日本初、抗CD38抗体ダラザレックスが再発又は難治性の多発性骨髄腫適応にて承認直近3年間の多発性骨髄腫の新規治療薬としては6剤目


  • [公開日]2017.09.28
  • [最終更新日]2017.09.28

9月27日、ヤンセンファーマ株式会社はヒト抗CD38モノクローナル抗体ダラツムマブ(商品名ダラザレックス)について、「再発又は難治性多発性骨髄腫」を効能・効果とする製造販売承認を取得したと発表した。

ダラザレックスは、CD38を標的とする新規作用機序のモノクローナル抗体です。多発性骨髄腫を含む造血器腫瘍の腫瘍細胞表面に発現するCD38 抗原に結合することにより、補体依存性細胞傷害(CDC)活性、抗体依存性細胞傷害(ADCC)活性、抗体依存性細胞貪食(ADCP)活性を介して抗腫瘍効果を示す。

今回の承認は、再発又は難治性の多発性骨髄腫患者を対象に、レナリドミド(商品名レブラミド)及びデキサメタゾン併用療法(Ld)へのダラザレックス上乗せ効果を検討する第3相国際共同試験(MMY3003試験)、ボルテゾミブ(商品名ベルケイド)及びデキサメタゾン併用療法(Bd)へのダザラレックス上乗せ効果を検討する第3相海外臨床試験(MMY3004試験)において本剤を含む併用群の優越性が示され、安全性及び忍容性が確認された。

さらに日本人の再発又は難治性の多発性骨髄腫患者を対象としたとダザラレックスとBdとの併用療法の国内第1b相試験(MMY1005試験)により、日本人におけるダラザレックスとBd療法の忍容性及び安全性が確認され、さらに、MMY3003試験に参加した結果、日本人と全体集団の有効性及び安全性に大きな差異は認められなかったことから、「再発又は難治性の多発性骨髄腫」の効能・効果にて承認された。

故に、今回の承認の用法は「レブラミドとデキサメタゾン併用療法」または「ベルケイドとデキサメタゾン併用療法」のいずれかにダラザレックスを上乗せするものである。

多発性骨髄腫 レナリドミド+デキサメタゾンにダラツムマブ追加 奏効率81.3% 第2相試験結果 Blood Online(2016.08.30)

多発性骨髄腫 ベルケイド+デキサメタゾンにダラツムマブ追加 奏効率82.9% 第3相試験結果 NEJM(2016.09.01)

近年続々登場する多発性骨髄腫の治療薬

多発性骨髄腫においては、以下のように2015年から6薬剤もの承認されており、悪性腫瘍の中では最も多く作用機序のバラエティに富む。開発においては、さらにはBCL-2阻害薬ベネトクラックス、Pimキナーゼ阻害薬LGH447、XPO1(Exportin1)阻害薬Selinexorなどの薬剤存在する。

2015年
3月26日 ポマリドミド(ポマリスト):免疫調整薬
7月3日 ファリーダック(パノビノスタット):HDAC阻害薬

2016年
8月4日 カルフィルゾミブカイプロリス):プロテアソーム阻害薬
9月28日 エロツズマブエムプリシティ):SLAMF7標的(CS-1抗体)

2017年
3月30日 イキサゾミブニンラーロ):経口プロテアソーム阻害薬
9月27日 ダラツムマブ(ダラザレックス):抗CD38抗体

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