プレシジョンメディシンとは?

プレシジョンメディシン(Precision Medicine)は、日本語では高精度医療といいます。

プレシジョンメディシンとは、がん細胞の遺伝子を次世代シークエンサーで解析し、がんの原因となった遺伝子変異を見つけ、その遺伝子変異に効果があるように設計した分子標的薬を使用するといった手法です。テーラーメード医療や個別化医療の一種です。

例えば、肺がん(非小細胞肺がん)は今や希少がんの集合といわれています。理由は、EGFR遺伝子変異、ALK遺伝子変異に代表される「がんの引き金になった遺伝子(ドライバーオンコジーン;driver oncogene)の変異」から罹患したがんの集合体であるからです。

EGFR遺伝子変異(30%)に対しては、EGFRチロシンキナーゼ阻害薬であるゲフィチニブ(イレッサ)、エルロチニブ(タルセバ)やアファチニブ(ジオトリフ)が奏効し、近年、これらに耐性ができた場合でも奏効する第3世代であるオシメルチニブ(タグリッソ)といった薬剤が上市されました。

ALK遺伝子変異(5%)に対しては、ALKチロシンキナーゼ阻害薬であるクリゾチニブ(ザーコリ)、アレクチニブ(アレセンサ)やセリチニブ(ジカディア)などが奏効し、日本で上市されています。

ROS1遺伝子変異(1~2%)に対してザーコリが、BRAF遺伝子変異(1%)に対してダブラフェニブ(タフィンラー)およびトラメチニブ(メキニスト)が希少疾病医薬品指定されています。

RET遺伝子変異(1~2%)については、スクラム・ジャパン主導のバンデタニブの臨床試験結果を2016年の米国臨床臨床腫瘍学会にて発表されました。
*2016年11月時点

その他、2016年2月、米国ではオバマ大統領が国家プロジェクトである「National Cancer Moonshot(ムーンショット)」イニシアティブを10億ドルを拠出して立ち上げましたが、その重要位置づけは、プレシジョン・メディシンとなっています。

プレシジョンメディシンの関連記事

下記にプレシジョンメディシンの関連記事をまとめました。

ニュース

PARP阻害薬オラパリブ 遺伝性乳がん卵巣がんへの効果が期待~アストラゼネカ記者会見より③~

遺伝子異常を伴うがん患者に治療機会を広げる高精度医療(プレシジョンメディシン)のアプローチ アンブレラ・バスケット試験 ASCO2016

オプジーボなど薬価高騰!!医師は医療費のことを考えるべき?

非小細胞肺がん FDA(米国) タルセバ使用における、EGFR変異血液検査(リキッドバイオプシー)を承認

ピックアップ

NHKスペシャル【プレシジョンメディシン・精密医療とがん治療】

オンコロブログ

「NHKスペシャル“がん治療革命”が始まった ~プレシジョン・メディシンの衝撃~ 」を視聴して

第56回日本肺癌学会学術集会に参加しました(患者向けセッション参加レポート)

がんの用語辞典

個別化医療(こべつかいりょう)


人気記事