前者は個人販売はされておらず、外来化学療法室にない病院で治療をしている場合は、主治医に依頼し診断書を提示すると購入が可能だそうだ。希望する場合は、主治医もしくは外来化学療法室の看護師に相談してみてはいかがだろうか。

冷却用キャップはまだ確たるエビデンスがないため、常備している病院は少ないと感じるが、氷枕をずっと当てている入院患者さんの後頭部の毛髪はわずかながらも残るので、冷やすことが脱毛に対し一概に全く効かない、というわけでもなさそうである。

「冷やすこと=血流を鈍くさせること」が末梢神経障害の予防になるのであれば、肌を締め付けることも同様の意味を持つ、市販の着圧ソックスを足のしびれ対策に用いている病院もある。

自分の治療薬剤を理解する

今回の研究発表は、患者のQOLを保ちながら安心して治療を受けられることに繋がり、非常に喜ぶべき発表である。

ただし、気をつけていただきたいのは、あくまでも「パクリタキセル」という抗がん剤に対しての副作用予防であることを留めておきたい。

すべての薬剤の副作用に末梢神経障害が起こるものでもなく、また抗がん剤を投与する際は冷やせばよい、ということでもない。まずは、自身で投与される薬剤をよく知ること、それに伴う副作用を理解すること、不明な点は主治医や看護師、がん拠点診療病院であれば、院内のがん相談支援センターでもよい。ネット情報をすべて鵜呑みにして自分に当てはめないでほしい。

自分のパクリタキセル投与時は、運よく手足を冷却することができた。残念なことに今でも指先のしびれが残り、紙をめくる動作が億劫になってしまったが、もし投与時に冷却していなかったら、もっと深刻な副作用が残ったかもしれない。同じ治療を受けていても、副作用はひとそれぞれに違って当然であるので、支障なく元の生活に戻ったサバイバーも、勿論大勢いる。

今回の研究結果により、パクリタキセルを投与される患者さんが平等の治療を受けられるよう、全国の医療機関に予防方法が浸透されることを期待する。

*イラスト:「乳がんと診断されたらすぐに読みたい本」 豊増さくらと乳がん患者会bambi*組 著より引用

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【メルマガコラム】希少疾患情報サイト「RareAs.レアズ」あたらめ「RareS.レアズ」β版 開設[vol.45] https://oncolo.jp/backnumber/mailmagazine_vol45 https://oncolo.jp/backnumber/mailmagazine_vol45 【メルマガコラム】希少疾患情報サイト「RareAs.レアズ」あたらめ「RareS.レアズ」β版 開設[vol.45] 2017-12-01UTC01:26:45+0000 コラム

オンコロの可知です。
いきなり宣伝となりますが、最近、ツイッターとNewsPicksを始めました。
ツイッターはオンコロの裏側と日々論文や海外ニュースをあさっているときに気になった情報をツイートしています。
この情報をもとにライターに作成指示していますので、オンコロに記載する前の情報はコチラに上がってくると思います。
https://twitter.com/kachikenta
NewsPicksは医療系のニュースを中心に感じたままに記載しています。
こちらはオンコロとは独立し、私の一個人としての素朴な意見をコメントしております。
https://newspicks.com/user/2727437
まだ、始めたばかりですが、フォロワーになっていただければ幸いです。

さて、オンコロの姉妹サイトとなる「RareAs.レアズ」を開設しました。
https://rareas.net/
詳しい仕様は以下のブログで書きましたが、最終的にはAIを用いて世界中のジャンク情報を除いた希少疾患情報を紹介できる情報サイトを目指します。
https://oncolo.jp/blog/171122
ちなみに、現在のサイト名は「RareAs.」となっていますが、ネイティブの海外チームより「Rare」な「Ass」に見えるから、
海外に売るなら名前変えたほうがいいと指摘され、「RareSレアズ」に変更しようと思っています・・・
一方、情報サイトの裏側には、がん患者会・希少疾患患者会用のプラットフォームを開発中です。
当初は希少疾患患者会を限定に開発しておりましたが、現在はがん患者会用でも問題ないのでは?と思い、路線変更しております。予定通りいけば、1月末に出来上がる予定です。
知り合いの患者会には、声をかけ始めていますが、患者会が必要な機能を盛り込んでいく予定です。
最初から最後まで宣伝となってしまいましたが、オンコロ、レアズともに宜しくお願いします。
可知 健太

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がんの標準治療実施率72%。医療水準の「均てん化」ってなに? https://oncolo.jp/pick-up/news1239 https://oncolo.jp/pick-up/news1239 がんの標準治療実施率72%。医療水準の「均てん化」ってなに? 2017-11-30UTC12:00:43+0000 NPO法人がんノートの岸田徹です。29日、国立がん研究センターからがん診療連携拠点病院を中心とする2013年治療実態調査が発表されましたのでレポートします。

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https://www.houdoukyoku.jp/posts/22242

ニュース選定者:可知 健太
引用元:ホウドウキョク
https://www.houdoukyoku.jp/

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がん拠点病院 2割で国の承認受けていない免疫療法 https://oncolo.jp/pick-up/news1238 https://oncolo.jp/pick-up/news1238 がん拠点病院 2割で国の承認受けていない免疫療法 2017-11-30UTC10:00:33+0000 がん診療を行う全国の拠点病院のうち、約2割で国の承認を受けていない免疫療法が行われていたことが分かりました。

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http://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000115594.html

ニュース選定者:柳澤 昭浩
引用元:テレビ朝日
http://www.tv-asahi.co.jp/

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専門医が推奨する「がん標準治療」実施率72%…国立がん研究センター調査 https://oncolo.jp/pick-up/news1237 https://oncolo.jp/pick-up/news1237 専門医が推奨する「がん標準治療」実施率72%…国立がん研究センター調査 2017-11-30UTC08:00:03+0000 国立がん研究センターは29日、専門医が推奨するがん治療(標準治療)について、全国の主な病院での2013年の実施率を調べた結果、72%に上ったと発表した。

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https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20171129-OYTET50011/

ニュース選定者:中島 香織
引用元:yomiDr.
https://yomidr.yomiuri.co.jp/

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がん拠点84病院で保険外の免疫療法を実施 https://oncolo.jp/pick-up/news1236 https://oncolo.jp/pick-up/news1236 がん拠点84病院で保険外の免疫療法を実施 2017-11-30UTC06:00:23+0000 がん診療の拠点病院の一部で、効果が確認されておらず保険診療が適用されていない免疫療法が実施されていたことを受けて、厚生労働省が実態調査した結果、全国の84の病院が実施していたことがわかりました。

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http://www3.nhk.or.jp/news/html/20171128/k10011238691000.html

ニュース選定者:柳澤 昭浩
引用元:NHK NEWS WEB
http://www3.nhk.or.jp/news/?utm_int=all_header_logo_news

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娘が16歳の時にガンで他界した父親…娘が21歳になるまで毎年誕生日にメッセージを残していた https://oncolo.jp/pick-up/news1235 https://oncolo.jp/pick-up/news1235 娘が16歳の時にガンで他界した父親…娘が21歳になるまで毎年誕生日にメッセージを残していた 2017-11-30UTC04:00:37+0000 娘が16歳の時にガンで他界した父親・・・。父親は娘が21歳になるまで毎年誕生日にメッセージを残していたのです。今回、その娘のベイリーさんによる投稿が話題となっているのでご紹介します。

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http://fundo.jp/169047

ニュース選定者:中島 香織
引用元:FUNDO
http://fundo.jp/

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【第11回  Meet the Expert:脳腫瘍】動画公開 https://oncolo.jp/event/mte_11th https://oncolo.jp/event/mte_11th 【第11回  Meet the Expert:脳腫瘍】動画公開 2017-11-30UTC03:00:35+0000 2017年11月10日(金)に国立がん研究センター希少がんセンター待合にて第11回 脳腫瘍を開催しました。セミナーの動画を公開しました。ぜひご覧ください。
※都合上、スライドを一部カットしている場合がございますが、ご了承ください。
脳腫瘍 開催レポート PDFファイル

セミナー動画

開会挨拶


[司会] 国立がん研究センター希少がんセンター 加藤 陽子
[開会挨拶] 国立がん研究センター中央病院 理事長 中釜 斉
JBTA日本脳腫瘍ネットワーク 副理事長 田川 尚登

講演


[講師] 国立がん研究センター中央病院 脳脊髄腫瘍科/希少がんセンター 成田 善孝先生 

  

ディスカッション


[講師] 国立がん研究センター中央病院 脳脊髄腫瘍科/希少がんセンター 成田 善孝先生 
[司会] 国立がん研究センター希少がんセンター 加藤 陽子
[患者会代表] JBTA日本脳腫瘍ネットワーク 副理事長 田川 尚登
[解説] がん情報サイト「オンコロ」コンテンツマネージャー 柳澤 昭浩
がん情報サイト「オンコロ」オンコロジー事業本部 本部長 可知 健太

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抗がん剤開発で連携 国立がんセンター、アジア5機関と https://oncolo.jp/pick-up/news1234 https://oncolo.jp/pick-up/news1234 抗がん剤開発で連携 国立がんセンター、アジア5機関と 2017-11-30UTC01:46:28+0000 国立がん研究センターは27日、中国(香港)・韓国・台湾・シンガポールの研究機関と共同で、新たな抗がん剤開発を目指すコンソーシアム(共同体)を設立したと発表した。

続きを読む
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO23956380X21C17A1CR8000/

ニュース選定者:中島 香織
引用元:日経電子版
https://www.nikkei.com/

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ヨシダソース創業者・ヨシダグループ社会長 吉田潤喜氏に聞く がん制覇戦略術(その1) https://oncolo.jp/news/20171129aj https://oncolo.jp/news/20171129aj ヨシダソース創業者・ヨシダグループ社会長 吉田潤喜氏に聞く がん制覇戦略術(その1) 2017-11-29UTC16:43:59+0000 この記事はシリコンバレー在住のビジネスライターAyako Jacobssonさんが著す「特集:欧米がん治療事情」となります。Ayakoさんは脂肪肉腫のがんサバイバーであり、その体験記や海外のがん事情を月2回のペースで掲載していきます。今回、コストコの「グルメのたれ」で日本でも有名なヨシダソースの吉田潤喜氏への独占インタビューとなります。

ヨシダソース創業者・ヨシダグループ社 会長 吉田潤喜氏に聞く がん制覇戦略術(その1)

コストコで大人気、吉田家のFINE SAUCEことグルメのたれ。アメリカで1日約7万本生産される同ソースの製造元、ヨシダフードを設立したのが、 オレゴン州在住の吉田潤喜氏(67歳)だ。

テンガロンハットで知られる吉田氏は7人兄弟の末っ子として京都で生まれた。米国に憧れて69年に渡米し、シアトルで空手教室を経営。ワシントン州警察逮捕術主席師範を任され吉田逮捕術を教える。のちオレゴン州警察学校に移籍。しかし不況で空手道場の生徒も3分の1に落ち込み、生活が困窮になる。

そんな中生徒から贈られるクリスマスプレゼントのお返しが出来ず、教え子に自家製秘伝のタレを配ったところ 「買いたい」と評判が良かったため吉田ソースを即演販売。着物、ソンブレロ姿、果てはピンクのバレリーナのチュチュなどを着て、目立ちに目立ったため、地元テレビの料理番組にレギュラー出演するようになり、ヨシダソースは飛ぶように売れた。米中小企業局50周年記念のゴールデンアニバーサリーにインテル、フェデックス、HPと並んだ全米24社に殿堂入りするなど、吉田氏はアメリカン・ドリームを実現した。

そんな吉田氏が、がんのチャリティに本腰を入れ始めたのは、部下や家族を次々にがんで失したから。

片腕のマットこと、カリフォルニア州サクラメント出身の吉田グループ のマヒュー・ガスリー前社長(55歳)を腎臓がんで、有能な秘書のカン・ヨンジャさん(47歳)を 卵巣がんで、リンダ夫人の父親(66歳)を 結腸がんで亡くした。

「マットは謙虚な男で、飛行機はエコノミーだし、ランチは決して社費で食べない。顧客と一緒にやった10年前のゴルフのスコアを覚えとるし、コンピュータのような頭脳の持ち主だった」と吉田氏 。しかし、そんな優秀なマット氏は東日本大震災の起こった2011年6月に内臓が破裂して帰らぬ人に。

吉田氏はポートランドに一刻も早く帰りたかったが、東北の人々への義援金を集めるため、帝国ホテルで2000人を前に“日本を元気にする話”と題して、チャリティ講演会を行っていたのだ。「講演が終わった時は、いつも皆と握手するけど、その時はマットのことで倒れ込むように控え室で横になっちゃったんだ。彼は本当に立派な人間でね。ボストンからがんのトライアルの薬(治験薬)を手に入れたりして、12年間もがんと闘っていたんだ」と無念がる。

吉田氏は夫人のリンダ氏と非営利団体のソウルフル・ギビング財団(Soulful Giving Foundation)を設立し、コンサートのチケットを販売して、売上げをオレゴン州ポートランドのプロビデンス・キャンサー・リサーチセンターやランダル子供病院に寄付している。2016年は約2,700万円を寄付した。

同財団の理事を務めるリンダさんはオレンゴン州の新聞に「全米に組織を持つ大規模ながんの研究機関に寄付するより、私たちに身近な地元の財団と協力し、コミュニティを結衆して、巻き込む方がより大きな貢献ができるんです」と応えている。

吉田氏のモットーは、「Giving Back!!]。今まで、そしてこれから、がんとどう取り組んでいくのか。

オンコロは、そんな吉田会長に独占取材を行った。

Vol.2につづく

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新規にがんと診断された青年男性における精子バンクの普及率とその要因 https://oncolo.jp/news/171129y01 https://oncolo.jp/news/171129y01 新規にがんと診断された青年男性における精子バンクの普及率とその要因 2017-11-29UTC14:01:07+0000 2017年10月4日、医学誌『Journal of Clinical Oncology 』にて新規にがんと診断された青年男性の精子バンク普及率とその要因を検証した前向き観察研究調査の結果が公表された。

本観察研究はアメリカ合衆国またはカナダにある8つの小児がん拠点病院において、13歳から22歳(年齢中央値16.49歳)、思春期評価スケールであるTanner分類3度以上の青年男性146人に対して、がん治療開始1週間以内に精子バンク利用に関するアンケート調査を実施した。

なお、精子バンクの利用を希望する、希望しない、精子保存に成功する、失敗するなどの行動結果に対するオッズ比(ORs)、95%信頼区間(CI)は多変量ロジスティック回帰により分析している。

本試験の結果、146人中78人(53.4%)の青年男性が精子バンクの利用を希望し、146人中64人(43.8%)の青年男性が精子の凍結保存に成功した。また、精子バンクの利用希望に影響を与えた要因としては生殖能力に関する専門家の推奨(オッズ比29.96,95%信頼区間:2.48-361.41,P = .007)、両親からの推奨(オッズ比12.30,95%信頼区間:2.01-75.94,P = .007)、Tanner分類高度(オッズ比5.42,95%信頼区間:1.75-16.78,P = .003)であり、これら要因が精子バンクの利用率を向上させていた。

そして、精子保存の成功に影響を与えた要因としてはマスターベーションの経験(オッズ比5.99,95%信頼区間:1.25-28.50,P = .025)、自己効力感(オッズ比1.23,95%信頼区間:1.05-1.45,P = .012)、両親の推奨(オッズ比4.62,95%信頼区間:1.46-14.73,P = .010)、医療関係者の推奨(オッズ比4.26,95%信頼区間:1.45-12.43,P =0.008)であり、これら要因が精子保存の成功率を向上させていた。

以上の前向き観察研究調査の結果を受けて、本論文のファーストオーサーであるKlosky, James L氏は以下のような結論を述べている。”精子バンクの普及率はそこまで高くありませんが、精子バンクの利用を希望し、完遂するためには患者本人、その両親などの影響があることが証明されました。”

Prevalence and Predictors of Sperm Banking in Adolescents Newly Diagnosed With Cancer: Examination of Adolescent, Parent, and Provider Factors Influencing Fertility Preservation Outcomes(J Clin Oncol. 2017 Dec 1;35(34):3830-3836. Epub 2017 Oct 4.)

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未治療のPD-L1陽性非小細胞肺がん患者に対するキイトルーダ単剤療法、PFSだけでなくQOLも改善 https://oncolo.jp/news/171129k01 https://oncolo.jp/news/171129k01 未治療のPD-L1陽性非小細胞肺がん患者に対するキイトルーダ単剤療法、PFSだけでなくQOLも改善 2017-11-29UTC12:29:28+0000 2017年11月9日、医学誌『The Lancet Oncology』にてPD-L1陽性非小細胞肺がん患者に対する一次治療としてペムブロリズマブ(商品名キイトルーダ)の有効性を検証した第III相のKEYNOTE-024試験(NCT02142738)における生活の質(QOL)に関する解析結果が公表された。

本試験は、未治療のPD-L1発現率50%以上の非小細胞肺がん患者(N=305人)に対して3週間に1回の投与間隔でキイトルーダ200mg単剤療法を投与する群(N=154人)、治験医師判断によるプラチナ製剤を含む2剤併用療法を投与する群(N=151人)に1:1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)を比較検証した国際多施設共同の第III相試験である。

なお、生活の質(QOL)に関する解析のために本試験では欧州癌研究機関(EORTC)の生活の質(QOL)に関するアンケートを使用し、治療開始の1から3サイクル投与時の1日目、その後は9週間ごと、そして治療中止の訪問時のタイミングで調査を実施している。

本調査の探索的評価項目は欧州癌研究機関(EORTC)の生活の質(QOL)アンケートであるQLQ-C30のベースライン時から15週目の変化、ならびにQLQ-LC13より咳、胸痛、そして呼吸困難に関連する生活の質(QOL)スコア、時間の変化を検証している。

本試験は2014年9月19日より2015年10月29日の期間で実施され、ベースライン時における生活の質(QOL)に関するアンケートの回収率は両群ともに90%以上、治療開始15週目時点でも両群ともに約80%であった。

本調査の探索的評価項目であるQLQ-C30の結果は、キイトルーダ群6·9スコア (95% 信頼区間:3·3-10·6)に対して治験医師判断によるプラチナ製剤を含む2剤併用療法群0·9スコア(-4·8-3·0)、両群間における生活の質(QOL)スコアの違いは7·8スコア (p=0·0020)であった。

また、QLQ-LC13の結果はキイトルーダ群に対して治験医師判断によるプラチナ製剤を含む2剤併用療法群の方でスコアが悪化する傾向が確認された。また、QLQ-LC13スコアが悪化するまでの期間はキイトルーダ群が未到達(95% 信頼区間:8.5ヶ月-未到達)に対して治験医師判断によるプラチナ製剤を含む2剤併用療法群5.0ヶ月(95% 信頼区間:3.6ヶ月-未到達)、ハザードリスク比は0·66(95% 信頼区間:0·44–0·97,p=0·029)であった。

以上の本試験における生活の質(QOL)アンケート結果より、本論文のファーストオーサーであるアメリカ合衆国・メリーランド州にあるSidney Kimmel Comprehensive Cancer Center 所属のJulie R Brahmer氏は以下のように結論づけている。”キイトルーダ単剤療法は治験医師判断によるプラチナ製剤を含む2剤併用療法群に比べ、患者の生活の質(QOL)を改善または維持する治療方法であることが証明されました。この結果より、キイトルーダ単剤療法はPD-L1陽性の進行性非小細胞肺がんの標準治療になる可能性が示唆されました。”

Health-related quality-of-life results for pembrolizumab versus chemotherapy in advanced, PD-L1-positive NSCLC (KEYNOTE-024): a multicentre, international, randomised, open-label phase 3 trial(Lancet Oncol. 2017 Nov 9. pii: S1470-2045(17)30690-3)

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家族・親戚が被害を受けたフォーデイズから考える、食品で「がんが治る」「病気がよくなる」 https://oncolo.jp/blog/2017112902 https://oncolo.jp/blog/2017112902 家族・親戚が被害を受けたフォーデイズから考える、食品で「がんが治る」「病気がよくなる」 2017-11-29UTC10:33:21+0000 新規サービス『オンコレ』担当の筒井です。

先日「フォーデイズ」という清涼飲料水が「がんが治る」、「目が治る」といった効能を謳い販売したとして、フォーデイズ株式会社が一部業務停止命令になったことが話題になりました。

噂によると、ピーク時の年間売上高は429億となり、抗がん剤でも年間429億円以上売り上げているのは、オプジーボ(1039億円)、アバスチン(921億円)、リュープリン(486億円)の3剤のみであり、いかに荒稼ぎしたかがわかります。

このような出来事は年数回異なる案件が報道されており、いつも悲しい気持ちになります。しかし、今回は私の家族や親戚も被害者の一人であり、業界にいるものとして自責の念にかられました。被害にあったのは10年ほど前なのですが、体験記として記事にしていきます。

1つの奇跡から始まった!

私の親戚(A子)は10年前イギリスに駐在し、日本人交流会で女性B子さんと出会いました。B子さんは他のヨーロッパ諸国に旦那さんと駐在していたそうですが、ロンドンに遊びに来る機会が多く、A子と日本人交流会で親しくなったそうです。親しくなるにつれ、B子さんは親戚の家に何泊か泊まるようになり、家族ぐるみの付き合いとなりました。

そんなある日、B子さんが親戚の家に泊まっていると、いきなりぎっくり腰になり、部屋から一歩も動けなくなりました。

A子もどうしようかと思っていた所、「フォーデイズが腰に効くから飲みたい」と言って自分のカバンから出し数日間飲み続けたようです。そうすると瞬く間に腰は良くなり、問題なく歩行できるまでになりました。

A子は「奇跡のようだ」と感じ、B子さんからも購入を勧められたそうです。

この人が言うならという確信

A子はその場でフォーデイズを買うことを決意しました。

実は、A子の夫はニューヨークで著名な日本人接骨院に通っていたことがあり、そこのスタッフから腰痛にフォーデイズが効くと勧められました。スタッフは「有名芸能人も愛用している」とも話しており、A子は購入は検討していました。

さらに追い打ちをかけるように、B子さんは大手企業のヨーロッパ支店長をしており、「それくらい社会的地位が高い人がおすすめしてくれた」というのも買った動機だったようです。

自身の不調を回復できれば

A子は継続的にフォーデイズを買い出し、親戚名義でイギリスに輸送してもらうよりも日本在住者から買ったほうが割引になるというアドバイスを受け、私の家族名義でこのドリンクを買いイギリスに届けてることになりました。私の家族も合わせて購入すると割引になることから買いだしたそうです。

家族も自己免疫疾患を患っており、少しでも改善すればと思い購入していたそうです。

ただ家族は、効果がないことから購入はやめたそうです。

積極的な勧誘に恐怖

家族の分の購入はやめてからも親戚への郵送のためドリンクを買い続けていました。そんな中、B子さんからの紹介というC子さんが突然私の家にやってきました。(B子さんは九州在住で、私の実家は関西)

遠方からはるばる勧誘しにやってきて「このドリンクは、免疫力をあげてどんな病気にも効く。一緒に販売すれば、ハワイ旅行にもいける」などと言って勧誘してきたそうです。

なんとかその場は断って帰っていただいたのですが、後日また勧誘に来られたようで非常に恐怖を感じたそうです。
ただ、B子さんは盲目的にこのドリンクを信じていたようで、その後もアプローチが続いたと言います。

お金がなくなり、継続購入を断念

B子さんは数年に渡りドリンクを購入していましたが、日本へ本帰国が決まり継続的に買うお金がなくなったことで購入をやめたそうです。

もしずっと駐在していたら、このニュースがあるまで購入していたのかもしれません。

これは今回の事件の一例でしかありませんが、「食品で病気が治る」と考える前に一度読んで冷静に考えていただきたいと思い記事にしました。

社会的地位の人の勧めや奇跡を信じるのではなく、客観的なエビデンスや専門医に相談して、病気と向き合っていかないといけないと強く感じました。

(文:筒井 葵)

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乳がん手術経験者に配慮 入浴着を貸し出し-休暇村支笏湖 https://oncolo.jp/pick-up/news1233 https://oncolo.jp/pick-up/news1233 乳がん手術経験者に配慮 入浴着を貸し出し-休暇村支笏湖 2017-11-28UTC13:00:56+0000 千歳市支笏湖温泉の休暇村支笏湖は、乳がんの手術を終えた人に配慮し、手術痕を隠せる入浴着の無料貸し出しサービスを行っている。

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https://www.tomamin.co.jp/news/area1/12676/

ニュース選定者:可知 健太
引用元:Webみんぽう
https://www.tomamin.co.jp/

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「筋トレは、がんによる死亡リスクを31%下げる」との研究結果 https://oncolo.jp/pick-up/news1232-2 https://oncolo.jp/pick-up/news1232-2 「筋トレは、がんによる死亡リスクを31%下げる」との研究結果 2017-11-28UTC11:00:46+0000 豪シドニー大学の研究プロジェクトは、「筋力トレーニングをしている人は、そうでない人に比べて、全死因における死亡リスクが23%低く、なかでも、がんによる死亡リスクは31%低かった」との研究結果を発表した。

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http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/11/post-8968_1.php

ニュース選定者:可知 健太
引用元:ニューズウィーク日本版
http://www.newsweekjapan.jp/

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食道がんの再発・転移 https://oncolo.jp/cancer/esophageal-cancer-recurrence https://oncolo.jp/cancer/esophageal-cancer-recurrence 食道がんの再発・転移 2017-11-28UTC10:14:51+0000

目次

食道がんの転移

転移とは、がん細胞がリンパ液や血液の流れに乗って別の臓器に移動し、そこで成長することをいいます。がん細胞を外科手術療法で全て切除できたようにみえても、その時点ですでにがん細胞が別の臓器に移動している可能性があります。

外科手術療法をした時点では見つけられなかったがん細胞が、時間が経過してから転移として見つかることがあります。食道がんで多いのは、リンパ節、肺、肝臓などの臓器や骨への転移であるといわれています。

食道がんは、初回の治療が外科手術療法であれ、化学放射線療法であれ、目視できないがん細胞が残ってしまう可能性は十分あり、その確率は30~50%といわれています。

食道がんが再発したときの症状は、転移部位によって異なります。、食道がんが肺に転移した場合は、咳が続く、胸部に痛みを感じることなどが起こります。肝臓へ転移した場合には、腹部の周辺に張りを感じられることがあります。

また、骨へ転移した場合には、その転移した周辺に痛みを感じます。気管や肺に転移した場合には、長引く咳や血痰が出たりすることがあります。また、食道付近の神経にがん細胞が浸潤すると、声がかすれるという症状が現れることがあります。しかし、これらの症状が必ず現れるわけではなく、自覚症状を感じることには、がんが進行している場合が多いと言われています。

しかし、これらの症状は必ずしもすべての人に現れるものでありませんし、明確な自覚症状が現れるころには、がんが進行してしまっているケースがほとんどだと言われています。最初の治療後から定期検査を確実に受け、たとえ再発・転移をしてしまったとしても早期に発見し治療をすることが何よりも大切です。

食道がんの再発

再発とは、がん細胞を治療により目視できない大きさまで縮小させたのちに、再びがん細胞が出現することをいいます。最初の治療で完全に縮小、消失したように見えても、わずかに残っていたがん細胞が増殖して症状があらわれる、検査で発見されるようになった状態です。

再度外科手術療法を行うことはまれで、化学療法による治療を行うことが一般的です。ひとことに再発といっても、それぞれの患者さんでの状態は異なります。転移が生じていることが発見された場合には、今後の治療方針を患者さんの状況に応じて決めていきます。

日本の食道がん根治手術後の再発は30~50%に認められ,欧米諸国の報告では50%以上の再発が報告されています。再発の形式は,リンパ節、局所再発が20~70%に、遠隔臓器転移が10~50%に生じ、両者が複合した再発も7~27%にみられています。リンパ節再発の中では頸部、上縦隔の再発が多く、遠隔臓器再発では肺、肝、骨、脳の順に多いとされています。

食道がん根治切除後に再発した場合の生存率は極めて低く、再発診断時からの生存期間は5~10 カ月と言われていますが、長期生存または完治する症例が少なからずあることも報告されています。

