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遺伝性平滑筋腫症・腎細胞がん症候群関連もしくは孤発性の乳頭状腎細胞がんに対するベバシズマブ+エルロチニブ、良好な抗腫瘍効果を示す The New England Journal of Medicineより

[公開日] 2025.07.07[最終更新日] 2025.07.03

2025年6月18日、医学誌『The New England Journal of Medicine』にて遺伝性平滑筋腫症・腎細胞がん症候群(HLRCC)関連もしくは孤発性の乳頭状腎細胞がんに対するアバスチン(一般名:ベバシズマブ)+タルセバ(一般名:エルロチニブ)併用療法の有効性、安全性を比較検証した第2相試験(NCT01130519)の結果がRamaprasad Srinivasan氏らにより公表された。 本試験は、HLRCC関連乳頭状腎細胞がん(43人)もしくは孤発性乳頭状腎細胞がん(40人)患者に対して、2週を1サイクルとしてアバスチン10mg/kg+1日1回タルセバ150mg併用療法を実施し、主要評価項目として全奏効率(ORR)、副次評価項目として無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)を検証した試験である。 HLRCC関連乳頭状腎細胞がん患者では72%(95%信頼区間:57-83%)の患者で奏効が確認され、副次評価項目であるPFSの中央値は21.1ヶ月(95%信頼区間:15.6-26.6ヶ月)、OSの中央値は44.6ヶ月(95%信頼区間:32.7ヶ月-推定不能)を示した。 孤発性乳頭状腎細胞がん患者では35%(95%信頼区間:22-51%)の患者で奏効が確認され、副次評価項目であるPFSの中央値は8.9ヶ月(95%信頼区間:5.5-18.3ヶ月)、OSの中央値は18.2ヶ月(95%信頼区間:12.6-29.3ヶ月)を示した。 一方の安全性として、多くの患者で確認された治療関連有害事象(TRAE)は、ニキビ様皮疹(93%)、下痢(89%)、蛋白尿(78%)であった。グレード3以上の有害事象(AE)は高血圧(34%)、蛋白尿(17%)を示した。 以上の結果よりRamaprasad Srinivasan氏らは「HLRCC関連乳頭状腎細胞がんもしくは孤発性乳頭状腎細胞がんに対するベバシズマブ+エルロチニブ併用療法は良好な抗腫瘍効果を示し、有害事象も既存の臨床試験で確認されている安全性プロファイルと一致していました」と結論付けた。 参照元: Bevacizumab and Erlotinib in Hereditary and Sporadic Papillary Kidney Cancer(N Engl J Med. 2025 Doi:10.1056/NEJMoa2200900)
ニュース 腎臓がん アバスチンエルロチニブタルセバベバシズマブ乳頭状腎細胞がん免疫チェックポイント阻害薬遺伝性平滑筋腫症・腎細胞がん症候群

山田創

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

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