放射線療法

放射線療法では根治をめざすほか、症状緩和、転移や再発の予防などを目的に単独あるいは化学療法との併用で、直線加速器(リニアック)から発生する高エネルギーX線を何度も繰り返し照射する治療が行われます。 

放射線は、分裂中の細胞のDNAを損傷し、分裂・増殖を阻止します。この性質を利用し、分裂スピードの速いがん細胞を破壊するのが放射線療法です。肺がんでは、放射線単独で全身状態から手術ができないⅠ期、Ⅱ期の非小細胞肺がんの根治をめざすほか、抗がん剤と組み合わせて治療効果を高める(化学放射線療法)、骨や脳への転移による症状を緩和する、小細胞肺がんでは脳への転移を防ぐなどの目的で実施されています。

直線加速器(リニアック)から発生する高エネルギーX線を体の外側から照射するのが一般的です。1回の治療時間は10~15分程度(初回除く)で、うち放射線が出ている時間は1~2分です。

照射期間中もがん細胞は増殖しているので、照射を開始したら休まず予定通り終了することが重要です。放射線が正常細胞を傷つけることを防ぐために、治療前にCT画像やPET画像を用いてシミュレーションし、最適な照射範囲や方法が決められます(治療計画)。照射は少しずつ何度も繰り返す方法が取られ、たとえば、非小細胞肺がんの標準的な治療では、60Gyを2Gyずつ1日1回・週5日の頻度で6週間かけて照射します。さらに、がん病巣に高線量を集中的に照射する(定位放射線治療)工夫が行われ、成績も向上しています。

副作用として治療中から皮膚炎、食道炎などが現れることがあるほか、治療後6か月までは放射線肺炎が起こることがあります。症状が強ければ、治療を含めた対応が検討されます。まれに治療から6か月以上経った後に重い副作用が生じるため、指示どおりに受診し、何かあれば担当医に連絡することが大切です。

本コンテンツは認定NPO法人キャンサーネットジャパンが出版する「もっと知ってほしい 肺がんのこと」より抜粋・転記しております。


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