食道がん根治切除後の再発の治療法は、再発部位、形式やその範囲に応じて選択されます。再発時の全身状態や手術操作範囲内の再発か否か、術前または術後に放射線照射がされているかなどでも治療法が変化します。

リンパ節、肺、肝臓などの臓器や、骨への再発の症状
リンパ節、肺、肝臓などの臓器や、骨への再発の症状を詳しく説明します。まず、首の付け根のリンパ節に再発すると、首が腫れてきたり声がかすれたりします。胸や腹部の奥のリンパ節に再発すると、背中や腰に重苦しい痛みを感じます。肺や肝臓への転移は、がん細胞が大きくなるまではっきりした症状はあらわれません。

しかし、体重減少、食欲減退、疲れやすくなるといった症状が出ることがあります。肺への転移が大きくなると、胸の壁を押すことで咳が出たり、胸の痛みを強く感じたりします。肝臓の転移が大きくなると、腹部が張って重苦しく感じます。肝臓はさまざまながん細胞が転移しやすい臓器ですが、「沈黙の臓器」と呼ばれるほど自覚症状が出にくく、かなりがん細胞が大きくなってから黄疸などの症状が出てきます。骨への転移は、強い痛みを感じます。

もともとのがんが大きかった場合には、がんがあった場所に再発することがあります。気管や気管支に再発すると、咳が出る、血の混じった痰が出るといった症状が見られます。また、骨への転移や脳への転移による症状の緩和を目的にした化学放射線療法は、しばしば行われます。そのほか、医療用麻薬であるモルヒネなどの痛み止めを用いる症状緩和のための治療が選択されます。

食道がんの再発の多くは、初回の治療から1年以内に発見されるといわれています。この間は特に注意して定期的に通院し、検査を受けることが重要です。年数が経過するにつれて再発の可能性は低くなっていき、5年を過ぎたら完治の扱いとなります。

内視鏡切除術後の局所再発に関する治療

内視鏡治療後のリンパ節への再発、他の臓器への再発に関しては、化学療法、化学放射線療法、外科手術療法などが再発した場所や患者さんの全身の状態に応じて選択される場合もありますが、予後は不良な場合が多いようです。しかし、積極的治療で長期生存する場合もあります。

外科手術療法については,その手術可能の是非、または、転移したリンパ節の摘出のみを行うのか、リンパ節郭清を伴う食道切除後に再建手術をするのかなどの方法についても個人差が大きく明らかな基準はないようです。

食道がん根治後の再発に関する治療

再発の形式や場所などによっても外科手術適応が異なり、現時点では一定の結論を見出すことができません。食道がんの再発に対する外科手術療法で最も適応となりやすいのは頸部リンパ節への再発です。頸部リンパ節単独の再発に関しては、切除による長期生存例が確認されています。現在でも治療方針は一様ではなく、施設ごとに異なっています。

まとめ

食道がんの再発・転移予防のためにできることは、食道への刺激を減らすことです。そのために、喫煙、アルコールの摂取を控えることがとても大切です。喫煙は食道がんの強いリスク要因ですし、あらゆるがんを誘発する原因となります。

また、アルコールに関しても度数の高いアルコールを日常的に摂取すると食道の粘膜を傷つけてしまいますので注意が必要です。また、熱い食べ物や飲み物、辛い食べ物は食道粘膜を刺激するので、控えたほうが良いでしょう。

食道がんの予防に効果があると言われているβカロテンやビタミンCが豊富な野菜や果物を摂取することも良いでしょう。食道の粘膜を傷つけない工夫や、バランスの良い食事を心掛けることを習慣化していきましょう。

また、治療後の定期受診を欠かさないことも重要です。術後3年間は、3~6ヶ月毎に、術後3~5年は半年ごとに胸部レントゲン、大腸の内視鏡検査、腹部エコー、CT検査、腫瘍マーカー等の血液検査を受けることが望ましいとされています。また、気になる症状が現れた時はすぐに医療機関を受診することを心がけてください。

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食道がんの治療 -化学放射線療法- https://oncolo.jp/cancer/esophageal-cancer-chemoradiation https://oncolo.jp/cancer/esophageal-cancer-chemoradiation 食道がんの治療 -化学放射線療法- 2017-11-28UTC10:14:46+0000

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化学放射線療法について

化学放射線療法とは、X線などの高エネルギーの放射線をあてて、がん細胞を縮小させることを試みる方法です。化学放射線療法は、外科手術療法と同様に局所を治療する方法ですが、特に手術と比べて臓器の機能や形態を温存できるというメリットがあります。

化学放射線療法には大別して2つの方法があります。まず1つ目は、放射線を体の外から照射する外照射という方法と、2つ目は、食道の腔内に放射線が出る物質を挿入して体の中から照射する腔内照射という方法です。

また、治療の目的も2つに分けられます。まずは、がん細胞を縮小、消失させ、治すことを目的にした根治治療と、がんによる痛みや出血などの症状を抑える、食道がんであれば、嚥下障害を解消するような緩和治療です。

根治治療

根治治療の対象となるのは、がん細胞の広がりが放射線をあてられる範囲にとどまっている場合です。根治治療としての化学放射線療法では、多くの場合、放射線を体の外から照射する外照射という方法が用いられます。1日1回から2回、週5日、6週から7週、抗がん剤治療との同時併用の場合には、5週から6週続ける方法と、外照射5週から6週に2~4回の腔内照射を組み合わせる方法などがあります。

近年では、化学放射線療法と抗がん剤治療を併用するほうが、化学放射線療法単独で行うよりも治療効果があることがわかってきました。化学放射線療法に抗がん剤治療を加えることで、手術をしなくても症状が良くなる患者さんが増えたという報告もあります。患者さんの全身状態が良く、根治治療を目指す場合は、化学放射線療法と抗がん剤治療を同時に行うことが勧められています。

生活の質の改善を目的とした化学放射線療法

食道がんでは、食道のがん病変により、食物の飲み込みが難しくなる嚥下障害や、骨への転移による痛み、脳への転移によっておこる神経症状、リンパ節へ転移したために生じる気管狭窄による息苦しさ、血痰などの症状を和らげるためにも放射線は有効だと言われています。これらは、症状が改善されることを目的としているため、根治治療の場合よりも長い期間の治療を必要とせず、2週間から4週間ほどで治療が行われることが多いです。

化学放射線療法の副作用

化学放射線療法の副作用は、主に放射線が照射されている部位に起こります。そのため、治療している部位により副作用は異なります。また副作用には、治療期間中から治療後数週間であらわれるものと、治療が終了してから数ヵ月から数年後に起こる副作用もあります。

頸部に照射した場合の主な副作用は、食べ物を飲み込むときの違和感、痛み、喉の渇き、声のかすれなどです。また、胸部に照射した場合にも、食べ物を飲み込むときの違和感、痛み、腹部に照射した場合は、腹部不快感、吐き気、嘔吐、食欲低下、下痢などの症状が出ることが考えられます。

その他に、体のだるさ、食欲低下といった症状を訴える方もいます。血液障害としては、白血球や血小板が減少することがあります。また、放射線照射をした皮膚には、日焼けに似た症状が出てきます。そのため、照射で皮膚表面の水分が失われやすい状況になります。そのため、軟膏を塗るなどして乾燥や感染を予防する必要が出てきます。

軟膏をつける際には、皮膚を引き延ばすような塗り方は避け、押さえる様に優しく塗ることが大切です。また、軟膏を塗った表面を医療用のシリコン素材の被覆材などで乾燥を予防することもよいでしょう。皮膚が敏感になっているので、クリーム、ローション、軟膏は、症状に応じて医療機関に相談するほうが無難です。照射部への余計な刺激は避け、日々観察し、変化があればすぐに相談しましょう。

副作用の程度には、個人差があり、ほとんど副作用の出ない人も、また、強めに副作用が出る人もいます。

化学放射線療法が終了してから起こりうる副作用として、照射範囲に心臓や肺が含まれていた場合には、放射線による肺炎や心外膜炎、心のう水貯留、胸水貯留などが起きることがあります。

脊髄に多量の放射線が照射されると、神経麻痺の症状が出ることがあります。一般的には、神経症状が出る危険性がないとされている程度に照射線量は設定されています。

化学放射線療法の結果、炎症が生じる、腫瘍の縮小に伴って食物が通りにくくなる狭窄などが生じた場合、狭窄部にシリコンゴムや金属の網でできたステントと呼ばれる筒を挿入することで、内腔を拡張する食道内挿管法が行われることがあります。しかし、化学放射線療法や化学放射線療法後に狭窄が残存した場合には、ステント挿入による出血や穴があくなどのリスクが高いことが報告されており、注意を要します。
放射線療法は、根治治療や生活の質を考慮して実施される場合など、適応範囲は広がっています。しかし、大なり小なり個人差はあるものの副作用は生じます。そして、副作用には、すぐに出るものと、数カ月~数年たって影響が出てくるものがあります。

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食道がんの治療 -化学療法- https://oncolo.jp/cancer/esophageal-cancer-chemo https://oncolo.jp/cancer/esophageal-cancer-chemo 食道がんの治療 -化学療法- 2017-11-28UTC10:14:42+0000

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食道がんの化学療法

化学療法とは、がん細胞を縮小させる効果のある抗がん剤を体に投与し、治療を行う方法です。抗がん剤は血液の流れにより全身に行き渡らせることができるため、手術では切り取れないところや放射線をあてられないところにあるがん細胞への効果を期待することができます。

多くは、別の臓器にがんが転移しているときに延命治療として行われますが、放射線療法や外科治療との併用で、根治を目指して行われる場合もあります。

日本人の食道がんのほとんどは、扁平上皮がんという種類です。扁平上皮がんに使用される抗がん剤は以下の3種類があり、2種類以上を併用すると効果が上がることが知られています。いずれも点滴で投与する薬剤です。

フッ化ピリミジン系薬剤:フルオロウラシル(5-FU)
がん細胞の増殖をおさえる効果があります。胃がんや大腸がん、結腸がん、直腸がんなど消化器がんに広く使用されてきました。また、手術後の補助療法として、再発予防目的に用いることもあります。作用時間が短いことで十分な治療効果が得られにくいことがデメリットとされています。そのため、これを用いて治療を行う際には、持続的な点滴をおこなう必要があります。

プラチナ系薬剤:シスプラチン、ネダプラチン
シスプラチン

腫瘍を縮小させる効果が高く、多くのがんこのお薬を使用することができるため、抗がん剤治療において、重要な役割を担ってきました。副作用として、吐き気、嘔吐、食欲不振などが出やすいことが特徴です。また、腎臓障害、骨髄抑制などの重篤な副作用も現れる可能性があります。

ネダプラチン
副作用を抑えた新しいプラチナ製剤として開発されたお薬です。シスプラチンの毒性をできるだけ抑えることを目的として開発されました。

食道がんの抗がん剤治療において、現在一般的使用されている組み合わせは、シスプラチン+フルオロウラシル(5-FU)ですが、副作用の症状が強く現れている場合などに、シスプラチンの代わりにネダプラチンを使うことがあります。また、このように副作用軽減の理由から使用されるケースのほか、初回の化学療法が効かなかった場合や、その後の再発例に対する救済療法という位置づけで用いられるのも特徴です。

タキサン系薬剤:ドセタキセル、パクリタキセル
微小管とは細胞分裂の際に、束のように固まって糸のような組織となり、新しくコピーされたDNAを新たな細胞へと引っ張る役割を果たしています。このタキサン系のお薬は、その元に戻る機能を阻害するお薬です。細胞が分裂する際に微小管という重要な部分の働きを阻害することで、がん細胞の増殖を抑えます。これまで多くのがんに対して使用されてきました。副作用として挙げられるのは、骨髄抑制、過敏症、吐き気、脱毛、むくみや爪の変化などです。

現在の食道がんに対して用いられる標準的な化学療法は、フルオロウラシルとシスプラチンの併用療法です。シスプラチンは治療1日目に投与、フルオロウラシルは4日間または、5日間かけて持続的に点滴で少量ずつ投与することが一般的です。

また、シスプラチン投与による腎臓の障害を防ぐための点滴も同時に行うので、この場合は、入院が必要となります。治療は4週間を1サイクルとし、副作用の問題がなければ退院することができます。その後は2週間から3週間ごとに抗がん剤治療を繰り返します。定期的に検査で治療効果を判定し、有効であれば繰り返すというスケジュールで行われます。がんへの治療効果が認められない場合は、ほかの薬剤への変更や化学療法の中断などを患者さんの病状に合わせて判断します。また、タキサン系薬剤を単独で使用する治療の場合は、外来通院で行うことができます。

化学(薬物)療法の副作用

抗がん剤の副作用は、特定のがん細胞だけでなく正常な細胞にも影響を及ぼすので、副作用が生じます。その強さや持続時間などには、非常に大きな個人差があります。特に影響を受けやすい部位は、毛髪、口腔・胃・腸などの粘膜、骨髄(血液の工場)など、生まれ変わりのサイクルの早いところです。

化学療法には、副作用はつきものですが、工夫によって軽減をはかることができます。

例えば、吐き気などに関しては、換気を十分に行うことや、締め付けの少ない衣服を着用すること。食事は、食べられるものをすこしずつ食べる、においの強いものは避ける、あったかい料理の方がにおいは強いので、冷たいのど越しのよい食べ物を食べること。関節の痛みは、温める、マッサージを利用する。脱毛には、柔らかいブラシを使用する、毛髪が散乱しないためにキャップなどをかぶる、容姿が気になる場合は、帽子を用意しておく、毛髪をあらかじめ短めにカットしておくなど、副作用で辛い期間の不快感を少しでも軽減できるように準備することなどを適宜行います。

つらい副作用の症状が出ているときは、精神的にも負担になる場合が多いものです。ひとりで抱え込みあまり無理をしすぎないよう病院の相談機関を利用することや、話を聞いてもらえる人に自分の気持ちを吐き出すこともとても大切なことです。もし人に相談することができない場合は、自分の気持ちを文章にすることや、涙を流すなど感情を発散させることができる場を作ることも大切かもしれません。

現在は、副作用の対処方法も確立されてきていますので、以前と比較すれば、治療による負担は軽減されてきています。しかし、副作用は、個人差が大きく、副作用の強さから治療を中断することや他のお薬に変更することを余儀なくされる場合もあります。

The Japanese Society for Esophageal Diseases: Comprehensive Registry of Esophageal Cancer in Japan (1998, 1999). 3rd ed, 2002.

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食道がんの治療 -手術療法 (外科治療)- https://oncolo.jp/cancer/esophageal-cancer-surgery https://oncolo.jp/cancer/esophageal-cancer-surgery 食道がんの治療 -手術療法 (外科治療)- 2017-11-28UTC10:14:39+0000 食道がんの手術療法

手術療法は、身体からがんを取り除く方法で、食道がんの最も標準的な治療です。食道がんの手術では、がん細胞を含め食道を切除します。そして、その時、同時にリンパ節を含む周辺の組織も一緒に切除します。

現在は、食道がんの外科治療においても従来の手術方式と比較して身体的負担の少ない治療が普及しつつあります。食道がんにおける身体的負担の少ない外科手術とは、手術前に補助的な化学療法を行い、まずがん細胞を縮小させて、内視鏡手術でがん細胞を切除するものです。

食道がんに対する身体的負担の少ない手術では、鏡視下に食道がんを切除し、胃や腸などを用いて再建を行います。鏡視下手術では、胸やお腹の皮膚に傷をつけるのが最小限で済み、痛みや苦痛が少なく、術後の回復が早いというメリットがあります。

次に食道がんの種類別に手術について詳細にご説明します。

頸部食道がん
頸部食道がんとは、がんが頸部の食道に存在し、その周辺へ広がりがない場合には、喉と胸の間の頸部食道を切除します。切除した食道の代わりに、10㎝程の小腸を移植し、再建します。移植した腸管は、血管と頸部の血管とつなぎ合わせる必要があります。

頸部の食道以外に喉まで広がったがん細胞に関しては、頸部食道と喉頭を切除し、小腸の一部を喉頭と胸部食道の間に移植します。そして、気管の入り口を頸部の最下端中央につくります。これは、喉頭を切除するために声が出せなくなります。

胸部食道がん
胸部食道がんとは、食道の入り口から3cm下から、約20cmのあたりにできるがんです。日本人の食道がんの90%近くは胸部食道にできます。胸部食道がんの手術では、胸部食道を全て切除します。そして同時に、胸部のリンパ節も切除します。右胸を開いて胸の中にある食道を切除します。近年では、胸腔鏡を使って開胸せずに食道を切除する方法もあります。

食道を切除した後は、胃を引き上げて残っている食道とつなぎ、食物の通る新しい道を再建します。その際に、胃が使用できない場合には、大腸または小腸を使います。胃や大腸、小腸を引き上げる経路は、1. 前胸部の皮膚の下を通す方法、2. 胸骨の下で心臓の前を通す方法、3. もとの食道のあった心臓の後ろを通す方法の3通りがあり、それぞれの病態により選択されます。

腹部食道がん
腹部食道は、胸骨上縁より気管分岐部下縁までの上部と気管分岐部下縁より食道胃接合部までを2 等分した上半分の中部と胸骨上縁より気管分岐部下縁までと気管分岐部下縁より食道胃接合部までを2 等分した上半分と、気管分岐部下縁より食道胃接合部までを2 等分した下半分の中の胸腔内食道に分けられます。

腹部食道のがんには、胸部食道がんと同様に、右胸を開胸して食道と周囲のリンパ節を切除する方法や、左胸食道の下部と食道からの胃の入り口部分を切除する方法など、さまざまな方法が行われます。

※バイパス手術
がんがある食道を温存して、別の食物が通る経路につくる手術です。胃を頸部まで引き上げて頸部食道とつなぐ方法です。食道と胃の間を、大腸などでつなぐこともあります。この手術は、がんの根治を目指したものという方法よりは、一時的にでも食物を食べられるようにとQOL(生活の質)の向上を目指した方法です。最近では、これに代わって食道内挿管法も用いられます。

外科手術の合併症
外科手術療法後の合併症には以下のような症状が挙げられます。

食道狭窄
食道を切除し、新たに再建した場合に、つなぎ合わせるつなぎ目がうまくくっつかずに内腔が狭くなってしまう症状です。この場合に、食物が通りにくくなり、食事をする際に支障が出てしまいます。そして、この食道狭窄に対する対処法としては、食道を拡張するための手術や、バルーンを入れて内腔を広げる方法などが用いられます。

嚥下障害
嚥下障害とは、食べものが飲み込めなくなる後遺症です。食道を切除し、再建した食道に何らかの問題がある場合、もしくは手術によって神経が傷ついたことで起こります。神経障害の場合、かすれたような声になる変声症が多く見られます。特に再度手術を必要とするような問題が起こっていない場合には、多くは時間をかけ、リハビリをすることによって回復します。

ダンピング症候群
ダンピング症候群とは、食道がんの手術で胃が小さくなった際に、食べ物があふれ返って一気に小腸のほうへ流れ込み、食後に吐き気や動悸などさまざまな症状が現れることをいいます。この症状は、食道がんだけでなく、胃がんの手術の後にもよく見られる後遺症であるといわれています。このダンピング症候群の対処法としは、食事の回数を増やし、1回の食事量を減らす、そして、よく噛んで食べることが基本です。

逆流性食道炎
逆流性食道炎とは、胃酸の逆流によって生じる症状です。胃の入り口には、胃液や食べ物の逆流を防ぐ「噴門」がありますが、手術によってこれを切除してしまうと逆流が防げないために、胸やけが起こりやすくなります。また逆流した食べ物が気管のほうに入ると肺炎につながる恐れもあるため危険です。

逆流性食道炎の対処方法としては、食後にすぐに横にならないこと、寝るときに上半身をやや高くしておくなどして、胃酸の逆流を防ぐ工夫が必要となります。上記のほかにも、心臓などに循環機能に後遺症が出る場合などもあります。いずれのケースでも症状が強い場合は我慢せず、医師に相談して適切な処置をし、自分に合った対処方法を見つけていくことが大切です。

手術に続いて発生する合併症は、肺炎、縫合不全(ほうごうふぜん)、肝臓、腎臓、心臓障害などが考えられます。これらの合併症が死につながる割合は、は2~3%と言われています。これらの手術後1か月以内に死亡する割合は、手術前に別の臓器に障害を持っている場合には持っていなかった人と比較してその高くなります。

手術後につなぎ合わされた胃や腸の状態が落ち着き、食物を取れるようになるまでには、一般的には、1週間から2週間ほどの時間がかかります。

また、手術後の食事は、重湯、ゼリー状などの流動食からはじめ、ゆっくり時間をかけて普通の食事に戻していく必要があります。この時期には、必要な栄養素をしっかり摂取することが大切ですが、手術前とは、食物を消化させる過程が異なるので、手術前よりも食事は、よく噛む、消化の良い食べ物を選ぶ、1回の食事量を減らし、1日の食事回数を増やすなどの工夫が必要です。

術後は胸が詰まりやすくなるため、なるべく食べ物のサイズを小さくすると良いでしょう。それらができれば、早くて術後3週間ほどで退院となります。

日本食道学会 編:食道がん診断・治療ガイドライン 2012年4月版.金原出版,2012
新臨床内科学 第9版 20090101 発行

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食道がんの治療 https://oncolo.jp/cancer/esophageal-cancer-treatment https://oncolo.jp/cancer/esophageal-cancer-treatment 食道がんの治療 2017-11-28UTC10:14:35+0000

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食道がんの治療

食道がんの治療は通常、日本食道学会が定めているStage別の治療方針等にもとづいて進められます。Stage診断にはがんの深達度、リンパ節転移の有無や部位、食道付近以外の遠隔転移の診断、さらには、患者さんの全身状態を考慮して総合的に治療方針が検討されます。

食道がんの標準的治療について

食道がんの治療は、外科手術、放射線療法、化学療法が基本です。どの治療法を選択するかは、がんのStageや患者さん側がリスクを考慮したうえで納得し、治療法を決定していくことが重要です。まずは、Stage別に治療方法についてご説明します。

Stage0の初期がん、早期がんでは、内視鏡治療が多く選択されます。この方法は、がん細胞の深達度が上皮内、固有層にとどまっている状態のがんがよい適応です。がん細胞が粘膜筋板に達するものや粘膜下層にわずかに浸潤した段階のがんに対して行うことはありますが、リンパ節転移の可能性を念頭において検討する必要があります。

内視鏡治療と外科手術は同等の治療効果が認められているため、侵襲性、術後の身体的負担を考慮すれば内視鏡の方が選択されることが多いのです。

Stage Ⅰ−Ⅲでは外科手術が標準治療です。外科手術では、身体にメスを入れてがんを直接取り除く方法で、食道がんの最も標準的な治療となっています。食道がんの手術では、がんを含めて食道を切除するとともに、同時にリンパ節を含む周辺の組織も一緒に切除します。

食道がんの根治手術は、術後何らかの合併症が約40%の症例で発生するほどであり、身体的負担の大きな手術のひとつです。

手術の合併症として挙げられるのは、出血、肺炎、無気肺、創感染、縫合不全、反回神経麻痺、乳び胸、肺塞栓症などさまざまです。これらの合併症2~3%によって周術期に死亡するとされています。これらの手術後1か月以内に死亡する割合は、手術前に別の臓器に障害を持っている場合には持っていなかった人と比較してその高くなるといわれています。

そして、一般的に手術後から新しくつなぎ合わされた胃や腸の状態が落ち着き、食物を取れるようになるまでには、約1週間から2週間の時間がかかります。また、手術後の食事内容に関しても、ゼリー状の流動食からはじめ、ゆっくり時間をかけて普通の食事に戻していく必要があります。また、手術後には、回復に必要な栄養素を摂取することが大切ですが、手術前とは消化管の状態が変わりますので、手術前よりも食事は、よく噛む、消化の良い食べ物を選ぶ、1回の食事量を減らし、1日の食事回数を増やすなどの工夫が大切になります。

合併症が無く、食事がしっかりとれるようになれば、概ね術後3-4週間ほどで退院となります。

近年は、化学放射線療法と抗がん剤の併用療法の場合や、化学放射線療法により、手術をせずに臓器を温存しつつ外科手術療法と同等の治癒率が得られるという報告もされています。

Stage II・IIIにおいて食道がん外科手術が可能である場合には、標準治療である外科手術、外科手術と化学放射線療法の併用が主に行われます。

Stage II・ IIIにおいて食道がんの治療において外科手術療法が不可能と判断された場合には、化学放射線療法が行われることになります。

化学療法

化学療法とは、がん細胞を縮小させる効果のある抗がん剤を体に投与し、治療を行う方法です。抗がん剤は血液の流れを利用して全身に行き渡らせることができるため、外科手術では切り取れないところや放射線をあてられないところにあるがん細胞を縮小させる効果を期待することができます。

食道がんにおいて化学療法のみが適応となる状態というのは、遠隔転移がある場合や、外科手術療法後に再発した場合です。また、痛みや他の苦痛に対する症状緩和を目的として化学療法が行われる場合もあります。

放射線療法

放射線療法とは、X線などの高エネルギーの放射線をあてて、がん細胞を縮小させることを目的とした治療法です。化学放射線療法は、外科手術療法と同様に局所的にがん細胞の治療が可能であるため、臓器の機能や形態を温存することを目的にした治療方法です。

食道がんの治療は、Stageによっても患者さんの全身状態によっても治療方針は変わってきますが、はじめのがん細胞の深達度、リンパ節転移の有無や場所、食道付近以外の遠隔転移の診断などのStageの診断が重要です。

そして、Stageが確定すれば、適応となる選択肢の中から、治療法を選択することになります。食道がんの標準治療には、外科手術、放射線療法、化学療法があります。それらを単独で行う場合や、併用して行う場合など様々です。食道がんの根治を目指すのか、生活の質を重視するのかなど、治療法の選択には、患者さんの現在の状態や今後の生活などの幅広い視野を持った選択が重要だと言えるでしょう。

日本食道学会 編:食道がん診断・治療ガイドライン 2012年4月版.金原出版,2012
新臨床内科学 第9版 20090101 発行

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食道がんの種類と分類 https://oncolo.jp/cancer/esophageal-cancer-stage https://oncolo.jp/cancer/esophageal-cancer-stage 食道がんの種類と分類 2017-11-28UTC10:14:20+0000

目次

食道がんの検査と診断

 食道がんの検査には、まず、レントゲンによる食道造影検査と内視鏡検査があります。そして、がん細胞の進行度をみるためにCT、MRI検査、超音波検査、内視鏡超音波検査があります。これらの検査によりがん細胞の進行度を判断します。

そして、食道がんであることが確定し、病期が決まれば、治療方針を検討します。食道がんに対する的確な治療を行うためには、局所だけではなく、遠隔転移を含めた全身の検査と、治療開始前に他の臓器の検査を含む患者さんの全身の状態を把握することが必須です。

食道造影検査(X線検査)
バリウムを飲んで、食物が食道を通過する様子をレントゲンで撮影する検査です。造影検査は、痛みを感じることなく受けることができます。この検査では、がん細胞の場所、大きさ、食道の全体像を目で見ることができます。最近では体への負担に比べて得られる情報が少ないため、あまり行われなくなってきています。

内視鏡検査
内視鏡検査は、先端に小型のCCDカメラを搭載した内視鏡を用いて、直接消化管粘膜を観察する方法です。内視鏡検査は、がん細胞の状態を直接目で観察することができます。がん細胞の場所や大きさ、数、広がり、形、色、そしてがん細胞の浸潤の深さを判断することができます。

食道内視鏡検査では、通常の観察と、必要に応じて色素内視顕微鏡検査が行われます。色素内視顕微鏡検査とは、正常な細胞やがん細胞を染色して確認する検査です。正常な粘膜上皮細胞は、ヨウ素液に浸すと特定の色に染まるのですが、がん細胞の部位は染まりません。そこでがん細胞の有無を確認することができます。

また、内視鏡検査では、直接組織を採取することができ、がん細胞の有無を確認することができます。初期の食道がんは、症状に無自覚な場合が多いので、初期の食道がんを見つけるために内視鏡検査は有用な検査です。

病理検査
内視鏡検査で採取した組織にがん細胞が存在するのか、また、どんな種類のがん細胞なのかなどについて病理検査を行います。検査の結果検出された細胞ががん細胞でなければ、症状に応じて薬物治療が行われたり、経過観察が行われたりします。

