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神経内分泌腫瘍 (neuroendocrine tumor: NET)とは(基礎知識)

[公開日] 2023.10.03[最終更新日] 2024.10.07

神経内分泌腫瘍 (neuroendocrine tumor: NET)とは

神経内分泌細胞とは、ホルモンやペプチドを産生・分泌する細胞のことで、全身の臓器に広く分布しています。 神経内分泌腫瘍(NET)は、神経内分泌細胞から発生するがんの総称で、消化管や膵臓などにできる場合が最も多く、他にも肺や気管支など様々な臓器にできる腫瘍です。 NETは、通常のがんと比較して悪性度が幅広く、腫瘍ができる場所やホルモン症状の有無などによっても性質が異なる不均一な集団です。そのため、予後予測や治療方針の決定は、がんの持つ性質に基づいた分類が重要視されます(NETの分類は後述)。

神経内分泌腫瘍 (neuroendocrine tumor: NET)の罹患率と生存率

日本全国のNETの年間の罹患数は、膵臓におけるNETが約1,595人、消化管におけるNETが4,408人と報告されています(2010年の調査による)。人口10万人当たりで考えると、それぞれ1.27人と3.51人 と推定されることから、NETは希少がんに位置付けられます。

神経内分泌腫瘍 (neuroendocrine tumor: NET)の原因

膵・消化管におけるNETの一部(5-10%程度)は、生殖細胞の遺伝子変異が原因で発症する遺伝性疾患との関連が指摘されています。 その他の大部分のNETは、幅広い年齢層に見られ、発生部位も多岐にわたる非常に稀な腫瘍であるため、特定のリスク因子は分かっていないのが現状です。

神経内分泌腫瘍 (neuroendocrine tumor: NET)の症状

NETの症状は、がん化した神経内分泌細胞がどんなホルモンの分泌を担っているかによって異なります。 インスリノーマ:インスリンを分泌する膵臓の細胞から発生する腫瘍です。インスリンの過剰分泌による空腹時の低血糖に伴って、意識障害や動悸、冷や汗などの症状が出てきます。 ガストリノーマ:ガストリンを分泌する細胞、主に膵臓や十二指腸から発生する腫瘍です。ガストリンの過剰分泌による胃酸が過剰に産生され、胃・十二指腸潰瘍や胸やけ、腹痛などが起こります。 グルカゴノーマ:グルカゴンを分泌する膵臓の細胞から発生する腫瘍です。グルカゴンの過剰分泌により血糖が上昇するため、体重減少や頻尿など、糖尿病に類似した症状が現れます。慢性的に赤褐色の発疹(壊死性遊走性紅斑)が見られたり、舌が滑らかで光沢のある赤橙色になるなどの症状が特徴的です。 ソマトスタチノーマ:インスリンやガストリンなど多くのホルモンの分泌抑制に関与しているソマトスタチンを分泌する細胞、主に膵臓や十二指腸から発生する腫瘍です。体重減少や高血糖、下痢などの他、ソマトスタチンが制御しているホルモンのひとつであるコレシストキニンの異常に伴う胆石症などが見られます。 VIPオーマ:膵臓や十二指腸から発生することで、血管作動性腸管ペプチド(VIP)が過剰に分泌されます。VIPは消化管組織に幅広く分布しており、胃酸分泌の抑制、腸液の分泌促進、小腸からの水と電解質の分泌促進など、様々な機能を担っています。VIPオーマの主な症状としては、激しい水溶性の下痢や低カリウム血症などが挙げられます。 カルチノイド(症候群):ホルモンを生産する消化管や膵臓、肺など様々な部位に発生します。セロトニン、ブラジキニン、ヒスタミン、プロスタグランジンなどのホルモン様物質が過剰に産生され、カルチノイド症候群と呼ばれる種々の症状を引き起こします。主なものとして、原因不明の皮膚の紅潮、腹痛や下痢、むくみ、喘息様発作、心不全などがあります。 以上が、ホルモン分泌細胞のがん化によって起きる症状ですが、NETの一部の症例においては、ホルモン症状のないケース(非機能性NET)も存在します。その場合は、ホルモンに依存した症状はなく、体内で腫瘍が大きくなることによる腹部膨満感や腹痛が起きることがあります。

神経内分泌腫瘍 (neuroendocrine tumor: NET)の分類

NETの後の予後予測や治療方針の判断においては、病理組織学的な所見に基づく分類(WHO分類)が重要視されます。 発生頻度が高い膵・消化管におけるNETでは、特に増殖スピードが速く悪性度が高いものをNETと区別してNEC(Neuroendocrine Carcinoma)と呼び、NETとNECをまとめてNEN(Neuroendocrine Neoplasm)と総称します。 また悪性度は、細胞増殖に関わるたんぱく質Ki-67陽性細胞が占める割合、および核分裂が起きている増殖細胞の数によって決まります(下図)。 ただし肺に関しては上記分類は当てはまらず、核分裂が起きている細胞の数および細胞の壊死の有無、また顕微鏡で観察したときの細胞の形態によって、「定型カルチノイド」「異型カルチノイド」「小細胞がん」「大細胞神経内分泌癌」の4つに分類されます。
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