この記事の3つのポイント
・非淡明細胞型の進行腎細胞がんを対象とした単群第2相KEYNOTE-B61試験
・抗PD-1抗体剤キイトルーダ+マルチキナーゼ阻害剤レンビマ併用療法の有効性、安全性を検証
・キイトルーダ+レンビマ併用療法が有望な奏効率を示す
2023年07月14日、医学誌『The Lancet Oncology』にて非淡明細胞型の進行腎細胞がんに対する初回治療としての抗PD-1抗体薬であるペムブロリズマブ(商品名キイトルーダ)+マルチキナーゼ阻害薬であるレンバチニブ(商品名レンビマ)併用療法の有効性、安全性を検証した第2相のKEYNOTE-B61試験(NCT04704219)の結果がParis-Saclay UniversityのLaurence Albiges氏らにより公表された。
KEYNOTE-B61試験とは、非淡明細胞型の進行腎細胞がんに対する初回治療として、6週を1サイクルでペムブロリズマブ400mg+1日1回レンバチニブ20mg併用療法を病勢進行または予期せぬ有害事象(AE)が発現するまで実施し、主要評価項目として独立中央判定(ICR)による客観的奏効率(ORR)を検証した単群の第2相試験である。
本試験に登録された158人の患者背景は、年齢中央値は60歳(52-69歳)、性別は男性71%(N=112人)、女性29%(N=46人)、人種は白人81%(N=128人)、アジア人8%(N=12人)、黒人orアフリカ系アメリカ人2%(N=3人)であった。
追跡期間の中央値14.9ヶ月時点における結果は下記の通りである。
主要評価項目である独立中央判定(ICR)による客観的奏効率(ORR)は49%(95%信頼区間:41-57%)を示し、奏効の内訳は完全奏効率(CR)は6%(N=9人)、部分奏効率(PR)は44%(N=69人)であった。
一方の安全性として、グレード3-4の治療関連有害事象(TRAE)発症率は51%(N=81/158人)を示し、最も多くの患者で確認されたグレード3-4の治療関連有害事象(TRAE)は高血圧23%、蛋白尿4%、口内炎4%であった。重篤な治療関連有害事象(TRAE)発症率は20%(N=31/158人)を示し、有害事象(AE)による死亡率は5%(N=8人)で確認された。
以上のKEYNOTE-B61試験の結果を受けて、Laurence Albiges氏らは「非淡明細胞型の進行腎細胞がんに対する初回治療としての抗PD-1抗体薬ペムブロリズマ+マルチキナーゼ阻害薬レンバチニブの併用療法は、持続的な抗腫瘍効果を示し、本疾患の第一選択薬になりうる可能性が示唆されました」と結論付けている。
Pembrolizumab plus lenvatinib as first-line therapy for advanced non-clear-cell renal cell carcinoma (KEYNOTE-B61)(Lancet Oncol. 2023. DOI:https://doi.org/10.1016/S1470-2045(23)00276-0)あなたは医師ですか。