CT・MRI検査
CT(コンピューター断層撮影)は、X線を使用して、身体の輪切り画像を見ることができる検査です。がん細胞の転移や周辺の臓器への広がりを見ることができます。

食道の周辺には、気管、気管支、大動脈、肺、肝臓、心臓など、非常に重要な臓器が存在していますので、それらにがん細胞の広がりがないかを検査するために最も優れた診断方法です。また、頸部、胸部、腹部へのリンパ節への転移も見ることが可能です。がんがどこまで進行しているかを見るのにすぐれた検査です。

CT検査には多量のX線が使われるので、少なからず放射線に被ばくします。CT検査を数回とったからといってがんになるというものではありませんが、可能な限り撮影回数を減らすことが望ましいとされています。

MRI検査は、磁気を使用し、身体の輪切り画像を見ることができる検査です。CTのように被ばくの恐れはありませんが、ガドリニウムという造影剤を用いるので、アレルギー体質や腎機能障害のある方は副作用の危険があるので注意が必要です。また、検査中は機械の操作音が大きく、頭部をしっかり固定して検査が行われるので、狭いところや大きな音が苦手な人には、苦痛に感じる検査かもしれません。

超音波検査
超音波検査は、腹部や頸部について調べるために行われます。腹部では、肝臓や腹部リンパへの転移がないか、また頸部では頸部リンパへの転移の有無を調べます。頸部食道がんの場合は、気管、甲状腺、頸動脈などの周辺臓器との関係を調べます。

FDG-PET検査
PET検査(陽電子放射断層撮影検査)は、全身の悪性腫瘍の細胞を検出する検査です。悪性腫瘍は、正常細胞とは違いブドウ糖を多く取り込みエネルギーとします。そこで、PET検査では、その性質を利用し、放射性ブドウ糖を投与し、取り込みの様子を撮影することで悪性腫瘍を検出します。他の検査で転移・再発の診断ができない場合に、行うことがあります。

腫瘍マーカー
腫瘍マーカーとは、がん細胞の存在により異常値を示す検査の項目のことで、がん細胞の種類に応じて多くの種類があります。食道がんの腫瘍マーカーは、扁平上皮がんではSCC(扁平上皮がん関連抗原)とCEA(がん胎児性抗原)です。腺がんではCEAです。他のがんにおける場合と同様に、腫瘍マーカーは進行した悪性腫瘍の動態を把握するのに使われますが、早期診断に使えるようなものとして使用されてはいません。また、がん細胞があっても必ずしも異常値を示すわけではないことにも注意が必要です。

その他の検査
気管および気管支にがん細胞が浸潤していることが疑われる場合は、気管支内視鏡検査が実施され、骨への転移が疑われる場合には、骨シンチグラフィという検査が行われます。

ステージ(病期)と種類・分類について

ステージ(病期)とは、がん細胞の進行度示す言葉です。この進行度により、食道がんの治療法を選択することや、治療の効果を推定します。最近は、病状の説明時に「ステージ」という言葉で表現されることが一般的になってきました。病期は、0期、I期、II期、III期、IV期の5段階に分類されます。

また、病期は、がんがどこまで広がっているかT因子、リンパ節転移があるかどうかN因子、別の臓器への転移があるかどうかのM因子で決まります。これをTNM分類といい、この3つの要素の組み合わせによって病期が決まります。

0期
早期がん、初期がんと呼ばれている段階です。がんが粘膜にとどまっており転移が認められない状態です。

I期
がんが粘膜にとどまってはいますが、近くのリンパ節に転移がある。もしくは、粘膜下層まで浸潤しており、リンパ節やその他の臓器に転移が認められない状態です。

II期
がん細胞が筋層を越えて食道の外壁にわずかに確認される段階です。もしくは、がん細胞が粘膜下層にとどまっていてもがん細胞の近くのリンパ節のみにがん細胞が確認される状態、他の臓器や胸膜、腹膜にがん細胞が認められない状態です。

III期
がん細胞が食道の外に明確に確認できる。食道壁の近くのリンパ節や、食道のがん細胞から少し離れたリンパ節にがん細胞があると確認される状態です。しかし、別の臓器や胸膜、腹膜には、がん細胞は認められない状態です。

IV期
がん細胞が食道の周囲の臓器に及んでいる場合、また、がん細胞が遠く離れたリンパ節にあることが確認された場合、もしくは別の臓器や胸膜、腹膜にもがん細胞が認められる段階です。

1) 日本食道学会 編:臨床・病理 食道がん取扱い規約 第11版.金原出版,2015
2) 日本食道学会 編:食道がん診断・治療ガイドライン2012年4月版 第3版.金原出版,2012

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食道がんとは(疾患情報) https://oncolo.jp/cancer/esophageal-cancer-about https://oncolo.jp/cancer/esophageal-cancer-about 食道がんとは(疾患情報) 2017-11-28UTC10:13:19+0000

目次

食道がんとは

食道とは、のど(咽頭)と胃をつなぐ、長さにして約25cm、太さは約3cm、厚さ約4mmの管状の臓器です。食道の大部分は胸にあり、そして、首や腹部にも一部あります。食道は、身体の中心部に位置し、気管や背骨、心臓、大動脈や肺に囲まれ、食べ物が口から入ったときに胃に送る役割を果たしています。

食道の内側の壁は、外側に向かって粘膜、粘膜下層、固有筋層、外層の4つの層に覆われています。食べ物が通りやすいように粘液を分泌する粘膜、粘膜の下、筋層との間に血管やリンパ管などの粘膜下層があります。食道の壁は、食べ物を送るために動かす役割が必要なため、主に筋肉でできています。

食道は、食物を飲み込むと重力で下に流れるとともに筋肉でできた食道の壁が動いて食べ物を胃に流し入れる役割を果たします。食道の出口は、胃の中のものが逆流しないような仕組みになっています。主に筋肉でできた食道は、食べ物を胃に運び、逆流しないような食物の通り道です。

食道がんとは、食道の粘膜から発生するがんの種類です。消化管のがんのなかでは、比較的悪性度の高いがんだと言われています。多くの日本人の食道がんは、食道の中央付近から発生しています。そして、1/4が食道の下部に発生します。食道がんは、食道の内面を覆っている粘膜上皮から発生し、その食道がんの90%以上が扁平上皮(しんぺいじょうひ)とよばれ、体の表面や食道などの内部が空洞になっている臓器の内側の粘膜組織から発生するがんであると言われています。

食道の粘膜から発生したがんは、大きくなるにつれて粘膜下層、その下の筋層に広がります。より大きくなった物は、食道の外まで広がります。食道付近には、気管、気管支、肺、大動脈、心臓が隣接しているのでこれらの臓器に広がる恐れがあります、また、腹部や首のリンパ節に転移する恐れもあります

食道がんの原因

食道がんの原因は、喫煙、飲酒、嗜好品(甘いものや辛いもの)と関連していると言われています。毎日30本以上のたばこを吸う人や、人体にとって適量であると言われている1.5合の飲酒(ビールで500ml、アルコール度数14度のワインであれば、1/4本)以上の飲酒をしている人と比較すると、たばこを吸わない、お酒を飲まない人の40倍もリスクが高くなるとされています。特に喫煙の食道がんに対する危険率は、約50%と高い値が報告されています。また、遺伝との関連も指摘されており、年齢が若い人であっても、家系に食道がんの患者さんを有する場合は、リスクが高まると考えられています。しかし、食道がんの原因として挙げられている喫煙や飲酒の生活習慣が、親から子へ引き継がれている場合も考えられるので、直接的に遺伝との関連は言い難いかも知れません。しかしながら、食道粘膜を傷つけるような生活習慣は避けたほうが無難でしょう。

食道がんの症状

食道がんの症状は、初期にはほとんど自覚症状としてあわられない場合が多く、初期にがん細胞が発見される場合は、人間ドッグなどの健康診断や定期検診において発見される場合が多いことがわかっています。

自覚症状が出る場合には、食事のときにのどに食物がつかえる感じがする、しみる、体重が減る、声がかすれるなどの嗄声(させい/声の音質異常)、食物を飲み込むときに咳き込むといった症状が主にあらわれます。

食道がんの発生初期には、ほとんど無自覚な場合が多いですが、まれに刺激物(辛い、すっぱい)を食べたときにしみるような感覚を感じる場合があります。食道がんが進行している場合に顕著なのは、食物のつかえ感です。食道がんの患者さんの約70%の人が食物のつかえ感を訴えるとされています。

また、声帯を動かす神経である反回神経にがん細胞が広がった場合には、声がかすれる嗄声という症状が見られます。食道は、気管、気管支、肺などの気道系と隣接しているため、がんが気道系に広がると、食道気管支瘻になることもあります。

食道がんの疫学・統計・5年生存率

食道がんは、40歳代後半以降増加し始める傾向にあり、男女比は、6:1または、7:1で男性に多いとされています。これは、喫煙や飲酒の程度が女性よりも男性の方が多い影響もあるかもしれません。また、食道がんによる死亡率は、厚生統計局「国民衛生の動向」によるとがんによる死亡の第6位(人口10万人に対して8.9人)と報告されています。

食道がんの5年生存率は、全種類のがんの平均よりもすべてのStageで下回っており、約50%です。平均よりも予後が悪く、死亡率の高いがんです。この背景には、食道がんの発生初期には、自覚症状がほとんどあらわれることがなく、自覚症状が現れるころにはステージが進んでいること、また、食道は壁が薄く、さまざまな臓器が隣接しており、浸潤・転移しやすいことから死亡率が高いと考えられています。

リンパ節転移が見られると、5年生存率は約20%程度になると報告されています。しかし、反対に、人間ドックなどの検診で早期に発見できた場合の粘膜内にがん細胞がとどまっている段階(Stage0)で治療を開始した場合には、ほぼ100%完治することもわかっていますので、定期的に上部消化管内視鏡検査を受けるなどして早期発見を心掛けるのが大切です。

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がん治療施設が京都に完成 日本電産の永守氏寄付 https://oncolo.jp/pick-up/news1231 https://oncolo.jp/pick-up/news1231 がん治療施設が京都に完成 日本電産の永守氏寄付 2017-11-28UTC09:00:08+0000 京都府は21日、日本電産会長兼社長の永守重信氏の寄付により府立医科大学内に最先端のがん治療施設が完成したと発表した。

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https://www.nikkei.com/article/DGXMZO2377084021112017LKA000/

ニュース選定者:滝澤 宏隆
引用元:日経電子版
https://www.nikkei.com/

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進行性胃がんアジア人患者に対する二次治療としてのPARP阻害薬オラパリブ+タキソール併用療法、全生存期間を延長するも有意差なし https://oncolo.jp/news/171128y03 https://oncolo.jp/news/171128y03 進行性胃がんアジア人患者に対する二次治療としてのPARP阻害薬オラパリブ+タキソール併用療法、全生存期間を延長するも有意差なし 2017-11-28UTC08:07:03+0000 2017年11月2日、医学誌『The Lancet Oncology』にて一次治療後に増悪した進行性胃がん(胃食道接合部がんを含む)アジア人患者に対するパクリタキセル(商品名タキソール)+ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)阻害薬であるオラパリブ(商品名リムパーザ)併用療法の有効性を検証したGOLD試験(NCT01924533)の結果が公表された。

本試験は、一次治療後に増悪した進行性HER2陰性胃がんアジア人患者(N=525人)に対して、タキソール+リムパーザ併用療法(N=263人)を投与する群、タキソール+プラセボ併用療法(N=262人)を投与する群に1:1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目である全生存期間(OS)を比較検証した国際多施設共同の第III相試験である。なお、患者全体の18%(N=94人)において腫瘍の免疫組織化学(IHC)検査によりATMタンパク発現陰性と判定されており、この患者群における全生存期間(OS)も比較検証している。

本試験の結果、主要評価項目である全生存期間(OS)中央値はタキソール+リムパーザ併用療法群8.8ヶ月(95%信頼区間:7·4–9·6ヶ月)、タキソール+プラセボ併用療法群6·9ヶ月(95%信頼区間:6·3–7·9ヶ月) 、タキソール+リムパーザ併用療法により死亡リスク(OS)が21%(ハザード比:0·79,95%信頼区間:0·63–1·00,P=0·026)減少するも、本試験で設定された統計学的意義のあるP値(p<0·025)を達成することはできなかった。

また、毛細血管拡張性運動失調症変異(ATM)タンパク発現陰性がん患者群における全生存期間(OS)中央値はタキソール+リムパーザ併用療法群12·0ヶ月(95%信頼区間:7·8–18·1ヶ月)、タキソール+プラセボ併用療法群10·0ヶ月(95%信頼区間:6·4–13·3ヶ月) 、タキソール+リムパーザ併用療法により死亡リスク(OS)が27%(ハザード比:0·73,95%信頼区間:0·40–1·34,P=0·25)減少するも、本試験で設定された統計学的意義のあるP値(p<0·025)を全患者群同様に達成することはできなかった。

一方の安全性は、最も一般的に確認されたグレード3以上の有害事象(AE)はタキソール+リムパーザ併用療法群では好中球減少症30%(N=78人)、白血球減少症16%(N=42人)、好中球減少15%(N=40人)、タキソール+リムパーザ併用療法群では好中球減少症23%(N=59人)、白血球減少症10%(N=27人)、白血球減少8%(N=21人)であった。また、死亡に至った有害事象(AE)は2人の患者で確認され、タキソール+リムパーザ併用療法群では肝障害による死亡が1人、タキソール+リムパーザ併用療法群では心不全により死亡が1人であった。

以上の試験の有効性、安全性の結果を受けて、一次治療後に増悪した進行性HER2陰性胃がんアジア人患者に対するタキソール+リムパーザ併用療法は主要評価項目である全生存期間(OS)が全患者群においても、毛細血管拡張性運動失調症変異(ATM)タンパク発現陰性がん患者群においても統計学的有意に延長しないことが証明された。

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第1回小児・AYA世代のがん医療・支援のあり方に関する検討会 https://oncolo.jp/pick-up/news1230 https://oncolo.jp/pick-up/news1230 第1回小児・AYA世代のがん医療・支援のあり方に関する検討会 2017-11-28UTC07:00:25+0000 厚生労働省では、審議会等のペーパーレス化の取組を推進しています。

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http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000185807.html

ニュース選定者:柳澤 昭浩
引用元:厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/

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遺伝性乳がん 1割が予防切除 4病院、遺伝子変異判明 https://oncolo.jp/pick-up/news1229 https://oncolo.jp/pick-up/news1229 遺伝性乳がん 1割が予防切除 4病院、遺伝子変異判明 2017-11-28UTC05:00:45+0000 2012~14年に全国4病院で、240人に遺伝性の乳がん・卵巣がんの発症に関わる遺伝子の変異が見つかり、発症予防のために約1割に当たる26人が乳房切除、約4分の1の62人が卵巣・卵管の摘出手術を受けていたとの分析結果を、研究団体「日本HBOCコンソーシアム」が国際専門誌に発表した。

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https://mainichi.jp/articles/20171123/k00/00m/040/150000c

ニュース選定者:可知 健太
引用元:毎日新聞
https://mainichi.jp/

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がんで年収が大幅ダウン!改めて考えたい、がんとお金のこと https://oncolo.jp/pick-up/news1228 https://oncolo.jp/pick-up/news1228 がんで年収が大幅ダウン!改めて考えたい、がんとお金のこと 2017-11-28UTC03:50:37+0000 子どもがいる人はもちろん、シングルであっても、病気になった場合に気になるのはお金のこと。がん経験者に対し行われた調査で、がん罹患後の年収は平均で83万円も減少していることがわかりました。

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https://joshi-spa.jp/778012

ニュース選定者:中島 香織
引用元:女子SPA!
https://joshi-spa.jp/

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術後5年間の内分泌療法後も再発するホルモン受容体陽性乳がん患者の特徴が明らかになる https://oncolo.jp/news/171128y02 https://oncolo.jp/news/171128y02 術後5年間の内分泌療法後も再発するホルモン受容体陽性乳がん患者の特徴が明らかになる 2017-11-28UTC03:20:56+0000 2017年11月9日、医学誌『The New England Journal of Medicine』にて術後5年間の内分泌療法を継続投与した後に中止したホルモン受容体陽性乳がん患者を対象に遠隔再発率を検証したメタアナリシス解析の試験結果が公表された。

本試験では、術後5年間の内分泌療法を継続投与した後に中止したホルモン受容体陽性乳がん患者(N=62923人)を対象に、がんの大きさと浸潤を示すT因子(Primary Tumor)、リンパ節転移を示すN因子(regional lymph Nodes)、Tumor Gradeなどの因子別に患者を分類し、Kaplan-Meier分析、Cox回帰分析によりその患者における遠隔転移再発率を検証している。

本試験の結果、遠隔再発率はTMN分類におけるT因子、N因子と非常に相関関係があることが証明された。例えばT因子がT1の状態の場合、T1N0患者における遠隔再発率が13%であるのに対してT1N1-3患者は20%、T1N4-9患者は34%であった。

またT因子がT2の状態の場合、T2N0患者における遠隔再発率が19%であるのに対してT2N1-3患者は26%、T2N4-9患者は41%であった。以上のように、遠隔再発率とT因子とN因子の状態は重要な関連性が確認された。ただし、対側乳がんにおける遠隔再発率とT因子とN因子の状態の間には臨床的意義のある関連性は確認されなかった。

一方で、T因子とN因子の条件を揃えた患者を対象にT因子、N因子以外に遠隔再発率に臨床的意義のある関連性を示す可能性のあるTumor Grade、Ki67、HER2、プロゲステロン受容体などの因子との関係性を検証している。その結果、Tumor Grade、Ki67の因子は遠隔再発率を予測する関係性が適度にあることが確認された。なお、T1N0患者におけるTumor Grade別の遠隔再発率はTumor Grade(低度)10%、中等度13%、高度17%であった。

以上のメタアナリシス解析の結果を受けて、オックスフォード大学所属で本論文のファーストオーサーでもあるHongchao Pan氏は以下のように述べている。”5年間の術後内分泌療法を継続投与後でも、乳がんは再発する危険性があることが本研究により示唆されました。T因子とN因子の状態と遠隔再発する危険性は相関性が非常に高く、T因子とN因子の状態、Tumor Gradeに応じて遠隔再発する可能性が10%から41%程度確認されました。”

今回のメタアナリシス解析より得られた知見は、ホルモン受容体陽性乳がんに対する術後療法の標準治療を再考することになるだろう。本邦の『乳癌診療ガイドライン』によれば、閉経前ホルモン受容体陽性乳がんに対する術後内分泌療法としては5年間のタモキシフェン(商品名ノルバデックス;以下ノルバデックス)投与が推奨度A、10年間のノルバデックス投与が推奨度Bである。また、治療前は閉経前であったが,ノルバデックスの5年間投与を完了し,閉経が確認された場合はアロマターゼ阻害薬の追加5年間投与が推奨度Bである。

しかし、メタアナリシス解析によれば術後5年間の内分泌療法を継続投与した後に中止したホルモン受容体陽性乳がん患者の中でも、T因子とN因子の状態、Tumor Gradeに応じて遠隔再発リスクが高まることが示唆された。つまり、乳癌診療ガイドラインにより推奨度Aとして5年間のノルバデックス投与が推奨されてはいるが、患者の状態に応じて治療方法を変更することで遠隔再発率を低下させる可能性が示唆されたのだ。

20-Year Risks of Breast-Cancer Recurrence after Stopping Endocrine Therapy at 5 Years(N Engl J Med 2017; 377:1836-1846 November 9)

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大妻女子大学での「がんの授業」 https://oncolo.jp/blog/20171128sk https://oncolo.jp/blog/20171128sk 大妻女子大学での「がんの授業」 2017-11-28UTC03:00:59+0000  こんにちは、メディカル・プランニング・マネージャーの川上です。

 先日、NPO時代からお世話になっている、大妻女子大学 家政学部 教授の川口美喜子先生からのご依頼で、食物学科 管理栄養士専攻の2年生の学生さんたちに、180分(2コマ)の時間をいただき、「がんの授業」を行ってきました。

川口 美喜子 先生と、がんと栄養

 川口先生とのご縁は、NPO時代、2012年4月に大阪で開催したセミナーのなかで「がん治療中の食事と栄養」とのテーマでご講演いただいたのが、始まりでした。それ以来、度々、セミナーでの講演をお願いしていました。以下に、川口先生のご講演動画をご紹介しますので、是非ご視聴ください。

 ・「がん治療中の食事と栄養」(上述、2012/4/11)
 ・「がんと栄養のこと」( Japan Cancer Forum 2016/8/6 )

 がん患者さん・ご家族にとって、治療中・治療後の日常生活のなかで「食事」「栄養」に関する関心は高く、ここでも正しい情報が必要な領域であることは「オンコロ」としても課題意識を持っており、近い将来、情報発信すべく検討中ですが、今回は、授業のことについてレポートします。

授業の内容

 授業内容については先生から「学生に、がん体験者の生の声を聴かせたい」とのご要望以外、180分を好きなように使ってください、とお任せいただきました。学生さんたちは20歳前後、栄養学を学んでいるので、将来がん患者さん・ご家族の支援に携わる可能性もありますが、まずは、自分や身近な人が、がんになるかもしれない、そのとき、どう向き合ったら良いのだろう?と考える契機になる時間にしたいと考えました。

 がん体験者講師をお願いしたのは「オンコロな人」でもご紹介したことのある、實原和希さん(オンコロな人)。實原さんは学生さん達とも年齢が近いことや、食事や栄養面ではご苦労されたことから、より身近に感じていただけると思ったからです。また、授業の前日、別件でサバイバーの方々が集まる企画があり、そこでこの授業のことをご紹介したところ、大阪のGISTサバイバーで、「がん患者だからこそできること」を発信している「ダカラコソクリエイト」を主宰する谷島 雄一郎さんも、飛び入り参加してくれることとなりました。

 授業は、以下のような枠組みで進めました。
・10分 川口先生の心に残る患者さんとの関わりのご紹介
・40分 川上より、がんをめぐる近年の環境と、がん患者が直面する課題
・40分 實原さんより、ご自身のがん体験
・15分 柳澤より、がん啓発とエンターテイメント
・40分 谷島さんも加わって、学生さんとQ&Aトーク

 實原さんからは「オンコロな人」でご紹介した壮絶ながん闘病について、ユーモアを交えながらお話いただきました。
・仕事もプライベートも充実していた20代で、口内炎から、まさかの舌がんの宣告。
・リンパ節転移があると言われサードオピニオンまで求める。
・腕の組織で舌の半分を再建、水を飲めるまで数日、話せるようになるまでのリバビリ特訓と秘話など

 女子大生の笑いを取るのが難しかった、との後日談もありましたが、おそらく、学生さん達には「笑っていいのかな?」という遠慮があったのではないかと思います。

實原さんの講義の様子

 柳澤からは、オンコロライブでも取り組んでいる、エンターテイメントを通じたがん啓発について。学生さん達と同年代の若いアーティストや、がん体験者が、がんを正しく知ってもらうために懸命に活動していることが紹介されました。こちらは、2017年10月18日の柳澤のブログもご参考ください。

身近にがんと向き合う人がいたら・・

 最後は、谷島さんも加わってQ&Aトークを行いましたが、ここでのやり取りを、ぜひご紹介したいと思います。学生さんから、「身近にがんと向き合う人がいたら、どう接したら良いですか?」一人の人としての素朴な質問に対する谷島さんの回答です。

谷島さんの回答
私から伝えたいことは3点です。

1点目「がんになってもその人の本質は変わらない」
 がんになってもその人自身は変わりません。いい奴はいい奴だし、嫌な奴は嫌な奴。周囲の人ががんになったら、「がん患者の○○さん」ではなく、がんであることはその人の一部ではあることは事実なのだけど、それだけでなく「○○さんという人間そのもの」を見て付き合って下さい。

2点目「理解できないことを理解する」
 先日実施したアンケートの結果では「普通に接して欲しい」が一番多く、一方で多いのが「配慮して欲しい」です。そういった矛盾した気持ちを行ったり来たりするのががん罹患者、またがんだけでなく理不尽に直面した人間の心理かもしれません。そういった心の動きがあることを知り、「理解できないことを理解する」。その上で自分にやれることをやってあげればいいのではと思います。「何とかしようと思い詰めないこと」。それがお互いの良い関係に繋がると思います。

3点目「必要としていることをちゃんと伝えてあげる。居場所をなくさない」
 がんになると、ある日突然社会に「支えられる側」になり、自分の価値を見失い、居場所を無くしていきます。私がそうでした。そんな時「あなたを必要としているよ」というメッセージは本当に嬉しいです。誰しも必要とし必要とされる関係の中で生きていきたいのです。是非、言葉にして「あなたが必要だ」「居てくれて嬉しい」と伝えてください。

 谷島さんは、「ダカラコソクリエイト」で、同じがんを経験した仲間たちと、がん経験者が周囲からかけてもらって“嬉しかった言葉”や“支えられた言葉”を、誰でも日常で使えるLINEスタンプ「癒し忍法 ニャ助とパ次郎」として発表しています。是非ダウンロードして活用してみてください。


*左から實原さん、川口先生、谷島さん

学生さん達からの感想

 後日届いた学生さん達のレポートの一部をご紹介します。
・がんイコール死という訳でなく、乗り越えて次の人生を送っている人もいることが知れてよかった
・私が想像していたようながん患者さんでなく、前向きで驚いた
・「わかってあげられない、ということを理解する」が心に残りました
・食事は、栄養価ももちろん、誰と食べるか、など楽しく美味しく食べられる環境も大切だとわかりました

 感想はびっしり書かれていて、もっとご紹介したいのですが、この辺で・・

がんの授業を振り返って

 改めて、がんをテーマにした授業では、様々な切り口から学びや気づきを深めることができると感じます。

 今回は、栄養学を学ぶ20歳前後の学生さん達への授業でしたが、2011年1月、杉並区の和田中学校で私と柳澤が初めて実施した「がんの授業」の様子は、動画でご覧いただけます。
 2011年1月6日 杉並区和田中学校での「がんの授業」

 文部科学省でも、がん教育についての取り組みの成果をまとめています。
学校におけるがん教育の在り方について(報告)
がん教育推進のための教材

 国の方針もあり、各地で「がん教育」への関心が高まり、自治体でも取り組みが始まっています。がん体験者の声が人々の心に届き、「がんと向き合える社会」が醸成されていくことを願います。

以上

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ALK陽性非小細胞肺がんの治療薬アレセンサ、アジア人でも1日2回600mgが標準用量であることが示唆される https://oncolo.jp/news/171128y01 https://oncolo.jp/news/171128y01 ALK陽性非小細胞肺がんの治療薬アレセンサ、アジア人でも1日2回600mgが標準用量であることが示唆される 2017-11-28UTC02:46:45+0000 2017年11月17日から19日までシンガポールで開催されている欧州臨床腫瘍学会アジア会議(ESMO ASIA)2017にて、ALK陽性非小細胞肺がん患者に対するアレクチニブ(商品名アレセンサ)の有効性を検証したALEX試験(NCT02075840)のアジア人患者におけるサブグループ解析の結果が発表された。

ALEX試験とは、ALK陽性非小細胞肺がん患者(N=303人)に対して1日2回アレセンサ600mg単剤療法を投与する群、または1日2回クリゾチニブ250mg(商品名ザーコリ)単剤療法を投与する群に1:1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)を比較検証した第III相の試験である。

本試験の結果、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)はザーコリ投与群よりもアレセンサ投与群で有意に改善することが証明された。また、日本人ALK陽性非小細胞肺がん患者に対しても1日2回アレセンサ300mg単剤療法を投与することで無増悪生存期間(PFS)を有意に改善することがJ-ALEX試験で証明された。

以上の背景より、本サブグループ解析ではALEX試験で1日2回アレセンサ600mg単剤療法を投与した患者をアジア人、非アジア人の2群に分けて主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)、奏効率(RR)などを比較検証した。つまり、アジア人に対する1日2回アレセンサ300mgでなく1日2回アレセンサ600mgの有効性、安全性を検証することを目的としたサブグループ解析である。

