[公開日] 2018.10.05[最終更新日] 2024.10.24
乳房とは
乳房は、15-20個のぶどうの房のような乳腺葉から成る乳腺と、その周りを囲む脂肪組織から成っています。また乳腺葉は、腺房という小さな組織から成る乳腺小葉と乳管からできています。
乳房の周囲のリンパ節は、その多くが脇の下にある腋窩リンパ節ですが、その他にも鎖骨の上に位置する鎖骨上リンパ節や鎖骨の隣に位置する内胸リンパ節があります。
乳がんとは、乳腺の乳管や乳腺小葉から発生する悪性腫瘍のことを言います。
乳がんの罹患率と生存率
日本において、乳がんと診断された患者数は、2019年の報告で97,812例(男性670例、女性97,142例)です。病期毎の5年相対生存率は、I期:100%、II期:96%、III期:81%、IV期:39%(国立がんセンターがん情報サービス「院内がん登録生存率集計」より)となっています。
乳がんの罹患率は、30歳代後半から増加し、40歳代後半~60歳代でピークとなります。
乳がんの原因
乳がんの原因となり得るリスク因子は、遺伝要因と環境要因の2つがあります。
遺伝性乳がん*は全体の5-10%と言われており、その半数以上がBRCAという原因遺伝子の異常によるものです。
環境要因としては、乳がんの発生に関わる女性ホルモンのエストロゲンへの長期暴露や、飲酒・喫煙などの生活習慣が挙げられます。
*生まれつき持っている遺伝子が原因で発症する乳がんのことです。もっとも代表的なものに、遺伝性乳癌卵巣癌症候群(HBOC)があります。乳がんの中でも、45歳以下の発症、60歳以下のトリプルネガティブ乳がん、2個以上の原発性乳がん、第三度近親者(曾祖父母、大おじ、大おば、いとこなど)以内に乳がんまたは卵巣がん発症者が1名以上いる、男性乳がん、のいずれかに当てはまる患者さんは、HBOCである可能性が考えられます。
乳がんの症状
乳がんの主な症状は、乳房や脇の下のしこりです。また、乳房の大きさや形の変化、乳頭からの分泌物、乳房のくぼみやただれなどの皮膚の変化などがあります。
自身で異常に気が付くことが、がんの早期発見にもつながるため、定期的な乳がん検診に加え、普段からセルフチェックをすることも大切です。
引用:一般社団法人BC Tube 乳がん大事典【BC Tube編集部】
乳がんの予後
乳がんは、多くのがん種の中でも治癒率の高いがんです。最近の薬剤開発の進歩に伴い、更に治療成績が改善してきています。
早期のがんであるほど治療の選択肢が増えるため、治癒する可能性を高めるために、できるだけ早期発見をすることが重要です。
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