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【承認】HIF-2α阻害剤ウェリレグ、VHL病関連腫瘍および進行腎細胞がんに対する承認を取得 MSD

[公開日] 2025.07.01[最終更新日] 2025.06.26

MSD株式会社は6月24日、経口低酸素誘導因子2アルファ(HIF-2α)阻害剤「ウェリレグ錠40mg(一般名:ベルズチファン)」について、「フォン・ヒッペル・リンドウ病関連腫瘍」および「がん化学療法後に増悪した根治切除不能又は転移性の腎細胞癌」を適応として国内製造販売承認を取得したと発表した。 ウェリレグは、経口投与可能な新しい作用機序の低分子HIF-2α阻害剤。HIFの分解を担うVHLたんぱく質の機能が喪失しているがん細胞において、ウェリレグはHIF-2αとHIF-1βのヘテロ二量体形成を選択的に阻害すると考えられている。その結果、血管新生・増殖および腫瘍代謝に関連する低酸素下で誘導される遺伝子の転写を阻害することで抗腫瘍効果を示す。 フォン・ヒッペル・リンドウ(VHL)病は、VHL遺伝子の変異によってHIF-2αが過剰発現することで腫瘍が発生する難治性の希少疾患。日本の推定患者数は600~1,000人であり、発生する主な腫瘍は、中枢神経系(小脳、延髄、脊髄)血管芽腫、網膜血管腫、腎細胞がん(RCC)、腎嚢胞、褐色細胞腫・パラガングリオーマ(PPGL)、膵神経内分泌腫瘍、膵嚢胞、精巣上体嚢胞腺腫、子宮広間膜嚢胞腺腫、内リンパ嚢腫瘍である。いずれも若年で発症し、複数の部位に同時に発生し、生涯にわたって発症を繰り返すという特徴を持つ。治療法には手術や放射線治療などがあるが、手術の侵襲に伴う障害が発生する場合や頻回な手術が必要になる場合があるなど生活の質(QOL)への影響は大きく、新たな治療法が望まれていた。 ウェリレグは、VHL病に対する全身療法として初めての薬剤であり、2024年2月にVHL病関連腫瘍について厚生労働省より希少疾病用医薬品の指定を受け、優先審査の対象とされていた。 今回の承認は、即時手術を必要としないVHL病関連腎細胞がん患者を対象とした海外第2相LITESPARK-004試験および前治療歴を有する進行RCC患者を対象とした国際共同第3相LITESPARK-005試験のデータに基づくものである。 一方、腎細胞がんは、手術が難しい場合、特に一般的な組織型である淡明細胞型に対しては、免疫チェックポイント阻害剤(PD-1阻害剤など)や分子標的薬(VEGFR阻害剤)が使われるが、それらの治療後に進行した患者では、臨床試験で有効性、安全性が検証された治療方法が無かったことから、新たな治療選択肢が求められていた。 ウェリレグはHIF-2αを阻害することによって、PD-1阻害剤またはPD-L1阻害剤とVEGFR阻害剤による治療後に進行したRCCにおいても、抗腫瘍効果を示した初めての薬剤である。 腎細胞がんに対する承認は、前治療歴を有する進行RCC患者を対象とした国際共同第3相LITESPARK-005試験のデータに基づいている。 参照元: MSD株式会社 ニュース
ニュース 腎臓がん VHL病ウェリレグベルズチファン腎細胞がん

浅野理沙

東京大学薬学部→東京大学大学院薬学系研究科(修士)→京都大学大学院医学研究科(博士)→ポスドクを経て、製薬企業のメディカルに転職。2022年7月からオンコロに参加。医科学博士。オンコロジーをメインに、取材・コンテンツ作成を担当。

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