なお、本サブグループ解析の特徴としては脳転移の有無に関係なく全ての患者に対して6ヶ月ごとにMRIを実施し、脳内の無増悪期間(TTP)も検証している点である。

本サブグループ解析の結果、1日2回アレセンサ600mg単剤療法は非アジア人同様にアジア人においても同等の有効性、安全性が証明された。例えば、無増悪生存期間(PFS)中央値はザーコリ群よりもアレセンサ群においてアジア人(ハザードリスク比0.46)、非アジア人(ハザードリスク比0.49)で延長した。

また、脳内の無増悪期間(TTP)中央値もザーコリ群よりもアレセンサ群においてアジア人(ハザードリスク比0.21)、非アジア人(ハザードリスク比0.16)で延長した。奏効率(RR)はアレセンサ群81.2%、ザーコリ群76.8%、アジア人、非アジア人の奏効率(RR)はそれぞれ84.3%、74.4%であった。

一方の安全性としては、吐気、嘔吐、グレード3以上の有害事象(AE)発症率はアレセンサ群よりもザーゴリ群で多く発症が確認された。なお、有害事象(AE)に関してアジア人、非アジア人においては特異的な差は確認されなかったが、肝毒性に関しては非アジア人よりもアジア人の方が発症率が高いことが確認された。

以上のALEX試験サブグループ解析の結果を受けて、本発表のリードオーサーである香港中文大学・臨床腫瘍部門・Tony S.K. Mok氏は以下のように述べている。”ALEX試験のサブグループ解析で証明された無増悪生存期間(PFS)、無増悪期間(TTP)、奏効率(RR)の結果より、1日2回のアレセンサ600mgはアジア人でも非アジア人でも同様の効果が確認されました。また、有害事象(AE)発症率も許容範囲内です。本サブグループ解析より得られた知見より、アジア人に対しても1日2回のアレセンサ600mgが標準容量として設定されるべきでしょう。”

ALEX study shows alectinib 600 mg more effective than crizotinib in Asian lung cancer patients(ESMO Asia 2017 Press Release, Abstract 410O_PR)

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内分泌療法後のHR陽性進行性乳がんに対するフェソロデックス+バーゼニオ併用療法がFDAより承認される https://oncolo.jp/news/171127y01 https://oncolo.jp/news/171127y01 内分泌療法後のHR陽性進行性乳がんに対するフェソロデックス+バーゼニオ併用療法がFDAより承認される 2017-11-27UTC09:01:46+0000 2017年11月15日、内分泌療法後の疾患進行を伴うヒト上皮増殖因子受容体2陰性(HER2-)ホルモン受容体陽性(HR+)進行性または転移性乳がん患者に対するフルベストラント(商品名フェソロデックス)+ サイクリン依存性キナーゼ4/6(CDK4/6)阻害薬であるアベマシクリブ(商品名バーゼニオ)併用療法での適応が、米国食品医薬品局(FDA)より承認されたことをアストラゼネカ社が自社のプレスリリースで公表した。

今回の承認は、内分泌療法後に再発または増悪したヒトHER2陰性HR陽性進行乳がん患者(N=669人)に対してフェソロデックス+バーゼニオ併用療法を投与する群、またはフェソロデックス+プラセボ併用療法を投与する群に無作為に2:1の割合で振り分け、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS) を比較検証した第III相試験であるMONARCH2試験(NCT02107703)の結果に基づいている。

本試験の結果、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)中央値はフェソロデックス+バーゼニオ併用療法群16.4ヶ月、フェソロデックス+プラセボ併用療法群9.3ヶ月、フェソロデックス+バーゼニオ併用療法群で病勢進行または死亡のリスク(PFS)が44.7%(ハザード比:0.553,95%信頼区間:0.449-0.681、P<0.0001)統計学的有意に減少することが証明された。

今回の米国食品医薬品局(FDA)より効能拡大の承認を受けて、アストラゼネカ社・オンコロジービジネス部門責任者であるDave Fredrickson氏は以下のように述べている。”フェソロデックス単剤療法は、進行性乳がんの中で最も一般的な病型であるHR陽性進行乳がんの有用性のある治療選択肢でした。本日、米国食品医薬品局(FDA)より承認を受けたフェソロデックス+バーゼニオ併用療法は、化学療法を使用せずに進行性乳がんの治療が可能になる選択肢を患者さんに届けることになるでしょう。”

また、アメリカ合衆国・ニューハンプシャー州にあるNorris Cotton Cancer Center所属のPeter A. Kaufman氏は以下のように述べている。”今回のフェソロデックスの適応拡大は、内分泌療法後に再発または増悪したHER2陰性HR陽性進行性乳がん患者に新しい治療選択肢を提供することになります。フェソロデックス+バーゼニオ併用療法群がフェソロデックス+プラセボ併用に対して統計学的有意に無増悪生存期間(PFS)を延長することを証明したMONARCH2試験の結果が、今回の承認を後押ししました。”

米国食品医薬品局(FDA)の承認日同日、フェソロデックスは内分泌療法後の疾患進行を伴うHER2陰性HR陽性進行性乳がん患者に対するフェソロデックス)+サイクリン依存性キナーゼ4/6(CDK4/6)阻害薬であるパルボシクリブ(商品名イブランス;以下イブランス)併用療法での適応追加が欧州委員会(EC)より承認されている。

サイクリン依存性キナーゼ4/6(CDK4/6)阻害薬は、ホルモン療法に効果を示さない原因の1つであるサイクリングDと呼ばれるタンパク質の過剰発現に関連したがん増殖を抑制する作用機序を持つ薬剤である。

そのため、今回の米国食品医薬品局(FDA)と欧州委員会(EC)の承認は、ホルモン受容体陽性(HR+)進行性乳がんに対するホルモン療法であるフェソロデックスとサイクリン依存性キナーゼ4/6(CDK4/6)阻害薬の併用療法が、有用性の高い治療であることを認めた証左である。

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進行再発大腸がんの二次治療としてのFOLFIRI療法に対するmXELIRI療法の全生存期間(OS)の非劣性が証明される https://oncolo.jp/news/171127y02 https://oncolo.jp/news/171127y02 進行再発大腸がんの二次治療としてのFOLFIRI療法に対するmXELIRI療法の全生存期間(OS)の非劣性が証明される 2017-11-27UTC08:21:12+0000 2017年11月17日から19日までシンガポールで開催されている欧州臨床腫瘍学会アジア会議(ESMO ASIA)2017にて、進行再発大腸がんアジア人患者に対する二次治療としてのmXELIRI療法の有用性を証明した第III相のAXEPT試験(NCT01996306)の結果が発表された。

本試験は、治癒切除不能進行再発大腸がんアジア人患者(N=650人)に対して二次治療として3週間に1回の投与間隔でmXELIRI(イリノテカン200mg/m2、カペシタビン(商品名ゼローダ;以下ゼローダ)1600mg/m2)療法±ベバシズマブ(商品名アバスチン;以下アバスチン)を投与する群、または2週間に1回の投与間隔でFOLFIRI±アバスチンを投与する群に1:1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目であるFOLFIRI群に対する全生存期間(OS)の非劣勢(ハザードリスク比の95%信頼区間上限値1.3未満と定義)を検証した日本、韓国、中国で実施された国際多施設共同の第III相試験である。

本試験の結果、フォローアップ期間中央値15.8ヶ月時点における主要評価項目である全生存期間(OS)中央値はmXELIRI群16.8ヶ月、FOLFIRI群15.4ヶ月、FOLFIRI群に対するmXELIRI群の非劣勢(ハザードリスク比0.85,95%信頼区間:0.71-1.02,非劣勢検定P<0.0001) が証明された。

同様に、副次評価項目である無増悪生存期間(PFS)中央値はmXELIRI群8.4ヶ月、FOLFIRI群7.2ヶ月、FOLFIRI群、mXELIRI群ともに統計学的な違いがない(ハザードリスク比0.95,95%信頼区間:0.81-1.11,P=0.5078) ことが証明された。

一方の安全性としては、グレード3/4の有害事象(AE)発症率はmXELIRI群53.9%(N=167人)、FOLFIRI群72.3%(N=224)、FOLFIRI群に対してmXELIRI群の方が統計学的有意に減少する(P<0.0001)ことが証明された。また、最も一般的なグレード3/4の有害事象(AE)としては好中球減少症でありmXELIRI群16.8%(N=52人)、FOLFIRI群42.9%(N=133)で、懸念されていた下痢はmXELIRI群7.1%、FOLFIRI群3.2%であり管理可能であることが確認された。

本試験の有効性、安全性の結果を受けて、韓国・ソウル峨山病院腫瘍学・教授で本試験のリードオーサーであるTae Won Kim氏は以下のように述べている。”AXEPT試験の結果より、全生存期間(OS)におけるFOLFIRI群に対するmXELIRI群の非劣勢が証明されました。低用量イリノテカン、ゼローダへと減量したmXELIRI療法は、進行再発大腸がんの標準治療であるFOLFIRIに代わる選択肢になり得ることが証明されました。”

また、スペイン・バルセロナ・Vall d'Hebron Institute of Oncology所属で本試験の代表治験医師の1人であるRodrigo Dienstmann氏は以下のように述べている。”ゼローダは経口投与可能である抗がん剤のため、静注フッ化ピリミジン系薬剤に比べて利便性が高いです。しかし、最大用量のゼローダを含んだmXELIRI療法は下痢をはじめ毒性が非常に高いです。AXEPT試験の主な目的は、ゼローダ、イリノテカンの用量を減少したmXELIRI療法により、全生存期間(OS)をはじめとした有効性を損なわないことです。本試験の結果、主要評価項目である全生存期間(OS)のFOLFIRI群に対するmXELIRI群の非劣勢が証明し、有害事象(AE)発症率もFOLFIRI群より減少していました。想定通り下痢は発症こそしましたが、許容の範囲以内でした。本試験の結果は、進行再発大腸がんの二次治療としてのmXELIRI療法の処方を促進し、患者さんにとっての利便性を向上させることでしょう。”

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進行再発大腸がんの三次治療以降としてのロンサーフ、全生存期間(OS)をアジア人(中国、韓国、タイ)で有意に延長 https://oncolo.jp/news/171127k01 https://oncolo.jp/news/171127k01 進行再発大腸がんの三次治療以降としてのロンサーフ、全生存期間(OS)をアジア人(中国、韓国、タイ)で有意に延長 2017-11-27UTC08:16:16+0000 2017年11月17日から19日までシンガポールで開催されている欧州臨床腫瘍学会アジア会議(ESMO ASIA)2017にて、治療歴のある進行再発大腸がん患者に対するトリプルリジン・チピラシル塩酸塩(商品名ロンサーフ;以下ロンサーフ)単剤療法の有効性を証明した第III相のTERRA試験(NCT01955837)の国籍別サブグループ解析の結果が発表された。

本試験は、少なくとも2レジメン以上の治療歴(フッ化ピリミジン系薬剤、イリノテカン、オキサリプラチンを含む)のある治癒切除不能進行再発大腸がんアジア人患者(N=406人)に対してロンサーフ単剤療法を投与する群、またはプラセボ単剤療法を投与する群に2:1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目としてOS(全生存期間)、副次評価項目として無増悪生存期間(PFS)を比較検証した国際多施設共同に第III相試験である。

なお、本試験に登録されたアジア人とは中国、韓国、タイの3ヶ国であり日本は含まれていない。また、その内訳は中国人75.1%(N=305人)、韓国人20.0%(N=81人)、タイ人4.9%(N=20人)である。

本試験の結果、主要評価項目である全生存期間(OS)は、3ヶ国全ての患者群においてプラセボ単剤療法よりもロンサーフ単剤療法が有意に改善することが証明された。3ヶ国別の全生存期間(OS)、無増悪生存期間(PFS)の結果は下記の通りである。

中国人患者(N=305人)における全生存期間(OS)、無増悪生存期間(PFS)はそれぞれハザードリスク比0.82(95%信頼区間:0.62-1.08)、0.41(95%信頼区間:0.31-0.54)、ロンサーフ単剤療法群(N=204人)で改善傾向が確認された。

韓国人患者(N=81人)における全生存期間(OS)、無増悪生存期間(PFS)はそれぞれハザードリスク比0.77(95%信頼区間:0.48-1.26)、0.56(95%信頼区間:0.34-0.93)、ロンサーフ単剤療法群(N=55人)で改善傾向が確認された。

タイ人患者(N=20人)における全生存期間(OS)、無増悪生存期間(PFS)はそれぞれハザードリスク比0.54(95%信頼区間:0.19-1.53)、0.54(95%信頼区間:0.20-1.42)、ロンサーフ単剤療法群(N=12人)で改善傾向が確認された。

一方の安全性としては、ロンサーフ単剤療法群におけるCTCAE Ver4.0に基づくグレード3以上の有害事象(AE)は、30%以上の患者において好中球減少症が確認された。また、グレード3以上の発熱好中球減少症(FN)は確認されず、悪心、嘔吐、下痢を含むグレード3以上の有害事象(AR)の発症率も2%以下であった。

以上の試験の有効性、安全性の結果より、進行再発大腸がんの三次治療以降の選択肢として、ロンサーフ単剤療法は新しい治療選択肢になり得ることが証明された。

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PARP阻害薬リムパーザが卵巣がん、PD-1抗体キイトルーダが尿路上皮がん適応にて日本で初めて第二部会を通過 https://oncolo.jp/news/171126k01 https://oncolo.jp/news/171126k01 PARP阻害薬リムパーザが卵巣がん、PD-1抗体キイトルーダが尿路上皮がん適応にて日本で初めて第二部会を通過 2017-11-26UTC15:01:06+0000 11月24日、厚生労働省 薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会が開催され、がん関連では以下の新規承認または適応追加が了承された。なお、承認時期は2017年12月~2018年1月と予想される。

新規製造としてリムパーザとベスポンサ

オラパリブ(商品名リムパーザ):「白金系抗悪性腫瘍剤感受性の再発卵巣がんにおける維持療法」

リムパーザは、経口ポリメラーゼ(PARP)阻害薬であり、同種同効薬としてはファーストインクラス(日本初)製剤である。PARP阻害薬は、遺伝性乳がん・卵巣がん(HBOC)に特に有効であるとされているが、今回の承認はその主な遺伝子変異であるBRCA遺伝子変異を問わず使用できることになる。

しかしながら、「白金系抗悪性腫瘍剤を含む初回化学療法の投与終了後から再発までの期間が6カ月以上で、かつ直近の白金系抗悪性腫瘍剤を含む化学療法の奏効が継続している再発卵巣がん」に対しての了承となり、米国ですでに承認されているように「3回以上の化学療法による治療歴のある病的あるいは病的であることが疑われる生殖細胞系BRCA 遺伝子変異陽性(gBRCAm)進行卵巣がん」の適応はない可能性がある。

リムパーザの詳しい情報は以下を参照
乳がん・卵巣がんの新薬オラパリブ(リムパーザ)について知っておきたい5つのこと

イノツズマブ オゾガマイシン〈商品名ベスポンサ):「再発または難治性のCD22陽性の急性リンパ性白血病」

ベスポンサは、CD22抗体(イノツズマブ)に殺細胞性物質(オゾガマイシン)が結合された抗体薬物複合体(ADC)である。希少疾病用医薬品にも指定済されている。

ベスポンザの詳しい情報は以下を参照
急性リンパ性白血病(ALL)の新薬イノツズマブ オゾガマイシン(ベスポンサ)の治療を受ける前に知っておきたい6つのこと

適応追加としてキイトルーダとタシグナ

ペムブロリズマブ(商品名キイトルーダ):「がん化学療法後に増悪した根治切除不能な尿路上皮がん」

免疫チェックポイント阻害薬としては初めての尿路上皮がん(膀胱がん、腎盂がん、尿管がん、尿道がん等)適応となる。

キイトルーダの尿路上皮がんについての詳しい情報は以下を参照
尿路上皮がん キイトルーダが二次治療で有効、初回療法では化学療法より有望な可能性 NEJM&ASCO-GU2017<動画有>(オンコロニュース2017.03.22)

ニロチニブ(商品名タシグナ):「(小児における)慢性期または移行期の慢性骨髄性白血病」

すでに、成人で承認されているタシグナについて、小児の用法・用量を追加する一部変更承認となる。

(文:可知 健太)

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肺または胸腺の進行性カルチノイドに対するアフィニトール単剤、併用療法ともに有効性を示す https://oncolo.jp/news/171124y02 https://oncolo.jp/news/171124y02 肺または胸腺の進行性カルチノイドに対するアフィニトール単剤、併用療法ともに有効性を示す 2017-11-24UTC08:01:48+0000 2017年10月23日、医学誌『THE LANCET Oncology』にて進行性肺または胸腺カルチノイド患者に対するパシレオチド(商品名シグニフォー)単剤療法、エベロリムス(商品名アフィニトール)単剤療法、そしてシグニフォー+アフィニトール併用療法の有効性を検証した第II相のLUNA試験(NCT01563354)の結果が公表された。

本試験は、12ヶ月以内に放射線学的疾患進行を認めた進行性肺または胸腺カルチノイド患者(N=124人)に対して28日に1回の投与間隔でシグニフォー60mg単剤療法(N=41人)、1日1回アフィニトール10mg単剤療法(N=42人)、そしてシグニフォー+アフィニトール併用療法(N=41人)を1:1:1の割合で振り分け12ヶ月間投与し、主要評価項目である9ヶ月間無増悪割合を比較検証した多施設共同オープンラベルの第II相試験である。

なお9ヶ月間無増悪割合とは、RECIST1.1に基づく完全奏効(CR)、部分奏効(PR)、安定(SD)を9ヶ月間示した割合として定義している。

本試験の結果、主要評価項目である9ヶ月間無増悪割合はシグニフォー単剤療法群39.0%(N=16人)、アフィニトール単剤療法群33.3%(N=14人)、そしてシグニフォー+アフィニトール併用療法群58.5%(N=24人)であった。なお、どの群においても完全奏効(CR)した患者0人、部分奏効(PR)した患者1人であった。

一方の安全性として、グレード3または4の最も一般的な治療関連有害事象(AE)はシグニフォー単剤療法群ではγ-グルタミルトランスフェラーゼ10%、下痢7%、そして高血糖7%であった。アフィニトール単剤療法群では高血糖17%、口内炎10%、下痢7%であった。シグニフォー+アフィニトール併用療法群では高血糖22%、下痢10%であった。

また、12ヶ月間の治療後56日以内までの間に発症した有害事象(AE)により死亡した患者はアフィニトール単剤療法群では下痢を原因とする急性腎障害で1人、シグニフォー+アフィニトール併用療法群では下痢およびに尿路性敗血症、急性腎障害および呼吸器不全で2人であった。

以上の試験の有効性、安全性を受けて代表治験医師は以下のように述べている。”本試験は3群全てで主要評価項目を達成しました。また、安全性のプロファイルも既存の副作用と一致しており、肺または胸腺カルチノイド患者に対するシグニフォー+アフィニトール併用療法のさらなる抗腫瘍効果を発揮するための確認が必要です。”

本試験の結果が世に出るまで、進行性肺または胸腺カルチノイド患者に対する前向き試験は存在しなかった。その意味で本試験によりシグニフォー単剤、アフィニトール単剤、そしてシグニフォー+アフィニトール併用療法の有効性が証明された臨床意義は非常に大きいであろう。

Efficacy and safety of long-acting pasireotide or everolimus alone or in combination in patients with advanced carcinoids of the lung and thymus (LUNA): an open-label, multicentre, randomised, phase 2 trial(Lacncet Oncol, Published: 23 October 2017)

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希少がんに立ち向かう医師の想い、そして新たな時代への医療とは [Vol.1] https://oncolo.jp/feature/20171124dt https://oncolo.jp/feature/20171124dt 希少がんに立ち向かう医師の想い、そして新たな時代への医療とは [Vol.1] 2017-11-24UTC08:00:41+0000 人口10万人あたりに6例未満の頻度で発生する、“まれ”ながんである「希少がん」。その定義ができたのは、今からほんの数年前の2015年のことでした。その翌年、2016年のがん対策基本法の改正では「希少がんの研究促進」が盛り込まれるまでになり、世の中の関心も高まってきています。

今回お話をうかがうのは、国立がん研究センター骨軟部腫瘍科長であり、希少がんセンター長の川井 章先生。「病気で足を失う人をなくしたい」——川井先生は、子供の頃の経験から感じたひとつの想いから、「骨軟部腫瘍(肉腫/サルコーマ)」の専門医を目指したといいます。希少がんの第一線で活躍する川井先生の想い、希少がんと切り離せない「AYA世代」の問題、そして川井先生が会長を務める『第1回日本サルコーマ治療研究学会(JSTAR)学術集会』(2018年2月23〜24日)は、どんな理念のもとで開かれるのかについてお話をうかがいました。聞き手は軟部腫瘍体験者でオンコロスタッフの鳥井大吾です。(全3回)

医師を志した想い「病気で足を失う人・悲しむ家族をなくしたかった」


鳥井:川井先生は、今年(2017年)1月より、国立がん研究センター中央病院で開催しているセミナー『希少がん Meet the Expert』(共催:オンコロ、認定NPO法人キャンサーネットジャパン)でもご一緒させていただいています。

私は先生のご専門である肉腫の体験者です。2014年、25歳の時に「粘液型脂肪肉腫」の告知を受け、9時間の手術で左足ふくらはぎの15cm大の腫瘍を摘出しました。リハビリをしてもまったく歩けない時期もありましたが、2か月間の休職を経て社会復帰をしました。

川井:大変な経験をされたんですね。鳥井さんにお会いしてからずいぶん経ちますが、初めて詳しくお話をお聞きしました。

鳥井:その後、若年性がん患者団体『STAND UP!!』で初めて同年代のがん体験者と出会いました。中には治療中の体験者もいて、「その人たちのために何かできないか」ということでがん情報サイト「オンコロ」を運営する株式会社クリニカル・トライアルに入社し、今に至っています。先生が医師を志したのには、やはりきっかけがあったのでしょうか。

川井:鳥井さんがそうであったように、医師や看護師など医療に関わる仕事に就いている人の中には、病気によって辛い思いをした人、病気に対する個人的なパッションを持った人が多いように思います。私の場合も、やはりそのような経験がありました。以前は、それについて話をすることなど決してありませんでしたが、時がたって少しずつ人に話すこともできるようになりました。

私には、医者とは何かを考える前に、「病気で足を失う人をなくしたい」「肉腫で苦しむ家族をなくしたい」という強い想いがありました。

実は、私が中学2年生の時に妹が骨肉腫と診断されました。妹は小学校5年生で、クラスで一番スポーツができて、級長にも選ばれるような自慢の妹でした。それがある時、「膝が痛い」と言いだして歩くこともできなくなりました。「成長痛だろう」と軽い気持ちで近くの医院を受診したら、すぐに大学病院を紹介されて、がんが大腿骨(ふとももの骨)にあることがわかりました。

切断しか治療法はないと告げられ、骨肉腫の診断の2週間後には手術を受けました。手術室から帰ってくる妹のストレッチャーに、足一本分のふくらみしかないのを見た時のショックは今でも忘れません。しかし、手術の2カ月後には再発が見つかり、再度、股関節から切断する手術を受けることになりました。2度の手術の後、約1年間の抗がん剤治療を受けました。今のように良い吐き気止めがなかった時代でしたから、何度も何度も吐いて、それは本当に苦しそうでした。でも、そんなときでも、毎日見舞いに行く私の帰り道を心配したり、同じ病気の友達のために千羽鶴を折ったり、妹は本当にけなげでした。

今だからわかることですが、ちょうどその頃、骨肉腫の治療に強力な化学療法が導入されて、世界的にその治療成績(※)が劇的に良くなった時期でした。妹がもしあと2〜3年はやく病気になっていたら、命は助からなかったと思います。反対に、あと10年おそく病気になっていたら、足を切らずにすんだかもしれません。妹が足を失うことがわかった時、親父が泣く姿を初めて見ました。(※治療を行った結果、病気が良くなったかどうか)

鳥井:私の告知の時も母が診察室で泣いていて、家に帰ったら父も泣いていました。その時に初めて父の涙を見ました。

川井:父親の泣く姿は胸を衝きますね。その時、「病気で足を失って悲しむ人がいなくなるように医者になろう」と誓ったんです。進学先は妹の足を奪った岡山大学医学部しか頭にありませんでした。大学を卒業して医局を選ぶ時にも、骨肉腫の治療ができる整形外科へ入局しました。ちょうどその頃、妹の手術をした先生が助教授をしておられたんですが、むこうにしてみたらなんだか敵討ちに来られたみたいで相当怖かったんではないかと思います。いい迷惑ですよね(笑)。

医師、そして患者家族の経験と『たんぽぽ』の会

鳥井:当時、肉腫はどんなイメージだったのでしょうか。

川井:その頃、ドラマなどでヒロインが亡くなるのは白血病か骨肉腫と決まっていました。当時の骨肉腫は切断しか治療法がなく、それだけの犠牲を払ってもほとんどの患者さんが亡くなってしまう“残酷な病気”の代表でした。そんな病気が大切な妹に降りかかってくるというのは、とても大きなショックでした。医療が進歩した今も、肉腫と診断された患者さん・家族が受けるショックは同じだと思います。

鳥井:先生は、『肉腫(サルコーマ)の患者会 たんぽぽ』にも積極的に関わっていますね。

川井:「たんぽぽ」には、できるだけのお手伝いをさせていただきたいと思っています。鳥井さんは「同世代のがん患者に何かできないか」という想いからオンコロに入り、私の場合は「足を切って悲しむ人をなくしたい」との気持ちで医師になりましたが、そのような一途な気持ちを、すべての患者会の皆さんはその根底に持っておられると感じています。皆さん、自分のつらい経験を通して、同じ病に苦しむ患者さんのために「何かをしたい」と思っています。「たんぽぽ」を応援させてもらっているのは、自分自身の患者家族としての経験も元になっているのかもしれません。

今回は、川井先生が「なぜ、希少がんである肉腫の専門医を目指したのか」についてお話をうかがいました。第2回では「希少がんセンターの在り方」、情報発信として毎月行われている「『希少がん Meet the Expert』の意義」、希少がんとは切り離せない「AYA世代の問題」についてうかがいます。

(写真・文:木口マリ)

●プロフィール:
川井 章
1961年生まれ、岡山育ち、岡山大学卒業。大学病院勤務、米国留学を経て2002年より国立がんセンター整形外科(現国立がん研究センター骨軟部腫瘍科)勤務。2015年より希少がんセンター長。

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【がん医療共催セミナーin東京<今こそ、患者・医療者が共にルビコン川を渡る時>白衣を脱いだ医療者・パジャマを脱いだ患者が、がん医療を一緒に考えるセミナー2017】動画公開 https://oncolo.jp/event/tokyo_movie-kn https://oncolo.jp/event/tokyo_movie-kn 【がん医療共催セミナーin東京<今こそ、患者・医療者が共にルビコン川を渡る時>白衣を脱いだ医療者・パジャマを脱いだ患者が、がん医療を一緒に考えるセミナー2017】動画公開 2017-11-24UTC04:00:16+0000 2017年9月30日(土)東京にて、がん医療セミナー「<今こそ、患者・医療者が共にルビコン川を渡る時>
白衣を脱いだ医療者・パジャマを脱いだ患者が、がん医療を一緒に考えるセミナー2017 in 東京」を開催しました。セミナーの動画を公開しましたので、ぜひご覧ください。
※都合上、スライドを一部カットしている場合がございますが、ご了承ください。

イベントプログラム


座長:中川 和彦(認定特定非営利活動法人 西日本がん研究機構 理事長)

解説:アキ よしかわ(グローバルヘルス財団理事長、グローバルヘルスコンサルティング会長)

全体進行・司会 : 柳澤 昭浩(がん情報サイト「オンコロ」コンテンツ・マネージャー)

共催 : 認定特定非営利活動法人 西日本がん研究機構 ・ がん情報サイト「オンコロ」 ・ NPO法人 日本肺癌学会 ・ 樋口宗孝がん研究基金 ・ 株式会社インテリム ・ NPO法人 肺がん患者の会 ワンステップ!

