非淡明細胞型の進行腎細胞がんに対する初回治療としてのキイトルーダ+レンビマ併用療法、有望な奏効率を示すThe Lancet Oncologyより


  • [公開日]2023.07.20
  • [最終更新日]2023.07.19
この記事の3つのポイント
・非淡明細胞型の進行腎細胞がんを対象とした単群第2相KEYNOTE-B61試験
・抗PD-1抗体剤キイトルーダ+マルチキナーゼ阻害剤レンビマ併用療法の有効性安全性を検証
・キイトルーダ+レンビマ併用療法が有望な奏効率を示す

2023年07月14日、医学誌『The Lancet Oncology』にて非淡明細胞型の進行腎細胞がんに対する初回治療としての抗PD-1抗体薬であるペムブロリズマブ(商品名キイトルーダ)+マルチキナーゼ阻害薬であるレンバチニブ(商品名レンビマ)併用療法の有効性、安全性を検証した第2相のKEYNOTE-B61試験(NCT04704219)の結果がParis-Saclay UniversityのLaurence Albiges氏らにより公表された。

KEYNOTE-B61試験とは、非淡明細胞型の進行腎細胞がんに対する初回治療として、6週を1サイクルでペムブロリズマブ400mg+1日1回レンバチニブ20mg併用療法を病勢進行または予期せぬ有害事象(AE)が発現するまで実施し、主要評価項目として独立中央判定(ICR)による客観的奏効率(ORR)を検証した単群の第2相試験である。

本試験に登録された158人の患者背景は、年齢中央値は60歳(52-69歳)、性別は男性71%(N=112人)、女性29%(N=46人)、人種は白人81%(N=128人)、アジア人8%(N=12人)、黒人orアフリカ系アメリカ人2%(N=3人)であった。

追跡期間の中央値14.9ヶ月時点における結果は下記の通りである。

主要評価項目である独立中央判定(ICR)による客観的奏効率(ORR)は49%(95%信頼区間:41-57%)を示し、奏効の内訳は完全奏効率(CR)は6%(N=9人)、部分奏効率(PR)は44%(N=69人)であった。

一方の安全性として、グレード3-4の治療関連有害事象(TRAE)発症率は51%(N=81/158人)を示し、最も多くの患者で確認されたグレード3-4の治療関連有害事象(TRAE)は高血圧23%、蛋白尿4%、口内炎4%であった。重篤な治療関連有害事象(TRAE)発症率は20%(N=31/158人)を示し、有害事象(AE)による死亡率は5%(N=8人)で確認された。

以上のKEYNOTE-B61試験の結果を受けて、Laurence Albiges氏らは「非淡明細胞型の進行腎細胞がんに対する初回治療としての抗PD-1抗体薬ペムブロリズマ+マルチキナーゼ阻害薬レンバチニブの併用療法は、持続的な抗腫瘍効果を示し、本疾患の第一選択薬になりうる可能性が示唆されました」と結論付けている。

Pembrolizumab plus lenvatinib as first-line therapy for advanced non-clear-cell renal cell carcinoma (KEYNOTE-B61)(Lancet Oncol. 2023. DOI:https://doi.org/10.1016/S1470-2045(23)00276-0)

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