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皮膚がんとは(基礎知識)

[公開日] 2023.10.03[最終更新日] 2024.10.03

皮膚がんとは

皮膚は大きく分けて表皮・真皮・皮下組織の3層構造になっています。また、表面に一番近い表皮は、更に角質層・顆粒層・有棘層・基底層に分かれています。基底層にはところどころメラニン色素(皮膚の色素)を産生しているメラノサイトという細胞が存在しています。 更に、皮膚の一環として、汗腺、皮脂腺、毛包など特別な機能を担っている皮膚付属器も備えられています。 これらの様々な皮膚の細胞や付属器からできるがんの総称が皮膚がんです。 例えば、表皮や付属器などから発生する上皮系のがんには有棘細胞がん、基底細胞がん、乳房外パジェット病、皮膚付属器がんなどがあります。その他にも、悪性黒色腫、表皮底部の感覚の伝達に関わる神経内分泌細胞ががん化したメルケル細胞がん、隆起性皮膚線維肉腫、血管肉腫などがあります。

皮膚がんの罹患率と生存率

2019年の日本における罹患率は、25,247例(男性12,815例、女性12,432例)となっています。また5年相対生存率(2009~2011年)は、94.6 %(男性94.4 %、女性94.6 %)です。

皮膚がんの原因

日光が主な原因と考えられています。皮膚の色の薄い人は、皮膚で作られるメラニン色素の量が少ないため、皮膚がんに罹患しやすいと言われています。そのため、皮膚がんの発症は日本人では比較的少なく、白色人種に多い特徴があります。(白色人種では、主に悪性黒色腫、有棘細胞がん、基底細胞がんの3つが高頻度に見られます。) また、放射線療法や発がん物質に晒されたことがきっかけで、何年も経ってから皮膚がんが発生することもあります。

皮膚がんの症状

皮膚がん症状は、どの細胞から発生したがんかによって異なりますが、頻度の高い症状としては、皮膚に不規則な形の紅色または色素性の病変が現れます。長期間消えない、あるいはどんどん大きくなっていく場合には、痛みや炎症、出血の有無に関わらず、詳細に検査をすることが重要です。

皮膚がんの予後

皮膚がんは、早期に発見できれば、切除だけで根治が望めるがんです。 ただし、がんが進行し、リンパ節や周囲の臓器に転移がみられる場合には、薬物療法による全身療法が必要となり、5年生存率も低くなります。 少しでも皮膚に違和感のある病変(できもの)がある場合は、すぐに受診・早期診断をすることが重要です。
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