セミナー動画

共催団体紹介

開会挨拶
認定特定非営利活動法人 西日本がん研究機構 理事長 中川 和彦

講演1 “高齢者に抗がん剤は効果なし”は本当なのか?
後藤 悌(国立がん研究センター中央病院 呼吸器内科 医員)

講演2 診療ガイドラインはこうやって作られる。並みの治療ではないのです!
山本 信之(NPO法人日本肺癌学会 ガイドライン検討委員会 委員長)

講演3 益々困難になるがんにおける新薬開発
安達 進(アッヴィ合同会社医学統括本部長)

講演4 がんの治験・臨床試験はどうやって探すのか?
可知 健太(がん情報サイト「オンコロ」オンコロジー事業部本部長)

講演5 がん医療は国を滅ぼすのか?患者中心の医療って何なのか?
NPO法人 肺がん患者の会 ワンステップ! 代表 長谷川 一男

閉会挨拶
中川 和彦(認定特定非営利活動法人 西日本がん研究機構 理事長)

]]>https://oncolo.jp/wp/wp-content/uploads/2017/11/7a817ead4833edf01c6fe960c2a0ecf3-300x153.jpg 非扁平上皮非小細胞がん初回治療に新たな知見 ~免疫チェックポイント阻害薬/化学療法/アバスチン併用療法が有効性示す~ https://oncolo.jp/news/171124k01 https://oncolo.jp/news/171124k01 非扁平上皮非小細胞がん初回治療に新たな知見 ~免疫チェックポイント阻害薬/化学療法/アバスチン併用療法が有効性示す~ 2017-11-24UTC03:06:27+0000 中外製薬株式会社は、改変型抗PD-L1抗体「アテゾリズマブ(商品名テセントリク)」に関し、化学療法未施行のステージIV非扁平上皮非小細胞肺がん(nonSq-NSCLC)患者さんを対象とした第III相臨床試験であるIMpower150試験(NCT02366143)において、テセントリク併用群(テセントリク+カルボプラチン+パクリタキセル+ベバシズマブ併用)が化学療法併用レジメン群(カルボプラチン+パクリタキセル+ベバシズマブ併用)と比較し、主要評価項目の一つである無増悪生存期間(PFS)を統計学的に有意に延長したと発表した。

さらに、もう一つの主要評価項目である全生存期間(OS)については、十分なイベント数に達していないものの期待が持てる結果であり、2018年の上期に次の解析結果が判明する予定とのことである。

テセントリク併用群の安全性プロファイルはこれまでに各薬剤で認められている安全性プロファイルと一致しており、当該併用レジメンにおける新たな安全性の懸念は認められない。

本試験の結果は、本年12月にスイス・ジュネーブで開催される欧州臨床腫瘍学会 腫瘍免疫学シンポジウム(ESMO Immuno Oncology)にて発表される予定とのことである。

現在、非小細胞肺がんに対する初回治療について、PD-L1高発現(50%以上)にてキイトルーダ単剤療法を使用することができる。その他、免疫チェックポイント阻害薬の組み合わせについては様々な臨床試験が実施中である。

第三の免疫チェックポイント阻害薬アテゾリズマブ(テセントリク)

テセントリクは、PD-1抗体ニボルマブ(商品名オプジーボ)やペムブロリズマブ(商品名キイトルーダ)と同じ免疫チェックポイント阻害薬となるが、PD-L1抗体となりターゲットが異なる。

アメリカ食品医薬品局(FDA)は、2016年10月19日に「プラチナ製剤を含む化学療法に対して病態進行した転移性非小細胞肺がん(EGFR遺伝子変異、ALK遺伝子変異対象外)」の適応として承認しており、日本では今月6日に厚生労働省 薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会にて了承されたため、間もなく承認されるであろう薬剤となる。

IMpower150試験は、化学療法未施行のステージIV非扁平上皮NSCLC患者さんを対象に、テセントリクの化学療法との併用レジメンにおける有効性と安全性を化学療法併用レジメンと比較検討した、オープンラベルランダム化多施設共同第III相臨床試験である。

本試験の試験デザイン1,202名の患者さんを以下のA~C群に1:1:1の割合でランダム化し、各群の投与レジメンに従い3週に1回間隔で薬剤を投与した。

A群:テセントリク(1,200mg静注)+カルボプラチン(AUC 6)+パクリタキセル(200mg/m2静注)
B群:テセントリク(1,200mg静注)+カルボプラチン(AUC 6)+パクリタキセル(200mg/m2静注)+ベバシズマブ(15mg/kg静注)
C群:カルボプラチン(AUC 6)+パクリタキセル(200mg/m2静注)+ベバシズマブ(15mg/kg静注)
※患者が臨床的ベネフィットを享受していると治験担当医師が評価している限り、または許容不能な有害事象が認められるまで継続

主要評価項目は、ALK又はEGFRの遺伝子変異患者を除くITT(Intent to treat)解析集団ならびにT細胞活性調整因子(Teff)の遺伝子発現により層別化した集団における無増悪生存期間(PFS)およびITT解析集団の全生存期間(OS)となり、今回の解析結果はB群対C群でのみ統計学的な比較を行っている。

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【メルマガコラム】お問合せ数2,000件突破しました[vol.44] https://oncolo.jp/backnumber/mailmagazine_vol44 https://oncolo.jp/backnumber/mailmagazine_vol44 【メルマガコラム】お問合せ数2,000件突破しました[vol.44] 2017-11-24UTC01:20:30+0000 コラム

オンコロの濱崎です。
皆さん いつもオンコロをご覧いただきありがとうござます。
オンコロ副責任者?の濱崎です。
普段はあまりこういった場に出る機会が無いのですが、
今後は色々とお話しできればと考えております。
さて、私は現在オンコロの「治験お問合せ窓口」の責任者をやっております。
現在、問合せのスタッフとしては中山、海東、アルバイトスタッフさんの少人数で対応しており、、
みな忙しいながらも、オンコロの情報提供によって少しでも「患者さんの役に立ちたい」、
という思いで真剣に取り組んでくれています。

昨日、オンコロで正式に治験案内を開始してからの治験お問合せの累計が2,000人を超えました。
約2年での数字で、がんの治験に特化しての人数です。

私たちは、がんの治験の参加を検討する患者さんたちの、2,000というリアルなストーリーに携わりました。
本当に色々なことがありました。感謝され、お叱りを受け、無力さに涙したり・・・。

でも、そこにはがんの治験案内に特化してきたオンコロだからこそ知っていることが沢山あると感じています。
医療現場で変わってもらいたい事、患者さんにもっと理解してほしい事、製薬企業に協力してほしい事など・・・。

がんの治験業界をより良くするために、患者さんがもっと治験を身近に感じ参加しやすい仕組みを作るために!
オンコロではやらなければならない事がまだまだあります。

次回は2,000のストーリーからピックアップしてお届けし、何が起こっているのかを共有し、
皆さんにも知ってもらえたらなと思います。

長くなりましたが引き続きオンコロを宜しくお願い致します。
濱崎 晋輔

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世界初、術後再発リスクの高い腎細胞がん患者に対する術後療法としのスーテントがFDAより承認 https://oncolo.jp/news/171124y01 https://oncolo.jp/news/171124y01 世界初、術後再発リスクの高い腎細胞がん患者に対する術後療法としのスーテントがFDAより承認 2017-11-24UTC00:11:43+0000 2017年11月16日、外科的切除後の再発リスクの高い腎細胞がん患者に対する術後療法としてのスニチニブ(商品名スーテント)単剤療法が米国食品医薬品局(FDA)より適応追加の承認を受けたことをファイザー社は自社のプレスリリースで公表した。

本承認は、外科的切除後の再発リスクの高い腎細胞がん患者(N=615人)に対してスーテント単剤療法を投与する群、またはプラセボ単剤療法を投与する群に無作為に振り分け、主要評価項目である無病生存率(DFS)を比較検証した国際多施設共同無作為二重盲検下の第III相試験であるThe S-TRAC試験(NCT00375674)の結果に基づいている。

本試験の結果、主要評価項目である無病生存率(DFS)は24%(ハザード比0.76,95%信頼区間:0.59-0.98,p=0.03)統計学的有意に減少することが証明された。また、無病生存期間(DFS)中央値はスーテント群で6.8年(95%信頼区間:5.8年-未到達)、プラセボ群で5.6年(95%信頼区間:3.8-6.6年)であった。5年無病生存率(DFS)はそれぞれ59.3%、51.3%であった。

一方の安全性としては、スーテントの術後療法を受けた20%以上の患者で確認された最も一般的な治療下に発現した有害事象(TEAE)は粘膜炎/口内炎61%、疲労/無力症57%、下痢57%、手足症候群50%、高血圧39%、味覚異常38%、吐気34%、消化不良27%、腹痛25%、発疹24%、甲状腺機能低下症/ 亢進症24%、出血24%、髪の変色22%であった。

以上の臨床試験の有効性、安全性の結果に基づく、外科的切除後の再発リスクの高い腎細胞がん患者に対する術後療法としてのスーテントの適応追加を受けて、ファイザー社・オンコロジー部門・グローバルプレジデント兼ジェネラル・マネジャーであるLiz BarrettLiz Barrett氏は以下のように述べている。”本日の適応追加の承認は、外科的切除後の再発リスクの高い腎細胞がん患者さんの治療を前進させる重要な一歩です。ファイザー社は腎細胞がんにおける研究を10年以上に渡り取り組み、この度の適応追加により患者さんに臨床的意義のある治療選択肢を提供できることを喜ばしく思います。”

また、デューク大学メディカルセンター・治験代表医師であるDaniel George氏は以下のように述べている。”外科的切除を受けた再発リスクの高い腎細胞がん患者は再発にしばし脅えていました。スーテントが世界で初めて適応追加を認められた外科的切除後の再発リスクの高い腎細胞がん患者に対する術後療法は臨床的意義が非常に高く、今日まで実施されてきた経過観察療法を代替することになるでしょう。”

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進行がん患者の診察室 コンピュータ画面でなく顔を見て対話する医師の好感度72% https://oncolo.jp/news/171122f01 https://oncolo.jp/news/171122f01 進行がん患者の診察室 コンピュータ画面でなく顔を見て対話する医師の好感度72% 2017-11-22UTC05:46:26+0000 支持・緩和療法の現場を舞台とする進行がん患者の意識調査で、担当医がコンピュータ画面を見ながら会話するよりも、患者の顔を見ながら会話する(face-to-face)方が良い印象を持つことが示された。2017年6月の米国臨床腫瘍学会(ASCO)で発表された二重盲検試験(NCT02957565)の結果で、明確な評価尺度と統計学的解析により検証された(Abstract 26)。

患者と医師に扮する役者が対話する診察室の動画2つ、違うのは医師のまなざし

調査対象は18歳以上の進行がん患者120例で、90%は身体機能に全く問題がなく、全例が英語話者。同じ部屋、同じ脚本で役者が演じる診察場面を映した3分間の動画2種類を観てもらい、医師の配慮・共感性、意思疎通能力、および専門的能力に関する質問に対するスコア化した回答を取得した。一方の動画では、医師が患者の顔を見ながら耳を傾け、語りかけるface-to-face設定(1)、もう一方では医師がコンピュータ画面に視線を集中し、操作しながら会話する設定(2)である。患者役も医師役も試験の目的を知らされずに演じ、試験者は患者が観た(1)(2)の動画の順番を知らない。

その結果、3つすべての質問で設定(1)のスコア中央値の方が設定(2)よりも良い印象を示し、配慮・共感性(スコア0が最良:9対20)、意思疎通能力(スコア0が最悪:65対54)、専門的能力(スコア0が最悪:19対14)いずれも統計学的有意差が認められた(各p=0.0003、p=0.0001、p=0.013)。2つの動画を観た後で医師に対する全般的印象を質問したところ、120例中86例(72%)が設定(1)のface-to-faceに好感度を抱いたことが分かった。

「最終的に、患者にとっての有益性は医師との信頼関係に基づく心理状態に依存する。患者は直接寄り添ってくれているとの実感が欲しい」とASCOで発表したAli Haider氏(米国テキサス大学MDアンダーソンがんセンター)。「診察室に第三者の存在を望んでいるのは間違いないが、それはコンピュータではないということがはっきりした」

リテラシーの高い患者が抱く印象は?

今回と同じ調査を早期のがん患者を対象に行っても同じ結果となった可能性は高い。しかし、コンピュータについて一定の知識や技術を予め備えている若い患者を対象とすれば結果は変わってくる可能性が高い。

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EGFR変異陽性非小細胞肺がんの初治療 タグリッソで増悪・死亡リスクが標準薬の半分に https://oncolo.jp/news/171122k01 https://oncolo.jp/news/171122k01 EGFR変異陽性非小細胞肺がんの初治療 タグリッソで増悪・死亡リスクが標準薬の半分に 2017-11-22UTC05:08:34+0000 日本で2016年5月から販売開始された非小細胞肺がん(NSCLC)の治療薬オシメルチニブ(商品名タグリッソ)は、上皮増殖因子受容体(EGFR)-T790M変異陽性のチロシンキナーゼ(EGFR-TKI)を特異的に阻害する分子標的薬である。先に承認されている第1世代から第2世代のEGFR-TKIエルロチニブ(商品名タルセバ)、ゲフィチニブ(商品名イレッサ)、またはアファチニブ(ジオトリフ)の治療に抵抗性を示す患者を対象とする二次治療以降を適応に承認されており、初治療としての処方は認められていない。

EGFR変異陽性NSCLC患者に対するタグリッソ単剤初治療の試み

タグリッソの国際共同第3相無作為化二重盲検試験(FLAURA、NCT02296125)で、治療歴のないEGFR変異陽性NSCLCの初治療としてタグリッソを投与したところ、従来のEGFR-TKIによる標準治療を有意に上回るリスク低減をもたらすことが明らかになり、中間解析結果が2017年11月18日のNew England Journal of Medicineに掲載された。また、17日から19日にシンガポールで開催された欧州臨床腫瘍学会アジア会議(ESMO Asia)では、試験FLAURAの解析対象のおよそ6割を占めるアジア人患者集団のみに限った解析結果が発表され、増悪・死亡リスクが標準治療の約半分に低減したことが示された(Abstract LBA 6_PR)。

客観性を重視したデザインの大規模無作為化二重盲検試験FLAURA

試験FLAURA は、2014年12月から2016年3月に29カ国、132施設で行われ、全解析対象556例のうち、タグリッソ群は279例、標準治療群(タルセバまたはイレッサ)は277例であった。EGFR変異のタイプはエクソン19欠失がそれぞれ57%、56%、L858Rが35%、32%で、複数の変異を持つ患者も含まれている。その他の患者背景も群間均衡がとれ、年齢中央値は両群ともに64歳、男性患者の割合はそれぞれ36%、38%、白人患者の割合はともに36%、アジア人患者の割合はともに62%であった。

データカットオフ時点での全治療期間中央値は、タグリッソ群が16.2カ月、標準治療群が11.5カ月で、同時点で治療を継続していた患者の割合はそれぞれ51%、23%、増悪または死亡した患者の割合は49%、74%であった。それぞれ67%、70%の患者は、増悪と判定された後も治療を継続した。

全解析対象で主要評価項目達成、タグリッソ群の増悪・死亡リスク54%低下

有効性評価項目の主な解析結果は次のとおりである。

●タグリッソ群の無増悪生存(PFS)期間中央値(18.9カ月)は標準治療群(10.2カ月)と比べ有意に延長し、増悪・死亡リスクは54%低下した(p<0.001、ハザード比[HR]=0.46)。

●年齢、性別、人種、EGFR変異タイプなど、あらゆる患者背景別の解析でもタグリッソ群の増悪・死亡リスクは標準治療群より低下し、リスク低下率は42%から66%の範囲であった。

●全奏効率(各80%、76%)は同等で有意差はなかったが、奏効の持続期間中央値(各17.2カ月、8.5カ月)はタグリッソ群の方が2倍に延長した。病勢コントロール率(各97%、92%)も群間有意差はなかった。

●全生存期間(OS)は中央値特定には至っていない。治療後18カ月時点での全生存率(各83%、71%)も中間解析時点では統計学有意差に達していない。

●治療予後不良が懸念される中枢神経系(CNS)転移のある患者にもタグリッソは有効であった。CNS転移のある患者集団(タグリッソ群53例、標準治療群63例)での無増悪生存(PFS)期間中央値(各15.2カ月、9.6カ月)、CNS転移のない患者集団(各226例、214例)でのPFS期間中央値(各19.1カ月、10.9カ月)ともにタグリッソ群の方が有意に延長し、増悪・死亡リスクの低下率はそれぞれ53%、54%であった(ともにp<0.001、各HR=0.47、HR=0.46)。

タグリッソ群の方が長い治療期間にもかかわらず安全性は標準治療と同等以上

主な有害事象は、両群ともに皮膚乾燥や下痢などであった。間質性肺疾患はタグリッソ群4%(11例)、標準治療群2%(6例)に発現したが、致死性のイベントは認められなかった。グレード3以上の有害事象の発現率は、タグリッソ群(34%)の方が標準治療群(45%)より低く、重篤な有害事象(各22%、25%)は同等で、重篤な間質性肺疾患はそれぞれ6例、4例に認められた。タグリッソとの因果関係が否定できない致死性の有害事象は認められなかった。標準治療との因果関係が否定できない致死性の有害事象は下痢(1例)であった。

有害事象を理由とする治療中止の患者割合(タグリッソ群13%、標準治療群18%)、治療中断の患者割合(各25%、24%)、用量を減量した患者割合(各4%、5%)は群間に大差がなかった。

アジア人の増悪・死亡リスクはタグリッソで46%低下

試験FLAURAに登録されたアジア人患者322例中、日本人は120例、中国人は46例、その他アジア地域の患者が156例であった。このアジア人患者集団において、無増悪生存(PFS)期間中央値はタグリッソ群(16.5カ月)が標準治療群(11.0カ月)より有意に延長し、増悪・死亡リスクは46%低下した(p<0.0001、HR=0.54)。奏効率(各80%、75%)は大差なかったが、奏効持続期間中央値はタグリッソ群(17.6カ月)が標準治療群(8.7カ月)の2倍以上に延長した。グレード3以上の有害事象の発現率はタグリッソ群(40%)の方が標準治療群(48%)より低かった。

アジア人 vs 非アジア人の詳細解析が必要

無増悪生存(PFS)期間のハザード比(HR)で比較すると、非アジア人集団(0.34)の方がアジア人集団(0.54)より低かった、つまりリスク低下率は非アジア人集団の方が高かったものの、統計学的有意差は検証されていない。国立台湾大学のJames CH Yang教授は、「EGFR変異陽性患者のEGFR-TKIに対する人種別の反応性については議論の余地が大いにあるが、生物学的な差というよりむしろ、実臨床下でのバリエーションと考えることもできる」との推測にとどめ、メタアナリシスの必要性を語っている。

ESMO Asia 2017 Press Release: Osimertinib Improves Progression-free Survival in Asian EGFR-mutated Lung Cancer Patients(ESMO ASIA 2017, Press Releases, Abstract LBA 6_PR)

Osimertinib in Untreated EGFR-Mutated Advanced Non–Small-Cell Lung Cancer(NEJM, November 18, 2017DOI: 10.1056/NEJMoa1713137)

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医療用保湿剤「保険外さないで」 乳がん患者会が国に要望 https://oncolo.jp/pick-up/news1227 https://oncolo.jp/pick-up/news1227 医療用保湿剤「保険外さないで」 乳がん患者会が国に要望 2017-11-22UTC05:00:45+0000 美容など不適切な使用が広まり、処方に制限を設けることが議論されている「ヒルドイド」などの医療用保湿剤について、乳がんの患者団体が20日、従来通りの使用ができるよう求める要望書を厚生労働省などに提出した。

続きを読む
https://goo.gl/qyrwFQ

ニュース選定者:濱崎 晋輔
引用元:産経デジタル
http://www.iza.ne.jp/

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https://oncolo.jp/wp/wp-content/uploads/2017/03/caf37f6df05dafec55ab2db69750075f2-300x153.jpg
RareAs.(レアズ)β版をオープンしました https://oncolo.jp/blog/171122 https://oncolo.jp/blog/171122 RareAs.(レアズ)β版をオープンしました 2017-11-22UTC02:24:20+0000 オンコロの可知です。

11月13日にオンコロ姉妹サイトとなる「RareAs.レアズ」をオープンしました。
このサイトは希少疾患をテーマとしたサイトとなります。希少疾患には希少がんが含まれます。

https://rareas.net/

希少疾患は7000~8000種類あるといわれており、オンコロと同じような運用方法ですと限界があるため、IT技術を駆使していこうと思っています。

手始めに実装したものは、インターネット上に掲載された希少疾患のニュースをシステム的に引っ張ってきています。対象希少疾患のニュース500種程度を設定しています。

当初、様々なジャンク情報を引っ張ってきていたため、それを削除する要件を設定するための試行錯誤がありましたが、なんとか9割程度はフィルタリングできてるようになりました。

それでもすべてを削除しきれていないため、現状はスタッフが毎朝確認してジャンク情報を削除しております。削除と共に、ジャンク情報が掲載されるルールを構築し、最終的にはAIを導入して全自動化する予定です。

一方、現状の設定ですと、掲載されるべき情報も掲載されない場合があるのと、タグ付けが異なっている場合があります。。。その点も改善していきます。

なお、それでも希少疾患というテーマをスタンドアローンで運営していくのはかなり厳しいため、様々なステークホルダーと共に発展できるサイトを目指しております。

さらに、希少疾患患者会運営の手助けになるプラットフォームを開発しております。

現在、希少疾患患者会には以下の問題点があります。

日本の希少疾患患者会の問題点
●個人自宅を事務所としている団体が37.8%
●平均職員数は3.73名だが、0~2名程度の団体が最も多い
●非常勤職員の半数以上、常勤でも半数近くが無給
●収入は会費(賛助会費含む)が93.9%で、500万円未満が53.6%
●研究協力へは93%の団体が「協力できる」と回答

平成24年度 厚生労働省科学研究費補助金 難病性疾患等克服研究事業 国内患者会と難病研究に関する調査より

これらの解決となるようなコンテンツを開発中であり、途中から「この仕組みは、がんの患者会の皆さんにも活用いただけるのでは?」と考えるようになり、軌道修正しております。

今後も「RareAs.」ともども宜しくお願い致します。

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10年以上に渡って進行性濾胞性リンパ腫(FL)ファーストラインの標準治療であり続けたリツキサンがオビヌツズマブへ? https://oncolo.jp/news/171122y01 https://oncolo.jp/news/171122y01 10年以上に渡って進行性濾胞性リンパ腫(FL)ファーストラインの標準治療であり続けたリツキサンがオビヌツズマブへ? 2017-11-22UTC01:26:39+0000 2017年11月16日、未治療進行性の濾胞性リンパ腫(FL)患者に対するオビヌツズマブ(商品名Gazyva)+化学療法(CHOP、CVP、またはベンダムスチンの内いずれかを選択)併用療法後の維持療法としてのGazyva療法が米国食品医薬品局(FDA)より承認を得たことをジェネンテック社が自社のプレスリリースで公表した。

本承認は、bulky病変を認めるステージII、III、またはIV期の濾胞性リンパ腫(FL)患者(N=1202人)に対する一次治療としてGazyva+化学療法併用療法後に維持療法として最大2年間Gazyva単剤療法を投与する群(N=601人)、またはリツキシマブ(商品名リツキサン;以下リツキサン)+化学療法併用療法後に維持療法として最大2年間リツキサン単剤療法を投与する群(N=601人)に無作為に振り分け、主要評価項目として治験医師判定に基づく無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目として治験医師判定に基づく全奏効率(ORR)を比較検証した国際多施設共同の第III相試験であるGALLIUM試験(NCT01332968)の結果に基づいている。

本試験の結果、主要評価項目である治験医師判定に基づく無増悪生存期間(PFS)は両群ともに未到達であったが、病勢進行または死亡のリスク(PFS)がGazyva群で28%(ハザード比0.72、95%信頼区間:0.56-0.93、P=.0.0118)統計学的有意に減少することが証明された。また、3年無増悪生存率(PFS)はGazyva群で80.0%、リツキサン群で73.3%(ハザード比:0.66、95%信頼区間:0.51-0.85、P=0.001)であった。また、副次評価項目である治験医師判定に基づく全奏効率(ORR)はGazyva群で88.5%、リツキサン群で86.9%であった。

一方の安全性としては、グレード3から5の有害事象(AE)発症率はGazyva群で74.6%、リツキサン群で67.8%、重篤な有害事象(AE)発症率はGazyva群で46.1%、リツキサン群で39.9%と、どちらもGazyva群で多くの有害事象(AE)が確認された。また、死亡に至った有害事象発症率はGazyva群で4.0%、リツキサン群で3.4%であった。

最も一般的な治療下に発現した有害事象(TEAE)発症率はGazyva群で59.3%(95%信頼区間:55.3-63.2%)、リツキサン群で48.9%(95%信頼区間:44.9-52.9)で、その内訳としては吐き気、好中球減少症の有害事象(AE)が多く確認された。

以上の臨床試験の有効性、安全性の結果に基づいた未治療進行性濾胞性リンパ腫(FL)患者に対するGazyva療法が米国食品医薬品局(FDA)より承認を得たことを受けて、ロシュ社(ジェネンテック社はロシュ社のグループ会社)最高医学責任者兼国際開発責任者であるSandra Horning氏は以下のように述べている。”本日のGazyvaの承認は、毎年何千人も診断される濾胞性リンパ腫(FL)の疾患進行を可能な限り遅らせることが期待されます。治癒の期待できないこの血液がん患者さんに対して10年以上もこの病気の標準治療であり続けたリツキサンの治療成績を上回る導入療法を届けることができて我々は大変喜ばしいです。”

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末期がんを宣告された女性が、ひとりでウェデイング写真を撮った理由 https://oncolo.jp/pick-up/news1225 https://oncolo.jp/pick-up/news1225 末期がんを宣告された女性が、ひとりでウェデイング写真を撮った理由 2017-11-22UTC01:00:24+0000 台湾出身のキュー・メイ・チェンさん。4年前、ステージ2の乳がんの治療を受けた後に、ガンはなくなったと宣告されました。しかしその2年後、チェンさんは再びガンになり、ステージ4まで悪化していました。 そこで昨年、自分自身への誕生日プレゼントとして、チェンさんは子どものころの夢を実現させることにしました。

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https://goo.gl/E3NdMQ

ニュース選定者:中島 香織
引用元:BuzzFeed
https://goo.gl/NDsVGs

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がんで断念、師の思い継ぎ日本一 https://oncolo.jp/pick-up/news1224 https://oncolo.jp/pick-up/news1224 がんで断念、師の思い継ぎ日本一 2017-11-21UTC23:00:23+0000 福井市で10月に開かれた剣詩舞の全国大会で、同市の宗生流剣詩舞道総本部から5人が出場し、服部絹代さんら3人が詩舞の年代別部門で初優勝した。大会には5人と同じ流派で、同様に地区予選を勝ち抜いた女性師範も出場予定だったが、がんの再発で断念。大会から8日後に亡くなった。

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http://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/262302

ニュース選定者:可知 健太
引用元:福井新聞ONLINE
http://www.fukuishimbun.co.jp/

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アンジーが乳房摘出で投じた一石 遺伝なら予防対策を打てる https://oncolo.jp/pick-up/news1223 https://oncolo.jp/pick-up/news1223 アンジーが乳房摘出で投じた一石 遺伝なら予防対策を打てる 2017-11-21UTC13:00:44+0000 医学の進歩とともに遺伝子分野の研究が進んだため、今ではわずかな血液や唾液のサンプルから、その人間の全遺伝情報が解析できるようになった。それとともに、病気は「遺伝」が原因となるのか、それとも生活習慣などの「環境」が引き起こすのかという古くからの課題でも研究が進んでいる。

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http://www.news-postseven.com/archives/20171120_630786.html

ニュース選定者:濱崎 晋輔
引用元:NEWSポストセブン
http://www.news-postseven.com/

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デーモン閣下(悪魔)を起用した広島県がん検診ポスターが話題 https://oncolo.jp/pick-up/news1222 https://oncolo.jp/pick-up/news1222 デーモン閣下(悪魔)を起用した広島県がん検診ポスターが話題 2017-11-21UTC11:00:12+0000 官公庁や自治体の広報に、芸能人や著名人、アニメキャラなどが起用されることはよくある事です。そんな中、ネット上ではデーモン閣下を起用した広島県ががん検診のポスターが、デザインが変わるごとに訴えが強くなっていると話題をよんでいます。

