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【論文】再発リスクの高い腎細胞がんに対する術後療法としてのキイトルーダ、東アジア人においても良好な抗腫瘍効果を認める Cancer Research and Treatmentより

[公開日] 2025.07.10[最終更新日] 2025.07.10

2025年6月26日、医学誌『Cancer Research and Treatment』にて、腎細胞がん(RCC)の再発リスクの高い患者に対する術後療法としてのキイトルーダ(一般名:ペムブロリズマブ)の有効性・安全性を検討した国際共同第3相KEYNOTE-564試験の東アジア人(日本、韓国、台湾)のサブ解析結果が報告された。

試験デザイン

対象

淡明細胞型腎細胞がんで、腎摘出術後の再発・中高リスク/高リスク、または原発巣と転移部位を完全に切除後に病変が認められない(M1NED:M1 no evidence of disease)患者

治療法(レジメン)

試験群:3週間ごとに最大17サイクルのキイトルーダ200mg (アジア人サブグループn=58) 対照群:3週間ごとに最大17サイクルのプラセボ (n=68)

評価項目

主要評価項目:治験担当医師評価によるDFS(無病生存期間) 副次評価項目:OS(全生存期間)および安全性

結果

東アジア人サブグループには計126名が含まれた(日本59名、韓国40名、台湾27名)。追跡期間中央値は62.1ヶ月であった。

有効性

主要評価項目であるDFSの中央値は、キイトルーダ群で未到達(NR)に対し、プラセボ群で58.8ヶ月であった(ハザード比:0.70、95%信頼区間:0.41-1.20)。48ヶ月時点でのDFS率は、キイトルーダ群で61.3%(95%信頼区間:46.9-72.8%)に対し、プラセボ群で51.2%(95%信頼区間:38.5-62.5%)と推定された。 OSの中央値は両群で未到達であった(ハザード比:0.47、95%信頼区間:0.15-1.49)。48ヶ月時点でのOS率は、キイトルーダ群で94.8%(95%信頼区間:84.8-98.3%)に対してプラセボ群で91.2%(95%信頼区間:81.4-95.9%)と推定された。

安全性

キイトルーダ群では、治療関連有害事象(TRAE)が70.7%(グレード3-4が29.3%)に認められ、最も一般的なものは発疹(22.4%)および倦怠感(15.5%)であった。TRAEによる治療の中止は22.4%で認められた。また、免疫関連有害事象は34.5%(グレード3-4が20.7%)に発現し、主なものは甲状腺機能低下症(8.6%)や副腎機能不全(6.9%)であった。キイトルーダ群において、治療に関連した死亡は報告されず、新たな安全性シグナルも特定されなかった。

結論

KEYNOTE-564試験の東アジア人サブグループにおいて、術後補助キイトルーダはプラセボと比較してDFSおよびOSの改善を認め、安全性プロファイルはグローバル試験の結果と一貫していた。 参照元: Adjuvant Pembrolizumab Versus Placebo for Renal Cell Carcinoma in the East Asian Subgroup of the Phase 3 KEYNOTE-564 Study(Cancer Res Treat. 2025 DOI: 10.4143/crt.2025.365)
ニュース 腎臓がん キイトルーダペムブロリズマブ腎細胞がん

浅野理沙

東京大学薬学部→東京大学大学院薬学系研究科(修士)→京都大学大学院医学研究科(博士)→ポスドクを経て、製薬企業のメディカルに転職。2022年7月からオンコロに参加。医科学博士。オンコロジーをメインに、取材・コンテンツ作成を担当。

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