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急性骨髄性白血病(AML)とは

[公開日] 2017.10.18[最終更新日] 2017.10.18

急性骨髄性白血病(AML)とは

白血病は、造血幹細胞から血液細胞(白血球、赤血球、血小板)へと成熟する途中の細胞ががん化して発症します。これらの細胞たちは、全て骨中心にある骨髄の中で生まれる「造血幹細胞」からできます。造血幹細胞は骨髄の中で増殖していきますが、まだ何の機能も果たさない造血幹細胞ばかりが増えても生体にはなんらメリットがありません。そのため、生体は造血幹細胞に役割を与える訳です。このことを「分化」と言います。 造血幹細胞はまず①骨髄系幹細胞 ②リンパ系幹細胞に分化し、それぞれさらに①-1赤血球、①-2血小板、①-3骨髄芽球、①-4単球、②-1リンパ球、と分化していきます。これがどう白血病と関係しているのかというと、白血病の分類はどの細胞がどの成長段階で、どういったパターン・速度で増殖するのかをもとにして分類しています。 今回説明する急性骨髄性白血病は、上記の①-③にあたる骨髄芽球が何らかの原因によって異常に増殖する病気です。がん化した細胞が、もし成熟したら「何」になっていたか?によってがんの種類が分類されます。血液細胞の1つである白血球の中にはウイルスを攻撃する働きをするリンパ球があります。成熟したらリンパ球なる予定の細胞ががん化した場合がリンパ性白血病です。リンパ球以外の白血球、赤血球、血小板になる予定の細胞ががん化した場合、骨髄性白血病となります。 急性骨髄性白血病(Acute Myeloid Leukemia:AML)に起因する血球の細胞は、何らかの遺伝子異常により造血肝細胞からある程度成熟した段階で成熟が止まり、機能をほとんどもたないがん化した細胞(白血病細胞)が無制限に増殖することで発症します。 AMLはその名の通り急速な経過をとり、放置すれば必ず命を落としてしまう悪性の病気です。したがって、早急は診断と治療の開始が必須となります。また、急性というのは血液細胞の分化能に異常が起きて、骨髄芽球から先へ分化ができないことを示しています。分化ができないので、増えてしまっているわけです。一方で慢性骨髄性白血病という病気は、血液細胞の分化には異常が見られず、増殖能に異常があるために骨髄芽球が増えてしまう病態です。 AMLには、他のがんのような病期(ステージ)分離はありません。国際的には、FAB分類という分類を長らく使用しており、M0〜M7までの8種類に分けられ、形態や染色体異常の有無、LDH値などで治りやすさに違いがあります。 近年では、FAB分類に加へWHO分類も使用されるようになりこちらが主流となっています。 分類を下表にまとめました。他のがんとは違い、かなり専門的な分類となっているのがお分かりかと思います。言い換えれば、専門医の診断を治療が不可欠ということになります。 http://ganjoho.jp/public/cancer/AML/index.html) 急性と慢性の違い:分化できるかできないかの違い。急性は分化ができないから幼弱な白血病細胞が大量に増殖し、慢性は分化できるけど増殖能が高すぎるために正常に比べて多くの血液細胞が出現する(幼弱なものを含む)。 骨髄性とリンパ性の違い:増殖するのが骨髄系の細胞か、リンパ系の細胞かの違い。

急性骨髄性白血病の原因

急性骨髄性白血病は、小児の場合は遺伝子異常が原因として知られています。どの遺伝子に問題があったかで急性骨髄性白血病はM0~7まで分類されています。 例えば、M3(急性前骨髄球性白血病)を例にとって説明します。なぜM3なのかというと、前述したDICとの合併で早期死亡のリスクの高い亜型だからです。M3はt(15;17)転座によってPML-RARαというレチノイン酸の受容体に異常をきたします(転座については分子生物学的な話になるので詳しい説明は避けます)。 レチノイン酸は前骨髄球がさらに分化するのに必要であることが知られており、その受容体に異常がきたされることでM3の患者さんでは前骨髄球が分化できなくなり、異常増殖してしまうのです。 他にも、M2ではt(8;21)転座、M4ではinv(16)など、様々な遺伝子異常をきたすことで発症することが知られています。 一方で、成人になってからの発症の場合では、遺伝子異常というよりもむしろ環境要因での発症が多くなります。例えば、喫煙者であること、過去に放射線療法や化学療法を受けたことがある人、過去に急性リンパ芽球性白血病にかかったことのある人、原子爆弾による化学物質に暴露されたことがある人等です。 原子爆弾が落とされた広島、長崎では実際に急性白血病の頻度が上がったことが明らかにされています。 白血病の中の急性リンパ性白血病には、ウイルスが原因で白血病を発症するものもあります。急性骨髄性白血病(AML)に関してはウイルスの関与が明らかになっているものはありません。つまり急性骨髄性白血病(AML)は、はしかや水疱瘡のように伝染する病気ではありません。

急性骨髄性白血病の病期

急性骨髄性白血病では病期(ステージ)という概念はありません。発症してしまった時点で、白血病細胞は血液に乗って全身に存在しているわけですから、病気の程度、ということは概念づけられていないのです。国際的には、FAB分類という分類を長らく使用しており、M0〜M7までの8種類に分けられ、形態や染色体異常の有無、LDH値などで治りやすさに違いがあります。 近年では、FAB分類に加へWHO分類も使用されるようになりこちらが主流となっています。 原因となる遺伝子が違い、増えている細胞も微妙に違っていたりするので、各病型にあった治療を行います。

急性骨髄性白血病の分類

先ほど述べたM0~7の分類はFAB分類と呼ばれています。現在ではFAB分類をもとにしたWHO分類の方が良く用いられているのでそちらで説明します。以下の通りです。 出典 病気がみえる Vol.5 血液 第二版 http://www.jalsg.jp/leukemia/acute_leukemia.html http://ganclass.jp/kind/aml/what.php#Link01 http://ganjoho.jp/public/cancer/AML/index.html https://www.jshct.com/guideline/pdf/2009AML.pdf#search=%27%E6%80%A5%E6%80%A7%E9%AA%A8%E9%AB%84%E6%80%A7%E7%99%BD%E8%A1%80%E7%97%85+%E5%88%86%E9%A1%9E+EHO%27 http://ganjoho.jp/public/cancer/AML/diagnosis.html

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