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http://otakei.otakuma.net/archives/2017111606.html

ニュース選定者:柳澤 昭浩
引用元:おたくま経済新聞
http://otakei.otakuma.net/

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ニボルマブとISA101ワクチン併用療法が中咽頭がんに有効 https://oncolo.jp/pick-up/news1221 https://oncolo.jp/pick-up/news1221 ニボルマブとISA101ワクチン併用療法が中咽頭がんに有効 2017-11-21UTC09:00:33+0000 チェックポイント阻害剤ニボルマブ、およびヒトパピローマウイルス16に対する合成ロングペプチドワクチンISA 101の併用治療は、ニボルマブ単剤治療による過去のデータと比較して難治性中咽頭がん患者の奏効を改善したという知見が、欧州臨床腫瘍学会にて発表された。

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https://www.cancerit.jp/57629.html

ニュース選定者:可知 健太
引用元:海外がん医療情報リファレンス
https://www.cancerit.jp/

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チロシンキナーゼ阻害薬スプリセル、小児フィラデルフィア染色体陽性慢性期慢性骨髄性白血病の適応拡大がFDAより承認される https://oncolo.jp/news/171121y02 https://oncolo.jp/news/171121y02 チロシンキナーゼ阻害薬スプリセル、小児フィラデルフィア染色体陽性慢性期慢性骨髄性白血病の適応拡大がFDAより承認される 2017-11-21UTC07:26:25+0000 2017年11月10日、小児のフィラデルフィア染色体(Ph)陽性慢性期(CP)慢性骨髄性白血病(CML)患者に対するダサチニブ(商品名スプリセル)単剤療法の適応拡大が米国食品医薬品局(FDA)より承認されたことをブリストル・マイヤーズ スクイブ社は自社のプレスリリースで公表した。

今回の適応拡大の根拠は、小児フィラデルフィア染色体陽性慢性期慢性骨髄性白血病患者合計97人を対象にした2つの臨床試験であるNCT00306202試験、NCT00777036試験の結果に基づくものである。なお、97人の内51人は慢性期慢性骨髄性白血と新規に診断された患者、97人の内46人はイマチニブ(製品名グリベック)治療後の患者である。

両試験では、小児フィラデルフィア染色体陽性慢性期慢性骨髄性白血病患者(N=97人)に対して1日1回スプリセル60mg/m2(N=91人)を病勢進行または許容できない毒性発現まで継続投与し、有効性評価項目として細胞遺伝学的完全寛解(CCyR)、細胞遺伝学的大寛解(MCyR)、分子遺伝学的大奏効(MMR)を評価した。

本試験の結果、フォローアップ期間24ヶ月時点における新規診断患者(N=51人)、グリベック治療歴のある患者(N=46人)別の細胞遺伝学的完全寛解率(CCyR)はそれぞれ96.1%(86.5-99.5%)、82.6%(68.6-92.2%)であった。

また、細胞遺伝学的大寛解(MCyR) はそれぞれ98.0%(89.6-100%)、89.1%(76.4-96.4%)、分子遺伝学的大奏効(MMR) はそれぞれ74.5%(60.4-85.7%)、52.2%(36.9-67.1%)であった。

なお、フォローアップ期間4.5年時点の新規診断患者(N=51人)における細胞遺伝学的完全寛解期間(CCyR)、細胞遺伝学的大寛解期間(MCyR)、分子遺伝学的大奏効期間(MMR)、フォローアップ期間5.2年時点のグリベック治療歴のある患者(N=46人)における細胞遺伝学的完全寛解期間(CCyR)、細胞遺伝学的大寛解期間(MCyR)、分子遺伝学的大奏効期間(MMR)はともに未到達である。

一方の安全性としては、スプリセル投与による重篤な治療関連有害事象(AE)が14.4%の患者で確認された。15%以上の患者で発症が確認された最も一般的な有害事象は骨髄抑制、頭痛、吐き気、下痢、皮膚障害、四肢などの痛みであった。

以上の2つの臨床試験結果によるスプリセルの適応拡大が米国食品医薬品局(FDA)より承認されたことを受け、小児がん患者を支援する組織であるCoalition Against Childhood Cancer・社長・Vickie Buenger氏は以下のように述べている。”小児の慢性骨髄性白血病は非常に稀で、その発症率は小児の白血病の3%未満です。また、成人よりも若年者の方が疾患進行は早く、近年まで治療選択肢が少ない疾患でした。この度の米国食品医薬品局(FDA)によるスプリセルの小児フィラデルフィア染色体陽性慢性期慢性骨髄性白血病の適応拡大の承認は患者とその家族に希望を届けることでしょう。”

また、コロラド大学小児病院・Lia Gore氏は以下のように述べている。”小児の慢性期慢性骨髄性白血病患者の治療選択肢は限られています。そして、患者数が非常に少ないこの疾患で新しい治療選択肢の可能性を検証する臨床試験を実施することは非常にチャレンジあることです。今回の適応により、スプリセルは小児のフィラデルフィア染色体陽性慢性期慢性骨髄性白血病患者のアンメッドメディカルニーズを満たす新しい治療選択肢になることでしょう。”

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抗EGFR抗体薬ベクティビックスの効果予測因子としてHER3発現率が関係している https://oncolo.jp/news/171121y01 https://oncolo.jp/news/171121y01 抗EGFR抗体薬ベクティビックスの効果予測因子としてHER3発現率が関係している 2017-11-21UTC07:13:38+0000 2017年10月26日、医学誌『JAMA Oncology』にてRAS野生型進行性大腸がん患者に対する抗EGFR抗体薬パニツムマブ(商品名ベクティビックス)の効果予測因子としてHER3発現率の高さが関係している可能性が、第III相のPICCOLO試験(NCT00389870)のレトロスペクティブバイオマーカー解析の結果より示唆された。なおHER3とは、上皮成長因子受容体(EGFR)、ヒト上皮成長因子受容体(HER)2と同様にHERファミリーに属し、細胞のがん化、増殖、薬剤耐性などに関与しているタンパク質である。

PICCOLO試験とは、フッ化ピリミジン系代謝拮抗剤投与後に増悪したKRAS野生型進行性大腸がん患者に対して、イリノテカン単剤療法を投与する郡、またはイリノテカン+ベクティビックス併用療法を投与する郡に無作為に振り分け、主要評価項目として無増悪生存期間(PFS)を比較検証した第III相の試験である。なお、今回のレトロスペクティブバイオマーカー解析ではHER3を予後予測因子として検証している。

本試験の結果、予後予測因子としてのHER3は、HER3発現率の高い患者(N=308人)の全生存期間(OS)は有意に悪化するも(P=0.04)、無増悪生存期間(PFS)は有意に悪化しないこと(P=0.25)が証明された。なお本試験におけるHER3発現率の高いとは、HER3発現率66パーセンタイルを上回るレベルとして決定されている。

また、ベクティビックスの効果予測因子としてのHER3は、HER3発現率の高いRAS野生型進行性大腸がん患者に対するイリノテカン+ベクティビックス併用療法は主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)を有意に延長(ハザード比:0.71,95%信頼区間:0.61-0.82,P< .001)することが証明された。一方、イリノテカン単剤療法の無増悪生存期間(PFS)は有意に延長(ハザード比:0.96,95%信頼区間:0.82-1.13,P=0.65)しないことが証明された。そして、バイオマーカーであるHER3と抗EGFR抗体であるベクティビックスとの間には統計学的有意な相互作用が確認された(P=0.001)。

なお、無増悪生存期間(PFS)中央値としてはイリノテカン+ベクティビックス併用療法郡8.2ヶ月、イリノテカン単剤療法郡4.4ヶ月、イリノテカン+ベクティビックス併用療法郡で病勢進行または死亡のリスク(PFS)が67%(ハザード比0.33,95%信頼区間:0.19-0.58,p<.001)減少することが証明された。

一方、HER3発現率の低いRAS野生型進行性大腸がん患者における無増悪生存期間(PFS)中央値はイリノテカン+ベクティビックス併用療法郡3.3ヶ月、イリノテカン単剤療法郡4.3ヶ月であった(ハザード比0.96,95%信頼区間:0.67-1.38,p=0.84)。そして、バイオマーカーであるHER3と抗EGFR抗体であるベクティビックスとの間には統計学的有意な相互作用が確認された(P=0.002)。

以上のレトロスペクティブ解析の結果を受けて、治験医師は以下のような結論を述べている。”RAS野生型進行性大腸がん患者に対するベクティビックスの治療効果は、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)においてバイオマーカーであるHER3の発現率の高さと統計学的に意味のある関係性が確認されました。本試験は抗EGFR抗体の作用機序に対する知見、臨床における有益性の高い知見を提供することでしょう。

Association of Tumor HER3 Messenger RNA Expression With Panitumumab Efficacy in Advanced Colorectal CancerAssociation of Tumor HER3 Messenger RNA Expression With Panitumumab Efficacy in Advanced Colorectal Cancer(JAMA Oncol. Published online October 26, 2017. doi:10.1001/jamaoncol.2017.3168)

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切除不能第3期非小細胞肺がん患者・化学放射線療法後の抗PD-L1療法 https://oncolo.jp/pick-up/news1220 https://oncolo.jp/pick-up/news1220 切除不能第3期非小細胞肺がん患者・化学放射線療法後の抗PD-L1療法 2017-11-21UTC07:00:01+0000 709名の患者さんのうち、473名が抗体治療を受け、236名が偽薬を受けた。無増悪期間の中央値は、抗体治療群で16.8ヶ月、コントロール群で5.6ヶ月であった。

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http://yusukenakamura.hatenablog.com/entry/2017/11/17/113557

ニュース選定者:濱崎 晋輔
引用元:中村祐輔のシカゴ便り
http://yusukenakamura.hatenablog.com/

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がん細胞はHLA遺伝子を欠落させて免疫系から逃げる! https://oncolo.jp/pick-up/news1219 https://oncolo.jp/pick-up/news1219 がん細胞はHLA遺伝子を欠落させて免疫系から逃げる! 2017-11-21UTC05:00:39+0000 非小細胞肺がんを詳細に調べた結果、早期のがんの40%でHLA遺伝子の存在する部位が、細胞から欠け落ちていたそうだ。遺伝子がなくなると、もちろん、HLAを作ることができなくなる。免疫チェックポイント抗体の効果が限定的である理由の一端にもなっている。

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http://yusukenakamura.hatenablog.com/entry/2017/11/15/111820

ニュース選定者:濱崎 晋輔
引用元:中村祐輔のシカゴ便り
http://yusukenakamura.hatenablog.com/

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廃棄される抗がん剤、年間720億円分 慶大教授が試算 https://oncolo.jp/pick-up/news1218-2 https://oncolo.jp/pick-up/news1218-2 廃棄される抗がん剤、年間720億円分 慶大教授が試算 2017-11-21UTC02:49:30+0000 使い切れずに残り、廃棄された抗がん剤が総額の約7%あり、年間約720億円分にあたるとの試算を慶応大大学院の岩本隆・特任教授がまとめた。

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http://www.asahi.com/articles/ASKCJ52P0KCJULBJ00G.html?ref=newspicks

ニュース選定者:可知 健太
引用元:朝日新聞デジタル
https://www.asahi.com/?iref=com_gnavi_top

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【外見ケア】「治療中だってキレイでいたい!女性にも男性にも役立つ眉毛のこと」東大患者サロン・レポート https://oncolo.jp/blog/20171121a https://oncolo.jp/blog/20171121a 【外見ケア】「治療中だってキレイでいたい!女性にも男性にも役立つ眉毛のこと」東大患者サロン・レポート 2017-11-21UTC01:31:31+0000 こんにちは、オンコロスタッフの赤星です。治療中は見た目を気にせず治療に専念すべき。それは正論かもしれませんが、特に女性にとって見た目の変化は他人が思う以上に深刻な問題です。キレイを保つことで、治療に前向きになれるのなら楽しんでもいいのではないでしょうか。

8月のジャパンキャンサーフォーラム2017で行ったオンコロ・アンケートで掲載リクエストもあった「眉の描き方」。脱毛された方でも、眉をはじめて描く方でも簡単に描ける方法をご紹介します。

今回は、東大病院患者サロンにて行われた外見ケアイベントボランティアの竹内裕美先生と小澤奈知子先生による「男性にも女性にも役立つ困ったときの眉の描き方」セミナーに参加しました。男性も眉を整えていると、清潔で信頼できるイメージに繋がるそうです。ヒントが盛り沢山!女性も男性も必見です。

(この取材記事は10月26日に東大病院で開催された、患者サロンの内容です。患者サロンとは、月に一度患者さんやご家族の方に向けたセミナーと談話会を行う、学んで交流できる場です。)

まず、眉毛の構造を知ろう!

眉毛は何の為にあるのでしょうか。大きく分けて、機能面と印象・整容面に分けられます。機能面では、汗や雨水の浸入を防いだり目を守る為にあります。印象・整容面では、感情(表情)を作ります。

眉毛の生え方は、下図で記した流れになります。おでこから流れた汗が目に入るのを防ぎ、目の横のこめかみに流す仕組みで眉毛の流れができています。この生え方は、描く際にも参考になるので覚えておくとよいでしょう。

脱毛時に適した眉墨(まゆずみ)の特徴

では、現在発売されている眉墨にどんな種類があるのか見てみましょう。大きく分けて3種類の眉墨があります。ペンシルタイプ、パウダータイプ、リキッドタイプです。それぞれ、特徴を以下にまとめます。

ドラッグストアやコンビニなどでも購入できます。

購入する際は、手の甲で芯の硬さを確認しましょう。柔らかすぎるとベタっとしてしまい、固すぎると描くのが難しく感じます。使いやすいと思った物を選びましょう。また、色は髪や肌、瞳の色に合わせ選びましょう。瞳が黒でも、ブラウンやグレーを選ぶと柔らかい印象になります。男性はダークグレーやブラックがオススメです。

描いてみよう!

それでは、実際に描いてみましょう!今回は、ペンシルを使った描き方をご紹介します。

(下準備)特に男性は肌の余分な皮脂・汗をぬるま湯洗顔で取っておくことで、描いた眉が長持ちします。女性はいつも通りのスキンケア後にファンデーションかおしろいを付けてから描くと、上滑りせず描けます。

1.まず、ペンシルでポイントをつけます。

①眉頭(目頭の真上)
②眉山(全体の長さの⅔。)
③眉尻(小鼻と目尻の延長線)

2.印と印の間を、少しづつ埋めていきます。短い毛を意識して線画のイメージで。

3.濃さを調整しながら綿棒やブラシでぼかします。眉パウダーで仕上げると、落ちにくくなります。

4.眉頭部分を鼻筋に向けて少しぼかすとより自然です。

5.何と無くかけたら30センチ程度鏡を離し、全体を見ます。濃い方を薄くして調整しましょう。

その他、お役立ちグッズ

アイブロウコート
汗かきの人に適した、コーティング剤。眉毛を落ち難くします。

眉スケール
眉の形を簡単に描ける、定規テンプレートのような物。男性用もあります。

貼り眉
貼るタイプのつけ眉毛。裏についている粘着剤のパッチテストも必ず行いましょう。

ファッションで工夫
自分の顔立ちにあった太いフチの眼鏡、つばのある帽子で誤魔化す方法もあります。急な来客時や、ちょっとコンビニに行く時などに。

その他、つけま付け毛はどうかと質問が出ました。まつ毛が無い状態だと難しいこと、粘着剤の問題、せっかくあるまつ毛も抜ける恐れもある事からあまりオススメはできないそうです。

特別な外出時やデートに、目尻⅓だけカットしたものを付けるのもいいかも知れませんと、提案がありました。

今回お伺いした患者サロン

今回のサロンでは、30分間のセミナーの後1テーブル4、5人のグループに分かれて、実際に眉墨を使い描く時間が設けられていました。入院中の方、退院後の方、これから治療する方、男性の方も一緒に、ワイワイと和やかな雰囲気です。

治療中の方も、眉毛が描けると、お顔が明るく華やかになり、笑顔が出てきます。治療前も眉毛を描くことはしなかったと言う方も、思い切って参加してよかったと仰っていました。実際にオンコロ女子?の中島、赤星も参加しました。似合うー!かわいい!や、こんなアイテムもあったのよ!とコスメを目の前にキャッキャした女子トークは、まさに女子更衣室の様な久々な感覚でした笑

「もうこうなったら、楽しむしか無いのよね〜」「折角だから、女子力とついでに人間力もあげたいわ笑」「検査結果待ちで不安だが、来てよかった」など、談話会としても大切な場であると感じました。

今年度のサロンはまだまだ魅力的な講座があります。
是非足をお運び下さい。

東大患者サロン年間予定
東大病院 がん相談支援センター
協力:外見ケアイベントボランティア 竹内裕美先生、小澤奈知子先生
乳腺内分泌外科・がん相談支援センター 分田貴子先生
参考:「治療による見た目の変化にお悩みの方へ 外見ケアQ&A集〜女性患者さん向け〜」東大病院外見ケアワーキンググループ

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前立腺がんの再発転移 https://oncolo.jp/cancer/porostate-recurrence https://oncolo.jp/cancer/porostate-recurrence 前立腺がんの再発転移 2017-11-21UTC01:27:28+0000

目次

前立腺がんが再発・転移した場合

治療後に残った小さながん細胞が再び増殖し始めるのが再発、がん細胞が他の組織に移動して、そこで腫瘍を形成するのが転移です。

 根治目的で手術しても目に見えない微細ながん細胞が残り、それが再び増殖し始めた状態が「再発」です。放射線療法で消滅させたはずのがん細胞がしぶとく生き残り、増殖し始めるのも再発です。同じ臓器(前立腺がんの場合、摘出した部位やその周辺)ではなく、離れた組織や臓器に「転移」した状態で見つかることもあります。

 再発の兆候はまずPSA値の上昇として現れ(PSA再発=生化学的再発)、続いて画像診断や触診で腫瘍が確認されます(臨床的再発)。後者の段階では、再発がんがかなり進行していると考えられます。再発時の治療方法は、根治治療前のがんの悪性度や進行度、PSA値の上昇速度などに応じて検討されます。手術後に局所的に再発した場合は放射線療法か内分泌療法、放射線療法後に同じく局所的に再発した場合は内分泌療法が一般的な選択肢ですが、状態によっては当面、経過を観察する場合もあります。 

 がん細胞が発生した場所から離れ、リンパ管や血管を経て、リンパ節やほかの臓器で増殖して腫瘍を形成した「転移」の場合、残念ながら治療が難しくなります。遠隔臓器への転移があれば根治は不可能と考えたほうが
よいでしょう。内分泌療法や化学療法でできるだけがんの増殖を抑え、QOLを維持しながら延命を図るのが一般的な治療方法です

 前立腺がんは骨盤、下部腰椎、大腿骨など骨に転移しやすく、腰や脚の痛みのために受診し、初めて前立腺がんだとわかるケースも、まだ少なくありません。骨転移には有効な薬剤があります。また、痛みの緩和には鎮痛薬、ステロイドなどの薬物が用いられるほか、放射線による緩和治療も有効です。再発したがんや転移のあるがんでは、完治しなくても、がんと共存していくことは可能です。担当医や薬剤師、看護師などとよく話し合って、がんと付き合っていきましょう。

本コンテンツは認定NPO法人キャンサーネットジャパンが出版する「もっと知ってほしい前立腺がんのこと」より抜粋・転記しております。

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前立腺がんの化学療法 https://oncolo.jp/cancer/porostate-chemo https://oncolo.jp/cancer/porostate-chemo 前立腺がんの化学療法 2017-11-21UTC01:25:40+0000

目次

化学(薬物)療法

男性ホルモンの分泌や取り込みを阻害する内分泌療法が中心で、手術効果が薄れて、がんが再燃した場合は抗がん剤を使います。

前立腺がんは男性ホルモン(アンドロゲン)の影響を受けて発生し、進行するホルモン依存性がんです。逆にいえば、男性ホルモンがなければ増殖できません。この特性を利用するのが、内分泌療法(ホルモン療法)です。手術で精巣を除去する方法もありますが、一般には薬物で男性ホルモンを抑制します。

最も多く使われるのは、LHRHアゴニストというホルモン注射薬です。この薬は脳下垂体に働きかけて、精巣からのホルモン分泌を抑制します。ただ、男性ホルモンは精巣のほかに、少量ですが副腎でもつくられます。LHRHアゴニストだけでは不十分と判断された場合は、前立腺の男性ホルモン取り込みを遮断する抗アンドロゲン剤の内服を併用します。

2012年にはGnRHアンタゴニストも承認されました。LHRHアゴニストと作用機序は少し異なりますが、同じく男性ホルモンの分泌を抑えます。

副作用としては、急な発汗やホットフラッシュ(のぼせ)など女性の更年期障害に似た症状が頻出するほか、体重増加、乳房痛なども見られます。性機能も障害されます。

主な適用は転移のある前立腺がん

内分泌療法は効果の高い治療法ですが、続けているうちに効果が薄れてきます。押さえ込まれていたがん細胞が、男性ホルモンがなくても増殖する性質(去勢抵抗性)を獲得して、再び活動を始めるからです(再燃)。去勢抵抗性前立腺がんに対しては、抗がん剤、女性ホルモン剤、ステロイドなどが用いられますが、これらも効果には限界があります。

内分泌療法は根治療法ではなく、すでに転移している場合が主な対象です。しかし、高齢、持病のため手術や放射線療法が困難などの理由で早期でも内分泌療法を選ぶ例もあります。治療開始から再燃までの期間はまちまちで、場合によっては10年近く再燃しない状態を維持できます。

本コンテンツは認定NPO法人キャンサーネットジャパンが出版する「もっと知ってほしい前立腺がんのこと」より抜粋・転記しております。

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前立腺がんの放射線療法 https://oncolo.jp/cancer/porostate-reaction https://oncolo.jp/cancer/porostate-reaction 前立腺がんの放射線療法 2017-11-21UTC01:23:35+0000

目次

放射線療法

外から放射線を照射する方法と、線源を前立腺に埋め込む方法があり、どちらも転移のないがんの根治目的で実施します。

外照射法と組織内照射法の2種類がある

限局性前立腺がんの場合、放射線療法も根治を期待できる治療法です。治療効果は手術と甲乙つけがたく、患者さんの考え方やライフスタイルなどに合わせて治療法を選択します。

放射線療法は、外照射法と組織内照射法に大別されます。前者は文字通り、身体の外から患部に放射線を照射する方法です。リスクなどを考え合わせて、放射線療法後にホルモン療法が併用されることもあります。

前立腺がんでは放射線の線量が高いほど効果も上がるのですが、線量を上げればどうしても周囲の組織に悪影響が出てきます。その問題を解決するために開発されたのがIMRT(強度変調放射線治療)という方法で、最近はこれが主流になりました。IMRTではコンピュータ制御によって放射線に強弱をつけ、さらに多方向からの放射線を組み合わせて、必要な箇所に強い放射線をあてます。

一方、周辺組織への線量はセーブできるので、不必要な被ばくを避けられます。副作用として、ときどき頻尿、排尿痛、排尿困難、下痢、直腸・肛門の炎症、直腸出血、性機能の低下などが見られますが、従来の放射線療法に比べると軽度です。外照射法には、重粒子線、陽子線など、特殊な粒子線を使う治療法もあります。

組織内照射は副作用が軽度

前立腺に線源を埋め込み、内部から放射線を当てるのが組織内照射(密封小線源)です。前立腺の体積が大きい場合は超音波プローブによる画像を見ながら会陰部から長い針を刺し、その針を通して小さな粒状の容器を前立腺に埋め込みます。

容器のなかには、低線量の放射線を放出する物質が密封されています。副作用の症状は外照射法と共通ですが、ほとんどの場合、外照射よりも軽く、短期間で治まります。小線源は永久的に留置しますが、線量は徐々に減り、1年後にはほぼゼロになるので、長期的影響の心配はありません。再発・転移リスクの低い場合は単独で、高リスクの場合は外照射との併用が一般的です。

 

本コンテンツは認定NPO法人キャンサーネットジャパンが出版する「もっと知ってほしい前立腺がんのこと」より抜粋・転記しております。

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前立腺がんの手術療法 https://oncolo.jp/cancer/porostate-surgery https://oncolo.jp/cancer/porostate-surgery 前立腺がんの手術療法 2017-11-21UTC01:21:25+0000

目次

手術(外科治療)

前立腺を周囲の臓器ごと、すべて摘出するのが基本です。開腹手術のほかに腹腔鏡下手術があり、手術ロボットを利用するロボット支援腹腔鏡下手術も保険適用になりました。

併症のない限局性がんに最適

手術は前立腺がんの治療法としてよく行われていますが、ほかの多くのがんと違って部分切除という選択肢はなく、基本的にすべて前立腺全摘除術になります。最も大きな理由は前立腺がんは臓器内に多発する性質があり、全摘しなければ微小ながん細胞を取り残す可能性が高いからです。ほかに、小さな臓器で部分切除は困難であることや、全摘が生命に関わらないことも、理由として挙げられるでしょう。

前立腺を精嚢や精管などの周囲ごとそっくり摘出するほか、一般にリンパ節郭清も行います。前立腺摘出後に、排尿路を確保するために膀胱と尿道をつなぎ直します。

根治を目的とするため、がんが前立腺のなかにとどまっている限局性前立腺がんで、PSA監視療法の適応範囲を超えた、T1c~T2b(TNM分類)の前立腺がんが主な対象となります。被膜を超えて周囲に浸潤している場合も、リンパ節転移や遠隔転移がなければ手術を行うこともあります。その場合は病期や患者さんの意思により、放射線療法や薬物療法が併用されます。

全摘除術の術式は合併症が少ない方法へ

現在、広く行われている手術は、恥骨後式前立腺全摘除術、会陰式前立腺全摘除術、腹腔鏡下全摘除術の3種類です。恥骨後式と会陰式は、どちらも広義の開腹手術です。

前者はおへその下の皮膚を切開してお腹側から前立腺に到達し、これらの方法は、それぞれ一長一短があり後者は肛門周囲を逆U字型に切開して会陰側から前立腺に到達します。腹腔鏡下手術は近年急速に普及してきた方法で、腹部に5~6か所の穴(ポート)を開け、内視鏡や鉗子を挿入して手術を行います。

たとえば、恥骨後式は視野が広くてリンパ節郭清も容易ですが、前立腺が深い位置にあるため切開創が大きくなり、患者は出血や術後の痛みに悩まされることがあります。会陰式は切開の傷が小さく、骨盤底筋を切開しないことで排尿に関わる副作用も恥骨後式より少ない一方で、手術する医師の視野が狭く、リンパ節郭清の難易度も恥骨後式より高いとされます。

腹腔鏡下手術は画像を通して広い視野が得られ、傷が小さく出血も少ない低侵襲治療法として急速に広まりました。それでも、鉗子の動きが制約されるなどの難しさがあります。

手術支援ロボットの登場

最近、世界的に普及しているのが手術支援ロボット(da Vinci®:ダヴィンチ)を用いる腹腔鏡下手術です。2012年末時点で、米国の前立腺がん手術の98%は手術支援ロボットを使用しており、日本でも2012年に前立腺全摘除術に保険が適用されました。

腹部に開けた5~6か所の穴からカメラのほかに鉗子を取り付けたロボット・アームを挿入し、操作ボックスに入った医師がロボット・アームを操作します。内視鏡画面は三次元で、従来の腹腔鏡画面(二次元)よりもリアルに精密に患部を観察できます。また、医師が直接長い鉗子を操作するよりも、手術器具の動きがスムーズです。その結果、より安全で精度の高い手術が可能になりました。

前立腺全摘除術は尿失禁、勃起不全などの合併症を伴う可能性がありますが、手術支援ロボットの利用でその低減が期待されています(精液をつくる臓器を摘出し、精管も切断するので射精は不可能ですが、勃起神経の温存により、射精感は残ることがあります)。   

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前立腺がんの治療法 https://oncolo.jp/cancer/porostate-treatment https://oncolo.jp/cancer/porostate-treatment 前立腺がんの治療法 2017-11-21UTC01:14:25+0000

目次

前立腺がん治療について

手術療法・放射線療法・薬物療法(内分泌療法)のほかに、特別な治療をせずに経過を見るPSA監視療法もあります。多くのがんの治療には、手術療法・放射線療法・薬物療法が用いられます。前立腺がんも同様で、ほかにPSA監視療法(待機療法)もあります。これは特別な治療を行わず、定期的にPSA検査、直腸診、生検を実施しながら、経過を見守る方法です。

前立腺がんの治療方法は、前述のTNM分類、グリーソン・スコア、PSA値のほか、年齢や合併症、期待余命(この先、何年ぐらい生きられるかという予測)、病気に対する本人の考えなどを考慮して、慎重に選択しなければなりません。

低リスクのがん、具体的にはグリーソン・スコアが6以下で、PSA値が10ng/ml以下、病期がT2a(限局性で前立腺の片側に腫瘍があるもの)までであれば、PSA監視療法も選択肢の1つになります。特にT1a(前立腺肥大症などの手術で偶然に発見された微小ながん)では、この方法が強く推奨されます。PSA検査が普及して、ごく早いうちに見つかる例が増えたため、結果としてPSA監視療法の対象となる患者さんも多くなっているのが現状です。

手術療法(前立腺全摘除術)と放射線療法は、根治を目的とする治療法です。がんが前立腺のなかにとどまっている場合は、これらの方法が最も推奨されます。放射線療法は緩和治療にも用いられます。薬物療法では、男性ホルモンの分泌や働きを抑制する薬を投与する内分泌療法(ホルモン療法)が中心となります。転移のある前立腺がんが主な対象ですが、高齢で手術や放射線照射による身体的負担を避けたい患者さんの選択肢となることもあります。

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前立腺がんの進行期や悪性度について https://oncolo.jp/cancer/porostate-stage https://oncolo.jp/cancer/porostate-stage 前立腺がんの進行期や悪性度について 2017-11-21UTC01:11:06+0000

目次

前立腺がんの進行期について

前立腺に限局した段階から遠隔転移のある段階まで複雑に分類され、がんの悪性度も9段階に細かく分類されます。

病期は主にTNM分類で判断される

前立腺がんは、「どのぐらい進行しているのか」(病期)と「どのぐらい悪性であるか」(悪性度)によって分類されます。

まず病期は、TNM分類に基づいて判断されるのが一般的です。T(tumor)は「がんが前立腺のなかにとどまっているか、それとも周囲の組織や臓器にまで広がっているか」、N(nodes)は「リンパ節転移があるかどうか」、M(metastasis)は「離れた組織や臓器への転移があるかどうか」を表します。例えば「T2N0 M0」なら、「がんは前立腺に限局しており、リンパ節転移も遠隔転移もない」という意味です。

前立腺がんの悪性度について

悪性度を判断するグリーソン分類

前立腺がんの細胞には、正常な細胞に近くて進行が遅いもの(高分化腺がん)と、正常細胞からかけ離れた性質の悪いもの(低分化腺がん)、そして両者の中間に位置するもの(中分化腺がん)があります。この組織型は、5段階に分けられています。グレード1が最もおとなしいがん、グレード5が最も悪性のがんです。

ただし述べたように、前立腺がんはしばしば同じ前立腺のなかに悪性度の異なるがんが発生します。そこで、生検で採取したがん細胞の組織構造を調べ、最も面積の大きい組織型と2番目に大きい組織型のグレードを足して、悪性度の判定に用います。これがグリーソン・スコアと呼ばれるもので、グレード3とグレード4の組織があれば、スコアは3+4=7になります。つまり悪性度の最も低いスコア2から、最も高いスコア10まで、9段階に分類されるわけです。

治療方法を決めるときには、進行度だけでなく、この悪性度も非常に大切な情報です。経過の多様ながんであるため、TNM分類、グリーソン・スコア、PSA値などを組み合わせて再発の可能性や生命予後などを推測するリスク分類も何種類か考案され(NCCN分類など)、臨床の場で参考にされています。

寿命に影響を及ぼさないがんもある

前立腺がんのなかでも、特に悪性度の低いものは進行も遅く、生命に影響を及ぼさないことが少なくありません。がん以外の病気で亡くなった男性を解剖すると、70歳を超えた人の20~30%、80歳を超えた人の30~40%が、前立腺がんを持っているといわれます。

このように解剖によって初めて見つかるがんを「ラテントがん」と呼びます。そのほとんどが、おとなしい高分化腺がんです。その一方で、進行の速いがんもあるので、自分のがんがどういう性質なのかをよく知って、治療を選択する必要があります。

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前立腺がんの検査 https://oncolo.jp/cancer/porostate-inspection https://oncolo.jp/cancer/porostate-inspection 前立腺がんの検査 2017-11-21UTC01:06:50+0000

目次

前立腺がんの検査方法

腫瘍マーカー測定、直腸診、超音波検査で「がんの疑い」があれば確定診断を下すために前立腺生検を行います。

スクリーニング検査は3種類

前立腺がんのスクリーニング検査には、PSA検査、直腸診、超音波検査が用いられます。PSA検査はPSA(前立腺特異抗原)と呼ばれる腫瘍マーカーの測定、直腸診は医師が肛門から指を入れて、直腸粘膜越しに前立腺の状態を触診する方法です。超音波検査(経直腸的前立腺超音波検査)では、超音波を発する器具(プローブ)を肛門から挿入し、前立腺の内部をモニター上に画像として描き出します。

このうち、最も簡便なのはPSA検査です。この検査だけでがんの診断がつくわけではありませんが、「疑い」の有無をチェックできるため、最初のスクリーニング検査として最適な方法とされています。採血だけで結果が出るので、何ら自覚症状がない場合でも健康診断の一環のような感覚で受けやすく、住民検診ではこの方法が推奨されています。

実際、PSA検査が普及したことで、前立腺がんの早期発見率は格段に上昇しました。PSA測定法は何種類もありますが、最も一般的なのはタンデムR法で、前立腺がん検診ガイドラインでは64歳以下では3.0ng/ml以下、65~69歳では3.5ng/ml以下、70歳以上では4.0ng/ml以下を基準値としています。10ng/mlを超える場合、がんである確率は50~80%です。

一般的な検査の流れは?

無症状の場合はまずPSA検査を行い、その値によって直腸診や超音波検査、MRI検査を行うのが一般的な検査の流れです。人間ドックにおいては、検査の精度を上げるために、PSA検査と直腸診が併用されることもあります。これらの検査で前立腺がんの疑いがはっきりした場合は、最終的な診断のために前立腺生検が行われます。前立腺の組織を採取して、顕微鏡で詳しく調べる検査です。

前立腺がんは1つの前立腺のなかで多発することが多く、しかも個々の悪性度が異なるケースも珍しくありません。従って、精密に検査するために、8~16か所から組織を採取します。

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前立腺がんとは(疾患情報) https://oncolo.jp/cancer/porostate-about https://oncolo.jp/cancer/porostate-about 前立腺がんとは(疾患情報) 2017-11-21UTC00:46:04+0000

目次

前立腺がんとは

精液の一部をつくる男性生殖器である「前立腺」に発生するがんです。近年急増しており、2020年には男性のがんの罹患数の第2位になると予想されています。 

前立腺は男性生殖器の一部で、膀胱のすぐ下にある栗の実の形をした臓器です。尿道を取り囲むように位置しており、ここで精液の一部がつくられます。この前立腺に発生する悪性腫瘍が前立腺がんです。

世界全体で見ると、前立腺がんは男性のがんの13.7%を占めています。罹患率は、すべてのがんのなかで2番目です。もともと欧米を中心とした西欧諸国に特に多く、それに比べるとアジア諸国の罹患率はかなり低かったのですが、最近は日本でも急増してきました。2020年には肺がんに次いで、男性がんの罹患数第2位になると予想されています。

前立腺がんは加齢に伴って罹患率が上昇し、80代前半が発症のピークです。そのため、典型的な高齢者のがんといわれます。しかし、最近は50代の患者が増え、まれに30代や40代での発症も見られます。罹患率上昇の原因としては高齢化の進行とともに食習慣の欧米化が挙げられます。特に若年患者の増加は食事との関連性が高いと考えられています。

また、前立腺がんの発症、特に若年での発症には家族歴も関連します。父親か兄弟の1人が前立腺がんである場合、罹患率は2倍に、祖父やおじまで含めた近親者のうち2人が前立腺がんに罹患していれば、罹患率は4倍になるといわれています。高いリスクを有する人は、若いときから検診を受けることが勧められています。

ほかの多くのがんと同じく、前立腺がんも早期には目立った症状はありません。そのため発見が遅れがちでしたが、簡単で精度の高いPSA検査(P5)が開発され、最近はごく早い段階で発見されるようになりました。早期に発見すれば、前立腺がんは根治が可能です。

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【治験広告】中枢神経系原発リンパ腫(脳リンパ腫等)対象 BTK阻害薬の治験のご案内 https://oncolo.jp/ct/ad0042 https://oncolo.jp/ct/ad0042 【治験広告】中枢神経系原発リンパ腫(脳リンパ腫等)対象 BTK阻害薬の治験のご案内 2017-11-20UTC09:25:01+0000


本ページは小野薬品工業株式会社からの委託による治験広告となります。また、治験を実施する実施医療機関の審査・承認を受けたものを掲載します。

本ページは、「中枢神経系原発リンパ腫(脳リンパ腫等)の方を対象としたBTK阻害薬の治験のご案内」の応募ページとなります。
治験への参加をご希望される方は、下記の参加ボタンよりお申込みいただくか、お電話にてご連絡下さい。メールでのお問い合わせも可能ですので下記をご参照下さい。



※インターネット上のアンケート回答ページに移動します。

【お電話でのご連絡先、またはメールでのお問合せ先】
オンコロ問合せ窓口:0120-974-268 (平日:10:00~18:30)
メールアドレス:info_oncolo@clinical-t.com

治験の概要及び参加条件

今回の治験は、中枢神経系原発リンパ腫(脳、眼、髄膜等が原発の悪性リンパ腫)と診断された方において、少なくとも1回の全身療法(抗がん剤等)を受け、効果が得られなかった方や全身療法後に進行した方を対象とした治験となります。

治験に参加された場合、治験薬である「ブルトン型チロシンキナーゼ阻害薬(BTK阻害薬)」を使用することになります。

参加条件については、「治験参加対象者」を参照ください。
※その他にも満たさなければならない基準があります。詳細はお問い合わせ下さい。

中枢神経系原発リンパ腫(脳リンパ腫等)とは

この治験で対象となる中枢神経系原発リンパ腫(PCNSL)は、リンパ節以外にできる非ホジキンリンパ腫(NHL)の一種となり、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(DLBCL)の病態を有す希少がんです。

中枢神経系原発リンパ腫(PCNSL)は、中枢神経系(脳、脊髄、眼および髄膜など)が原発部位である悪性リンパ腫となります。例えば脳を原発とする場合は脳リンパ腫とも呼ばれることもあり、脳腫瘍の約3%となる非常に稀ながんです。
中枢神経原発リンパ腫は、高用量メトトレキサート(HD-MTX)を含む導入化学療法レジメン及び全脳放射線療法(WBRT)の導入後に大幅に改善しています。しかしながら、治療に抵抗性を示す10%~15%の患者及びそれ以外の35%~60%の再発した患者では、更なる治療を行わなければなりませんが、現在、一次治療に不応であった場合の標準治療は確立していません。

治験薬「ブルトン型チロシンキナーゼ阻害薬(BTK阻害薬)」について

ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)は、リンパ球の一種であるB細胞において細胞増殖等を担っている酵素となります。B細胞は、B細胞受容体(BCR)を起点としてシグナル伝達が活性化され、最終的にはB細胞の生存、活性化、増殖、成熟および分化を促しますが、ブルトン型チロシンキナーゼは、そのシグナル伝達の中心的な役割を担います。

一方、B細胞受容体を起点とするシグナル伝達が恒常的に活性化してしまうと、細胞増殖等が止まらず「がん化」してしまうことが知られており、特にB細胞性非ホジキンリンパ腫や慢性リンパ性白血病では、このシグナル伝達が恒常的に活性化していることが知られています。

今回の治験薬である「ブルトン型チロシンキナーゼ阻害薬(BTK阻害薬)」は、上述したシグナル伝達の中心的な役割を担うブルトン型チロシンキナーゼを阻害することにより、治療効果が期待される薬剤となります。

すでに、B細胞性非ホジキンリンパ腫や慢性リンパ性白血病対象とした第1相臨床試験が日本や欧州で実施されており、良好な忍容性が示され、有効性についても期待ができる可能性を示唆しております※。
※現在、さらなる有効性や安全性を確認するために臨床試験が行われており、これらを高い水準で証明するにはいたっておりません。

今回の治験について

治験の参加条件
今回の治験は、「中枢神経系原発リンパ腫(PCNSL)」の方を対象としています。参加条件を確認したい方は以下からお問い合わせ下さい。


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治験薬の投与方法

治験薬は経口剤であり、1日1回内服することになりますが、適切な用量を調べるための治験でもあるため、治験に参加するタイミングによって用量が異なります。

費用負担について

原則、治験に参加している間の「治験薬」、「一部の薬剤費」、「治験に必要な検査、画像診断に関わる費用」等は、この治験製品を開発している小野薬品工業株式会社が負担します。また、治験に参加される場合の通院時の交通費等の負担を軽減するための費用を小野薬品工業株式会社が一定額負担します。詳しくは本治験の広告時事務局や治験を実施している医療機関の治験担当スタッフにご確認ください。

治験とは

ヒトを対象とする研究分野のことを臨床研究といいます。臨床研究の中でも、ヒトに実際に治療法を用いて実施するものを臨床試験といいます。中でも、承認されていない薬剤等を用いて、承認を目的としてデータを集める過程を治験といいます

治験についての詳細はコチラ※
治験に関するQ&Aはコチラ※

治験実施医療機関の所在地

治験実施医療機関所在地は以下の通りとなります。
・宮城県仙台市
・埼玉県日高市
・東京都三鷹市
・東京都江東区
・東京都中央区
・神奈川県伊勢原市
・京都府京都市
・大阪府大阪市
・広島県広島市
・鹿児島県鹿児島市
※実際の治験実施医療機関名は本治験の広告事務局での聞き取り及びアンケート結果にて適格の場合にご連絡いたします。
※本治験は全国の複数の医療機関で実施していますが、本治験広告は、各治験実施医療機関の審査にて承認されてから順次掲載します。よって、その他にも、治験実施医療機関が追加される可能性があります。

参加の流れ(お問い合わせ)

本治験に興味を持たれた方、疑問点がある方、参加希望の方は以下にお問い合わせ下さい。
【インターネットでの申し込み】

※インターネット上のアンケート回答ページに移動します。

【お電話でのご連絡先、またはメールでのお問合せ先】
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プライバシーポリシーについて

あなたのプライバシーは保護され、あなたの許可するもしくは法律で必要とされる場合を除き、提供された情報は「オンコロ」の当該治験の担当スタッフ、患者さんの担当医、治験実施施設の担当医のみが共有します。それ以外の人には、あなたの情報が開示されることはございません。

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胃がんとは(疾患情報) https://oncolo.jp/cancer/gastric-about https://oncolo.jp/cancer/gastric-about 胃がんとは(疾患情報) 2017-11-20UTC09:13:41+0000

目次

胃がんとは

胃がんは、胃の内側の粘膜に発生し、胃壁の外側へ向かって進行します。最近では、根治が望める早期がんでの発見が増え、死亡率は低下しています。その一方で、罹患率は第1位で高齢になるほど増え、女性より男性に多いがんです。 

胃は、みぞおちのやや左側にある袋の形をした臓器です。胃の周りには肝臓や脾臓、胆のう、大腸などがあります。食道から胃への入口を噴門、胃から十二指腸への出口を幽門といい、胃は入口から約3分の2を占める胃体部と出口に近い残り約3分の1の幽門前庭部の2つに分けられます。胃壁は主に6層からなり、最も内側には粘膜層があり、その下に粘膜筋板、粘膜下層、固有筋層、漿しょう膜まく下層、漿膜があります。

粘膜から発生し、胃壁の外側へ進行胃がんの多くは、日常的に摂取する食事(塩分の摂りすぎ、野菜・果物の不足など)や喫煙、ヘリコバクター・ピロリ菌の感染などによって起こる粘膜の炎症が慢性萎縮性胃炎や腸上皮化生(胃粘膜が腸粘膜と同じような機能をもつ細胞に置き換わること)を引き起こし、やがて粘膜内の細胞ががん化することで発生すると考えられています。

がんが発生してから時間が経つと、胃がんは横に大きくなると同時に胃壁の中に入り込んでいき(浸潤)、漿膜やその外側に広がり、近くの大腸やすい臓などにも及びます。また、粘膜下層には多くの血管やリンパ管があるため、がん細胞が粘膜筋板を突き抜けると、これらの脈管を通して胃の外へ流れ出る機会が増加します。がんが胃壁の中へ深く入り込んでいくにつれ、転移しやすくなることから、がんが粘膜下層までにとどまり、転移の可能性が低い場合を「早期胃がん」、そうでない場合を「進行胃がん」といいます。

なお、リンパ節転移は早期胃がんで起こることもあり、進行胃がんの一部では腹膜や肝臓にも転移がみられます。日本では早期胃がんで発見されることが多くなり、その根治率は90%以上と高いため死亡率は低下しています。しかし、胃がんは日本人に最も多くみられるがんで、男女とも50歳代から増加し、罹患率、死亡率ともに女性より男性のほうが高いのが特徴です。

胃がんの検査

胃がんが疑われたら精密検査として内視鏡検査を行い、組織を採取して病理検査で胃がんと確定します。また、同時に胃がんの場所や胃内の広がり、深さも診断します。診断が確定したら、腹部CT検査などで胃の外へのがんの広がりも調べます。 

胃がんの診断は、①胃X線検査(硫酸バリウムという造影剤と発泡剤を飲んで胃の形や粘膜の状態をみるレントゲン検査)による検診、②ABC検査(ピロリ菌感染の有無を血清ピロリ菌IgG抗体で、胃粘膜萎縮の程度を血清ペプシノーゲン値で測定し、胃がんのリスクを4段階で判定する)、③自覚症状(胃痛、腹部膨満、吐血、黒色便、貧血、食欲低下、体重減少など)により「胃がんを疑う」ことから始まります。

これらの検査や自覚症状で胃がんが疑われたら、精密検査として経口もしくは経鼻内視鏡検査を行います。これは、直径0.5~1cm程度の内視鏡を口もしくは鼻から胃の中に入れ、その内部を直接観察・記録する検査です。胃がんであることを確認し、その発生場所や胃内での広がり、深さなどを診断します。その際に採取した組織を調べる病理検査(生検)で、胃がんであることを確定します。

さらに、腹部CT検査や腹部超音波検査、PET(陽電子放射断層撮影)などの画像診断により、胃の周辺の臓器へのがんの広がりや転移の有無などを調べます。腹膜転移が疑われる場合は腹壁に小さな穴を開け、腹腔鏡でお腹の中を観察(審査腹腔鏡検査)し、総合的に病期(ステージ)を判定します。

本コンテンツは認定NPO法人キャンサーネットジャパンが出版する「もっと知ってほしい胃がんのこと」より抜粋・転記しております。

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胃がんの切除不能・再発がんの治療について https://oncolo.jp/cancer/gastric-unresectable https://oncolo.jp/cancer/gastric-unresectable 胃がんの切除不能・再発がんの治療について 2017-11-20UTC09:11:00+0000

目次

切除不能・再発の治療は薬物療法が中心

切除不能がんや再発がんの治療は、薬物療法が中心になります。標準治療が確立されていて、HER2陰性・陽性別に1次から3次治療まで進めていきます。薬物療法と並行あるいは単独で症状を軽減する緩和ケアを行います。

切除不能・再発がんでは薬物療法が中心に手術前の検査あるいは手術後の病理検査で、胃から離れたリンパ節、肝臓、腹膜、そのほか腹腔外の臓器にも転移が認められるといったⅣ期の進行胃がんや、手術したものの胃がんが再発した場合は、薬物療法が中心になります。このようなケースでは、がんが1か所だけでなく、あちこちの部位に、あるいは同じ臓器に複数現れることが多く、手術ですべてを取り切ることが難しい(切除不能)からです。

切除不能・再発胃がんに対する薬物療法に関して、これまでに行われた臨床試験から、がん細胞の表面にHER2という分子の受容体がある(HER2陽性)胃がんでは、トラスツズマブという分子標的薬(がん細胞表面にある分子だけを標的にして作用する薬剤)を用いることで治療効果が増強されることがわかってきました。現在は、切除不能・再発胃がんに薬物治療を初めて行う(1次治療)前にHER2検査を行うことが強く推奨されています。

このHER2検査の判定に基づいて、1次治療では、HER2陰性とHER2陽性のそれぞれの胃がんに対する標準治療が実施されます。すなわち、HER2陰性胃がんには「S-1*またはカペシタビン+ シスプラチン」が、HER2陽性胃がんにはトラスツブマブが加わった「S-1またはカペシタビン+シスプラチン+トラスツブマブ」が標準治療とされています。

なお、2015年に切除不能・再発胃がんに対してシスプラチンと同等の効果を持つ白金製剤で、外来治療が行えるオキサリプラチンが承認されました。そこで、HER2陰性胃がんには「S-1またはカペシタビン+オキサリプラチン」が、HER2陽性胃がんには「S-1またはカペシタビン+オキサリプラチン+トラスツブマブ」が新たに標準治療に加わりました。

抗がん剤をうまく使い3次治療まで目指す

治療中は、自覚症状、触診、X線、内視鏡、CT、腫瘍マーカーなどの検査を定期的に行い、治療効果を判断します。効果がある場合は原則として同じ治療を続けます。効果がない場合でも全身状態が良好であれば、治療法を変更して、2次治療、さらには3次治療と、薬物療法を続けることが推奨されています。

2次治療としては、臨床試験により延命効果が証明されたドセタキセル、パクリタキセル(週1回法)、イリノテカンのいずれかによる単独療法に加えて、2015年から新たに延命効果が証明されたパクリタキセル+ラムシルマブ併用療法、およびラムシルマブ単独療法が推奨されるようになりました。

3次治療には、2次治療で使用していない抗がん剤を用いることを考慮します。そして、切除不能・再発がんの薬物療法で重要なのは、3次治療まで行うことで、有効な薬剤をすべて使って治療します。ただし、イリノテカンは腸閉塞などがあると副作用が強く出やすくなります。腹膜転移が広範に認められる、いずれ高度になる可能性がある場合は、腸閉塞などを起こしやすいため、注意が必要です。

臨床試験への参加や緩和ケアも選択肢に

肝臓や腎臓の機能低下、白血球減少、発熱があり感染症にかかっているなど、全身状態が悪くて抗がん剤を使えない場合があります。また、標準治療がすべての患者さんにとって、必ずしも最適な治療とは限りません。がんの進行の程度や転移している場所の違い、患者さんの状態(年齢、食事や排便の状況、臓器機能の状態など)や希望、これまでの臨床試験の成績などを踏まえて、担当医と相談しながら治療を進めていくことが大切です。その中で、開発中の新規抗がん剤の効果や副作用をみるための治験(臨床試験)に参加できることもあります。

また、抗がん剤治療を受けないことも選択肢の1つです。この場合は、がんによる痛みをはじめ、さまざまな症状を少しでも軽減させることに重点をおいた緩和ケアが治療の中心になります。胃がんでは、症状緩和を目的とした手術(緩和手術、姑息手術)が行われることもあります。

たとえば、胃の出口にがんがあって食事がとれない場合は、胃と空腸をつなぐバイパス手術を行ったり、内視鏡で胃の出口の狭くなっている部分を確認し、そこにステント(金属の筒)を入れたりして食事をとれるようにします。胃から離れた臓器に転移していてすべて切除しきれない状態でも、がんから輸血が必要な程度の出血が何度もある場合は、貧血の改善を図る目的で出血している部分を切除する手術を行うこともあります。

担当医や家族とも相談し納得いく生き方を

切除不能・再発胃がんは治癒が難しいケースがほとんどですが、有効な治療法の研究は続いています。最近では薬物療法の進歩により切除不能・再発胃がんの患者さんでも2年以上生きられる人が大きく増加しています。どのような治療やケアを受け、どこでどのように過ごしていきたいのか、担当医や家族ともよく相談し、納得できる方法を選ぶことが大切です。

本コンテンツは認定NPO法人キャンサーネットジャパンが出版する「もっと知ってほしい胃がんのこと」より抜粋・転記しております。

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胃がんの再発とは https://oncolo.jp/cancer/gastric-recurrence https://oncolo.jp/cancer/gastric-recurrence 胃がんの再発とは 2017-11-20UTC09:07:42+0000

目次

再発とは

再発とは、手術などで治ったように見えても腹膜や肝臓に転移して、再びがんが現れることです。いったん再発すると治癒は難しくなりますが、がんと長く共存できるよう、手術後は定期検査を受けて、早期発見に努めることが大切です。

再発の多くは術後3~5年以内に起こる

再発とは、手術した時点ですでに転移していた微小ながんが大きくなり肉眼的にわかるようになった状態、あるいは血中や骨髄に潜んでいたがんが転移して大きくなった状態のことをいいます。たとえば、手術で温存した胃に微小ながんが残っていて胃の吻合部(胃と小腸などのつなぎ目)に再発する場合や、胃の周りの切除すべき転移リンパ節が取り残され、そこに潜んでいたがんが大きくなった場合など、手術した場所で起こる再発を「局所再発」といいます。

また、がんが腹膜に再発した場合を「腹膜再発」、肝臓に再発した場合を「肝再発」、胃から離れたリンパ節に再発した場合を「リンパ節再発」、ほかの臓器に再発した場合を「遠隔転移再発」といいます。このような再発は早期胃がんでは起こりにくく、病期が進むほど起こる確率が高くなり、90~95%は術後5年以内に、80~85%は術後3年以内に見つかります。そのため、胃がんの治療では術後5年経って再発がなければおおむね根治したと考えられています。

手術後の定期検査をきちんと受ける

再発を予測し、確実に防ぐことは難しく、残念ながらいったん再発すると治癒する可能性はほとんどなくなります。しかし、早期発見によって、まれに治せることもあります。また、そうでなくてもがんと共存する時間を長くし、有意義な時間を持つことができるので、定期検査を受けることが大切です。『胃癌治療ガイドライン』では、Ⅰ期および手術でがんを取り切れた可能性の高いⅡ期、Ⅲ期に対して術後の定期検査の頻度を示しています。

Ⅰ期では、手術から1か月前後で最初のフォローアップを行い、それ以降3年目までは6か月ごと、4年目、5年目は1年ごとに定期検査を行います。Ⅱ期、Ⅲ期では術後1年間は術後補助化学療法を行いますので、できれば2週間ごと、少なくとも6週間ごとにフォローアップを行います。さらに、その間を含めて術後2年目までは3か月ごと、それ以降5年目までは6か月ごとに定期検査を行い、再発および胃切除術の後遺症の有無を調べます。

ただし、術後1年間は消化管機能の回復と胃切除した状態に順応しているかどうかを確かめる目的もありますので、外来受診の頻度は術式や個人の状況によって異なります。また、胃全摘術を受けた場合、ビタミンB12が小腸で吸収できなくなるため、年に2~4回程度、外来でビタミンB12の注射を受ける必要があります。

定期検査では問診、診察、血液検査、腫瘍マーカー検査のほか、Ⅱ期、Ⅲ期では頸部リンパ節の触診、貧血・黄疸の確認、腹部触診、直腸診などが行われることがあります。さらに腹部超音波、胸腹部CT、上腹部内視鏡の検査を必ず行い、胸部X線や残胃造影、注腸、大腸内視鏡、骨シンチグラフィー、PETなどの検査は必要に応じて行われます。

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胃がんの化学療法 https://oncolo.jp/cancer/gastric-chemo https://oncolo.jp/cancer/gastric-chemo 胃がんの化学療法 2017-11-20UTC09:05:03+0000

目次

化学(薬物)療法について

手術後の薬物療法は、手術で完全にがんを切除したあとにⅡ期、Ⅲ期を対象に再発を予防する目的で行われる場合と、手術でがんを取り切れなかったときに行われる場合があります。ここでは再発予防を目的に行われる術後補助化学療法について解説します。

術後の再発予防を目的に治療

手術で肉眼的にがんを完全に切除すること(根治切除)ができても、画像検査や肉眼ではわからないような微少ながんが転移している可能性があります。それらを死滅させることが再発防止につながるため、手術後に薬物療法(術後補助化学療法)を行います。

術後補助化学療法としては、これまでの臨床試験の結果に基づき、内服薬であるテガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム(S-1*)の単独療法に加えて、2015年11月からカペシタビン+オキサリプラチン(CapeOX)併用療法が実施可能になりました。しかし、術後補助化学療法は、胃がんの手術を受けたすべての患者さんに行われるわけではありません。

基本的に、①胃がんの根治手術を受けた後の病理検査で、ステージⅡ、Ⅲと確認されていること(ただし、この中には術後補助化学療法が必要ではないケースがあり、S-1単独療法とCapeOX併用療法の選択を含め担当医に確認してください)、②ある程度元気で食事がとれていて身の回りのことがほぼ自分で行え、日中の半分以上は床に伏さずに起きて生活している、③主要な臓器(骨髄、肝臓、腎臓など)の機能が保たれている、④十分な説明のあとに患者さん本人が治療を受けることを同意をしている、⑤重症の合併症がない、⑥抗がん剤と一緒に服用できない薬剤(抗てんかん薬など)を使用していないといった条件を満たしている人が対象となります。
*TS-1とも呼ばれる

S-1は1年間、CapeOXは6か月間続ける

S-1単独療法の治療スケジュールは、術後の回復に応じて2~6週間の間にS-1を飲み始めます。4週間毎日服用し、2週間休薬することを1コース(6週間)として8コース(約1年)繰り返します。一方、CapeOX併用療法も術後の回復に応じて開始します。内服薬のカペシタビンを2週間毎日服用し、1週間休薬しながら、オキサリプラチンを1日目に点滴投与することを1コース(3週間)として8コース(約6か月)繰り返します。

術後補助化学療法の治療中は、主治医の指示に従い患者さんの状態に応じて2~4週間に1回、診察および自覚できない副作用を調べるために血液検査を受け、胃切除術による後遺症とともに抗がん剤の副作用をチェックします。

また、6~12か月ごとにCT検査を行い、再発の有無を確認します。なお、抗がん剤には副作用が強く現れるために併用が禁じられている薬剤(S-1と真菌治療薬、S-1とカペシタビンなど)や、併用すると副作用が出やすくなるために十分注意して併用、あるいは減量する必要がある薬剤(静脈血栓症や心筋梗塞の治療薬など)があります。術後補助化学療法を始める前や治療を行っている最中は、漢方薬や市販薬、健康食品などを含めて、飲み合わせてもよいかどうかを担当医や薬剤師に相談してください。

副作用とうまく付き合うためのポイント

抗がん剤の副作用の現れ方には個人差がありますが、通常、治療を始めてから1~2か月以内に強く出る傾向がみられます。また、その時期は、手術後まもない時期と重なるので副作用だと思っていても、ダンピング症候群や胃切除術の後遺症のこともあります。不快な症状があるときは、遠慮せずに担当医や看護師、薬剤師に相談しましょう。副作用が強く出て、治療の継続が困難だと医師が考えた場合は、減量/休薬基準に則った対応がとられます。

しかし、できるだけ予定どおりの服用を続けることが重要なので、医師や看護師、薬剤師からあらかじめ副作用の症状やその発現時期、期間などを聞いておき、それらの症状が現れたら、我慢せずに早めに副作用を抑える薬を使います。また、副作用メモに症状の発現や程度を記録して自分の状態を把握するとともに、そのことを医師や看護師、薬剤師に伝えて自分の副作用が重いのか軽いのかを理解することに努め、副作用とうまく付き合いながら治療を続けてください。

副作用が重くて治療を継続できなかった場合、再発率は少し高くなる可能性は否定できませんが、そのことだけが原因で再発するわけではないので、必要以上に不安になることはありません。

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胃がんの手術療法 https://oncolo.jp/cancer/gastric-surgery https://oncolo.jp/cancer/gastric-surgery 胃がんの手術療法 2017-11-20UTC09:02:21+0000

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手術(外科治療)

胃がんの手術は、縮小手術、定型手術、拡大手術に大別されます。また、Ⅰ期では腹腔鏡手術が適応されることもあります。手術が多様化しているので、担当医とよく相談し、根治を目指して、がんを確実に切除する方法を選びましょう。

胃切除とリンパ節郭清を同時に行う

早期でもリンパ節に転移しやすい胃がんの手術は、がんが発生した場所を取り切る胃切除と同時に、転移やその可能性があるリンパ節(領域リンパ節)を取り除くリンパ節郭清(D1、D1+、D2)が行われます。胃がんは、リンパ節転移があってもリンパ節郭清をしっかり行えば一定の確率で根治が期待できるため、以前は領域リンパ節をすべて切除する傾向にありました。

しかし現在では、これまでの研究結果をもとに胃がんが発生した場所や病期に応じてリンパ節郭清の範囲が定められています。D1郭清では胃の周囲にある領域リンパ節を切除します。D1+郭清ではD1郭清に加えて胃に栄養を送る血管周囲の領域リンパ節の一部を、D2郭清では領域リンパ節すべてを切除します。

リンパ節転移がなければ縮小手術も可能

胃を切除する範囲は、リンパ節郭清の必要性(転移・再発リスク)によって決まります。術前の検査でリンパ節転移がないと診断され、がんが粘膜下層までにとどまっている(ⅠA期)場合で、内視鏡治療適応外の早期胃がんでは、リンパ節郭清の範囲を縮小(D1/D1+郭清)できるので、胃の切除範囲も小さくすることが可能です(縮小手術)。それにより胃の機能をできるだけ温存して胃切除後の障害を軽減し、術後のQOL(生活の質)の向上を目指します。

縮小手術の中には、胃の真ん中あたりに発生したがんに対する「幽門保存胃切除術」と、噴門に近いところに発生したがんに対する「噴門側胃切除術」などがあります。幽門保存胃切除術は、胃の上部3分の1程度と幽門前庭部を3~4cm程度残して胃を切除し、残った胃と胃をつなぐ術式です。噴門側胃切除術は、噴門を含めて胃の2分の1から3分の1を切除し、幽門側に残った胃と食道をつなぐ、もしくは食道と胃の間に10cm程度の空腸を入れてつなぐ術式です。手術で切除する範囲を小さくしても適応をしっかり守れば、定型手術を行った場合と同じ程度に治ります。

リンパ節転移があれば定型手術が原則

リンパ節転移がないと思われる早期胃がん以外ではD2郭清が必要です。胃切除の方法としては、がんが胃の下部に発生している場合は胃の出口である幽門側から胃を3分の2以上切除する「幽門側胃切除術」を、がんが胃の上部または全体に発生している場合は胃全体を切除する「胃全摘術」を行います。

幽門側胃切除術は、がんの口寄りの端から2~5cm(早期胃がんで2cm、進行胃がんでは3~5cm)以上噴門寄りの部分から幽門までの胃の3分の2以上を切除し、残った胃と十二指腸あるいは小腸とつなぎ合わせる術式です。

胃全摘術は、胃をすべて切除したあと小腸を切離し、食道まで引き上げてつなぎ合わせるとともに、十二指腸に分泌されるすい液などの消化液が小腸に流れ込むように、引き上げた小腸に十二指腸側の小腸をつなぐ術式です。胃全摘術あるいは幽門側胃切除術+D2郭清が胃がんの定型手術で、リンパ節転移が疑われる早期胃がんや進行胃がん(ⅠB期、Ⅱ期、Ⅲ期)の標準的な手術です。

ⅢB、ⅢC期では拡大手術が行われることも

ⅢB期、ⅢC期のうち、がんが周囲の臓器に広がっている場合は、定型手術では切除しきれません。しかし、ほかの臓器も一緒に切除すれば、がんを取り切れると考えられる場合は拡大手術が行われます。ただし、安全に実施できる施設は限られます。このような手術を必要とする場合は専門病院で受けましょう。

胃早期がんでは腹腔鏡手術も選択肢の1つ

一方、内視鏡治療の適応とならないⅠ期の早期がんには腹腔鏡手術が行われることも増えてきました。これはお腹に4~5か所の小さな穴を開け、そこから炭酸ガスを送り込んで腹部を膨らませ、内視鏡や手術器具を挿入して行う手術です。腹腔鏡手術=縮小手術ではないため、切除範囲は開腹手術と同じですが、開腹手術に比べて体への負担が少なく、術後の回復も早いという利点があります。

ただし、開腹手術と同じ程度に治るのか、長期的なQOL(生活の質)は良好かという評価は十分に得られていません。また、腹腔鏡手術による胃全摘術の安全性は、開腹手術に劣る可能性もあります。

近年は、腹腔鏡手術を発展させたロボット手術が試みられており、先進医療でその有用性が評価されています。ただし、ロボット手術の費用は全額自己負担になります(入院・検査等の費用は健康保険適用)。実施する病院も限られているので、希望する場合は担当医に相談してください。

胃がんの手術は多様化していますが、大切なことは、どのような方法であれ確実にがんとリンパ節を切除すること(局所コントロール)です。なぜなら、それが胃がんの根治性を高め、生命予後に大きく影響するからです。また、術前診断は20%程度で病期などの間違いがあり、手術はやり直しがきかないことを忘れないでください。このことを踏まえたうえで、手術を受ける際は担当医とよく相談し、最適な方法を選びましょう。

術後の食生活について

胃を切除すると胃の機能が損なわれるため、ダンピング症候群と呼ばれる不快な症状が起こるほか、体重減少も避けられません。しかし、食事に特に注意するのは手術後3か月ほどで、それ以降は体が新しい状況に慣れてくるので心配いりません。

胃切除後3か月は食事に注意する

内視鏡治療の場合は胃の機能を損なわないため、治療前と同じように食事をとることができます。しかし、胃を切除した場合は、術後約3か月は食事に注意しましょう。まず、腸などの消化器に負担をかけないよう少しずつ食べ、朝昼晩3回+間食2回の1日5食を基本とします。ダンピング症候群の予防のため、2時間ごとに食べ物をとるのが望ましく、食事の間隔が長くなる場合は午後2回の間食を入れるとよいでしょう。また、白身魚や豆腐、卵など消化のよい食べ物を選び、細かく刻んだり軟らかく調理したりして食べることをおすすめします。

食べ方を工夫しダンピング症候群を防ぐ

胃を切除すると、食べ物を撹拌し一時的に溜めて少しずつ腸に排出するという胃の機能が損なわれるため「ダンピング症候群」が起こります。これには早期と後期があります。こなれていない食べ物がすぐに腸に送られると、消化を助けようとして消化管ホルモンが過剰に分泌されます。そのため、大量の血液が腸に集まり、全身をめぐる血液が一時的に不足し、血圧の低下やめまい、動悸、脱力感、冷や汗などをきたします。

これが食後30分以内に起こる「早期ダンピング症候群」の主な症状です。また、腸に送られた食べ物は、胃でかゆ状になったものに比べて塩分や糖分が濃いため、浸透圧によって腸の毛細血管の水分が腸管に移動し、薄い腸液が大量に分泌されて腹痛や下痢を引き起こします。

早期ダンピング症候群は、十分にこなれた食べ物を少しずつ腸に送ることで予防できるので、食事はよく噛んでゆっくり食べましょう。また、水分によって食べ物が一気に腸に流し込まれないように、食事中の水分はできるだけ控えます。

また、食べ物が短時間で吸収されると、一過性の高血糖状態になります。これに対応するために大量のインスリンが分泌され、今度は低血糖状態を招きます。これが「後期ダンピング症候群」といわれるもので、食後2~3時間経過してから起こります。主な症状は脱力感や倦怠感、頭痛、眠気などで、ひどいときは意識を失うこともあります。術後疲労を訴える人の多くは低血糖が原因です。

後期ダンピング症候群は、単純炭水化物(ブドウ糖、果糖、ショ糖、麦芽糖、オリゴ糖など)を短時間で大量に摂取すると起こしやすいことがわかっています。甘いジュースを一息に飲むようなことはやめましょう。また、低血糖状態にならないように食後2時間をめどに間食で糖分(菓子や果物など)や炭水化物(餅や麺類など)を補給します。

体重減少の予防に栄養補助食品も利用

胃を切除すると、胃から分泌されていた食欲を調整するホルモン量が激減し、食欲が低下します。そのため、術後の体重減少は避けられません。手術前後に管理しても、1~3か月の間に胃全摘術で全体重の15~20%、胃の一部を残す幽門側胃切除術でも7~10%の体重減少が起こるといわれています。

胃切除後に食が進まないときは栄養補助食品を使うのも有効です。EPA(エイコサペンタエン酸=不飽和脂肪酸の一種)入りの栄養補助食品を術前から摂取すると、手術による侵襲を抑え体重減少を防ぐ効果が高まると期待されています。体重が減りすぎたときは担当医や栄養士に相談してみましょう。

ゆっくりあせらず元の生活に戻していく

手術後3か月を過ぎると体重もほぼ安定し腸も順応してくるので、嗜好品や揚げ物なども少しずつ口にしてかまいません。個人差はありますが、日が経つにつれて食べる量も増え、何でも食べられるようになりますので安心してください。困ったときは医師や看護師、栄養士などに相談し、自分なりの対処法を見つけながら、徐々に手術前の食生活に戻していきましょう。

内視鏡治療について

内視鏡治療は、内視鏡を口から胃の中に挿入し、その先端から特殊な電気メスやナイフなどでがんの部位を粘膜下層ごと剥ぎ取る治療です。早期胃がんで、リンパ節に転移している可能性がきわめて低い場合に受けることができます。

条件を満たしている早期胃がんが対象早期胃がんで条件を満たす場合は、内視鏡治療でがんを切除することができます。『胃癌治療ガイドライン』では、リンパ節転移の可能性がきわめて低く、がんが一括して切除できる大きさと部位にある場合を内視鏡治療の適応としています。

そのうえで、日常診療で内視鏡治(EMR、ESD)が推奨されるのは「絶対適応病変」とし、絶対適応病変ほどのエビデンスがない「適応拡大病変」に対する内視鏡治療(ESD)は、臨床的研究という位置づけで慎重に試みられるべきだとしています。

病理検査の結果によって追加手術が必要に

内視鏡治療は、主に「内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)」という方法で行われます。ESD後に切除病変を用いた病理検査で根治性を評価し、がんが完全に切除されていて、リンパ節転移の可能性もないと判定された場合は治療が終了します。ただし、新たながんの発生リスクや局所再発を考慮して年に1~2回内視鏡検査を行います。

また、必要に応じて腹部CT検査や腹部超音波検査を実施することもあります。ヘリコバクター・ピロリ菌が陽性のときは除菌治療を行い、経過観察します。

一方、がんを完全に切除できていない、またはリンパ節転移の可能性があると判定された場合は、原則的に追加外科切除が必要になります。この手術を行う際は病変の部位や患者の年齢、併存疾患などを考慮することも大事なので、担当医とよく相談してください。

体への負担が少なく、胃の機能も維持できる

ESDは体への負担が少なく胃の機能も維持できる方法ですが、治療した部分からの出血や胃穿せん孔こう(胃に穴が開くこと)の危険性があるため、1週間程度入院して行われます。一般的にESD施術後、翌日より飲水が、翌々日より食事が5分粥から開始となり、全粥、常食となって5~7日目に退院となります。ESDで切除した部分は人工的な胃潰瘍になっているので、治療後に胃潰瘍の薬を2か月ほど内服します。また、治療した部分によってはまれに狭窄を起こす可能性もあります。

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胃がんの種類と分類 https://oncolo.jp/cancer/gastric-type https://oncolo.jp/cancer/gastric-type 胃がんの種類と分類 2017-11-20UTC09:00:07+0000

目次

胃がんのステージ(病期)

胃がんの病期は、治療前の検査によりがんが胃壁に潜り込んでいる程度(深達度)とリンパ節や他臓器への転移の状態などで判定されますが、手術後の病理検査によって確定されます。治療方針は、病期に応じて決められています。「病期(ステージ)」とは、がんの進み具合を分類したものです。胃がんでは、病理検査(生検)により確定診断が行われると、内視鏡検査や腹部CT検査、腹部超音波検査などの結果から総合的に評価・判定し、Ⅰ期(ⅠA、ⅠB)、Ⅱ期(ⅡA、ⅡB)、Ⅲ期(ⅢA、ⅢB、ⅢC)、Ⅳ期の8段階に分類します。

深達度や転移の有無から病期を判定

最初に「がんが胃壁のどのぐらいの深さまで入り込んでいるか(T:深達度)」という観点から早期胃がんと進行胃がんに分類します。これらはがんの進み具合を具体的に示すものではなく、早期胃がんとは、がん細胞が粘膜層内または粘膜下層までにとどまり、転移の可能性が低く、病変を適切に切除することにより完治する頻度が高いことを意味しています。

一方、進行胃がんとは、がん細胞が固有筋層まで達している、あるいは固有筋層を越えて浸潤しリンパ節転移や他臓器転移の頻度が比較的高いことを意味します。この2つの分類に加え、胃の周辺のリンパ節(領域リンパ節)に何個転移しているか(N:リンパ節転移の広がり)、離れたほかの臓器への転移があるか(遠隔転移)などの要素を組み合わせ、病期を決めていきます。

Ⅲ期までは手術による根治が期待できる

早期胃がんのほとんどがⅠA期、ⅠB期で、病変を適切に切除すれば、治る可能性がきわめて高い病期です。なかでもⅠA期の約半数の患者は内視鏡治療で治ることが期待できます。Ⅱ期は少し進んだ胃がんですが、手術によって治る可能性が高く、Ⅲ期はさらに進行していますが、まだ手術によって治る可能性が十分にある病期です。

『胃癌治療ガイドライン』(日本胃癌学会編)では、遠隔転移の有無(M0、M1)、深達度(T1a~T4b)、リンパ節転移の有無(N0、N+)などから判断されるがんの進み具合(病期)に、がん細胞の増殖の仕方(分化型、未分化型)やがんの大きさなどを加味し、適応となる胃がんの標準治療を推奨しています。なお、標準治療とは現時点で良好な効果が出る可能性が最も高い治療法です。

粘膜層内のがんの治療

リンパ節転移がなく(N0)、がんが粘膜層にとどまっている(T1a)もの(ⅠA期)で、大きさが2cm以下の分化型であり、潰瘍やその傷跡がない早期胃がんは、内視鏡治療の適応となり、『胃癌治療ガイドライン』では「絶対適応病変」と定義されています。

それ以外でもガイドラインで「適応拡大病変」(①がんが粘膜層にとどまっていて、大きさが2cmを超える分化型であり、潰瘍やその傷跡がないもの、②がんが粘膜層にとどまっていて、大きさが3cm以下の分化型であり、潰瘍やその傷跡があるもの、③がんが粘膜層にとどまっていて、大きさが2cm以下の未分化型であり、潰瘍や傷跡がないもの)と定義される早期胃がんであれば内視鏡治療で治る可能性がきわめて高いといえます。

ただし未分化型は、がんが小さくても潰瘍性の変化を伴うとリンパ節に転移することがあるため、内視鏡治療の適応には慎重を要します。また、適応条件にかかわらず手技の困難さや患者の手術リスクに応じて、手術と内視鏡治療を個別に検討する必要もあります。

粘膜下層より深いがんの治療

がんが粘膜下層にとどまっていてリンパ節転移を疑わない場合(ⅠA期)には縮小手術が行われます。がんが固有筋層あるいはそれ以上の深部に達している場合は、検査でリンパ節転移がないと診断されても、転移している可能性が40%以上見込まれるため、一定範囲のリンパ節を切除する(郭清)定型手術を、胃壁を越えてほかの臓器に広がっているT4bでは、巻き込まれた臓器と一緒に胃を切除する拡大手術を行います。

離れたリンパ節や肝臓、肺などに転移しているⅣ期では、薬物療法による治療が行われます。また、胃がん病巣から出血したときや幽門狭窄を起こしたときは症状緩和のための手術を行います。

本コンテンツは認定NPO法人キャンサーネットジャパンが出版する「もっと知ってほしい胃がんのこと」より抜粋・転記しております。

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大腸がんとは(疾患情報) https://oncolo.jp/cancer/colon-about https://oncolo.jp/cancer/colon-about 大腸がんとは(疾患情報) 2017-11-20UTC08:43:20+0000

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大腸がんとは

大腸がんは、大腸の粘膜(内側の表面)に発生します。通常、早期がんでは症状はありません。進行すると血便や便通異常(便秘や下痢)、大腸は、右下腹部から時計回りに小腸を取腹痛などの症状を起こすようになります。

大腸は、右下腹部から時計回りに小腸を取り囲むように存在する全長約1.5~2mの管状の臓器です。大きく分けて結腸と直腸の2つに分けられます。大腸は、小腸で消化・吸収した残りかすである液体状の腸の内容物から水分を吸収して固形の便にし、肛門から排泄する役割を担っています。大腸がんとは、この大腸の粘膜(内側の表面)に発生するがんのことです。

大腸がんは増えている

日本で新たに大腸がんと診断される患者さんの数(罹患数)は年間約14万人で、高齢化と食生活の欧米化などにより年々増えています。大腸がんは、がんの罹患数の中では、男性では4位、女性では2位で、日本人にとって最も身近ながんの1つといえます。大腸がんの発生経路には、

①腺腫というタイプの良性の大腸ポリープが大きくなる過程でがん化する経路、
②正常な粘膜から直接がんが発生する経路

の2つがあります。

また、大腸がんの約7割は直腸やS状結腸(肛門に近い大腸)に発生します。

大腸がんの症状

大腸がんがある程度の大きさになると、血便(便に血がつく)、便秘や下痢などの便通異常、腹痛などの症状が現れますが、早期がんではほとんどが無症状です。また、大腸は長い臓器なので、症状の現れ方はがんができた場所によって少しずつ違います。結腸の右半分(肛門から遠い大腸)にできたがんでは、直腸がんやS状結腸がんに比べて症状が現れにくい傾向があります。

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大腸がんの治療法 https://oncolo.jp/cancer/colon-treatment https://oncolo.jp/cancer/colon-treatment 大腸がんの治療法 2017-11-20UTC08:41:08+0000

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大腸がんの治療について

大腸がんでは、病期(ステージ)に応じた標準的な治療方針があります。大腸がんは、がんを完全に切除できれば完治する可能性が高いため、ほかの臓器に転移がある場合でも積極的に手術を行います。大腸がんの治療法には、内視鏡治療、手術、化学療法、放射線療法などがありますが、病期(ステージ)に応じて標準的な治療方針が設定されています。

ステージ0の大腸がん

ステージ0の大腸がんでは、がんは粘膜の中にとどまっているので、内視鏡によってがんを切り取る治療をします。取り残しがなければ、ステージ0の大腸がんは内視鏡治療のみで完治します。

ステージⅠの大腸がん

ステージⅠの大腸がんの中で、大腸の壁への浸潤が浅いものに対しては、ステージ0と同様に内視鏡治療を行います。浸潤が深いものでは、内視鏡治療ではがんを取り残してしまう可能性やリンパ節転移を起こしている可能性があるため、手術によってがんの部分を含む腸管と、転移の可能性のある範囲のリンパ節を切除します。

ステージⅡ、Ⅲの大腸がん

ステージⅡ、Ⅲの大腸がんでは、手術によって、がんの部分を含む腸管と、転移の可能性のある範囲のリンパ節を切除します。切除したリンパ節にがんの転移があった場合には、再発予防のための抗がん剤治療(術後補助化学療法)がすすめられます。

ステージⅣの大腸がん

ステージⅣの大腸がんの場合は、がんの部分を取り除くだけでは、ほかの臓器に転移したがんがまだ残っている状態なので、すべてのがんが取り切れたことにはなりません。一般に大腸がんでは、肝臓や肺に転移したがんも、それらが手術で切除することが可能であれば、積極的に手術を行います。何回かに分けて手術を行うこともしばしばあります。

がんを手術ですべて取り切ることができれば、約40%の人では完治が期待できます。ただし、転移のある場所・数や、その時点での身体の症状などに応じて、手術以外の治療法(化学療法や放射線療法など)がすすめられる場合もあります。ステージⅣの大腸がんの治療は病状によりさまざまです。担当医からよく説明を受け、患者さん・ご家族の皆さんでよく相談して治療を受けましょう。

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大腸がんの種類と分類 https://oncolo.jp/cancer/colon-type https://oncolo.jp/cancer/colon-type 大腸がんの種類と分類 2017-11-20UTC08:38:57+0000

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大腸がんの検査と診断

大腸がん検診(便潜血検査)が陽性の場合や、血便や便通異常などの自覚症状がある場合には、内視鏡検査を行い、大腸がんがあるかどうかを診断します。そのほか、がんの進み具合を調べるためにCTやMRIなどの画像検査も行います。

大腸がん検診で便潜血検査(便の中に混ざっているわずかな血液を検出する検査)が陽性の場合や、便秘や下痢、血便などの大腸がんを疑う症状がある場合には、肛門から内視鏡を入れて大腸の中を詳しく観察する「大腸内視鏡(大腸カメラ)検査」を行います。

がんを疑う病変が見つかった場合には、内視鏡の先端から出した鉗子という道具で病変の一部を採取し(生検)、顕微鏡で組織を調べます(病理検査。そこでがん細胞が確認されれば大腸がんの診断が確定します。

大腸がんの診断が確定した後は、CTなどの画像検査や腫瘍マーカー検査(血液検査)を行い、大腸がんの広がり(リンパ節や肝臓・肺など、ほかの臓器への転移の有無)を調べます。このような一連の検査は、大腸がんの進み具合を正しく診断し、適切な治療方針を立てるためにとても大切です。

ステージ(病期)と種類・分類について

大腸がんの進み具合は、がんの深達度、リンパ節転移の程度、ほかの臓器への転移の有無によって、5段階の病期(ステージ)に分類されます。治療を始めるにあたって、まずはがんの進み具合を正確に知っておく必要があります。

浸潤と深達度

大腸の粘膜に発生した大腸がんは、最初のうちは粘膜の表面にとどまっていますが、徐々に大きくなるとともに大腸の壁の奥深くに食い込んでいきます。がんが大腸の壁に食い込んでいくことを「浸潤」といい、この食い込みの程度を「深達度」といいます。大腸の壁はおおむね5層に分かれています。がんが粘膜内、または粘膜下層までにとどまっている場合を早期がん、固有筋層より深いところに達している場合を進行がんと呼びます。

転移

がんが大腸の壁に深く食い込んでいくにつれて、大腸の壁の中にあるリンパ管や血管にがん細胞が入り込み、がんが発生した場所(原発巣)以外の場所に“飛び火”することを「転移」といい、転移した先で大きくなったがん組織を「転移巣」と呼びます。転移の仕方(経路)には、大きく分けて以下の3種類があります。

リンパ行性転移:がん細胞がリンパ管を伝って生じる転移。通常、まず原発巣に最も近いリンパ節に転移し、そこから次のリンパ節に流れて増殖していきます。
血行性転移:がん細胞が血液の流れに乗ってほかの臓器に転移すること。大腸の血液はまず肝臓に集まることから、大腸がんでは肝転移が最も多く、次に多いのが肺転移です。そのほか骨や脳に転移することもあります。
腹膜播種:大腸の壁を突き破って外側に顔を出したがんから、がん細胞がお腹の中(腹腔内)に種をまくように散らばって生じる転移。大きくなるとしこりをつくって便の通りを悪くしたり、表面からがん細胞を含む水(腹水)を出したりするようになります。

病期(ステージ)の判定

大腸がんの進み具合(広がり)は、以下の①~③の3つを総合して、ステージ0、Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳの5段階に分類されます。ステージの数字が大きくなるほど、がんが進行している状態を表します。

①がんが大腸の壁に食い込んでいる程度(深達度)
②リンパ節への転移の程度(リンパ節転移度)
③肝臓や肺、腹膜など、ほかの臓器への転移の有無(遠隔転移)

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